平成 27 年 3 月 トラブル症例 <車両> 車名 :日野デュトロ 2t トラック 型式 :XZU301 年式 :平成13年9月 走行距離:198,572km <症状> 時々黒鉛が出る 排気ブレーキもおかしい <受け入れ初診> レーシングにより確認 特に異常な黒鉛には感じられない。エアークリーナーエレメント を取り外して同様のテストをしても変化なし。 <試走点検> Stop & Go 異常なし 加速テスト 異常なし 減速テスト 排気ブレーキをONにすると効いてほしい時に効かない時もあ り効かなくていい時に効いてしまう、また正常に戻る時もある、 という状態であった。 <排気ブレーキの作動条件> ニュートラルSW OFF(ニュートラル以外) アクセル SW ON(アクセル踏んでいない) クラッチ SW OFF(踏んでいない) 黒鉛が排気ブレーキに問題が起因しているものとしてみれば、アクセルを踏み込み加速操 作をしている時に解除されなかった場合は排気が詰まり適正な空気の状態でないシリンダ ー内に多くの燃料が噴射される為その結果不完全燃焼の排気ガスとなり黒鉛につながると 考えられる。 もちろん黒鉛がでる原因は他にもいくつかあるが、排気ブレーキの異常と重なって症状が でていたので最初に疑って考えた。 では何故排気ブレーキの作動が不安定なのかを見てみると、クラッチペダルのリターンス プリングが折れていた、このため戻り不良になりクラッチ SW が ON になり必要な時に効 かない時があるという原因になっていた。 そして想定した黒鉛の原因としての排気ブレーキが解除できない状況の有無を点検してみ た。後輪を持ち上げ排気が効きっぱなしになるまで走行状態を再現した、効きっぱなしに なったところでチャンバーのバキュームホースを抜いてみたところ、依然効いたままであ りチャンバー自体の問題と判断できた。 その後快調に走っていただいている。 (サービス部 チーフインスペクター 長野 清志)
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