平成27年度町政執行方針・教育行政執行方針

平成27年度
町政執行方針
教育行政執行方針
平成27年3月
池田町
平成27年度 町政執行方針
◇ は じ め に
平成27年第1回池田町議会定例会議の開会にあたり、平成27年度の町政執行について、基本的な考え
方を申し上げます。
現下の日本の財政状況は、人口高齢化等の要因によって歳出の増加が続く中、リーマンショック後の経済
危機への対応、東日本大震災への対応等が重なって、近年著しく悪化が進み、債務残高は国内総生産の倍程
度までに累増するなど、極めて厳しい状況にあります。
少子高齢化が進展する中にあっても、安心して暮らしていけるよう、持続可能な財政と社会保障を構築し
ていくことが必要不可欠であるとの認識のもと、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再
生の一段の進展に寄与するという好循環を目指し、経済財政運営と改革の政策が実施されています。
そうした中、都市圏では経済の好循環が動きはじめたとの判断がされてはいるものの、反面、地方の経済
構造の問題、人口急減・超高齢化の進行が、浮き彫りにされてきている現状があります。
国の予算編成においては、基礎的財政収支を改善する必要があることから、聖域を設けず歳出を見直し、
無駄を最大限縮減し、民需主導の持続的成長と財政健全化の好循環を進める施策の重点化を図るとされてい
ます。しかし、課題となっている、地方への波及効果などへの不透明感は否めません。
地方財政への対応につきましても、地方の一般財源の総額を、26年度と同水準で確保するとされてはい
ますが、経済危機対応モードから平時モードへの切り替えを進めるとして、歳出特別枠や地方交付税の別枠
加算を見直すなど、厳しい状況にありますので、これまで同様、有効な財源活用を進めていく必要がありま
す。
今年度は、第4次総合計画の第5年次となります。実施計画を基に、必要な施策に取り組むとともに、総
合計画の後期に向け、基本計画の見直しを実施し、
「いきいきはつらつ 心うるおう 住みよい町 いけだ」
の実現に向け、町民の皆様との協働により、計画的なまちづくりを進めていきます。
◇ 予 算 概 要
27年度の予算につきまして、これまでと同様に、的確な財源確保と有効な活用を念頭に、第4次総合計
画などに基づき、有効かつ効率的な財政運営を考慮しながら編成しました。
予算の概要につきまして、一般会計では、歳入において、町税は、課税標準や徴収率を、より実績に近い
数値で見込むこととしたことにより、個人町民税では、農業所得の増も見込まれ、6.3%の増、固定資産
税では、評価替えによる減があるものの、1.5%の増、全体で1.9%の増を見込んでいます。
普通交付税は、27年度地方財政計画などを参考に、26年度交付決定額の1%減を基に、公債費算入額
の増分等を考慮し、0.3%の微増と試算しています。
歳出においては、町道整備、住宅整備、教育施設整備などの投資的事業を予定しています。経常的経費で
は、引き続き、効率化を図りながら、町単独の各種支援事業の継続、充実を図り、住みよいまちづくりのた
めの費用などを盛り込み、総額68億5千76万9千円としました。
4特別会計と3公営企業会計を含めた全会計の予算総額は、122億2千750万円で、対前年度比は1
0.5%の増としています。
この他、国の第1次補正予算において、地域消費喚起及び地方創生の先行支援として制定された「地域活
性化・地域住民生活等緊急支援交付金」を活用し、約7千900万円の事業を26年度予算に追加計上し、
27年度に繰り越して実施する予定としています。
それでは、第4次総合計画の施策の大綱に基づき、平成27年度の町政執行方針を申し上げます。
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◇基本目標1「いきいきはつらつ安心のまちづくり」
最初に「いきいきはつらつ安心のまちづくり」を実現するための「保健・医療の充実」
「福祉の充実」
「子
育て支援の充実」についてです。
政策1「保健・医療の充実」
まず、
「健康づくりへの支援」につきましては、町民一人ひとりが健康意識を持ち、主体的に健康づくり
に取り組める支援を進め、乳幼児から高齢者までの各年代に合わせて、各種検診や訪問活動を行います。
幼児期のフッ化物洗口につきましては、虫歯予防に効果的でありますので、実施機関の拡大に努めます。
また、任意接種として本町が中学生以下を対象として助成していますインフルエンザワクチン予防接種を高
校生と妊娠中の方に対象を拡大して助成を行います。
次に「地域医療体制の充実」についてです。
病院事業につきましては、指定管理者による運営が4年目となり、運営の移行以来、利用者の利便性向上
に努められ、
安定的な運営と地域に密着した信頼できる基幹病院としての役割を果たしていただいています。
今後更に、診療体制等の充実や病院スタッフの意欲向上を図るため、研修医等の受入を増やしていく予定で
あり、そのための医師住宅の建設を予定しています。
病院事業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にありますが、町内医療機関との連携、保健・福祉と
の連携の核となりうる病院づくりを目指し、より一層の地域医療体制の確保・充実に努めます。
政策2「福祉の充実」
次に「地域福祉の推進」についてです。
だれもが地域で自立した生活を送るためには、お互いを尊重しながら、全ての人が地域福祉の担い手とし
て活動することが求められています。
高齢化が進み年々増加傾向にある認知症の方や、知的障がい、精神障がいなどにより判断能力が十分でな
い方々が安心して地域で暮らせるよう支援していくための権利擁護事業として、成年後見実施機関の設置を
行います。
また、災害や緊急時には、隣人同士の助け合いが初期活動として重要であることから、公区や自治組織・
地域団体と協力し、要援護者の避難援護についての体制づくりを引き続き進めていきます。
次に「高齢者福祉の充実」についてです。
高齢者の方々が、住み慣れた地域で安心して、いきいきと生活ができるよう、サービス事業者と連携を図
りながら、健康状態、生活状態に合わせた支援を行っていきます。
高齢者の方が居宅で生活を続けられることを基本に、デイサービス車両の購入、及び訪問介護事業の車両
購入に対し助成を行うなど、多様なサービスの充実に努めていきます。
今年度は、第6期介護保険事業計画の初年度になります。計画期間中は新たな介護保険施設の整備は予定
していませんが、他職種相互の協働による包括的支援体制の整備、成年後見制度の活用による権利擁護の取
り組み、認知症対策の推進事業に取り組むなど、関係機関との連携により一層のサービス充実に努めていき
ます。
次に「障がい者福祉の充実」についてです。
障がいを持つ方々が自立して地域で生活できる共生社会実現のため、各機関の連携・協力により、支援体
制の構築や地域生活への移行促進、就労支援の強化を図ります。
事業者が町内で予定しているグループホーム整備に対する助成を行うなど、
サービス事業者の体制の整備、
円滑な運営が確保されるよう支援をしていきます。
次に「社会保障の推進」についてです。
国民健康保険事業については、高齢化の進展や高度医療の利用により一人当たりの医療費が増加し、厳し
い財政運営を強いられています。生活習慣病を予防するための特定健診の受診率向上を図り、町民の健康を
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維持することにより社会保障費の抑制に努めるものでありますが、支出が増加する医療費等に鑑み、国保会
計の健全性を維持するため、さらに負担の在り方について検討を進めます。
介護保険事業につきましては、介護保険法の改正により、介護予防事業の一部が順次地域支援事業である
介護予防・日常生活支援総合事業に移行していくことになります。
第1号被保険者の方の保険料改定も行いますが、将来に備えて第6期では介護保険給付費準備基金の取り
崩しを原則行わないこととしています。
政策3「子育て支援の充実」
次に「安心して子どもを生み育てやすい地域づくり」についてです。
妊娠・出産・子育てへの不安を軽減し、安心して子どもを生み育てられる地域子育て環境づくりを目指し
ます。
今年度より、新生児の出産に対し出産祝い金を支給し、次代を担う子の出産を奨励します。また、満1歳
及び2歳の誕生日を迎えた児童に対し育児支援金を支給し、健やかな発育を応援します。
次に「仕事と子育てが両立できる環境整備」についてです。
子育てに関する経済的支援としまして、保育料の軽減を図ると共に、保護者の保育ニーズにあった保育事
業が進められるよう、一時保育や障がい児保育、広域保育を実施します。また、認可外保育所であります、
北部地域保育所への助成を継続して行います。
学童保育所につきましても、対象児童を小学6年生までに拡大すると共に、保育料の軽減を図り利用しや
すい体制作りに努めます。
次に「障がいのある子どもに対する支援」についてです。
発達支援センターを中心に、保健・福祉・教育に関連する係の連携を強化し、早期療育・相談支援の充実
を図ります。また、幼児期から大人になるまで一貫した支援が受けられるように、町内の保育所・幼稚園・
学校や、町外の福祉・医療などの専門機関とも連携を図り、幼児期・学齢期・青年期と継続した支援を行っ
ていきます。
◇基本目標2「地域資源を生かした個性的で活力あるまちづくり」
次に「地域資源を生かした個性的で活力あるまちづくり」を実現するための「農・林業の振興」
「商工業
の振興」
「ブドウ事業の振興」
「観光の振興」についてです。
政策1「農・林業の振興」
まず、
「農業経営の体質強化」については、担い手への農地の集積により足腰の強い安定した経営を推進
するとともに、新規就農者への支援を行い、農業の持続的な発展を図るための施策を実施します。また、縁
結び事業に加えて、新たな交流会事業への参加などにより農業後継者の配偶者対策に取り組みます。
酪農・肉牛の振興については、飼養頭数の増頭により規模拡大を目指す酪農・和牛繁殖経営に対し引き続
き支援を行ないます。また、畜産農家の経費削減と飼料自給率の向上を図るため、町営牧場の更なる有効利
用や飼料基盤の整備が求められます。
有害鳥獣による農林業被害対策については、農業者の自衛のための取り組みを推進します。また、駆除や
狩猟により捕獲したエゾシカを資源として有効利用するための解体施設の建設に着手します。今後も猟友
会・農協・農業者との連携を強め、効率的な有害鳥獣駆除体制を継続していきます。
次に「農村資源の保全・向上」についてです。
道営土地改良事業では、既に着工している高島農協管内の「池田北部東地区」及び「北部西地区」
、今年
度より着工となる池田町農協管内の「清舞地区」の早期完了を要望していきます。また、大森地区「国営利
別川左岸地区直轄明渠排水事業」と川合地区「国営土地改良事業」についても早期完了を要望していきます。
日本型直接支払制度と改正される農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るための「多面的機能
支払交付金事業」及び「環境保全型農業直接支援事業」に取り組みます。
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農村環境対策については、農業廃棄物の適正処理を推進するため、農協事業への助成措置を継続して行な
います。また、家畜排泄物の適正な管理と利用を促進するため、耕畜連携の推進を図ります。
次に「農村地域の活動」についてです。
農村地域においては、農協青年部による食育活動や各種イベントへの参加など、農業が持つ役割の重要性
を伝える活動が行われています。また、近年活動が定着している修学旅行での農業体験学習に対し、受け入
れ農家の理解を一層深め、他地域と協力しながら取り組みを進めます。
地域の活性化につながるこれらの活動に対して積極的に支援を行い、農村地域の活動の充実と活性化を図
っていきます。
次に「林業振興の推進」についてです。
一般民有林の森林施業の推進を図るため、植林を支援する「未来につなぐ森づくり推進事業」に取り組み
ます。また、適切な森林施業を推進するために、
「とかち森林認証」の取り組みに参画し、持続可能な資源管
理を図っていきます。
「炭やき伝承事業」は、引き続き炭やき体験など、観光・教育面の利用を中心に炭窯の維持管理を行ない
ながら事業を進めていきます。
林道事業では、道営森林基幹道「池田東部線」開設工事が、引き続き実施されます。また、既設林道の草
刈りなど維持管理に努めます。
町有林事業では、造林、下草刈、保育間伐や枝打ちを実施します。また、分収林事業では、今後契約が満
了する農家林について、伐採・造林計画について森林組合と協議しながら取り組んでいきます。
政策2「商工業の振興」
次に「商業振興の充実」についてです。
購買人口の減少や消費税率の引き上げなどにより、町内の商店街にとっては依然として厳しい状況が続い
ています。町内の消費喚起のためのプレミアム商品券、振興券発行の支援を行うほか、池田町ふるさと寄付
金感謝特典事業により地元特産品の消費拡大を図ります。
中小企業に対する運転資金や設備資金の融資における利子補給については、資金を借りやすいよう条件を
変更して引き続き実施するとともに、商工業者の連携による地域資源の活用、新製品の開発など、地域産業
の活性化に向けた新たな取り組みへの支援を行います。また、若者交流事業として出会いの場を提供し、商
工後継者の配偶者対策を支援します。
次に「工業振興の推進」についてです。
企業誘致については、十勝全市町村で構成する「十勝地域産業活性化協議会」の取り組みにより、都市部
への情報発信を行ない、地域の強み・特性をPRしていきます。
次に「労働環境の整備促進」についてです。
雇用をめぐる情勢は、依然として厳しい現状にあり、雇用の場の確保と拡大は地域経済の活性化に欠かせ
ない重要な課題です。
「ふるさと東十勝通年雇用促進協議会」の活動などと連携した取り組みを引き続き行います。
政策3「ブドウ事業の振興」
ブドウ・ブドウ酒事業につきましては、地域の風土に適したブドウ作りとワイン醸造の魅力を積極的に発
信し、地域社会とお客様から信頼される十勝ワインブランドの確立を目指していきます。
最初に「ワイン製造の充実」についてです。
ブドウ栽培においては、池田町の主力3品種「清見」
「清舞」
「山幸」の安定生産と有望な耐寒性交配品種
の苗木生産を進めます。また、町内外のブドウ生産と栽培指導のために技術専門員を配置し、原料の安定確
保を図ります。
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ワイン製造では、品質と作業性の向上を図るため、引き続き仕込み作業設備・環境の改善を進めるほか、
安全安心の品質管理における分析システムの確立と市場に呼応した新商品開発を進めます。
次に「ワイン販売の促進」についてです。
国内におけるワイン市場は好調が続いており、その大きな要因は、低価格化の進行による消費拡大と家庭
や飲食店での日常的な飲用にあります。十勝ワインにおいても、効果的な広告と情報発信のためにホームペ
ージをリニューアルし販売促進につなげていきます。
また、取引卸店、得意先との積極的な連携と関係強化を進める中で商品を企画し、更なる販売増を目指し
ます。
次に「地域との連携」についてです。
国内外からの観光客増加を見込み、ワイン城入店者との連携を強化し、来場者サービスの改善に努めます。
また、地域資源を生かして管内産業との連携を図ります。
政策4「観光の振興」
次に「地域資源を活用した観光振興」についてです。
札幌圏とつながった道東道の更なる延伸や、とかち帯広空港のダブルトラッキング効果を活用し、道内や
道外からの観光客誘致のため、
「オール十勝」の活動に引き続き取り組みます。
また、広域連携で開催するイベントやメディアを活用した情報発信に取り組み、町内への誘客を図り、商
工観光推進員や池田町観光協会との連携のもと、
地域資源を活かした魅力ある滞留型観光開発を推進します。
「秋のワイン祭り」については、引き続き農業者との連携を図りながら、町内農産物を提供するなど充実
を図ります。また、昨年度よりワイン城に事務所を移転した池田町観光協会の組織確立に向け引き続き支援
します。
◇基本目標3「環境にやさしく安全で快適なまちづくり」
次に「環境にやさしく安全で快適なまちづくり」を実現するための「安全安心な生活の確保」
「基盤整備
の推進」
「生活環境の向上」
「自然環境の保護」についてです。
政策1「安全安心な生活の確保」
まず、
「消防・救急体制の充実」については、防火コンクール、高齢者住宅防火診断などを継続して実施
するとともに、各種施設への指導啓発強化、住宅用火災警報器の一層の設置向上に努め、痛ましい火災災害
が二度と発生しないよう全力を挙げます。
そのためにも、減少傾向にある消防団員の加入促進に努力します。
救命率の向上に向けた救命講習の受講促進と、救急事案に適切に対処できる隊員の研修・訓練を強化し、
救命の連鎖と救急業務の高度化を図ります。
経年劣化の著しい指揮車の更新のほか、施設の適正管理と装備の充実を図り、ハード面での消防体制に万
全を期します。
十勝圏における消防救急無線デジタル化及び高機能指令センター整備が完了することと合わせ、28年4
月からの消防広域化に向け最終段階を迎えます。スムーズな運用開始が図られるよう鋭意関係機関との協議
を行います。
次に「防災体制の充実」についてです。
北海道や消防署などの関係機関との連携や広域的な応援・受援体制の整備など、大規模災害の発生に備え
た防災体制の強化に努めます。
平成18年4月に施行された耐震改修促進法を受けて、20年に策定した池田町耐震改修促進計画に基づ
き避難所に指定している学校施設等の耐震改修を実施してきました。27年度は災害対策の拠点施設である
役場庁舎の耐震改修を進めます。
5月から12月までの予定で搭屋の解体や外壁の補強工事を予定しており、
役場利用者の皆さまにはご不便をお掛けすることとなりますが、ご理解をお願いします。
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また、地域防災計画で炊き出し施設と位置付けられている学校給食センターには、改築に伴い非常用電源
設備や炊き出し器具を設置することとしています。
防災用品の備蓄に関しては、27年度も非常食や暖房器具の計画的購入を進めます。
国の河川では、十勝川整備計画により河川断面を広げる掘削工事が、十勝川と利別川において継続的に進
められています。また、この工事により発生した掘削残土は、農地への客土として今後も利用させてもらう
予定です。
道の河川では、近牛北九線川、居辺川などで改修や掘削工事が予定されています。
町の河川では、氾濫や農地への冠水防止のため、緊急性を考慮して埋塞土砂の除去を実施します。
次に「防犯・交通安全対策の推進」についてです。
地域の安全安心を確保するために、池田警察署、池田町生活安全推進協議会と連携し、情報を共有しなが
ら防犯意識の高揚を図り、犯罪を未然に防止する体制づくりを推進します。
また、池田町交通安全協会と連携して各種交通安全運動を実施し、交通安全意識の普及を推進するととも
に、交通安全推進員による登下校時の街頭指導で子どもたちの安全を守り、交通事故の防止を図ります。
近年、本町においても不法投棄事案が発生しており、町内での事案発生を未然に防ぐ取り組みを進めます。
次に「消費者対策の推進」についてです。
消費者生活相談については、引き続き池田町消費者協会の活動と連携を図りながら実施していきます。ま
た、消費者被害防止の啓発活動など管内市町村との情報交換を行いながら消費者対策を推進していきます。
政策2「基盤整備の推進」
次に「土地利用の推進」についてです。
人口減少や高齢化の進行により市街地の空洞化が進み、空き地や空き家が増加していることから、これら
を活用した住環境の整備を進めるため、老朽住宅解体奨励や、空き地・空き家情報の提供を進めます。
総合的な土地対策の基礎となる地籍調査事業は、調査開始以来25年が経過し、調査3年目となる東台の
一部その2地区については、地籍図、地籍簿を作成し所有者の閲覧を経て認証請求を行います。
また、新規となる東台の一部その3地区8.81㎢について、基準点を設置し素図及び筆界案の作成を行
います。
次に「良質な住宅・宅地の整備」についてです。
池田町住生活基本計画に掲げた「安心住み替えプロジェクト」を推進するため、引き続き住情報を一元的
に把握し相談や情報提供を行う「住情報ステーション」の充実を図ります。
併せて、
「住宅リフォーム促進奨励金」を継続実施し、
「民間賃貸住宅建設促進補助金」での民間活力によ
る賃貸住宅の確保・更新を進めます。
また、
「老朽住宅解体促進奨励金事業」の交付条件等の見直しにより、土地利用の促進と生活環境保全を
進めます。
公営住宅整備については、
「池田町公営住宅等長寿命化計画」に基づき、定住促進住宅の建設と新規にま
ちなか住宅の建設に着手するとともに、既存住宅の改修では10丁目団地の屋根外壁及び水回り設備の改修
工事を進めます。また、町が所有する未利用宅地の売り払いを引き続き進めます。
次に「道路整備の推進」についてです。
高速道路の関係では、北海道横断自動車道の未開通区間の整備促進を図るほか、未着手区間である足寄~
陸別間の着工に向け要望陳情活動を進めます。
道道では、継続事業である池田停車場高島線、下居辺高島停車場線の改築が進められます。
町道では、富士通と西2条通(2丁目区間)の歩道の改修、8丁目3号通(中学校前通)と高島4号通の改築
整備を継続して実施します。
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道路の維持については、公区要望に加えて新たに導入する道路管理システムを利用し、地域の情報収集に
努め、緊急性を考慮しながら実施し、安全で快適な道路環境の整備に努めます。
また、冬期間の交通確保のための除雪対策として、除雪トラックの更新と除雪ドーザーの増強を図ります。
橋梁関係では長寿命化修繕計画に基づき、パンケ1号橋と大曲橋の修繕を実施するほか4橋の修繕設計を
行います。
次に「情報通信基盤の整備と活用」についてです。
本年は、更新に向けた準備を進めていた本町のホームページをリニューアルします。コンテンツの更新作
業などの職員研修を実施し、最新情報の発信に努めます。また、新たに災害専用のバナーを設け、災害時の
緊急情報もホームページを通じて的確に提供します。
次に「生活交通の維持」についてです。
ふるさと銀河線の代替交通機関である路線バスの運行については、平均乗車密度の減少から沿線自治体の
負担が増加していますが、引き続き沿線自治体などと連携し、利便性の確保に努めます。また、本町独自の
代替バス利用にかかる通学定期助成も継続します。
昨年10月より交通弱者の移動手段を確保し、コミュニティ活動への参加を促す目的で、市街地を循環す
るコミュニティバスが町内事業者により本運行が開始されました。国と町が運行経費を補填し、安定した利
便性の高い公共交通サービスの提供に取り組みます。
スクールバスは、児童生徒の通学手段としてだけでなく、地域住民の足として引き続き混乗便で運行しま
す。
政策3「生活環境の向上」
次に「生活環境の整備」についてです。
公園・緑地については、緑豊かで潤いのあるまちづくりに努めるとともに、憩いやレクリエーション、ス
ポーツの場として多くの人に親しまれるよう施設の維持管理を行うとともに、街路樹や緑地帯のみどりの維
持管理に努めます。
都市公園においては、公園施設長寿命化計画に基づき、国の補助を受けて中央公園の遊具更新を昨年度に
引き続き実施します。
花とみどりの推進については、
「池田町花と緑推進協議会」と連携し、緑の募金を活用した町内各団体へ
の花苗の助成を推進し、花いっぱいの景観づくりを進めます。
次に「上下水道の維持」についてです。
水道事業については、各施設の適切な維持管理を行うとともに、災害に強い施設づくりを推進し、今後も
安心・安全な水の供給に努めます。
本年度は、老朽水道管更新事業を中心に実施予定であり、市街地内での石綿セメント管の更新を実施しま
す。
公共下水道事業については、供用開始以来30年が経過し、現在の水洗化率は92%となっていますが、
今後も未水洗化家屋に対する啓発により普及率向上に努めます。
建設事業では、国からの交付金を受け処理場施設機器更新事業を実施し、水処理の機能維持を確保します。
また、公共下水道区域外については、合併処理浄化槽設置に対する補助金及び資金貸付制度の継続により
「全町みな下水道」を目標に、公衆衛生・生活環境の改善及び公共用水域の水質保全を図ります。
次に「環境衛生の充実」についてです。
犬などペットの飼育管理については、飼い主のマナー向上のため広報紙などによる啓発活動を引き続き進
め、狂犬病予防対策として未注射犬の解消に努めます。
し尿及び合併処理浄化槽の汚泥処理につきましては、管内19市町村で構成する十勝環境複合事務組合の
構成市町村として効率的な運営を図っているところです。
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現在の中島処理場が老朽化しており、十勝川浄化センター構内への移転が決定し、下水道事業の一環とし
て本年度実施詳細設計、搬入路用地補償、一部本工事を行い、平成30年度供用開始に向け事業が進められ
ます。
墓地整備に関しては、引き続き使用権者の確認作業を進めます。併せて、墓地、葬斎場周辺の環境整備も
継続して実施し、使用者の利便性の向上に努めます。
政策4「自然環境の保護」
次に「資源循環型社会の形成」についてです。
ごみ有料化実施以降、ごみの減量化、資源化は着実に進んでいます。25年から始めた使用済小型家電の
回収は、住民の皆さんからの搬入も多く、引き続き取り組みに努めます。
生ゴミ処理につきましては、各種補助制度を継続し、減量化、資源化に向けた取り組みを進めます。
資源集団回収につきましては、町民の皆様のご理解とご協力のもと、活発に取り組んでいただいており、
今後もより一層のリサイクル率の向上に努めます。
十勝環境複合事務組合が所管する最終処分場「うめーるセンター美加登」は、供用開始から4年が経過し、
埋立は、計画に対して77%程度で推移し、順調に稼働しています。水処理の際に発生する固化物はこれま
でに146㌧となり、八戸市の製錬所にて処理を行っています。今年度は110㌧程度の処理を予定してお
り、これからも組合と連携して適切な環境対策に努めます。
次に「環境保全の充実」についてです。
地球規模で進行する温暖化に対処し、再生可能エネルギーの利活用を推進するため、町民が整備する太陽
光発電システムに対する助成を引き続き実施します。
公害の防止対策については、関係機関との連携を取りながら発生の未然防止を図ります。
◇基本目標4「未来を拓くたくましい人と豊かな文化を育むまちづくり」
次に「未来を拓くたくましい人と豊かな文化を育むまちづくり」のうち「高等学校支援の推進」
「国際・
地域間交流の推進」についてです。
政策1「未来に向けた人づくり」
まず、
「高等学校支援の推進」につきましては、2間口募集となった池田高校の生徒確保を図るため、関
係者との協力により、地域連携と特色ある総合学科の周知を進めるとともに、進学・就職などの出口対策や
学力向上に対する支援に加え、就学奨励事業を進めます。
また、魅力ある高校づくりを進めるためのさらなる支援策の検討を進めます。
政策2「地域文化・スポーツ・交流の推進」
次に「国際・地域間交流の推進」についてです。
国際交流については、カナダペンティクトン市との国際姉妹都市締結から38年を迎えますが、相互交流
が中断している状況です。協議中の中学生派遣事業と併せて、国際姉妹都市締結40年での交流事業等につ
いて、池田町ペンティクトン会などの協力を得ながら、検討を進めます。
地域間交流については、新たに、読谷村への小学生派遣事業に取り組みます。
◇基本目標5「ともに考えともに行動する自立したまちづくり」
次に「ともに考えともに行動する自立したまちづくり」を実現するための「パートナーシップの強化」
「安
定した自治体運営の推進」についてです。
政策1「パートナーシップの強化」
まず、
「情報公開と広報広聴の推進」につきまして、町では、平成12年4月に情報公開条例を制定し、
広報紙や町のホームページなどによる情報公開に努めてきました。
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今後も光ファイバーによる高速インターネットを活用した情報の発信、町のホームページなどの一層の充
実を図り情報共有に努めます。
広報「池田」では、企画編集体制の充実を図り、当初予算など重要な施策の特集を組むなど、分かりやす
い情報提供を進めます。また、
「声の広場」のはがきや、
「ふれあいトーク」
「出前講座」など、町民の皆様の
意見・要望を集め、まちづくりに反映するための広報広聴活動を進めます。
次に「住民参加の促進」についてです。
これからは、今まで以上に、地域で暮らす住民が自らの地域の将来を考え、主体的に地域づくりに取り組
んでいかなければなりません。
協働のまちづくりを進めるために必要な、情報の共有や多様な参加機会を提供できるよう、体制整備を図
ります。
次に「地域活動の充実・強化」についてです。
各公区・町内会においては、本来の自主的なコミュニティ活動に加え、防災活動など「共助」としての役
割がますます高まっています。自主防災組織も8団体設立され、毎年、避難訓練や防災学習を通じて地域の
絆を強めています。比較的大きな団体が結成していることもあり世帯数で見た組織率は45.5%になって
いますが、今後も組織率を高めていくことに努めます。
一方、人口減少や高齢化など地域活動を取り巻く環境にも課題を抱える中、本町としては自主的なコミュ
ニティ活動を促進するため、公区長制度の見直しに取り組み、現在、7団体が町内会などの自治組織に移行
しています。
現在は、公区長制度と自治組織が混在する形になっており、25年度のアンケート結果を受けて、26年
度に現状や今後の方向などを聞き取る懇談会を実施しました。数年先に維持が難しくなる公区もありました
が、当面は現状の地域単位で公区を維持していくことで、変化を望んでいない公区が大半であることが分か
りました。引き続き、公区のあり方を検討していきます。
西部コミセン、北部コミセン、各地区コミセンについては、地域活動やサークル活動など自主的なコミュ
ニティ活動を推進するため、施設の適正な維持管理に努めます。
なお、北部コミセンについては、建築から30年が経過したことから、建物の屋上・外壁防水工事施行の
ための調査設計を行います。
次に「移住対策の促進」についてです。
豊かな生活環境を求め、都会から地方への移住ニーズが高まっています。
地域活動の維持・活性化や商工振興を図る上でも移住者を呼び込むことへの期待が高まる中、
「ワインの
まち」池田町移住促進協議会と連携を取り、首都圏への情報発信を行いながら誘致活動に引き続き取り組み
ます。
政策2「安定した自治体運営の推進」
次に「効率的、効果的な行政運営」についてです。
第5年次を迎えた、
「第4次総合計画」に基づく計画的な施策の推進と、後期に向けた基本計画の見直し
作業、26年度に策定した「第5次行財政改革大綱」に基づく行財政改革を進め、行政サービスの効率化を
図ります。また、行政評価への住民参加による行政の透明化を図るため、23年度より実施している行財政
改善推進委員会による外部評価を継続して実施します。
さらに、
「まち・ひと・しごと創生法」に基づく、
「地方版総合戦略」の策定にあたっては、議会をはじめ
とした、町民の皆様の意見反映を図ります。
次に「健全な財政運営」についてです。
昨年度より、滞納債権管理の一本化を図ってきましたが、引き続き、その滞納、未収に至っている実態の
分析や、徴収方法の研究を行い、関係法令や池田町債権管理条例、並びに池田町債権管理マニュアルに基づ
く適正な債権の管理、保全及び回収を行うことで、収納率の向上に努め、財政の健全化を図ります。
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各種事業の推進にあたっては、第5次行財政改革大綱に基づき、義務的経費の抑制、補助金などの適正化
を図るとともに、中長期的財政推計を行いながら、計画的な建設事業などの実施を行い、的確な財源確保、
事業評価による有効な財源活用を図り、健全な財政運営に努めます。
次に「広域行政の推進」についてです。
消防の広域化につきましては、28年4月からの広域化スタートを向け、27年5月の「とかち広域消防
事務組合」設立について、管内19市町村長の協議が整い、作業が進められています。
併せて、
「消防救急無線デジタル化事業」
「高機能指令センター整備事業」が共同整備として進められていま
す。
その他、十勝市町村税滞納整理機構や職員研修の取り組みを継続し、新たな広域的な取り組みの可能性に
ついて検討を進めます。
十勝定住自立圏につきましては、23年7月に帯広市と管内18町村との間で締結された協定書の共生ビ
ジョンに沿って具体的な取り組みが進められています。併せて、28年からの次期共生ビジョン策定に向け
た作業も進められています。
以上、第4次総合計画の施策に沿って、平成27年度町政執行の考え方を述べさせていただきました。
最後になりますが、昨年来、少子高齢化・人口減少問題が、国段階でクローズアップされてきていますが、
池田町においては、すでに、第4次総合計画策定時に、基本的なスタンスとしてこの問題をとらえ、計画を
策定し、実施してきました。
これまでと同様に、
「わかちあう情報 いっしょに考え ともに行動」を基本姿勢として、町民の皆様と
協働で、まちづくりを進めながら、第4次総合計画の将来像であります、
「いきいきはつらつ 心うるおう
住みよい町 いけだ」の実現に向け取り組みを進めていきますので、町民の皆様、議員の皆様のより一層の
ご理解、ご協力を心からお願い申し上げ、町政の執行方針とさせていただきます。
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平成27年度 教育行政執行方針
◇ は じ め に
日本経済は、緩やかな回復基調が続いているとは言え、今だ中央の経済対策の波及効果の恩恵も少なく地
域活力の低下が懸念されるところです。特に本町においては少子・高齢化による活力の低下などの様々課題
が生じており、社会生活に多くの影響を及ぼしています。
◇教育行政に臨む基本姿勢
こうした状況の中、人々の個性や能力を伸ばし、地域の発展を支える基盤となる教育の重要性が改めて認
識されています。
人づくりである「教育」は本町の活力、発展の礎をなすものであります。池田町の未来を担う子どもたち
に確かな学力、豊かな心、健やかな体、いわゆる「知」
「徳」
「体」3様のバランスのとれた『生きる力』の
育成に向けて、引き続き様々な取り組みを進めてまいります。
◇教育委員会制度の改革
地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる「地教行法」の一部を改正する法律により、本年4
月より教育の政治的中立性、持続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、いじ
め問題など迅速な危機管理体制の構築、町長部局と教育委員会の連携の強化とともに、地方に対する国の関
与の見直し等を図る、制度の抜本的な改革が行われます。
具体的には現行の教育長と教育委員長を統合した新「教育長」の創設や、首長が主宰する「総合教育会議」
の設置が主な改正の柱となりますが、本町においては、経過措置により現教育長在任期間中は、現行『委員
長体制』のままで対応する事になります。
1 学校教育の充実について
【確かな学力の育成】
現行の「学習指導要領」では、基本的なねらいである「生きる力」の知の側面として「確かな学力」の育
成のための取り組みの充実が求められています。
「基礎学力の定着と確かな学力の育成」には「わかる楽しい
授業」づくりに向けての一層の指導工夫改善、指導力の向上が求められています。授業を通して、児童生徒
がわかる喜び、学ぶ楽しさを体感することが、
「生きる力」につながる「確かな学力」となると考えています。
『全国学力・学習状況調査』の結果等を分析して学習内容の定着に関し課題を明らかにし教育委員会、学
校、家庭等が連携しながら教育活動等の改善に取り組みたいと思います。
このために本町では、一人一人の児童・生徒に目が行き届きやすく、個別に対応したり、各自の能力実態
に応じた指導を行う「習熟度別少人数指導」
「放課後等における補充学習」
、複数の教員が役割を分担し、協
力し合いながら指導計画を立て、指導する「ティーム・ティーチング」など3項目を柱として、確かな学力
の定着に向け推進していきたいと思います。また、高島小学校のような複式校については学年別指導を行い
ます。そのため、本年度も、4名の学習支援員、1名の町費の臨時教員等を配置し「習熟度別少人数指導」
「放課後等における補充学習」
「ティーム・ティーチング」等進めていきます。
特別支援教育については、児童生徒ひとりひとりの特性に応じた学習支援に努めるため、引き続き特別支
援教育支援員を配置します。また個別指導体制の充実や特別支援学級での学習や生活指導の支援の充実を図
ります。
幼稚園・保育所から小学校。小学校から中学校への進学等に伴うスムーズな接続・連携については、子ど
もたちの学びの連続性を図るため「個別教育支援計画・かちっと」の活用を行ってまいります。
【豊かな心と健やかな体の育成】
子どもたちが、生命を大切にする心や他人を思いやる心、善悪の判断などの規範意識等の道徳性を身に付
けることは、とても大切な事です。道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神で
あります。人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に
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生かしていくことが大切です。このため、
「私たちの道徳」を活用し、
「道徳の時間」はもとより、全教育活
動の中で道徳教育の充実を図ります。
「いじめ」や「教員による体罰」は、決して許されないことであり、
「どの子どもにも、どの学校でも起
こり得る」ものと強い共通認識のもと、小さな兆候であっても敏感に受け止め、未然防止、早期発見・早期
対応に取り組みます。
「不登校」についても一人一人の子どもに寄り添った支援が重要ですので、学校、保護
者や関係機関との連携を図りながら取り組みます。
また、各学校においては校長を先頭に全ての教職員が様々な機会を捉えて危機管理意識を共有することで
事故の未然防止に努めてまいります。
いじめの実態把握調査の継続や『心の居場所』となる学級づくりの資料となる、QUテスト(心理学の手
法を活用し子どもの心の動きを把握)を本年も引き続き実施します。また、生徒から直接相談を受ける「ふ
れあいサポーター」の継続、学校と保護者間の情報共有をいち早く行うため安心・安全連絡システムについ
ても継続して実施してまいります。
子どもの時期に、運動習慣や基本的な生活習慣を身につけることが、生涯の体力・運動能力を保つことに
つながると言われています。子どもの体力の状況を把握・分析することにより、施策の成果と課題を検証し、
その改善を図ることを目的に『全国体力・運動能力、運動習慣等調査』を実施しています。この調査結果を
もとに、子どもの体力の向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立する一助としてゆきたいと考えてい
ます。
また、小学5年生、中学校2年生の対象学年以外の児童生徒においても調査を実施することで児童生徒の
体力等の状況を経年的に把握しこれを家庭と共有し、学校における体力向上の全体計画に位置づけて充実を
図っていきます。
「フッ化物洗口」については、平成26年度から高島小学校で実施しております。平成27年度は、池田
小学校、利別小学校においても説明会を開催し保護者の理解を得ながら実施に向け取り組んでいきたいと考
えています。
次に学校給食についてです。一昨年度より改築検討を進めて参りました、学校給食センターの改築年度に
なります。学校給食衛生管理基準に基づく学校給食の安全・安心のため完全ドライ床方式、交差汚染のない
調理環境を備えた学校給食センターを建設します。事業年度は2ケ年となり、平成27年度は、学校給食セ
ンターの改築及び小学校の搬入口の改修を実施します。平成28年度は外構工事の実施を予定しています。
供用開始は平成28年4月を予定しています。なお、現学校給食センターについては役場の書庫として活用
していく予定です。
【池田小学校と利別小学校のあり方検討について】
本町でも近隣町村と同様に、児童・生徒の減少傾向が続いている状況です。平成27年度は、池田小学校
で18名、高島小学校で1名、そして利別小学校では12名の新入学児童を迎える予定です。義務教育の児
童生徒数は、依然減少傾向にあります。
こうした状況の中、平成24年度より、利別小学校のPTAを通じて保護者のみなさんから『学校のあり
方』についてのご意見を頂いております。本年度については、あり方に関する方向性を検討する年となりま
す。平成26年度においては就学前の児童の保護者の方々にアンケート調査を実施しましたので、その内容
も踏まえて、池田町義務教育に関わる「環境整備の指針」に基づき、
「子ども達の一定程度の集団が形成でき
る事が大切」と考え池田小学校と利別小学校のあり方について協議を進めてゆきたいと考えております。
【学校環境整備】
学校教育施設等の整備充実については、スクールバスとして千代田線、高小大森線のバスを更新し安全輸
送に努めて参ります。また、3小学校の学校給食配膳口について、改修工事を夏期休業期間に実施する予定
です。
2 生涯を通じてのいきがいづくり
【文化・芸術活動の推進】
つぎに生涯学習の推進についてです。初めに文化活動の推進です。町民の心を豊かにし、地域社会に活力
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を与える文化活動への参加を促進するとともに、町の文化財などの保護、活用、伝統文化の継承に努めて参
ります。
郷土資料館の整備については、昨年度と同様に移転後の収蔵品の分類・展示・保存を実施してまいります。
整備作業中ではありますが、
学校と連携し、
郷土理解学習の場として資料館の利用促進を図ってまいります。
芸術鑑賞事業については、中学生には「スロバキア国立オペラ」の鑑賞、小学生においては「演劇鑑賞」
を予定しております。また、本年度も教育の日には講演会を実施し、4年前にも実施した教育標語の募集を
行う予定です。
【青少年健全育成事業の推進】
わんぱく体験塾については開催回数を増やし充実を図ってまいります。
また、過去に児童生徒交流事業を行っていた沖縄県・読谷村へ平成27年度より子ども夢基金を活用し、
『児童人材育成事業』として、小学生を派遣する事としました。募集対象学年を5年生及び6年生として、
参加想定50名を見込んでおります。また、
「通学合宿」についても子ども達の「生きる力」を育む体験活動
の場として引き続き事業を実施いたします。
【健康づくりと生涯スポーツの振興】
「誰もが健やかにいきいきと暮らせるまちづくり」をめざし健康づくりと生涯スポーツの推進を行います。
今年度も、
「ソフトボール」
「ペタンク」
「カーリング」
「ミニバレー」の4つの地域対抗スポーツ大会を開
催いたします。
スポーツの活動拠点である総合体育館は、昨年度、防災機能向上及び施設の長寿命化の一環としてアリー
ナの照明及び暖房改修、床改修を実施いたしました。今年度は、平成26年度に実施した屋上防水及び壁防
水更新設計に基づき工事を実施します。体育館の外側には足場等を設置しますが、使用施設が閉鎖になる等
利用者に不便をかけず工事を実施する予定です。
日本で初めて本町が本格的なスポーツとして導入した『カーリング』は、地元の青少年、成年などの各年
代層への普及活動が大切であります。カーリングに触れスポーツとしての面白さを知ってもらうことを出発
点に、初心者教室の開催や、小中学校の体育授業で取組めるよう普及活動を図ってまいります。
また、本年度も、町営清見ヶ丘スケートリンクの造成については、民間事業者に業務委託を行い実施する
予定です。
【多様な学習機会の確保・充実】
図書館事業については、昨年、総合体育館の改修工事によりアリーナ利用者が減った影響から、利用者数
や貸し出し冊数は減少しましたが、多くの町民の方々が利用しやすい環境づくりに努めて参ります。また、
図書館ボランティア団体と指定管理者と連携協力し図書館事業を進めていきます。
また、文化活動の拠点である田園ホールについては、築26年となる田園ホールの長寿命化・防災機能の
維持として屋上・外壁防水工事の実施設計を予定しています。
社会教育関係のむすびとして、より充実した人生を送るために、生涯にわたって自ら学習し、社会の変化
に対応できるよう自分自身を高めていくことが大切です。このため、自発的な意思で、生涯にわたって行う
「生涯学習」の推進や、子どもから高齢者まで幅広い世代のニーズに応じた生涯学習の環境づくりに努めて
参ります。
【むすびに】
以上、申し上げましたとおり、家庭・学校・地域と協働して確かな教育行政を進めてまいります。
町民の皆様及び町議会議員のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。
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