一高サポーター募集! 銀杏通信 第1号 岡山一宮高等学校 平成27年4月30日 保護者の皆様には、日頃から本校の教育活動にご支援と御協力を賜り、感謝申し上げます。 学校の重点的な取組を保護者の皆様に伝えるべく、教員向けの校長通信を一部表現を改めてお届け します。本校のホームページともどもよろしくお願いいたします。 (校長 赤木 隆) 今、なぜアクティブ・ラーニングなのか? 近年、大学では「アクティブ・ラーニング」と総称される学習スタイルが盛んに導入されている。 小中及び高校でも、次の学習指導要領では「アクティブ・ラーニング」はキーワードとなってくる。 「ただ座って先生の講義を聴いている時の脳の活動 は、眠っている時と同じである」。これはハーバード大 Lecture 5% 学のエリック・マズール教授が京都大学で行った講 Reading 10% 演中の言葉である。ハーバード、スタンフォード、 Audio Visual 20% MITなどで実証された学力向上の手法がアクティ Demonstration 30% ブ・ラーニングであり、それは学生に「深い学び(D Discussion Group 50% eep Learning)を引き起こすものである(日本でも Practice By Doing 75% TVの「白熱教室」などで有名になった)。 Teaching Others 90% 右図は、授業で学んだ内容を半年後にどれだけ記 National Training Laboratories 憶しているかを授業の形態で比較したアメリカの研 究である。講義を聴いただけの場合、内容のわずか ラーニングピラミッド(平均学習定着率) 5%しか覚えていない。読書が 10 %、視聴覚が 20 %、デモンストレーションが 30 %、グループ討 論が 50 %、そして自ら体験すると 75 %、他者に教えると 90 %となっている。 京都大学の溝上慎一准教授は、著書でアクティブ・ラーニングを次のように定義している。 一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的 な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認 知プロセスの外化を伴う。 『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』 ある学習内容についての自分の理解や考えを外化すること(書く・話す・発表するなど)、あるい は、さまざまな他者の理解をふまえて理解することなどは、いかなる素晴らしい「聴く」学習によっ ても不可能である。「聴く」を通して、頭のなかで思考が豊かに繰り広げられても、いざその思考や 学習内容の理解を隣の学生に自分の言葉で伝える、議論する、みんなの前で発表するとなると、言葉 が出てこない、うまく説明できない、ということは京大生でも往々にして起こる。それは、学生にそ のような力をつけるトレーニング、あるいはアクティブ・ラーニングがなされていないからである。 「なぜアクティブ・ラーニングか」という問いに対しては、大学が直面した問題(高等教育の大衆 化、学生の多様化)への回答であると同時に、大学の外側にある社会的要因も大きいという。とりわ けコミュニケーションや思考力などの育成が、変化の激しい現代社会に適応するために切実に求められてお り、「学校から仕事・社会への移行」が問題となっている。学校教育を受けた子どもや若者が、卒業後社会 で力強く生きていけるのか?今や、学生が授業を熱心に受ける、学習に熱心に取り組むだけでは済ま ず、それ以上のもの-たとえば、卒業後の仕事や人生に適応していくための技能・態度 (能力)を育てているか-が、大学を含めた学校教育の今日的な課題となっている。 本校では、SSHの研究開発の計画書で、「PBL*などアクティブ・ラーニングをiSプログラムに導入し、 指導法の工夫・改善を行うことによって課題研究の質の向上を図る」としている。今年度の学校経営計画 では、先生方にアクティブ・ラーニングについて共通理解をし、授業改善を図ることを求めている。 昨年度末、PTAのご厚意で普通教室にプロジェクターを完備でき、ICT環境が整った。授業力の 向上がお子様の学力向上および進路実現につながるように教職員一同努力していきたい。 * PBL とは、Project Based Learning(プロジェクト・ベースト・ラーニング)の略称。プロジェクト型学習、問題解決型授業などと訳す。
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