大学発シーズを患者に届けるために 慶應義塾大学医学部眼科学教室 坪田一男 Designed by Freepik.com ドライアイ関連で開発した製品 • JINSモイスチャー (JINS) • 花王めぐりズム (花王) • アイホット (セプト) • アイシャンプー (メディプロダクト) • ストリップメニスコメトリー (エコー電気) • 実用視力計 (興和) 製品開発に必要な条件 1. 研究者のごきげんな情熱 2. 会社の協力 3. 収益が上がる仕組み ドライアイ保護用メガネの例 • 1988年 手製による保護用眼鏡 • 1989年 モイスチャーエイド (レインボーオプチカル) • 2013年 JINSモイスチャー (JINS) 実用視力計の例 • 2000年 手製による実用視力測定装置 • 2004年 第一世代実用視力計 (ニデック) • 2010年 第二世代実用視力計 (興和) ごきげんマウスプロジェクト! 1. ふきげんマウス 2. ふつうのマウス 3. ごきげんマウス Immobilization Blower Effect of Stress on Tear Secretion ** Mean ±SD, n=6. ごきげんマウスの作り方 Environmental Enrichment (EE) Control Control: ・92cm2/mice ・2mice/cage Environmental Enrichment (EE) EE: ・242cm2/mice ・6mice/cage ・toys Physical activity↑ Social activity↑ external stimuli↑ Effects of EE on Tear Secretion Against Restrained Stress in Mice (mm) Tear secretion P=0.06 (N=6, male B6J mice) Effects of EE Inhibited Increase of Inflammatory Cytokine Marker by Restrained Stress in Lacrimal Gland. (N=6, male B6J mice, by Real-Time PCR) 大学発シーズ 知的所有権の取得 製品化 疾病治療、病気の予防 慶大眼科の2つの研究領域 1. 再生医療 2. アンチエイジング医学 (株)セルージョン 再生医療研究を眼科に応用し、 社会のアンメットニーズに応える。 1. iPS細胞からの角膜内皮様細胞の開発 2. 間葉系幹細胞からの角膜内皮様細胞の開発 3. 再生医療研究による角膜新規治療薬の開発 Tissue-engineered corneal endothelium (TECE) from corneaderived progenitors (COPs) *: P<0.01, Student T-test COPs derived TECE sheet control (Hatou S, Shimmura S, et al., Stem Cells Dev. 2012) Corneal thickness (μm) 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 0 1 2 5 Post operated days 8 Human iPS-derived TECE Human iPS- derived neural crest cells ATP1A1 Slc4a4 Car2 Col4A2 Col8A2 Cdh2 Gapdh Human corneal endothelium * 12 Pump function (mV) Human iPSderived TECE 14 ** 10 8 6 4 2 0 Human corneal endothelium 3T3 cell Human iPSderived TECE Expression levels of corneal endothelial cell markers (NC: iPS-derived neural crest cells iTECE: iPS-derived tissue engineered corneal endothelium) ATP1A1 SLC4A4 15 CA2 80 1000 60 10 40 5 0 500 20 NC K8 iTECE 0 NC 30 30 20 20 10 10 0 NC COL4A2 60 40 20 0 NC ITGA3 0 iTECE iTECE K18 NC COL8A2 0 iTECE iTECE PITX2 80 20 60 15 40 10 20 5 0 NC CDH2 iTECE 0 20 60 60 15 40 40 10 20 5 NC iTECE 0 NC iTECE NC iTECE CLDN10b 80 0 iTECE NC 20 NC iTECE 0 iPS-derived tissue engineered corneal endothelium transplanted eye Control eye 1200 normal 1000 800 600 human iPS cell sheet 400 control 200 0 0 1 2 5 8 Post operated days Intraocular pressure (mmHg) Corneal thickness (μm) 1400 50 40 normal 30 iPS cell sheet 20 control 10 0 0 1 2 5 Post operated days 8 (株)坪田ラボ アンチエイジング医学を眼科に応用し、 社会のアンメットニーズに応える 1. ドライアイの予防・治療法の開発 2. 近視の予防・治療法の開発 3. 老眼の予防・治療法の開発 大学発シーズを患者に届けるための (株)坪田ラボのビジネスモデル 1. 研究アイデアから研究遂行、知財の確保(慶應大学) 2. (株)坪田ラボへの知財の独占使用権の移管 3. パートナー会社の選定、契約 4. パートナー会社との製品の開発、治験の実施 5. 啓発協力、販売促進協力および製品の売り上げに 応じて収益確保 6. 知財使用に対する対価の慶應大学への支払い ドライアイ用サプリメントの開発例 1. 研究アイデアから研究遂行、 知財の確保(慶應大学) • マイクロバイオームを改善することによって ドライアイを治療するという画期的なアイデア をもとに動物実験を施行。 • 知財を申請。 <予防効果の検討> 拘束・送風負荷開始前(1日前 or 5日前)より経口投与 対照群 10mg/kg (前日投与) 10mg/kg (5日前より連投) 涙液分泌量 (mm/15 sec ) 3.5 3.0 2.5 ** ** ** ** 対照群 4.0 10mg/kg (5日前より連投) 3.5 涙液分泌量 (mm/15 sec ) 50mg/kg (前日投与) 4.0 ** 3.0 ** 2.5 2.0 2.0 * 1.5 ** 1.5 1.0 1.0 0.5 組成物 経口投与 ストレス負荷 0.0 負荷前 負荷1日目 負荷2日目 負荷3日目 0.5 組成物 経口投与 ストレス負荷 0.0 -5 0 1 3 5 6 7 試験期間(日) *, **:p <0.05, 0.01 Student t-test (v.s. 対照群) <予防効果の検討> 拘束・送風負荷開始前(5日前 or 14日前)より混餌投与 対照群 4.0 0.06% 混餌 (5日前より連投) 0.06% 混餌 (14日前より連投) 涙液分泌量 (mm/15 sec ) 3.5 3.0 2.5 ** 2.0 ** ** 1.5 1.0 0.5 組成物 混餌投与 ストレス負荷 0.0 負荷前 0 1 試験期間(日) 3 5 *, **:p <0.05, 0.01 Student t-test (v.s. 対照群) <乳酸菌の効果検討> 組成物への乳酸菌の配合有無を負荷直前の単回投与で比較 対照群 4.0 組成物 乳酸菌不含有組成物 涙液分泌量 (mm/15 sec ) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 ** 50mg/kg 経口投与 ** 0.0 ストレス負荷前日 ストレス負荷直前 ストレス負荷翌日 *, **:p <0.05, 0.01 Student t-test (v.s. 対照群) ドライアイ用サプリメントの開発例 2. (株)坪田ラボへの知財の 独占使用権の移管 慶應義塾大学 (株)坪田ラボへ ドライアイ用サプリメントの開発例 3. パートナー会社の選定、契約 世界的な視野からB社、T社、Y社を選択 1年以上の会議を経てY社に決定 Y社と契約 ドライアイ症状の緩和を期待する サプリメント(食品)の開発 コンセプト ドライアイ症状の緩和を期待するサプリメント(食品) ドクターズサプリメントとして、眼科医が患者へ推奨できる エビデンスを有する製品 成分 ラクトフェリン、 魚油(EPA・DHA含有)、 乳酸菌 等 形態 ソフトカプセル 推奨摂取量 1日あたり2カプセル ドライアイ用サプリメントの開発例 4. パートナー会社との共同研究、 製品の開発、治験の実施 • さらなる動物実験、メカニズムの解明 • 2施設による治験の実施 →8施設による他施設共同研究へ ドライアイ用サプリメントの開発例 5. 啓発協力、販売促進協力および 製品の売り上げに応じて収益確保 2015年秋以降を想定 ドライアイ用サプリメントの開発例 6. 知財使用に対する対価の 慶應大学への支払い 2016年春以降を想定 子供を近視から守る! 次世代近視予防コンソーシアム 近視のメカニズム 眼軸長が伸びることによって近視になる 眼軸長 眼軸長 近視予防製品の開発経過 1. 研究アイデアから研究遂行、 知財の確保(慶應大学) • 画期的な世界初の近視予防法を発見 • 臨床研究に加え、ひよこを用いた 基礎動物実験を施行 • 分子生物学的アプローチによる 近視発生メカニズムの解明を行う • 知財申請 ひよこの近視進行抑制実験 近視予防製品の開発経過 2. (株)坪田ラボへの知財の 独占使用権の移管 慶應義塾大学 (株)坪田ラボへ 近視予防製品の開発経過 3. パートナー会社の選定、契約 近視進行予防の各種製品の 開発パートナー会社を選択し、契約 近視予防製品の開発経過 4. パートナー会社との共同研究、 製品の開発、治験の実施 • 更なる動物実験と細胞を用いた 基礎実験実施 • 7月より近視予防のための 2年間にわたる治験を実施予定 • 5月にPMDAに戦略相談。 近視予防製品の開発経過 5. 啓発協力、販売促進協力および 製品の売り上げに応じて収益確保 • 2015年末または2016年より販売開始予定 • 当初は近視予防をクレームできないため、 客観的事実のみを訴える販売戦略 近視予防製品の開発経過 6. 知財使用に対する対価の 慶應大学への支払い 2016年春以降を想定 大学発ベンチャーの利点 1. 2. 3. 4. 大学発シーズについて一番理解している サイエンスの展開が速い 大学とのコラボレーションが容易 情報が集まる 大学発ベンチャーの課題 1. 2. 3. 4. 5. COIをしっかりマネージする必要がある プロの経営者の確保(未来を見る目) 資金計画などファンドの必要性 場所、人材の確保 研究費の確保 大学発シーズ開発の考え方の変遷 シーズを製品化する会社を探す シーズを製品化する会社を自分で始める 慶應大学発ベンチャーを通して 製品化を行い大学発シーズを 患者に届けたいとおもいます! 応援よろしくお願いします。 Designed by Freepik.com
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