日蓮宗 常在寺

日本の聖地をめぐる
ほとけの近くで修行する方は悼みが身
寺さんには永代供養墓というもの
藤波 すごいですね。
ところで常在
三階建てに相当します。
高さ約十メートル、建物でいうと
ので見 た目 にも豪 華 ですよ。塔 は
葺きで壁や梁には金箔も張ります
施しているところです。
屋根は銅板
塔を分解して京都に運び、彩色を
造っています。
今、一度組み立てた
戸市の工場で、釘一本使わないで
駒野 今年の五月です。
千葉県松
成するのはいつ頃ですか。
五重塔を建築中と聞きました。
完
ますね。
さて、常在寺さんでは現在
だったのか想像力を掻き立てられ
藤 波 常 盤 姫 ですか。どんなお方
いるんですよ。
姫というお姫様の法号にちなんで
伝説」というお話に出てくる常盤
ますのはね、地元に伝わる「さぎ草
す。
常在寺の山号 「寶樹山」と言い
谷の地に開かれた日蓮宗のお寺で
すよ。
日純聖人によって、ここ世田
立 は五 百 年 前 の室 町 時 代 なんで
駒 野 ありがとうございます。建
寺があったとは。
東京の住宅街の真ん中にこんなお
藤波 すごく立派なお寺ですね。
をいかに見つけて人々に伝えていく
えるものは、その感覚に訴えるもの
しなくてはなりません。
我々仏に仕
はそれに加えて心の感覚も大事に
覚がありますけど、生きていくに
聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つの感
取ってくださいな。人間には視覚、
い。美 しい花 が発 する生 気 を感 じ
開なる六月頃にぜひお越しくださ
駒野 今度は塔ができ、花々が満
ころになりそうですね。
藤波 五重塔は人々の心の拠りど
んね。
めてもらうのも一興かもしれませ
イトアップしますので塀越しに眺
ています。夜 になれば塔 全 体 をラ
場所として定着できればなと思っ
のシンボルとして、癒され安らげる
徒さんだけではなくて、地域全体
んですよ。
また、この五重塔は檀信
の合祀墓としての位置づけもある
制度です。
五重塔はその永代供養
永代にわたりご供養するといいう
ています。
お寺がご家族にかわって
ういう方のために五年前から始め
いう方が増えてまいりましてね。
そ
けで代々のお墓を継承できないと
のない方や、子供がいても女の子だ
駒野 ええ、昨今は少子化で子供
れられますように。
の心に響くシンボルとして受け入
て完成する五重塔が、この先人々
藤波 日本伝来の工法を駆使し
る予定です。
ています。これも今年から開始す
地内にペット専用の墓所をつくっ
かったので、それに応えてお寺の敷
ペットのお墓 についてご相 談 が多
駒 野 うちの檀 信 徒 さんからも
ね。
を望 む方 も増 えているようです
していますし、
最近はペットのお墓
藤波 ご先祖様の供養も多様化
かを常に自問しています。
ほうじゅざん
もあるそうですね。
TEL
岩手県に別院を開き、
仏教に基づいた心のケアを行う
東日本大震災直後から日蓮宗総
務 局 長 として被 災 地 に入 った駒
野住職は、悲惨な状況で何重に
も傷ついた子供たちの心のケアの
大切さを痛感したそうだ。
岩手県
内の子供の約三割が震災による
精神的ダメージを抱えているとの
報告に胸を痛め、彼らを少しでも
回復させようと、県内に別院を設
け、十万坪の土地を牧場や畑地
に整 備 して大 自 然 の中 で子 供 た
ちの心 をのびのびと再 生 する活
動も計画している。
03-5450-7588 FAX 03-5450-6559
Add 東京都世田谷区弦巻 1-34-17
web http://www.jyozaiji.jp/
藤
波
辰爾
近にあるんだろうね。新しくできる五
重の塔も供養のためー悼むこころが
そこにあると感じる。あじさいが咲
く頃に世田谷に浮かびあがる塔は
キレイだろうね。
ドラディション
プロレスリング
辰爾
駒野教源
永正三年(1506 年)開山。総本山は山梨県身延
山久遠寺。平成十四年落成の新本堂は室町時
代の建築様式を採用した大屋根の柔らかな曲 日蓮宗 常在寺
線が特徴。
住職
ぎったのは「悼む」という言葉。普段から
住職
生前にお戒名をお授けする 「授戒会」。お位牌は納骨堂に
ご安置、 没後は七回忌まで春秋のお彼岸に合同供養され
る。七回忌以降は 「五重塔」 に合祀されご先祖として永代
にわたりご供養させていただく。
日蓮宗 常在寺(じょうざいじ)
住職とお話していてふとあたまをよ
教源
藤波 ×
駒野
常在寺
日蓮宗
CHECK
ドラゴンの愛ことば
開山五百年の歴史を刻む常在寺
五月に永代供養五重塔が完成
東京都 世田谷区
▲藤波氏は五重塔に興味深々で聞き入る。
◀五重塔の工法は伝統技術を継承した「釘を一本も使わない」もの。
日本建築の最高峰の技法だ。
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