3種の直接ビリルビン測定用試薬の違いについて

FAQ(生化学)
3種の直接ビリルビン測定用試薬の違いについて
Q 直接ビリルビン測定用試薬には3種ありますが、その違いは何ですか。
A
直接ビリルビン測定用試薬として、エルシステム・D-Bil、D-Bil試薬・C「コクサイ」、D-Bil試薬・Aが
あります。
3種は、測定原理、δ-ビリルビンとの反応性が異なります。
測定原理は、エルシステム・D-BilとD-Bil試薬・C「コクサイ」はビリルビンオキシダーゼを用いた酵素
法で、D-Bil試薬・Aは安定化ジアゾ法を用いています。
δ-ビリルビンとの反応性は、エルシステム・D-Bilのみδ-ビリルビンを測り込まない試薬です。
δ-ビリルビンとは、何らかの異常により血中に逆流した抱合ビリルビンにアルブミンが非酵素的に結合
したもので、血中半減期が長いため、過去の肝・胆道障害の名残とされています。急性期の肝・胆道障
害の回復状態を把握するためには、このδ-ビリルビンを測り込まない試薬が有用です。
日本医師会や日臨技における精度管理調査時の分類に重要な製造販売元は、D-Bil試薬・C「コクサイ」
とD-Bil試薬・Aはシスメックス、エルシステム・D-Bilはユニチカになります。