火星表面探査のためのポリイミドフォーム断熱材に関する研究

B2 火星表面探査のためのポリイミドフォーム断熱材に関する研究
Polyimide Foam Insulation for Mars Surface Exploration
研究の目的
Objectives
方法と範囲
Method and
Ranges
最近の発表
Recent
Publications
内惑星・深宇宙探査ミッションや月探査ミッションなどの過酷な熱
環境に晒される宇宙機(Spacecraft)には,耐熱・断熱性能の高い断熱
材が求められている.本研究は高耐熱性,耐放射線性を有し,か
つ軽量なポリイミドフォーム(Polyimide Foam : PF)に着目し,
その断熱性能評価を行うことで,次世代の宇宙用断熱材として
実用化を目指している.これまでに,PF 単体の真空中での熱
伝導率(Thermal Conductivity)を測定,格子ボルツマン法(Lattice
Boltzmann Method : LBM)を用いた熱伝導率の推算を行ってき
た.さらに,新宇宙用断熱材(Polyimide Foam-MLI : PF-MLI)の
製作し,実効放射率(Effective Emissivity)の測定を行い,従来の
宇宙用断熱材に比べて優れた性能を有することを示す事が本
研究の目的である.
本研究では,PF の熱伝導率を求めるためには保護熱板法を用いてい
る.試料を熱流束計測用の主熱板・保護熱板と均温板の間に設置し,
熱流束を与える.測定は液体窒素(77K)に冷却された真空チャンバ内
で行われ,試料間温度差と熱流束を測定し熱伝導率を算出する.熱
伝導率の推算にはボルツマン方程式を用いた格子ボルツマン法
(LBM)を用いて真空や大気存在環境での PF の熱伝導率を推算する.
 R.Takagi, S.Tachikawa, T.Ohmura, Y.Nagasaka, Measurement
and Estimation of High-Vacuum Effective Thermal Conductivity
of Polyimide Foam in the Temperature Range from 160K to 370K
for Outer Space Applications, International Journal of
Thermophysics, pp1-13, (2014).
 本荘ほか,第 36 回日本熱物性シンポジウム(2015)(To be
presented).
Polyimide Foam
(本荘,太刀川[宇宙研, 宇宙航空研究開発機構],長坂)
(Honjo, Tachikawa [ISAS,JAXA], Nagasaka)