ファーマライズDI No.93

ファーマライズDI No.93
(Drug Information 医薬品情報 )
2015/4/30
ファーマライズ医薬情報研究所 DI室
1. 効能効果の変更
薬品名
解説
ジェイゾロフト(ファイザ
外傷後ストレス障害、の適応追加
ー)
海外においては小児外傷後ストレス障害に対する適応を有し
改訂年月
2015.03
ていない
ダクルインザ錠 60mg
セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償
スンベプラカプセル 100
性肝硬変におけるウイルス血症の改善
mg(ブリストル・マイヤー
※インターフェロンを含む治療法に適格の未治療患者及び前
ズ)
治療再燃患者への適応が追加された
コペガス錠 200 mg( 中
ソホスブビル(ソバルディ)との併用によるセログループ 2(ジェ
外)
ノタイプ 2)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウ
2015.03
2015.03
イルス血症の改善
が追加
ロンサーフ配合錠T15、T
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
20(大鵬薬品)
※(標準的な治療が困難な場合に限る)が削除された
2015.03
2. 新発売
薬品名
解説
フィナステリド錠 0.2mg、
標準先発品名:プロペシア
1mg「ファイザー」(ファイ
※フィナステリド錠は薬価未収載医薬品であり、診療報酬上後
ザー)
発品の扱いではないため代替調剤は行うことはできない。処
発売日
2015.4/6
方せんにプロペシア錠と記載されているものをフィナステリド錠
に変更する場合は、医師への疑義照会が必要となる。
3. 薬局等構造設備規則の一部を改正する省令の施行(2015 年 4 月 1 日施行)
近年の調剤技術の進歩や使用状況を鑑み、薬局に備えるべき調剤に必要な設備及び器具について見直し
が行われた。
【変更点】
①
液量器については、規格(20cc 及び 200cc のもの)を削除
ただし小容量(50cc 未満)及び中~高容量(50cc 以上)のものを各 1 つ以上備えることが望ましい
②
ピペット台及びロート台を削除
③
メスフラスコ、メスシリンダーについては、どちらか一方を備えればよい
④
メスピペットに代えてディスポーザブルシリンジを用いている等の実態があることを鑑み、調剤に必要な
書籍以外の設備及び器具について同等以上の性質を有する設備及び器具を備えていれば足りること
とした
※調剤に必要な書籍の取扱いは従前のとおり
4. 新薬情報
ジャディアンス錠 10mg ・25mg
日本ベーリンガーインゲルハイム(販売提携:日本イーライリリー)
選択的 SGLT2 阻害薬 (国内6成分目。これ以降の同タイプ発売予定なし)
〈効能・効果〉2型糖尿病
〈用法・用量〉通常、成人には10mgを1日 1 回朝食前または朝食後に経口投与する。
効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mgに増量することができる。
〈薬理〉腎臓におけるグルコース再吸収の約90%を担う SGLT2 を阻害する。(SGLT1 が10%を担う)
〈特徴〉他の SGLT2阻害薬は低用量・高用量の設定が倍量であるが、ジャディアンスは10mgと25mgの
2.5 倍量になっている。理由としては、当初25mgのみ発売予定であったが、アメリカの FDA から更
に低用量の検討も求められ、5mg・10mgも試験したところ、10mgでも有意に改善したため設定。
〈効果〉 国際共同第Ⅲ相24週投与試験(日本人を含む)
SGLT2阻害薬はジャディアンスに限り、DPP4阻害薬との比較データがあり、体重・血圧に差が出た。
ジャディアンスは尿量増加の為、血圧も低下する結果となっていると推察される。
プラセボ
ジャディアンス 10mg
ジャディアンス 25mg
(グラクティブ・ジャヌビア)100mg
HbA1c(%) 全体
+ 0.08
- 0.65
- 0.76
-0.65
HbA1c(%)≧8.0 の人
+ 0.06
- 1.13
- 1.14
-0.78
空腹時血糖(mg/dl)
+11.7
-19.4
-24.3
-7.0
体重(kg)
- 0.32
- 2.24
- 2.47
+0.21
収縮期血圧(mmHg)
- 0.4
- 3.0
- 4.0
+0.5
拡張期血圧(mmHg)
- 0.4
- 1.0
- 2.1
+0.7
〈SGLT2阻害薬の比較〉 *各数値については計算方法や条件が異なり、おおまかな参考程度として。
*血中濃度に関して、「空腹」と「食前」で数値に差が出るため、全く別の条件である。
SGLT1に対する2の選択性は100倍程度で十分とされており、どのSGLT2阻害薬でも支障ないレベル。
SGLT2阻害薬は半減期が長く定常状態に達し、AUC への食事の影響は少なく、食前・食後どちらでも可。
スーグラ
アプルウェイ 20mg
フォシーガ
ルセフィ
カナグル
ジャディアンス
25mg/50mg
デベルザ 20mg
5mg/10mg
2.5mg/5mg
100mg
10mg/25mg
薬価収載
H26.4.17
H26.5.23
H26.5.23
H26.5.23
H26.9.2
H27.2.24
効能効果
2 型 糖 尿 病
用法
1日1回朝食前又は朝食後
1日1回
1日1回朝食前又は朝食後
用量
通常、成人には(低用量)1錠。
効果不十分な場合には経過を十分に観察しながら(高用量)1錠に増量することができる。
SGLT1に対す
254 倍
約 2100 倍
約 1400 倍
約 1280 倍
158 倍
約 4800 倍
グルクロン酸抱
CYP2C18、4A11、
グルクロン酸抱
CYP3A4/5、
グルクロン酸抱
主に未変化体、
合
4F3B、
合
4A11、 4F3B、
合
一部グルクロン酸抱
る 2 の選択性
代謝
アルコール脱水素酵素
Cmax
合
グルクロン酸抱合
食前⇒食後
食前⇒食後
空服⇒食後
食前⇒食後
空腹⇒食後
空腹⇒食後
-33%
-26%
-45%
-21%
-16%
-37%
食前 0.6
食前 1.0
空腹 1.0
食前 0.6
空腹 2.0
空腹 1.0
食後 2.0
食後 2.2
食後 2.3
食後 1.5
食後 3.0
食後 2.5
半減期(h)
15.0(50mg)
5.4(20mg)
12.1(10mg)
11.2(2.5mg)
10.2(100mg)
11.7(25mg)
AUC
食前⇒食後
食前⇒食後
空腹⇒食後
食前⇒食後
空腹⇒食後
空腹⇒食後
+4%
+5%
-3%
-1%
-2%
-16%
なし
なし
○
なし
○
○
Tmax(h)
海外販売