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volume
130
モノクロラミンで
お風呂の適切な維持管理
多くの温浴施設では浴槽のお湯を循環して使用する
循環式浴槽を使用しています。循環式浴槽ではレジオ
ネラ肺炎の原因菌であるレジオネラ属菌などの細菌汚
染への対応として遊離塩素による消毒が行われていま
す。温浴水は様々な水質があるうえ薬湯などの入浴剤
も多様なものが利用されていて、水質や成分によって
は遊離塩素と反応してしまう場合があり、遊離塩素に
代わる消毒方法が求められています。
遊離塩素で消毒が難しいお風呂
浴槽水のpHが高い場合やアンモニウムイオンなどを含む
場合は遊離塩素による消毒が不十分となり、一般細菌や
レジオネラ属菌が基準を超えて検出されることがあります。
pHが高い場合
次亜塩素酸ナトリウムを添加すると水のpHによって2
つの形の遊離塩素が生まれます。
このうちpHが高い
場合に生成する次亜塩素酸イオンは殺菌力が小さい
ため効果が低下します。
■
遊離塩素とpH
100
%
モノクロラミン処理
遊離塩素による処理の欠点を補う方法として、遊離塩
素とアンモニアが反応したモノクロラミンを直接注入す
る方法があります。遊離塩素と比較してモノクロラミン
は高pHやアンモニウムイオンを含む水質でも効果が
落ちません。遊離塩素に比べると殺菌力では劣ります
が、適正濃度を維持することでレジオネラ属菌やアメー
バなどに対する十分な殺菌効果を持ちます。一方でモ
ノクロラミン溶液は安定性が悪いため、現場でモノクロ
ラミンを生成させてすぐに使用しなければならず、専用
の処理装置が必須です。自動的にモノクロラミン濃度
を測定して注入装置を制御する機能があると、浴槽水
中でモノクロラミンを常に適正値に保つことができ、安
定した処理ができます。
項目
90
80
次亜塩素酸
ClO−
70
60
Cl2+H2O ⇄ HCl+HClO
−
HClO ⇄ H++ClO
HClO
50
40
次亜塩素酸イオン
殺菌力
30
HClO > ClO
20
−
(100 倍)
遊離塩素
5
6
7
8
pH 値
9
残留性
殺菌効果が低い
高pH
◎生成しにくい
浸透しにくい
◎浸透しやすい
バイオフィルム
皮膚刺激性
維持濃度
取扱い
www.aquas.co.jp
刺激臭は少ない
(ジクロラミン、トリクロ
ラミンは強い刺激臭)
◎安い
処理コスト
遊離塩素
不連続点
全残留塩素濃度
営業通信欄
刺激臭は少ない
高い
浴槽
循環系
アンモニウムイオン
を含まない
結合塩素
◎弱い
3∼5mg/L
モノクロラミン処理装置の例
水道水
ポンプ
P
水道水
アンモニウムイオン
を含む
0
強い
0.4∼1.0mg/L
複雑
◎容易
次亜塩素酸ナトリウム添加 複数の薬品を用いて用事
調整
常に適正な比率とpHで反
応させないと不純物が生
じて刺激臭発生
■
残留塩素と塩素注入量
◎殺菌効果が低下しない
トリハロメタンの生成 生成しやすい
10
アンモニウムイオンを含む場合
アンモニウムイオンは遊 離 塩 素と反 応して結 合 塩 素
(クロラミン)
をつくります。不連続点の手前ではジクロ
モノクロラミン
残留しにくい
◎残留しやすい
入 浴者数などにより変動 濃度管理が容易
しやすい
塩素臭
10
0
ラミン、
トリクロラミンが 生じ刺 激 臭 の 原 因となりま
す。不 連 続 点を超える注 入により遊 離 塩 素を検出す
るように管 理すればクロラミンの生 成を避けることが
できますが 、次 亜 塩 素 酸ナトリウムの 添 加 量が 多く
なります。
さらに添 加 量に対する遊 離 塩 素 管 理が 難
しくなります。
遊離塩素
注入塩素量
水道水
タンク
次亜塩素酸
ナトリウム
ポンプ
P
NaClO
タンク
塩化
アンモニウム
ポンプ
P
全残留
塩素計
NH4Cl
タンク
温浴水の遊離塩素処理による維持管理でお困りの際
は、
ぜひアクアスにご相談ください。