7.政治・外交 1. 「タイの近代化と権力構造」市川健二郎・アジア経済研究

7.政治・外交
1. 「タイの近代化と権力構造」市川健二郎・アジア経済研究センタ-¥400 '66
都
米国留学中の研究と'65 年夏に見聞した結果のレポ-ト。
*現代の権力構造を次のように要約している。 5-6p
近代化の速度の相克が社会生活の不均衡を生む。
国民世論の盛り上がりは弱く、議員は個人的に政界有力者と主従関係をもつ。
公務員の社会的身分は高く各種の特権をもち部門内の派閥が強い。
企業の役員を兼任する高級公務員が多く汚職が目立つ。
知識階層の内部でも身分の上下の意識が強い、又内務省は政府批判の動きを取り締ま
っている。
温情による徒弟制度が根強く労働関係法規とその運営の実態とは必ずしも一致しない
2. 「タイ・ビルマ現代政治史研究」矢野暢・京都大学東南アジア研究センタ-
'32 年革命とサリット政権に関する分析。
¥8000 '68
日
3. 「東南アジアにおける権力構造の史的考察」山本達郎編・竹内書店¥1400 '69
国
14 の論文集。
GE511,97
・タイ現代政治社会の権力構造の動態 :河部利夫 173-202p
陸軍を中心として経済的には国策会社や華僑と結合し政府集権及び王権の傾向が強い
社会であることを説き、西欧教育を受けた都市居住の少数の指導層と文盲度が高く国政
に無関心な地方農村の住民という二重社会階層に注目して政治の課題を指摘している。
・タイ国の近代化と権力構造の変質: 市川健二郎 203-219p
19 世紀の後半から現代に至る近代化の歩みの中で伝統的な権力構造が存続しているこ
との障害を指摘している。
4. 「東南アジアの政治的腐敗」西原正編・創文社¥3800 '76
国ア
東南アジアの腐敗の実情や指導者、知識人の考え方及び欧米学者の視点を紹介。
・タイの政治文化と腐敗:J.C. スコット 35-63p
17 世紀イギリスとの比較から類似点を探り、権限の私物化と情実主義、汚職、華商資
本に対する官僚的搾取を明らかにしている。
5. 「血の水曜日」タイ民衆の闘いの記録編集委員会編・亜紀書房¥1957 '77
都
'73.10.14 事件以降、全国で展開された独立・民主主義・正義を求めるタイ民衆の闘
いの記録。'76.10.6 の大虐殺の引き金になった独裁者プラパ-ト、タノ-ムの帰国に反
対する運動、ク-デタ-を画策した支配階級達の陰謀の過程をビラ・声明文・手記・手
紙等で伝えている。
6. 「革命に向かうタイ」P.C.チャンダ-&T.スパウォン柘植書房¥1500 '78
中
副題: 現代タイ民衆運動史。'73.10.14 事件前後の労働運動、農民運動、学生運動を
左翼側から見た記録。タイ共産党の役割も記述している。
7. 「東南アジア五つの国」チャ-ルス.E. & アストリ・サ-カ・モリソン
サイマル出版会
東南アジア五カ国の外交政策の変遷及びアセアンについての解説書。
タイ-したたかな現実主義外交
3-57p
8. 資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史第6巻「憲法資料アジアⅠ」
浦野起央、西修編著・パプリカ出版 ¥24000 '80
・タイ王国
451-589p
都
国ア
9. 「明けゆく国々」狩野明男・プランナ-ズ・ユニオン 出版局¥1000 '82 ×
GF51,11 国
衆議院議員による外遊記録その 3 。
・古くからの親日王国タイ
218-253p
福田元首相に随行。タイ国王やクリアンサク前首相に会い、福田元首相のタマサ-ト
大名誉博士号授与式に参加する。
10. 「世界の議会⑨アジアⅡ」ぎょうせい
・タイ: 吉田幹正
118-131p
¥3800 '83
赤
11. 「外交官の一生」右射猪太郎・中公文庫¥760 '86
滝
'36 年に半年間シャム公使として赴任した時の記録がある。当時のシャム赴任は、ギ
リシャ、ペルシャと並んで「非衛生地であり、官歴の袋小路」であった。
12. 「タイ現代史への一証言」プオイ・ウンパ-コ-ン井村文化事業社¥1500 '87
日
'An Nuang ma tae 6 Tulakhom 2519 ' by Puey Ungphakorn '80
国立銀行総裁として経済発展に尽力しながら、平和的手段による社会改革を訴えた
論文集。
13. 「ASEAN 諸国の政治体制」萩原宣之、村嶋英治編・アジア経済研究所 '87 A51,E1 国
・タイにおける政治体制の周期的転換: 村嶋英治 135-190p
'32 年の立憲革命以来'86 年迄の間に、タイの政治体制が五回の「軍事ク-デタ→民
主化→軍事ク-デタ」サイクルを経験している。これは、軍部による政治介入の程度が
周期的に変化するため。
14. 「タイ-独裁的温情主義の政治」タック・チャル-ムティアロン井村文化事業社 本
'89 ¥2900
'THAILAND:The Politics of despolitic paternalism'by Thak Chaloemtiarama '79
著者は、京大東南アジア研究センタ-で最終稿を書いている。
第一部で第二次世界大戦末期から'57 年にかけてのタイ政治史、第二部でサリット政
権を分析しており、現代タイ政治の理解に欠かせない。
1958-63 年に首相を務めたサリット元帥は、タイ現代史上最も強権的な軍政を行うと
共に 1932 年以来権威が低下していた王室の復権に努めた。又民間資本主導の積極的な工
業化政策を導入し、1960 年代以降の順調な経済発展をもたらす。現在の政治の安定をも
たらしているのは、王室・政党・軍の勢力均衡にある。
15. 「外交に勝利はない」三宅和助・扶桑社¥1300 '90
都
'80 年タイ公使として赴任した経験から「タイの教訓」「玉本事件」に触れている。
タイのク-デタ-にはル-ルがある。・・時期でいえば秋のク-デタ-は成功率が高
い。8月から9月にかけて軍部内に人事異動があり、この異動に不満を持つ人々が一丸
となるから。171P
16. 講座東南アジア学・第七巻「東南アジアの政治」矢野暢編・弘文堂¥4200
・軍部支配と政治統合('32 年革命期における) :村嶋英治
81-101p
・官僚制の近代化:玉田芳史
102-119p
・農村の政治学:橋本卓
120-139p
・タイの反体制運動と政治発展:鈴木静夫
175-194p
日
17. 講座東南アジア学・第九巻「東南アジアの国際関係」矢野暢編・弘文堂¥4200'91 日
・タイ国の「国境」確定-近代的主権国家の成立過程:赤木功 125-140p
18. 「王権の位相」松原正毅編・弘文堂¥9800 '91
'90 年国立民族学博物館で開催されたシンポジウムの記録。
・「王」・功徳・開発-現代タイ王権と仏教:林行夫 144-170p
G189,E11 国
19. 「現代アジアと国際関係」三田 ASEAN 研究会編・慶應通信¥4120 '91
慶大法学部松本三郎教授還暦記念論文集。
・現役軍人の政治参加の一形態:樋泉克夫
345-372p
タイ内政におけるク-デタ-の持つ意味を明らかにする。
都
20. 「タイに民主主義を」チャムロン・サイマル出版会¥1700 '93
日
'92 年スチンダ将軍の強圧に挑んでタイの民主化を前進させた「 5 月闘争」物語。
留置場で書き上げた「ウォムガンスゥ(共闘)」の翻訳。
*「偉い人」のごまかしをやめさせるのは、亀の髭を探し、ウサギの角を探すのに等し
く難しい。244p
*政治スロ-ガン「絶対に嘘をつかない、下品な行動をしない、他人をののしらない」
246p
21. 別冊宝島「英雄たちのアジア」JICC¥1200 '93
A6,E28
国
ホ-チミン、毛沢東、ガンディ、マルコス、シハヌ-ク、金日成等アジアの 20 世紀を
駆け抜けた 21 人の英雄立ちの物語。
・チャムロン:橋田信介
234-9p
バンコク動乱の引金を引いた敬虔な仏教徒は元特殊部隊司令官。
22. 「アセアンとベトナム」三宅和助・サイマル出版会¥1600 '93
本
長くベトナム問題を担当していた外交官が東南アジアの特質を浮き彫りにしている。
ベトナム進出のノウハウが今後参考になってくる。
*アセアンは、中国・ベトナムという共産主義体制の国に対抗し、自らの政治的・経済
的な力を強めるための協調体制をとる必要から生まれた機構である。・・・アセアン
とベトナムの歴史は、いわばコインの表裏のような関係にある。 17-8p
*タイの政治は、「カナ政治」といわれる。「カナ」とは、ふつう特定個人を中心にし
て血縁・職縁・出身学校などを媒体に知り合いが集まって形成される非公式な少数政
治集団のことで、中心となる特定個人とはほとんどの場合、軍または警察の実力者で
ある。成員間の結びつきは、利益の獲得を目当てにした二者関係であり、きわめて私
的、閉鎖的な集団であるため、リ-ダ-層以外の構成員の特定はむずかしい。リ-ダ
-は金銭の授与、主要ポストの配分などの手段を講じて集団の強化を行う。 66p
*タイク-デタ-の成功三原則
68-9p
① 陸軍( 軍の中で最も数が多く実権を握っている)
② 秋( 夏過ぎの軍の人事異動に不満を抱くため)
③ 噂( 一般的なム-ドがある)
23. 地域研究シリ-ズ6「東南アジア政治・社会」安中章夫編¥3193 '93 GE511,E40 国
アジア経済研究所創立 30 周年記念行事の一つとして「地域研究の課題と展望」研究会
がまとめたもの。
・タイ国における地方選挙と地方リ-ダ-:村嶋英治
221-242p
副題: ナコンサワン県のケ-ス・スタディ
・モ-タムと「呪術的仏教」: 林行夫
256-292p
副題: 東北タイ・ドンデ-ン村におけるクン・プラタム信仰を中心に
24. 「ク-デタ-の政治学」岡崎久彦・藤井昭彦・横田順子・中公新書¥680 '93
本
副題: 政治の天才の国タイ。国際情勢判断の専門家とタイ地域専門家がタイ・ク-デ
タ-を分析、'92 年 5 月の事件がタイ民主政治の重大転機となったことに触れている。
*タイの政治で感ずるのは、民政の政府は軍に対して、軍事政権はデモクラシ-に対し
て常に緊張感を持ち、それがチェック・アンド・バランスを構成している、というこ
とである。 13p
*タイにおいて良い政治とは、国と国民の安全と繁栄のために良い政治のことであり、
政治体制が議会制民主主義かどうかとか軍が介入しているかどうかという政治の形式
の問題は、国民にとっては第二義的な意味しかないことである。
25. 「新しいアジアへの大戦略」岡崎久彦・読売新聞¥1600 '93 〇
本
駐タイ大使の経験からタイ、日タイ関係について考察し、日本のアジア政策、世界政
策を論じている。平和憲法というような特殊なことを言わない普通の国として、日米安
全保障条約を堅持しながらアジア太平洋地域で協力体制を構築していくを提示。
*タイとの付き合い方: 親しいからといってそれに狎れることはなく常に距離を置く。
31p
*アジア政策: なるべく普通の、わかりやすい国となり、今後の国際情勢の変動の節々
においていかに日本は良識ある国であるかを、実際の行動で示しつつ、国際社会の信
用を少しずつ確立していく。
80p
26. 「国際情勢の見方」岡崎久彦・新潮社¥1300 '94
本
'90 年 3 月「フォ-サイト」創刊より'93 年 2 月迄連載したものに加筆。
*タイという「文明」
人間の様々な価値の中で、人間関係に最高の価値を置く文明である。たとえば、日本
では常に国家、社会の事を考えて、そのために自己を犠牲にする覚悟のある人は立派
な人である。そういう人が時として、歯に衣を着せず相手を罵倒しても、その人に対
する尊敬や人間的信頼は変わらない。場合によってはむしろ尊敬が増す事もある。
しかし、タイではちがう。人間はまず他人の気持ちに思いやりがあり、他人の気持を
傷つけない事が大事である。他人を傷つけるような言動をする人は、その志がいかに
立派でも、学識が高くても、立派な人でもないし、尊敬に価する人でもない。 74p
*日本の企業は、これからどういう変動があるのかわからない世界において、軍事力の
後楯もなく、他人の主権国家の中で生きて行かねばならないという事である。そして
どの国の人も自分の国を愛しているという事である。ただ雇用が増え外貨が稼げると
いう事以上のものを欲しているという事である。日本が、現地の人々に、現在の利益
以上に将来の夢と希望を与え続けられるかぎり、日本の企業と日本人は、東南アジア
の人々から、信頼され、愛され、その安全が保障されると思う。 120-1p
27. 「タイ政治ガイドブック」赤木攻・国際語学社¥4800 '94
タイ現代政治の基本的な事柄を理解できる。
・政治制度/機構、軍部と政治、王政、司法制度、政党、選挙、地方制度、外交
本
28. 「開発と政治」岩崎育夫・アジア経済研究所¥3502 '94
都
「ASEAN 諸国の開発体制」研究会の成果。
・サリット政権下の開発体制 :河森正人
199-222p
ASEAN 諸国に最も早く出現した開発体制であるサリット政権が現代タイ政治経済史に
もつ意味の検証を試み、サリットの統治思想や政策を政治分野と経済分野に分けて検討
している。
29. 資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史第二巻「アジアⅡb,c」
浦野起央編著・パプリカ出版 各¥49440 '94
・タイの政変 855-1121p
ラマ四世以降の勅令、書簡、条約、声明等を収録。
国ア
30. 「エイジアン・パワ- 上」ルシアン・W・パイ大修館書店¥2575 '95
滝
著者は MIT 政治学教授、中国政治に詳しい。
*政治権力はわずかな文化的な差異に敏感であり、わずかな文化の違いが政治発展の過
程を決定する重要な要素となっている。・・ヨ-ロットはアジアに国民国家といった
法治主義的な概念を首尾よく強制したものの、アジアは温情主義的権威に支えられた
新しく力強いナショナリズムによってこれに応えた。
16-7p
・タイ-軍事独裁下の控え目な依存
225-233p
31. 「タイ現代政治史」加藤和英・弘文堂¥6000 '95
本
著者は'76 年チュラロンコン大政治学部に留学以来、タイの政治動向を分析しており
本書はその成果。「国王を元首とする民主主義」はタイ憲法に明文化されている概念で
あり、タイ政治固有の特徴である。
32. 「タイの行政」総務庁長官官房企画課
'95
国ア
タイの官僚制は、国際化・技術革新等、新たな課題に対応すべく見直しが行われてい
る。タイの歴史、統治制度、タイの行政組織・機構、公務員制度と人事管理、行政管理
行政改革、行政監査、地方行政、地方自治
付録: タイ王国憲法 '91
'92 年公務員法( 抜粋)(日・英)
33. 「アジア政治の未来と日本」岡部達味編著・勁草書房¥3502 '95
中
国際関係についての論文集。日本と ASEAN の PARTNERSHIP や ODA についての論文も
収録している。
・タイの政治発展と権威主義体制:小沢一彦
116-121p
34. 「アジア諸国の税法」監査法人ト-マツ編・中央経済社¥8800 '96
東アジア 11 カ国の租税制度及び各国の税制上の優遇制度ついて解説している。
・タイ:原邦明
184-222p
35. 「アジアの安全保障'96-'97 」平和安全保障研究所・朝雲新聞社刊¥2300 '96
・タイ 218-222p
バンハ-ン政権の誕生、高成長を維持する経済をテ-マに政治課題を概説。
中
国ア
36. 「ピブ-ン」村嶋英治・岩波書店¥2575 '96
真
専制君主制から立憲君主制への移行を果たした 1932 年の無血革命に光をあてながら、
首相として政治をリ-ドしたプブ-ンと人民党の役割、またこの国と近代日本との深い
かかわりを考える。タイ現代史であり日本をどのように見たかについても触れている。
37. 「東南アジア国際関係の構図」須藤秀夫・勁草書房¥3914 '96
日
本書は地域を構成する諸国家の特徴、それらの相互作用の場( 地域主義) 、そして域
外大国との関係という分析レベルから東南アジア体系の特質を検討している。
・東南アジア諸国の権威主義体制と対外政策-タイにおける政治と外交の連繋 51-81p
38. 「世界王室マップ」時事通信社¥1600 '97
駒
現存する王制、君主制国家は 30 弱。第一部で、その中から 11 選び、現状と展望を紹
介する。第二部で、滅びた王朝を 5 つ取り上げ解説している。
・絶頂期のプミポン国王に迫る不気味な予言 タイ: 名越健郎 28-39p
39. 「タイ・変容する民主主義のかたち」河森正人・アジア経済研究所¥1400+税 '97 本
'32 年立憲革命を起点とした政治思想を分析、タイの民主化パタ-ンを描いている。
又'96 年からの金融危機により市民及び国際経済の圧力により変革を余儀なくされてい
ることを指摘している。
*バブル経済:SETHAKIT FONG SABOO(石鹸の泡の経済)
189p
’
40. 「アジア政治読本」佐藤宏、岩崎育夫編著・東洋経済新報社¥2200+税 '98
本
アジア 16 カ国について、独立以降の政治史概略、基本的政治アクタ-、構造とメカニ
ズムの特徴、将来展望を行っている。
・ タイ-「軍・政治家・国王」体制から「市民・政治家・国王」体制へ 167-182p
41.「岩波講座・開発と文化6:開発と政治」川田順造ほか編・岩波書店¥3000+税 98 水
・開発主義、国民主義、成長イデオロギー:末廣昭
31-51P
東南アジアの中で最もはやく開発主義を導入したサリット政権を考察している。
’
’
42.「アジア型リーダーシップと国家形成」五百旗頭真編著・TBS ブリタニカ¥2200+税
98
目白台
「アジアと近代」の共同研究第三部会「アジア的意思決定と価値」の成果。
・国民国家形成におけるタイの意思決定:赤木攻
175-202p
‘
’
43.「土地所有の政治史」杉島敬史編・風響社¥7200+税 99
北区中
本書は 96 年に開催された国立民族学博物館の特別研究「アジア・太平洋における民
族文化の比較研究」の第八回シンポジウムで発表された報告書。
・ タイ国家の領土におけるカレンの土地権:速水洋子 201-228p
土地政策と各種プロジェクトが進行する状況と、それに抗する過程でカレン族が環境
NGO、僧侶、知識人の支持を得ながら自己主張をはじめる。
・ 北タイ、タイ・ルーの移住と守護霊祭祀:馬場雄司 229-250p
村落単位の農村開発プログラムが進行する中でタイ・ルー全体の儀礼である守護霊祭
祀を定位させようとする。
滝
’
44.「アジア[キーパーソン]事典」泉川オーシャン・三一書房¥1600+税
00
アジアの歴史に登場した人物のプロフィール集。
・タイ
148-153p
プミポン・アデンヤデート、チュアン・リークパイ、チャムロン・シームアン
’
45.「闇にうごめく日本大使館」野田峯雄・大村書店¥1800+税 02
在タイ日本大使館の実態報告。怠惰、無気力、傲慢、私益肥大化欲望が充満した姿を
ゴルフ接待、巨額援助資金、不正ビザ、ODAの面から暴く。
‘
46.「タイ行政法」鈴木康二・ジェトロ¥2500+税 02
都
97 年新憲法において行政裁判所が規定され、二年後法制化、2001年三月から施
行されている。本書はタイ行政法を論じ、日本企業が事業活動を円滑に展開していく上
で注意すべき点を指摘している。
’
47.「東アジア政治のダイナミズム」東アジア地域研究会、赤木攻、安井三吉編・青木書店
¥3800+税 02 豊島区中央
・「王政」と正当性:赤木攻
105-132p
タイ王政の中の現代に続くチャクリー王朝について歴史的に考察し、ラーマ 9 世の権
威の源を分析している。
’
48.「民主化の虚像と実像」玉田芳史・京都大学出版会¥4000 03
港区
2003 年時点までのタイ政治についての実証的研究書として出色。1992.5 以降、軍の政
治力が低下していく理由と過程や、1997 年憲法が目指した、清廉で能率的で安定した
政治に現実にはどう変わったかを検証している。タックシン率いるタイラックタイ党
の勝因と共に、同党の大口の資金提供者がタックシン夫人であり、個人商店の色合い
が濃いことも指摘されている。
* 陸軍最高首脳:5虎(ha sua) 総司令官、副総司令官、参謀長、総司令官2名
* ウタイ憲法制定議会議長ウタイの改定主眼:親分(luk phi)の撃退
親分は私設宝くじ(huai taidin)の元締めで、特定候補者への投票を条件として 500 バ
ーツ配っていく。候補者は親分の意向に沿わなければ当選できない。
小選挙区導入により親分に頼らず買収の必要もなくなる。