28 容器表面粗さの増加およびSiO2微粒子 を添加させた潤滑剤を用いたしごき加工 極限成形システム研究室 高橋 尚志 電池用ケースの製造 電気自動車 強く接触 深絞り加工 深絞り容器 しごき加工 焼付き 二次電池用ケース ステンレス鋼板 アルミニウム合金板 目的:ステンレス鋼容器とアルミニウム合金容器のしごき加工 における耐焼付き性の向上 28 容器表面粗さの増加およびSiO2微粒子 を添加させた潤滑剤を用いたしごき加工 • しごき加工限界に及ぼす容器表面粗さの 影響 • 容器表面粗さを増加させる深絞り加工に よる耐焼付き性の向上 • SiO2 微粒子を添加させた潤滑剤による耐 焼付き性の向上 しごき加工における表面粗さを増加した 容器による耐焼付き性向上 100mm/s 容器 dp ダイス パンチ 潤滑剤 硫黄系極圧添加剤 (95.74mm2/s) 潤滑剤 c f34 高さ /µm (i) 加工前 (ⅱ) 加工中 (b) ヘテロ (a) ラッピング ダイス: ヘテロ, ラッピング 4 (c)容器表面粗さ大 潤滑剤供給量:多 0 50 100 150 軸方向位置 /µm ヘテロ表面 (0.05μmRa) 研磨紙を用いて研磨された容器の表面性状 容器 軸方向粗さ 軸方向 z 20 測定部 円周方向 θ 0.1mm 研磨なし 研磨紙 高さ /µm 0.30μmRa 4 0 50 円周方向粗さ 4 100 150 z /µm 0 0.35μmRa 0.27μmRa 50 100 150 θ /µm 0.60μmRa 円周方向粗さ増加 0.60μmRa 0.11μmRa 軸方向粗さ増加 0.10μmRa 軸方向粗さ減少 0.11μmRa しごき荷重-ストローク線図および 潤滑メカニズム 潤滑剤流出 50 /kN 40 しごき荷重 円周方向粗さ増加, r =11.4% 30 (a)円周方向粗さ増加 20 潤滑剤供給 10 軸方向粗さ増加,r =12.1% 0 5 10 15 20 25 30 ストローク /mm ダイス:ヘテロ表面 35 (b)軸方向粗さ増加 成形限界に及ぼす容器表面粗さの影響 観察部 焼付き 0.1mm しごき率 r /% 30 20 研磨なしの塩素系添加剤 焼付き 良好 10 研磨なし 0 良好 研磨なしの塩素系添加剤 焼付き 研磨なし 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 容器表面の軸方向粗さ /µmRa (a) ラッピング (b) ヘテロ表面 28 容器表面粗さの増加およびSiO2微粒子 を添加させた潤滑剤を用いたしごき加工 • しごき加工限界に及ぼす容器表面粗さの 影響 • 容器表面粗さを増加させる深絞り加工に よる耐焼付き性の向上 • SiO2 微粒子を添加させた潤滑剤による耐 焼付き性の向上 容器表面粗さを増大させる 深絞り加工方法 ブランク f 66 パンチ しわ押え 深絞り ダイ クリアランス比= 120% 圧縮 小 隙間大 (a) クリアランス増加 13 浅絞り容器 f 45 引張大 表面粗さ大 (b)ストレッチドロー成形 パンチ 潤滑剤 ダイス: ヘテロ しごき加工 深絞り加工後の軸方向粗さ 軸方向 z 円周方向 高さ /µm 4 0.1mm 0 軸方向粗さ 0.30μmRa 50 100 150 z /µm 20 (a)研磨なし 測定部 8 4 0 0.43μmRa 50 100 150 z /µm (b) クリアランス増加 8 4 0 0.57μmRa 50 100 150 z /µm (c)ストレッチドロー 各容器における平均しごき荷重と しごき率の関係 平均しごき荷重 /kN 30 25 クリアランス増加 研磨なし 20 軸方向粗さ増加 ストレッチドロー 15 10 5 0 5 10 15 しごき率 r /% 20 25 表面粗さを増加させた容器の加工限界 潤滑剤残存 反射 しごき率 r / % 30 20 焼付き, 破断 焼付き 10 良好 研磨なし 0 軸方向粗さ増加 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 クリアランス増加 ストレッチドロー 容器表面の軸方向粗さ/µmRa 28 容器表面粗さの増加およびSiO2微粒子 を添加させた潤滑剤を用いたしごき加工 • しごき加工限界に及ぼす容器表面粗さの 影響 • 容器表面粗さを増加させる深絞り加工に よる耐焼付き性の向上 • SiO2 微粒子を添加させた潤滑剤による耐 焼付き性の向上 SiO2微粒子を添加した潤滑剤による 耐焼付き性向上 100mm/s パラフィン系鉱油 (動粘度ν=10,500mm2/s) dp c f34 潤滑剤 SiO2粒子(粒径:0.01μm) W=0~5wt%(0~2vol%) 高さ/µm パンチ ダイス: ラッピング 4 2 0 2μm 0.01μmRa 100 軸方向位置 /µm ダイス 硬さ/HV 1μm 容器 SiO2 ダイス 230 950 1550 200 加工限界に及ぼすSiO2粒子添加量の影響 観察部 焼付き 0.1mm しごき率 r /% 50 40 30 20 焼付き 焼付き,破断 添加なし 加工限界 良好 添加なし 加工限界 10 0 1 2 3 4 5 1 2 3 6 SiO2添加量W /wt% (a) ν=10mm2/s (b) ν=500mm2/s SiO2粒子による耐焼付き性向上メカニズム 容器(0.35μmRa) 潤滑剤+SiO2粒子 パンチ (粒径:0.01μm) SiO2粒子 ダイス 容器 しごきダイス (0.01μmRa) (a) 加工前 (b) 加工中 0.1μm (b) 接触部へ移動 (a)容器-ダイス が強く接触低粘度 高粘度 (c) 潤滑剤と共に流出 (d) 粒子入り込み SiO2粒子による耐焼付き性向上メカニズム 容器(0.35μmRa) 潤滑剤+SiO2粒子 パンチ (粒径:0.01μm) SiO2粒子 ダイス 容器 しごきダイス (0.01μmRa) 0.1μm (a)容器-ダイス が強く接触 SiO2粒子 10μm 添加あり (a) 加工前 (b) 加工中 (ν=500mm2/s,W =1wt%) (b) 接触部へ移動 高粘度 (d) 粒子入り込み まとめ • 軸方向粗さを増加させた容器が最も加工限界が高 かった. • 深絞り加工時のクリアランスを増加させる,または ストレッチドローを行うことで容器表面粗さを増加さ せることができ,加工限界が研磨なしに比べ向上し た. • 潤滑剤にSiO2微粒子を添加することで,添加なしよ りも耐焼付き性が向上した.
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