【一般口頭発表】 15:40~15:50 【一般口頭発表】 (第 3 会場・国際会議室) その他 看護部門 15:50~16:00 (第 3 会場・国際会議室) その他 臨床検査部門 集団健診における BNP 測定値の評価 口腔状態の改善に向けて ~練り梅とはちみつを使用した口腔ケア~ 《演者》 牧野記念病院 《演者》 韓 斐斐 1.研究目的 練り梅とはちみつを口腔ケアに用いることにより、舌 苔除去、開口促進、唾液分泌量の増加、口臭軽減に効 果があるかを明らかにする。 2.研究方法 対象:主治医の許可が得られた患者 23 名。 期間:平成 26 年 9 月中旬~10 月上旬 患者又は家族に練り梅・はちみつにアレルギーの有 無を確認し、2 つの組に分け平日 1 日1回を実施とし た。毎日施行前にアセスメントシートに記入した後、A 組 11 人に 1 週目に練り梅 2.5g、2 週目にはちみつ 3g を塗布し、B 組 12 人に練り梅 2.5g 塗布、5 分後はちみ つ 3g 塗布を 2 週間実施した。実施前及び 1 週間毎に 現在の口腔状態を写真に撮影し、唾液量はコーヒーフ ィルター、口臭は口臭チェッカーを用いて測定した。 3.研究結果 練り梅とはちみつを口腔ケアに用いることは舌苔除 去、唾液分泌量の増加に有効であった。練り梅とはち みつの併用使用より、練り梅の単独使用の方が唾液分 泌量の増加、舌苔軽減に効果が高い。練り梅の量は 2.5g から 1.7g に減らしても、口腔の湿潤は維持でき る。 4.考察 A 組の方が唾液分泌量の増加、舌苔除去に効果が あった。練り梅の塗布は唾液腺が刺激され、唾液分泌 量が高まり口腔乾燥状態の改善となり、舌苔の除去に 繋がった。はちみつにはタンパク質分解酵素が含まれ ていると言われており、舌苔の主要成分であるタンパク 質を分解し舌苔軽減に繋がったと考える。味覚は加齢 により塩味と甘味が低下しやすいと言われており、はち みつの塗布で終わった B 組の方が練り梅の酸味による 唾液分泌促進効果を阻害し、効果に差が生じたのでは ないかと考える。同様の理由により、B 組は口臭軽減に 至らなかった。高齢の患者ではちみつの甘味を感じに くくなっており、甘味を感じられても麻痺、拘縮のため開 口が促進されなかったと考える。3 週目に練り梅の量を 減らしたため唾液の分泌量は減少したが、口腔内の湿 潤は 2 週目と大きく変わっていなく湿潤は保持できたと 言える。 第 53 回TMG学会 朝霞台中央総合病院ドック健診センター 佐藤 遥香 【はじめに】 健診での心臓スクリーニング検査は心電図検査が主 流であるが、自覚症状のない隠れた心疾患を発見する ことは難しい。BNP は心不全の診断、治療効果、予後 指標のマーカーとして臨床上の有用性は認められてお り、健診項目に BNP を追加することで心疾患の早期発 見につながると考えられる。今回、ある事業所において BNP を測定する機会を得たので、BNP と年齢、心電 図判定・所見、自覚症状、血圧、生化学データとの関 連性について検討したので報告する。 【対象・方法】 期間:2013 年 6 月~12 月 人数:健診受診者 4009 名(男性 2732 名、女性 1277 名) 年齢:18 歳~76 歳(平均年齢 50.6 歳) 方法①:年齢、心電図所見と BNP 値を比較。BNP 判 定基準は正常(18.4pg/ml 以下)、軽度異常(18.5~ 39.9pg/ml)、異常(40.0pg/ml 以上)に分け、それぞれ A・C・D とランク付けし判定。 方法②:心電図の異常の有無と BNP ランクによりⅠ群 ~Ⅳ群に分け、心電図・BNP 正常群のⅠ群と心電図 正常・BNP 異常群のⅡ群に注目し、それぞれの群と自 覚症状、血圧、生化学データを比較。 【結果】 加齢により BNP ランクも悪くなり、BNP の A と D ラ ンクの平均年齢は 16.4 歳の差があった。また BNP ラン クが悪くなるにつれ心電図有所見の割合が増加した。 BNP が D ランクにおいては心房細動、心肥大、ST-T 異常、Q 波の割合が約 4 割を占めていた。 Ⅰ群とⅡ群の血圧、自覚症状、生化学データの比較 では、血圧異常者はⅠ群 18.1%、Ⅱ群 28.1%と 10.0% の差が見られた。自覚症状の割合はⅠ群に比べⅡ群 が若干多かった。生化学データと BNP はⅠ群、Ⅱ群と もに関連性は認められなかった。 【考察・まとめ】 心電図・BNP 異常群のⅡ群で血圧異常者の割合が 多いのは、高血圧による心臓負荷の増大が BNP 上昇 につながったと考えられ、この群には潜在的心疾患が 存在する可能性が示唆される。心電図検査では判別で きない潜在的心疾患を発見できる可能性があり、健康 診断において BNP 検査を追加することで、より精度の 高い心疾患スクリーニングを提供できると考える。
© Copyright 2024 ExpyDoc