デューデリジェンス(以下DD)の種類と範囲

弊社デューデリジェンスの対象範囲
デューデリジェンス(以下DD)の種類と範囲
DDの種類
対象範囲
実施目的
主な対応企業
財務DD
財務三表
• 財務の健全性、安全性、ならびに安定的な収益力を見極めること
• 財務リスクを明らかにすること
会計事務所
会計系ファーム
• 事業概要を整理し、事業構造、収益構造を明らかにすること
• 将来の収益ポテンシャルを見極めること
戦略系ファーム
会計系ファーム
ビジネスDD
P/L中心
− 市場性、競争優位性を明らかにし、売上ポテンシャルを推し量る
− 内部コスト構造を把握し、利益ポテンシャルを推し量る
• (M&Aの場合)統合シナジーや統合リスクを明らかにすること
(技術DD)
技術に
かかる部分
法務DD
各種法令・商習慣、
契約関連など
知財DD
知的財産権にか
かる部分
人事DD
システムDD
弊社のDD
スコープ
• 多くは実施されず、ビジネスDDの一部に内包されるに留まる
(知財の収益力
に関する部分)
• 法的リスクを明らかにすること
法律事務所
• 主として知財権の侵害による訴訟リスクの回避目的にとどまり、
法務DDに兼ねることが多い
• 知財活用という観点でのDDが実施されることは稀
法律事務所
特許事務所
人事
にかかる部分
• 無形資産として人材に注目される場合や、M&Aの売買先の給与
制度等に著しい相違がある場合に実施される
• 技術系企業においては、統合後の技術者残留可否が重要となる
場合があり、別途考慮が必要な場合も
人事系ファーム
ITシステム
にかかる部分
• ITコストは大きく、M&Aによる企業統合の際には、ITシステムの統
合にかかる費用などを見極めることがある
IT系ファーム
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技術系企業のビジネスDDにおける課題
基点となる技術の理解を誤れば、DDの主目的である事業性評価にブレが生じる
 技術の理解がなければ正しいマーケティングも実施できず、ビジネスDDの信頼性が損なわれる
 その結果、投資決定、事業立上げ後に、「思ったより売れない…」というリスクを内在させる

なお、売れないと、(たとえ要因がほかにあったとしても)「この技術、使えないね」となりがち
技術系企業のビジネスDDの難しさ
陥りがちな状況
技術力の見極め
が困難
• その専門性の高さから、技術者でなければ価値を理解しにくい
• 技術者であっても分野が違えば門外漢に
• 技術そのものを理解できる技術者や専門家であっても、投資家、経
営者やマーケッターに理解できる言語で技術を語れない
• 「聞けば、自社技術を愛している
ことは伝わってくる、でも具体的に
何がすごいのかは正直よく分から
ない」 -ある投資家の声-
マーケティングが
ブレる
• 技術が理解できなければ、どの市場やニーズにフィットするかを見
極めるのが困難であり、対象市場そのものを見誤るリスク
• 対象市場のマーケット面からの「市場性」は判断できても、技術・商
品面の「競争優位性」を見誤りがち
• 「技術は優れている(はず)、あと
はどう売るかだ」
-技術系企業において頻繁に聞か
れる声-
技術の理解が難しいがゆえに実現性・不確実性が高まり、投資判断を見誤るリスクが大きい
(事業化後に起こるリスク)
思ったより
売れない…
• 不明瞭な提供機能、ひいては訴求価値が、メーカ、販売代理店、顧
客間でのコミュニケーション不全を引き起こす
(技術や商品の価値が伝わらない、伝わらないから売れない)
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• (当該企業)代理店が思うように
売ってくれない…なぜ?
• (代理店)商品ラインナップに加え
ているが、イマイチ売れない...な
ぜ?
→この技術、本当に優れている
の?
弊社ビジネスDDの特徴(対技術主導型企業)
ビジネスDDのプロセスに、技術評価を組み込む
 技術を基点にマーケティングを行い、事業を組み立てる

技術力、提供機能、展開用途の面から技術を明らかにすることが肝要
一般的なビジネスDDのプロセス
組み込むと有効なプロセス
事業概要の把握
• 基礎的事項の整理
-会社概要
-事業構成
-主要顧客
-商品
-ほか
技術評価
健在・潜在市場のレ
ビュー
• 技術評価
(独自性/優位性/汎用性)
• 技術が提供できる
機能分析
• 展開用途見極め
• 対象市場特定
• 市場性検討
• 技術評価を基にした対象
市場ごとの競争優位性分
析
技術評価を組み込むこ
とで、視点が変わる
技術力、提供機能、展開
用途の面から技術を明
らかにする
事業構造・収益構造の
把握
• サプライチェーン
• バリューチェーン
• 収益構造とボラティリティ
収益ポテンシャルの試
算
• 売上・利益のシミュレー
ション
-Base lining
-Upside シナリオ
-Downside シナリオ
(M&Aの場合) 統合シ
ナジー、リスクの整理
得られる効果
 技術の競争優位性が明らかに
 潜在的な用途が明らかに
 対象市場が増え、事業化オプショ
ンが広がる
 商品化・事業化に必要な周辺技
術や機能が分かる
 アライアンスパートナーなどに
「あたり」がつく
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 用途や対象市場が、社長や技術者へのヒアリング
ベースで明らかとなる「見えている用途・市場」に限
定されがち
 必要な周辺機能が分からなければ、商品(=提供す
る機能の集合体)に不足が出て、売れないリスク
 その機能群を充足し得るアライアンスパートナーが
見えず、「まだ見ぬビジネスパートナー」とのビジネ
スマッチング頼みで機能設計が後手に回りがち