2015 年度 3 月期(第 6 号) 京都大学フォーミュラプロジェクト KART 月例活動報告書 フレームに次々と組み付けられていくパーツ 3 今月の活動概要 ○自動車開発・製作セミナー ご挨拶 めっきり春らしくなってまいり,皆様ますますご健勝のほ どお喜び申し上げます. 春休みも終了間際となってまいりましたが,チームはモ チベーションを落とすことなく,製作を進めております.着 地こそ達成していないものの,車両は日々完成に近づき つつあり,走り出すまであと一歩のところです. また,今月は製作を進めながらも,各種講習会・勉強会 にも積極的に参加し,貴重な経験を積むことができまし た. 今後とも,京都大学フォーミュラプロジェクト KART にご 支援並びにご声援をよろしくお願い申し上げます. 1 「走行実習編」 ○エンジン整備講習会 ○溶接講座 ○MATLAB 講習会 ○関西支部静的交流会 今月ご支援頂きました方々 今月の各班報告 2015 年度 3 月期(第 6 号) 今月の活動概要 自動車開発・製作セミナー 14 日に自動車技術会主催の走行実習セミ 重な機会となりました.ここで得た経験を,日常 ナーが横須賀の日産自動車 GRANDRIVE で の運転やフォーミュラ車両でのドライビングに 開催され,KART から 2 名が参加しました. 反映させていけたらと考えています.この場を セミナーの内容はジムカーナ・スラローム・ブ お借りして関係者の皆様に感謝申し上げます. レーキング・低μ路面走行・EV 試乗の 5 つに ありがとうございました. 分けられ,それぞれにインストラクターの方が 付き走行練習・体験を行うというものでした.普 段はあまり出来ないタイヤを限界まで使うスラ ローム・ブレーキのトレーニングや,一方では 最近話題となっている EV(電気自動車)の体験 試乗もあり,幅広い体験が出来た 1 日でした. また,スカイライン GT-R BNR34 の開発責任者 横須賀 GRANDRIVE にて を務められた渡邉様のお話を伺う場もあり,貴 エンジン整備講習会 16,17 日に静岡県磐田市のヤマハ発動機 めいくつかのエンジンパーツや必要工具を持 様本社にてエンジン整備講習会が開催されま 参していなかったという問題がありました.また, した. 作業時間が長くなり終了予定時刻を大幅に過 1 日目は,工具の使用方法に関する講習を ぎてしまいました.今後は, この講習会で学ん 受けた後,大学ごとにエンジンの分解・組み付 だことを生かして,大学においても事前に計画 けを開始しました.分解が完了した後,ヤマハ をたて安全にそして正確にエンジンの分解・組 発動機様が提供しているいくつかのエンジン み付けを行っていきます. について開発者の方々に講義をしていただき エンジン整備講習会を開催していただいた ました.この講義ではエンジンブローの様々な ヤマハ発動機様には深く御礼申し上げます. 事例とその原因について詳しく教えていただき ました.今後は,今回の講義を参考にエンジン 制御等を行っていこうと考えております. 2 日目は,1 日目に引き続きエンジンの組み 付けを行いました.エンジン分解・組み付けの 際には,担当の方から作業手順や様々な注意 事項を教えていただきました. 今回の講習会では,事前の準備不足のた 慎重にエンジンの分解を行う 2 2015 年度 3 月期(第 6 号) 溶接講座 21 日にダイハツ工業株式会社北伊丹技術 ずつ上達していくのが感じられました.新たに センターにて,溶接講座が行われました. 溶接を担当するメンバーにとっては特に貴重 KART からは 3 名が参加し,アルミの Tig 溶 な体験となりました. 接の講習を受けました.講習では,技師の皆 このたびは溶接講座を開催していただき誠 様の指導の下で実際に溶接を行い,溶接の基 にありがとうございました.この場をお借りして, 本となるビードの盛り方,板材やパイプの溶接 ダイハツ工業株式会社様に御礼を申し上げま の方法を学びました.講師の方には,ひとりひ す. とりに丁寧に改善点を指摘していただき,少し MATLAB 講習会 25 日に大阪工業大学にて MATLAB 講習 親しんでいる GUI 操作がメインの解析ツール 会が開催されました.講習会には学部 1 回生 1 であったので取り扱いやすいという印象を受け 人と 4 回生 1 人,修士 1 回生 1 人の計 3 人が ました.また MATLAB の言語との相性も良い 参加し,MathWorks の方々に Simulink の機能 ので両者を補完的に利用することでより一層 や使い方などの概要について教えて頂きまし 便利に使うことが可能になると感じました.また た.講習会の前半では古典制御工学における Simulink だけでなく今回講習会で学んだ PID 基本である PID 制御について,いかなるところ 制御などの工学的知識を今後の車両設計に でどのように使われているかを詳しく解説して 生かし日々邁進していきたいと思います. いただき,後半では実際に自分たちで 最後になりましたが,この講習会を企画,実 Simulink を使って一次減衰振動モデルの解 施してくださった MathWorks の方々,岡山大 析を行いました. 学の楠見様,大阪工業大学の関係者皆様に 今回取り扱った Simulink は普段私達が慣れ 心より御礼申し上げます. 関西支部静的交流会 た. 28日に,京都工芸繊維大学の学生フォーミ ュラチーム主催の静的審査対策に関する交流 午後からは,デザイン・コスト・プレゼンテー 会が行われ,KARTから1名が参加しました. ションの3つについて,それぞれフリーディスカ 午前の部ではデザイン・コスト・プレゼンテー ッションを行いました.参加大学同士だけでは ションの各部門について,各大学による講演と なく,各部門の審査員の方も交じって静的審 質疑応答を行いました.KARTはコスト部門で 査の点数向上のための積極的に意見交換を 講演を行い,コスト審査対策のスケジュールや, 行うことができ,大変有意義なものとなりました. コストレポートを書く際に注意すべき点につい このフリーディスカッションを通じて各校の静的 て発表しました.質疑応答では,鋭い指摘を 審査への取り組みと自らの取り組みを比較し, 受けることもあり,参考となる点が多々ありまし より良い成績を得るためには何をすべきかを 3 2015 年度 3 月期(第 6 号) 考える機会となりました. で好成績を収めることが出来るよう,シェイクダ 昨年度はデザイン審査が8位と足を引っ張 ウン後から本格的に対策を進めて参りたいと ったことが,総合優勝に届かなかった要因の 思います. ひとつに挙げられます. 3つの静的審査全て 今月支援していただきました方々 今月は以下の方々にご支援をいただきました.厚く御礼を申し上げますとともに,今後とも温かい ご声援のほど,よろしく願い致します. スポンサー様 有限会社イシダ製作所 様 (加工のご支援を頂きました) 山岸本舗 様 (加工のご支援を頂きました) 株式会社ネクスト 様 (協賛価格での販売をしていただきました) Oxeon AB 様 (カーボンクロスのご支援を頂きました) 株式会社 FUKUDA 様 (オイル,ケミカル製品のご支援を頂きました) 株式会社ウミヒラ 様 (ブレーキパーツのご支援を頂きました) 有限会社エム 様 (ブレーキパーツのご支援を頂きました) 有限会社プラスミュー 様 (協賛価格での販売をしていただきました) 日信工業株式会社 様 (ブレーキパーツのご支援を頂きました) 株式会社キノクニエンタープライズ 様 (協賛価格での販売をしていただきました) 株式会社ヤマハ発動機 様 (エンジン部品のご支援を頂きました) 株式会社井尾製作所 様 (加工のご支援を頂きました) サポーター様 余田 拓矢 様 小川 貴臣 様 4 中澤 知哉 様 2015 年度 3 月期(第 6 号) 今月の各班報告 シャシ班 今月末にフレームが完成し,現在は足回り パネルが付き,ようやくフレームが完成形となり および操作系の部品の製作を軸に活動してい ました. ます. これにより,シャシ班におけるシェイクダウン 先月の時点でフレームの概形が出来上がっ への律速段階が足回り部品へと移行したため, ていたため,今月はハーネスマウントやヘッド アーム・アップライトおよびそれらに付属するブ レスト,ファイヤウォール等のフレーム付属品の ラケット類の製作を急いでおります.同時にブ 製作・取り付けを行いました.これらの中には レーキ・ステアリング機構といった操作系部品 レギュレーションにより規定される部品も多くあ の組み付けも順次行っています. るため,CAD と実際のフレーム,レギュレーシ 来月は,足回り部品の製作とそれに伴う車 ョンの 3 つを互いに擦り合わせながらの作業と 両の着地を急ぎ,ギアボックスの取り付けを経 なります.3 月末の時点で上記パーツに加えて てシェイクダウンへの最終ステップを踏む予定 メインフープブレース・アンダーパネル・サイド です. エンジン班 今月エンジン班では,シェイクダウンに向け れる事態となりました. て車両のエンジン関連部品の製作を行いまし また吸気系に関しましては,シェイクダウン た. 時は,昨年度車両のものを流用いたします. まず,燃料系について,今年度は燃料ポン 今年度はモーターを組み合わせた機械式過 プをタンク内に配置するインタンク方式を採用 給器の搭載を予定しておりますが,こちらは製 しております.そのため,ポンプ固定用のステ 作途中であるため,完成次第搭載することとな イやタンク内の燃料経路など,昨年度とは設計 ります.その他冷却系,シフター,クラッチ系と が大きく異なっておりますが,これらの部分に いった空圧ユニットも製作が完了しました.来 関して,設計時に部品の製作方法を十分検討 月以降は,排気系と電装系の製作や過給器 できておりませんでした.タンクの上部にある O の製作,及びテスト,エンジンベンチを用いて リングのはめ合い部分が溶接によりひずむこと 排気管長を変更しての排気圧測定,GT-Suite でシールできなくなる可能性があったため設 を用いたバルブタイミングの検討を進めていき 計を変更し,当該部を NC フライスにて削り出 たいと考えております. すことにしました。この変更に伴って製作が遅 エアロダイナミクス班 今月のエアロ班の活動は,オス型・メス型の のエアロデバイスの車両への搭載は達成でき 製作が主なものとなりました.しかし,目標とし ませんでした.理由としては,本来製作が大き ていた 3 月中のシェイクダウンおよび,その際 く進むはずの休日のスケジュール管理が適切 5 2015 年度 3 月期(第 6 号) でなかったことが挙げられます.現在は,四月 メス型に関しましては,今月から製作を開始 中の車両への搭載に目標を修正し作業を進 いたしました.オス型への離型処理,ゲルコー めております. ト塗布,エポキシ樹脂を使用してのカーボンク オス型に関しましては,アルミ板と木材や, ロス積層の順で作業を進めてまいりました.昨 エポキシ樹脂とパテを使用して,昨月に引き続 年度は,このメス型製作の作業において,離 き製作を進めてまいりました.大きな問題も発 型の際にゲルコートの層がはがれてしまうとい 生することなく製作できております. う問題が発生しました.この原因をゲルコート の性能不良,あるいはオス型の離型処理不良 と推定し,今年度はゲルコートの種類の変更, 離型処理の手順の変更といった対策をとりまし た.その結果,現在のところ昨年度のような問 題が発生することなく製作を進めることができ ております. 製作のスピードは不十分でしたが,製作に 関しては問題が発生することなく作業を進める プライマリシャシオス型の 離形処理を行う ことができております.4 月からは作業のペー スを上げ,急ピッチで作業を進めてまいります. 6
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