講義シラバス 【講 師】:川上 真史

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【戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 全 12 回】
かわかみ
しんじ
【講 師】
:川上
:川上 真史
タワーズワトソン コンサルタント/株式会社ヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティング
グループを経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、
『できる人、採れてますか?―いまの面接で、
「で
きる人」は見抜けない』
(共著・弘文堂)
、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社
会で生き残る働き方とは』
(共著・日本経済新聞社)
、『会社を変える社員はどこにいるか―
ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む
力』(ダイヤモンド社)、
『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。
<講座の目的>
企業の競争力を支える最大の要因は何か。それは明らかに人材である。しかし、多く
の企業がその人材を最大限に活かしきれていないというのが現状であり、その原因とし
て、企業で働く人材の意識が大きく変化していることがあげられる。
過去の成果主義のように、全員を一律の基準で評価し、その結果を報酬に反映すると
いうことだけでは、社員を動機づけることは困難となっている。つまり、多くの人達が、
ポジションや高収入を求めて頑張るのではなく、この企業で働くことに、自分の人生や
キャリアにとっての意味を感じられるかどうかを求め始めている。
本講座では、そのような人材の意識の変化をどうマネージすればよいのか、その考え
方と方法について解説する。
【カリキュラム】
【第 1 回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 01
[テーマ] 人事・人材論の歴史的パラダイム転換
[講 師]川上真史
団塊の世代のポスト不足に対応するために、1980 年代から 90 年代の初めにかけて「職
能資格制度」が、1990 年代から 2000 年代前半にかけて人件費の高騰と中堅社員の不満
を解消するために「成果主義」が導入された。
これらは、人間は高い給与や昇進を求めて努力するという前提のもとにつくられた制
度だったが、2000 年代後半になるとダイバーシティ(多様性の受容)が顕著になるとと
もに、人間の動機そのものが大きく変化し始めた。
12 回シリーズの第1回は、この歴史的なパラダイム転換について考察する。
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【第2回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 02
[テーマ] 今までの働き方、これからの働き方
[講 師]川上真史
努力すれば欠乏が満たされるという期待のもとで社員に努力させるというアプローチ
は通用しなくなってきている。働き方のパラダイム転換が起きていることを認識しなけ
れば、人材を活用することはできない。
どうすれば社員が仕事にエンゲージ(のめり込む)するのか仕事と私生活とのバラン
スの取り方、ダイバーシティ(多様性)の重要性などが指摘すべきポイントだが、特に
仕事にエンゲージメント(のめり込む状態)を組み込むにはどうすればよいかというこ
とに焦点を当てて考察する。
【第3回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 03
[テーマ] 急速に個別化する動機づけと報酬論
[講 師]川上真史
日本人社員は世界主要国のなかで最も仕事へのエンゲージ(のめり込む)度が低く、
世界単位の経済変化に遅れを取っていることはいなめない。
グローバルに活躍できるリテンション(人材確保)を図ろうとするなら社員一人一人
への対応が必要となる。これまで日本では動機づけや報酬を一律に論じてきたが、個別
化への要請は急速に強まりつつある。
Towers Watson が行った調査から得たデータに基づき、日本の現状や世界の動向に目
を向けながら、日本企業の人事施策が今後進むべき道について考える。
【第4回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 04
[テーマ] トータルリウォーズという考え方
[講 師]川上真史
日本企業は社員の面倒を一生みる代償に企業に無条件で忠誠を誓って貢献するのが当
然だと、かつては信じられていた。
その関係を企業と社員がともに放棄したことによって成果主義が導入されたため、社
員の企業への忠誠は条件付きのものとなり、条件が悪いとモラールが低下するようにな
った。
再度、企業が生涯にわたり社員の面倒をみるという提案もされるがライフスタイルや
価値観が多様化する現状を考えればそれは難しい。トータルリウォーズ(報酬再設計)
への期待が高まっている。
【第5回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 05
[テーマ] 納得感を高める業績考課の設計と運用
[講 師]川上真史
人事考課にはそれまでの労働への報酬を清算する「清算価値の測定」と、将来の回収
を見込んで投資する「投資価値の測定」という二つの方向性がある。
前者に対する報酬の代表的なものは賞与であり後者は昇進・昇格だが、この二つを区
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別して社員に説明しなければ、なかなか理解は得られない。多くの企業ではそれらを混
同しており日本で成果主義がうまくいかなかった一因にもなっている。
納得感を高める業績考課について、特に清算価値の測定方法である目標管理に焦点を
絞って考察する。
【第6回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 06
[テーマ] コンピテンシーに基づく人材のアセスメント
[講 師]川上真史
投資価値のある人材とは、過去に成果を上げた人材ではなく、これから成果を上げる
と予測される人材のことである。
現在は、容易に成果を上げることができないほど仕事の難易度が上がっているが、そ
れを可能とする成果につながる実践応用力のことをコンピテンシーという。
人材のコンピテンシーを把握するための方法であるアセスメントの手法をいくつか紹
介し、その細かな内容と、それを実施する際の注意点について説明する。
【第7回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 07
[テーマ] ストレスという課題にどう対処するか
[講 師]川上真史
組織効率に関わる 3 つの要素の中で、“精神効率の改善・向上”という要素をいかにし
て高めていき、社員の活躍できる環境を作り上げるかが大切である。
精神効率の改善・向上を高める上で、メインとなってくるのは、ストレスマネジメン
トである。
“避けるべきではないストレス問題”や“意味のないストレス問題”をそれぞれ理解
すると共に、ストレス問題に取り組む際に、押さえておきたい知識やポイントを理解し
ているだけで、ストレスマネジメントは飛躍的に向上する。
【第8回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 08
[テーマ] 成果につながるパーソナリティの特性
[講 師]川上真史
無意識や条件付けに振り回されないことが成果につながるパーソナリティの絶対条件
となる。メタ認知、達成動機を向上させることで、より高い成果につながるパーソナリ
ティが形成され、ビジネスで成果を出すことができる。
成果につながるパーソナリティの特性について説明をしていく。
【第9回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 09
[テーマ] 競争力を高める対人関係の開発
[講 師]川上真史
成果主義の時代は個人に焦点があたっていたが、ここしばらくは対人関係やチームワ
ークが重要視されてきている。チームワークが再度重要視される背景には、個人で生み
出せる成果には限界があるということが大きい。
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しかし、以前と同じような対人関係を作っても、企業の中では意味がない。シナジー
(相乗効果)を生むことができる人材とはどのような人材かを考察しながら、今どのよ
うな対人関係が求められているかを説明していく。
【第 10 回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 10
[テーマ] ダイバーシティにおけるリーダーシップ
[講 師]川上真史
組織と個人の関係が変化する中で、リーダーシップのあり方も変化しているため、従
来型のリーダーシップの発揮は組織を混乱させることになる。
従来の組織論やリーダーシップがどういうものであったかを振り返った上で、未来型
のリーダーシップのあり方や役割を考察していく。
【第 11 回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 11
[テーマ] グローバルで活躍する人材の開発
[講 師]川上真史
“グローバル”という考えが身近になってきていると共に、その意味も変化を遂げて
いる。
ビジネス推進力やリーダーシップ力、英語力以外にも、
「マインドセット(人間の判
断や行動を、常にある特定の方向に向かわせようとする心の中の傾向)」が不可欠とな
ってきている。マインドセットの重要性を学び、グローバル人材開発に何が必要かを
説明していく。
【第 12 回】戦略的人材マネジメント
戦略的人材マネジメント 12
[テーマ] 未来型のコンピテンシーとリーダーシップ
[講
師]川上真史
人材マネジメントの方向性は、急速に変化してきている。
過去の人材論的アプローチは一旦忘れ、今のグローバリゼーションの中で、企業が存続
していけるための人材をいかに開発できるかが最重要基軸となる。
人材マネジメントがどのように変化しているか、またその背景を説明しながら、これ
からの人材マネジメントの方向性を考察していく。
-4本資料の
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