施設管理者編 - 和里(にこり)【社会福祉法人太樹会】

2015/5/25
ユニットケア導入の過程
施設管理者編
奈良県
社会福祉法人 太樹会
和里(にこり)
施設長 吉川 聡史
本日の資料(PDF)
http://www.nicori.or.jp/
CSR推進室
実地研修施設紹介 P75-76
1
2015/5/25
1)施設の概要 -立地‣大和高田市
‣奈良県中西部に位置
‣奈良県で最も人口密度が高い
‣人口 67,834人
‣高齢化率27.1%
2015年4月1日現在
1)施設の概要 -サービスの種類和里(にこり)
奈良県大和高田市
特別養護老人ホーム90名
ショートステイ20名
デイサービスセンター35名
ケアプランセンター
和里(にこり)香芝
奈良県香芝市
地域密着型特別養護老人ホーム29名
ショートステイ11名
デイサービスセンター20名・10名
ケアプランセンター
介護職員初任者研修事業
コミュニティカフェ事業
和里(にこり)香芝Ⅱ
奈良県香芝市
地域密着型特別養護老人ホーム29名
2
2015/5/25
1)施設の概要 -平面図(本館)-
1)施設の概要 -平面図(南館)-
3
2015/5/25
1)施設の概要 -職員の状況など‣開設時60人
➡ 8年後175人
5年以上
34人
20%
‣定着率 平均76.5%
中央値
1053日
‣職員配置1.6~1.7:1
‣ユニットリーダー研修
1年未満
31人
18%
3~5年未満
50人
29%
1~3年未満
58人
33%
在籍9名・異動5名・退職4名
2)施設の理念をどのように定めたのか
‣現在(価値基盤は,パーソン・センタード・ケア)
その人を取り巻く人々や社会とのかかわりをもち,
人として受け入れられ,
尊重されていると本人が実感できるように,
共に行っていくケア
(2009.6 日本人DCMトレーナー会)
*英国ブラッドフォード大学故トム・キットウッド教授が1980年代後半に提唱
4
2015/5/25
‣開設後(約束事を4年目に追加)

「介護」を「支援」と置き換えます

入居されている方は「入居者」,利用されている方は「利用者」と呼びます

気持ちの良い挨拶をします

パートナー同士の会話をなくし,入居者・利用者を中心とした会話を心掛けます

「~ですか?」の言葉かけで自己決定を促します

入居者・利用者の前では「お疲れ様」の言葉を遣いません

「ありがとう」という感謝の持てる役割を担っていただきます

制服は着用せず,落ち着いた雰囲気の私服を着用します

緊急時以外,慌ただしい行動は慎み,のんびり支援を行います

身体拘束や不適切なかかわりを行いません

気づき,考え,行動し,振り返ります

「もし自分だったら…」と,常に念頭に置き,支援します

多職種とのコミュニケーションを図り,スムーズな連携を目指します

暮らしの場を損ねる恐れのある「業務」的な言動を改めます
2)施設の理念をどのように定めたのか
‣開設時(運営方針を追加)
おおき
私たちは太樹な心で社会に貢献します
 入居者・利用者の意思と尊厳を最優先にした暮らし
のサポートを致します.
 心の絆を大切にしたおもてなしを行います.
 地域社会との連携を大切にして,支えあいのできる
生活を築いていきます.
 専門職としての価値を理解し,知識,技術の向上
に努めます.
5
2015/5/25
3)理念を具体的ケアのあり方に置き換えると
‣こだわりの一つ(約束事より)
暮らしの場を損ねる恐れのある
「業務」的な言動を改めます
「失禁」ではなく「失敗」,「徘徊」を「散歩」etc.
と表現し,何気なく使用する言葉のもつ意味を考える.
自分たちが受けたい支援なのか,
家族や周囲の人に胸を張って夢や想いを語れるのか,
自分たちに都合のよい言い訳をしていないかetc.
4)職員に理念の徹底をするために、
具体的に何をしたのか
‣ユニットケア導入前
ユニット型経験者なし
ユニットケアは“幻想”との声
課題別研修
‣ユニットケア導入後
理念ハンドブック第1版(3年目)
クレド活用
新人研修,課題別研修
6
2015/5/25
4)職員に理念の徹底をするために、
具体的に何をしたのか
‣現在(理念ハンドブック第5版)
法人理念,経営方針,運営方針,約束事
「人」が「人」に援助する7つの原則
ユニットケア
職員心得2014
VIPSフレームワークシート
スーパービジョン
職務分掌規程,個人情報管理規程
宣誓書など
5)理念に基づいたケアを展開するために,
職員にどのような研修や教育をしたか
‣キーワード「関心・志・可能性」
‣内部研修
新人研修
3週間
入職時研修
3日間
普通の暮らしとは?
介護現場の常識は,世間の非常識
法人内実践発表
‣外部研修
研修費1.2%
(25年度)
7
2015/5/25
6)理念に基づき、どのような建物にしたか
‣開設時
ユニットに玄関,間仕切りのない回廊型
ダイニングにIPカメラ
ユニット内は同じ家具,どこも同じ雰囲気
温冷配膳車
一斉介助
大浴場複数入浴
6)理念に基づき、どのような建物にしたか
‣現在(パブリックスペース)
地域へ無料開放
認知症サポーター養成講座
売店
移動販売
靴下市&フリーマーケット
陶芸教室
コミュニティカフェ
8
2015/5/25
7)理念に基づき、
組織をどのように体系化したか
‣法人内外で多職種連携(パートナーシップ)の醸成
本人視点の各種実践で目標共有
 運営会議,リーダー会議,スーパーバイザー
 ユニットケア推進室
認知症ケア,食事検討,褥瘡対策,介護力向上,感染症対策
 CSR推進室
リスクマネジメント,衛生,介護職員初任者研修,虐待防止,
入居検討,コミュニティカフェ
 ユニットリーダーの役割
パートナーの心情を把握し,士気を高めること
8)ユニットケアを運営して良かったこと・効果
‣入居者・利用者
人としての価値を認められる
個性に応じた支援を受けることができる
本人の視点を重視される
人間関係の重要性を考えられる
‣家族
訪問(滞在)しやすい
‣職員
なんちゃって支援から脱却できる
9
2015/5/25
8)ユニットケアを運営して良かったこと・効果
‣入居者・利用者の声
「気軽に声がかけられる」「やっぱり個室がいい」
‣家族の声
「あちこちに外出していたアルバムを見て,元気だった
祖母の顔が拝見でき,涙を流しながら眺めました.中
には,カラオケをしてるものもあり,いつも私達の為にだ
け生きてきた祖母だったので,あんな姿を見たことがなく
,親戚中で微笑みながら眺めました」(FB)
‣職員の声
「1人の人に深く関わりをもつことができる」
9)課題をどのようにして
乗り越えることができたか
1年目 外部研修へ参加
2年目 外部講師(リスク),改修・増員・固定配置,ユニット配膳
3年目 外部講師(認知症),ユニット費,スーパービジョン
4年目 調査不合格,先進施設見学,ラーメン
5年目 外出支援,DCM導入,本人視点の表現を活用
6年目 調査合格,ドリーム&ハッピーコース,キャリアアンカー
7年目 ユニット費見直し,キャリアパス変更
8年目 更新調査合格,24Hシート見直し,カフェテリアプラン
10
2015/5/25
10)介護職の職業倫理を含め、
ユニットリーダーに期待すること
‣“施設は施設長以上にならない!”(反省)
‣“報連相”と“珍言才”
‣結果を出さない過程には意味がない(顧客の本音)
‣過程軽視ではなく,いかに熱量をかけて達成したか
10)介護職の職業倫理を含め、
ユニットリーダーに期待すること
ユニットリーダー研修受講後,パートナーとともに,
進むべき目標を見定める力,ギャップを見極める力,
より良い環境に見返す力をあきらめずに高めてください!
認知症
とともに
生きる人
に
の
に
の
が
に
聞いてみる
話しを想像する
現状を伝えてみる
反応をみる
どのように思うか聴いてみる
どのようにするか相談する
11