小論文検定 課題 (2015年第1回)

小論文検定 2015 年第1回検定(前期・後期)の課題
スタンダードコース
4級/5級/6級
■課題■
制限字数=800字 時間=50分
文章は常体で書くこと。
「成人年齢」について
2015年3月、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案が国会に提出され、今国会で
成立する見通しとなっている。これは、14年6月に憲法改正の国民投票法の投票権年齢を18歳以上
に引き下げる改正法が成立した際に「2年以内を目途に、法制上の措置をとる」よう付帯決議に明
記されていたのを受けてのことだ。同改正案では成人年齢の引き下げの検討も行うとしている。
現在、日本の「成人年齢」は民法で20歳と定められているが、欧米をはじめ18歳以上を成人とす
る国は多い。未成年者には法律でさまざまな制限が加えられており、日本では選挙権以外にローン
契約などの法律的行為や飲酒・喫煙、親の同意が不要の結婚などは成人するまでできない。一方で、
罪を犯した場合には少年法で裁かれ実名が出ないなど、未成年者は法律で保護されている部分もあ
る。成人年齢が下がり早くから社会に参加することで、政治や経済に対する意識が高まる、若い世
代の意見が政治に反映されやすくなるなどの利点がある。一方で経済的にまだ親に頼っている者を
成人と認めることに反対する意見もある。
あなたは成人年齢は何歳がよいと思うか。その理由を「成人」とはどのような立場であるか、あ
なたの考えを交えながら800字以内で述べよ。
マスターコース
1級/2級/3級
■課題■
制限字数=1200字 時間=60分
文章は常体で書くこと。
「人手不足の解消」について
少子高齢化で減少する日本の人口。働く人の数も減少し、人手不足が深刻化している。2014年3
月、内閣府は30年に労働力人口は13年時点から約900万人減少、対策がとられなかった場合は60年
には約2800万人減少するとの予測を発表した。
人手不足解消の一つの方策が外国人労働者だ。外国人労働者数は年々増加しており、特に人手不
足がすでに深刻化している製造業や外食・サービス業などでは重要な労働力となっている。13年に
は建設業で技術実習制度の期間が延長され、政府はさらに技術実習制度の対象職種の拡大なども検
討している。一方で単純労働者の受け入れ緩和は、日本人労働者の雇用を奪うのではないか、外国
人の増加によって治安や地域社会に影響を与えるのではないか、といった観点から慎重な意見もあ
る。また、働く人の層を厚くしていく方策もある。つまり、現状では働いていない(働けない)人
も「労働力」として見込めるようにする社会を構築していくということで、さまざまな方策が中長
期的な視点で議論されている。
あなたは人手不足によって社会にどのような影響が出てくると予測するか。また、人手不足を解
消するためにどのような方策をとっていけばよいと考えるか。この2点について具体的な例を示し
ながら1200字以内で述べよ。