Ⅱ 英語部会 木更津市教育研究会 研究・研修記録 部会長 平野千津子 Ⅰ 研修主題 小:外国語活動の教材研究と指導力向上を図るための手だてはどうあるべきか 中:実践的コミュニケーション能力の基礎の育成 ~英語学習指導の工夫と小中連携のあり方~ Ⅱ 研修の内容 1 研修の経過 (1)6月 7日(土)於:木更津市立桜井公民館,富津市立富津中学校(四市合同) 小:○講演会「フォニックスについて留意すること」 講師:木更津市立岩根中学校 高橋 健司教諭 中:○講演会「英語が苦手な生徒の意欲を喚起できる授業の工夫」 講師:新潟県立教育センター 新潟市英語マイスター 小林 英男先生 (2)6月21日(木)於:木更津市立畑沢公民館・木更津市立畑沢中学校 小:○四市合同研修 ・授業研究の単元について ・教研テーマについての報告 発表者 小林 佑史教諭 中:○ワークショップ ・ 「入門期」の指導の事例シェアリング ・ 「入門期の指導 ~音から文字への橋渡し~」 講師:木更津市立岩根中学校 高橋 健司教諭 (3)8月 7日(木)於:木更津市立畑沢公民館,木更津市立木更津第二中学校 小:○四市合同研修 ・授業研指導案検討 授業者 御園 紘光教諭 ・教研レポートについて 発表者 小林 佑史教諭 中:○シェアリング ・ 「関ブロについて(2学期からの授業に向けて) 」 ・授業の中でのライティングの取り入れ方」 (4)8月22日(金)於:袖ケ浦市立中央図書館(四市合同) 小:○講演会「これからの小学校外国語活動」 講師:千葉大学教育学部英語科教室 物井 尚子准教授 中:○講演会「The Oral Methodを中心とした授業の組み立て方 ~「英語の授業は英語で」効果的な実現のために~」 講師:筑波大学附属中学校 久保野 りえ教諭 (5)11月6日(木)於:君津市立周南小学校,木更津市立波岡中学校 小:○授業研究 6年生 単元名 「道案内をしよう」 授業者:君津市立周南小学校 御園 紘光教諭 講師:君津市教育委員会 指導主事 空閑 一先生 中:○授業研究 Unit 6 「 ベッキーのおばあちゃん」 授業者:木更津市立波岡中学校 髙梨 恵里教諭 講師:袖ケ浦市教育委員会 指導主事 猪野 智明先生 - 89 - Ⅱ 木更津市教育研究会 研究・研修記録 2 研修の内容 今年度も君研英語部会の研究主題を受け,小中に分かれて研修を行った。小学校英語では,今後の 外国語活動に目を向けた研修がなされた。3,4年生におりてくるであろう外国語活動をスムーズに 導入するための方策や,5,6年生での教科化を視野に入れ,フォニックスについて学び,研修を深 めた。中学校英語では,入門期の指導に焦点を当て,フォニックスの指導や,音から文字へのつなげ 方,また,関ブロを見据えた共通の指導計画についてなど,具体的な授業展開の方法について協議し 共有を図った。 3 研究授業 Unit 6 「ベッキーのおばあちゃん」 ( NEW HORIZON English Course 1 ) 木更津市立波岡中学校 1年1組 英語科指導案 指導者 髙梨 恵里 教諭 (1)目標 ・Unit-6 Part3を聞いて大まかな内容を理解することができる。 (外国語理解の能力) ・3人称単数現在形の平叙文,疑問文,否定文を用いて家族や友達など他己紹介ができる。 (コミュニケーションへの意欲・関心・態度,外国語表現の能力) (2)展開 < ・留意点 ○ 支援の手立て > 指導過程 時配 学習内容と活動 評価 生徒 JTE(留意点) ALT 資料等 あいさつ 2 英語で挨拶する。 ・英語を学習する雰 Greeting カード Warm-up 囲気を作る。 “Good morning. (天気,曜日,日付) 天気,曜日,日付を ・板書で綴りを確認 Ask questions to students.” 板書 ALT に 英 語 で 答 え させる。 How’s the weather? る。 ・学習プリントを配 What day is it today? 付する。 What’s the date today? 展開1 7 CD Unit-6 Part3 を聞いて大まかな内容を理解しよう。 学習プリント 教科書本文の内容を ・本文を聞かせる。 ○ If students need to (理①) 大まかに聞き取り, (×3) listen to the passage 学習プリントの日本 ○生徒の理解や求め slowly read the 語の質問に答える。 に 応 じ て , 聞か せ passages slowly. る回数を配慮する。 “Listen carefully.” Read Unit-6 Part3 展開2 12 新出語句の発音・意 ・フラッシュカード “Let’s study new words.” フラッシュカード 味を理解し,練習す を 用 い て , 新出 語 “Repeat after me.” 学習プリント る。 句 の 発 音 ・ 意味 を <new words> 理解させる。 often, go(es), baseball, 発音:ALT と JTE ○学習プリントを使 game(s), rule(s), cheer(s), の発音を聞き,リ っ て 発 音 → 意味 → ピートする。 綴 り の 順 番 で練 習 team, some, させる。 also, popcorn, there 意味:英語→日本語 ○単語の綴りを必要 Help students. 新出語句の綴りを で あ れ ば , 黒板 に 書いて練習する。 掲示する。 ○再度フラッシュカ “Repeat after me”. - 90 - Ⅱ 再度,発音の確認 をする。 展開3 9 本文を聞く。 木更津市教育研究会 ー ド で 発 音 練習 さ せる。 ・本文を聞かせる。 Help students. (×3) から聞き取り,学習 CD 学習プリント 新出語句を語群の中 ・本文を聞かせる。 教科書 (×3) プリントにチェック ○板書を行い,全員 する。 研究・研修記録 板書 が 確 認 で き るよ う に配慮する。 聞き取った単語を書 ・教科書を読み取る く。 時 間 を と り ,静 か に取り組ませる。 展開4 8 今回のターゲットセ ・ターゲットセンテ “Let’s study sentences.” ンテンスを聞き,リ ン ス を 聞 か せ, 否 “Repeat after me.” ピートする。 定 文 の 使 い 方に 気 づかせる。 学習プリントにポイ ○学習プリントとノ ントとなる語を書く ー ト に 英 文 を書 く ことにより,3単現 時間を十分にとる。 の構造と意味を理解 学習プリント (言①) <target sentence> Masao( cooks) on Sunday. Masao (does) (not) (cook) on Saturday <textbook target sentence> She knows the rules. する。 She does not know the rules. 教科書のターゲット センテンスをノート に書く。 3 人称単数現在形の平叙文、疑問文、否定文を用いて、家族や友達 (ペット・兄弟)などを話題に仲間と話すことができる。 展開5 10 仲間の好きなもの・ ・机間指導を行う。 Help students. 学習プリント 嫌いなものを互いに ○ヒントになる語群 (コ②) 聞きあって,仲間の を 与 え る 。 会話 し (表①) ことを知る。 た 文 を 書 か せて 確 認させる。 仲間と会話した事 を書く。 あいさつ 2 ・挨拶をする。 ・次回の予告をする。 (3)講評 若年層の教職員に向けて,授業マネジメントなども含めて講評をしていただいた。まず,生徒に活 動させるときは,それを必ず見てやり,生徒がどのくらいできているか確認しなければならない。そ れに応じて,リスニング活動の際のヒントの与え方やディクテーションのCDの流し方などを工夫する 必要があるというアドバイスをいただいた。特にリスニングで教科書の内容を理解させる際には,場 面設定の共有や新出単語の練習,内容理解のQ and Aなどを,どのような順序で与えて,内容を捉え させていくかを吟味することが大切であるというということや,新しい言語材料を導入する際には, OralでALTとの会話を通して生徒に気づかせたり,学習プリントに生徒が記入していることを拾って - 91 - Ⅱ 木更津市教育研究会 研究・研修記録 やったりすることで,生徒の活躍の場を広げることができるというお話もしていただいた。 Ⅲ 成果と課題 1 研修成果 <小学校> 小学校における外国語活動が充実してきている中で,「フォニックスの指導についての留 意点」や「これからの小学校外国語活動」について有意義な研修を行うことができた。フォ ニックスについては,外国語として英語を学ぶ日本の子どもたちの基礎的な力を身に着けさ せるために,様々な面で有用なだけでなく,欠点についても学ぶことができた。それを踏ま えて扱うための具体的な方向性をつかむことができた。また,外国語活動のポイントを学級 担任として実現していくための具体的な方策について学ぶことができた。 <中学校> 今年度はワークショップやシェアリングを多く行うことによって,教員同士が資料を持ち 寄り,グループごとに共有することで,有意義な意見交換をすることができた。「中1入門 期指導」と「関ブロに向けた指導計画」の2トピックについて,具体的な指導方法について 各自の実践例が活発に発表された。共通の指導計画に則って,それぞれの取り組みを発表し あうことは,新たな視点の発見や他校での取り組みを知ることにつながった。特に若年層教 員にとって授業アイデアが広がる有益な機会となった。 2 今後の課題 ○小学校での外国語活動と中学校の英語との接続 ○小中連携を意識したより効果的な授業づくり ○実践的コミュニケ―ション能力をさらに育成できるような授業づくり ○考えを深めさせる場を意識した授業づくり ○ICTの有効的な活用 - 92 -
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