位相ドップラ法のディーゼル噴霧への適応性に関する研究

52微粒化Vol、15,No.51(2006)
研究諭嘉鮒罵
位相ドップラ法のディーゼル噴霧への適応性に関する研究
StudyorIAdaptabilitytoPhaseDopplerMethodforDieselSpray
奥村宜宗
竹田哲馬
(NorimuneOKUMURA)
同志社大学大学院
(DoshishaUniv.)
(TetsumaTAKEDA)
同志社大学大学院
(
D
o
s
h
i
s
h
a
U
n
i
v
.
)
千田二郎
(JiroSENDA)
同志社大学
(DoshishaUniv.)
l
t
i
s
v
e
r
y
s
i
g
n
i
f
i
c
a
n
t
t
o
o
b
t
a
i
n
t
h
e
i
n
f
b
r
m
a
t
i
o
n
o
f
d
r
o
p
l
e
t
s
i
n
a
n
l
m
s
t
e
a
d
y
s
p
r
a
y
,
t
h
a
t
i
s
,
a
d
i
e
s
e
l
s
p
r
a
y
,
t
o
f
i
n
d
t
h
e
c
o
l
m
t
e
l
m
e
a
s
u
r
e
a
g
a
i
n
s
t
v
e
T
y
s
e
v
e
r
e
r
e
g
u
l
a
t
i
o
n
r
e
l
a
t
i
n
g
t
o
t
h
e
e
x
h
a
u
s
t
g
a
s
t
h
r
o
u
g
h
a
C
I
e
n
g
i
n
e
_
O
n
e
o
f
u
s
e
f
i
l
l
t
e
c
h
n
i
q
u
e
i
s
t
o
a
p
p
I
y
t
h
e
P
h
a
s
e
D
o
p
p
l
e
r
A
n
e
m
o
m
e
t
I
y
(
P
D
A
)
f
b
r
t
h
i
s
k
i
n
d
o
f
s
p
r
a
y
,
H
o
w
e
v
e
r
,
t
h
e
r
e
a
r
e
s
o
m
e
l
i
m
i
t
s
t
o
m
e
a
s
u
r
e
t
h
e
d
r
o
p
l
e
t
d
i
a
m
e
t
e
r
a
n
d
i
t
s
v
e
l
o
c
i
b
/
b
e
c
a
u
s
e
t
h
e
n
u
m
b
e
r
o
f
d
r
o
p
l
e
t
s
p
a
s
s
i
n
g
t
h
o
u
g
h
a
u
n
i
t
v
o
l
u
m
e
i
s
t
o
o
m
u
c
h
d
e
n
s
e
a
n
d
t
h
e
i
r
v
e
l
o
c
i
b
/
i
s
a
l
s
o
t
o
o
m
u
c
h
f
a
s
t
n
e
a
r
t
h
e
n
o
z
z
l
e
o
u
t
l
e
t
、
T
h
i
s
p
a
p
e
r
d
e
s
c
r
i
b
e
s
t
h
i
s
k
i
n
d
o
f
l
i
m
i
t
o
f
P
D
A
・
K
e
y
w
o
r
d
s
:
P
h
a
s
e
D
o
p
p
l
e
r
,
D
i
e
s
e
l
,
S
p
r
a
y
,
D
r
o
p
l
e
t
,
M
e
a
s
u
r
e
m
e
n
t
p
o
i
n
t
,
C
o
u
n
t
n
u
m
b
e
r
o
f
d
r
o
p
l
e
t
L緒言
度場対応のPDAを用いて多点計測を行なった結果,
図1に見られる計測粒子数が0の期間があることが
わかった.つまり,これは計測不可能な期間が存在
することを意味する.そのため本研究では,PDAを
用いて噴霧を噴霧軸方向・半径方向に各4水準を取
る計16点で計測し,PDAの計測限界点を実験的に
把握することを目的とした.
また,噴射条件を実験パラメータとし噴射条件の
ディーゼル機関から排出される有害物質の低減の
ためには燃料噴射技術の改善が必要であり,そのた
めには噴霧構造や噴霧特性を把握することが重要で
ある.その中で,本研究では粒径や液滴速度などの
液滴レベルの微視的な特性に着目した.
現在用いられている液滴計測装置の一つとして,
粒径と液滴速度の同時計測が可能な位相ドップラ流
変化と計測粒子数が0となる計測点の変化の関係,
噴射条件の変化と同じ計測点に対する計測粒子数の
速計(PhaseDopplerAnemometIy:PDA)(')が挙げられ
変化の関係も確認したので併せて報告する.
る.PDAを用いた計測により,燃料液滴の粒径と液
滴速度を定量的に比較。評価を行なうことが可能と
なれば,噴霧構造をより明確に把握することが可能
2.実験装置および原理
となる.そこで,実際にディーゼル噴霧に対し高密
■、■
ず
■●
〃
・号全角
卦、句。Nocount
謬職f=罰〆一 、 …
ー
[望E︸登一○O|①ン
:、−..LVelocitv
鳶.・罫.x垂.
布釦頭0
100
一●Number
鼻﹃発令錘
。︻“●.﹃ベ︶︹/一喜訂10
叩叩叩叩0
[のE↑.。、●.]、一の一旦O﹄で﹄○﹄のpE.匡旨.○○
2.1PDAシステム
一lnjectionduration
=
−1︲
旨02.557.510
言
T
i
m
e
a
H
e
「
i
n
j
e
c
t
i
o
n
p
u
l
s
e
s
t
a
r
t
[
m
s
]
O
Olh,ノー166[ms],Z=50[mm],r=0[mm]
本研究では,PDA(DANTECDYNAMICS,HiDense
PDASystem)をディーゼル噴霧に適応したPDAの
諸元を表Iに示す.送光系にはDANTEC60X41を用
い,プローブ直径60mm,焦点距離310mmである.
また,倍率1.98のビームエクスパンダを装着し,ビ
ーム径は2.67mm,ビーム間隔は75.24mmとした.
受光系は受光口径78mm,焦点距離310mmのデイテ
クタを用いた.なお,受光器内部の空間フィルター
は251JLmのピンホールを用い,受光方式は3ディテ
クタ方式とした.信号処理ソフトはBSAFlowを用い,
p
”
=
1
0
0
[
M
P
a
]
,
島
=
3
9
.
5
[
k
g
/
m
3
]
,
Q
i
h
ノ
ー
2
0
[
m
m
3
]
バーストスペクトラムアナライズ(FFT)方式で処理
Fig.1ExampIeoftimehisto『yofcountnumberof
d
r
o
p
I
e
t
s
a
n
d
t
h
e
i
r
v
e
l
o
c
i
t
y
を行なった.なお,信号処理器のバンド幅は120MHz
であり,これは流速計測レンジの最大260m/sに相当
する.また,粒径計測レンジは最大54IJLmである.
原稿受付:2006年1月23日
(
1
)
微粒化Vol,15,No.51(2006)53
なお,PDAの原理の詳細は参考文献(3)(4)(5)に委ねる.
2.2ディーゼル噴霧に対するPDAの最適化手順
本研究では,高濃度領域を計測するため,計測領
域を最小限にすることで多重散乱の影響を限りなく
小さくした.計測領域の径を小さくしすぎると,レ
ーザ光のGausSian特性の影響で計測値が異なるが,
本研究で用いた信号処理器では,極端に大きい粒子
でない限り,その影響は無視できる.また,高濃度
での計測を可能にするため,レーザ出力も装置上ほ
ぼ最大値(各光線200mW出力)が得られるように信
号処理器を設定した.このため,干渉縞間隔が小さ
くなっているが,これに対応するため信号処理器の
TablelMaindimensionofPDA
Diameterofmeasurementvolume
Dmlmm]
VolumeIengthofmeasurement
Lm[mm]
0.63
F
r
i
n
g
e
s
p
a
c
I
n
g
F§[mm]
2.14
Lase「crosslngangIe
L・[degJ
8.13
Recelverangle
R
。
[
d
e
g
.
]
76.0
30.0
Table2Specificationofinjectionnozzle
バンド幅は装置上最大値120MHz(流速260m/Sに相
当)を用いた.もしバンド幅が十分でない場合には,
干渉縞を少し大きくし,速度レンジを大きくする必
要があるが,本研究でのディーゼル噴霧の場合,上
Numberofholes
〃
Diameterofnozzlehole
d[mm]
Lengthofnozzlehole
/[mm]
Max、needlelift
L
m
a
x
I
m
m
]
l
n
j
e
c
t
i
o
n
a
n
g
l
e
α[deg.]
記の設定で速度計測が許容できた.
2.3燃料噴射装置および供試ノズル
燃料噴射装置には噴射圧,噴射量や噴射時期の制
御が可能なコモンレール式燃料噴射装置(2)を用い,
噴射ノズルには単孔ノズルを使用した.ノズルの諸
元を表2に示す.また,供試燃料としてJIS2号軽油
を用いた.
3.実験方法および実験条件
I
n
j
e
c
t
i
o
n
c
o
n
I
r
o
l
c
i
r
c
u
i
t
、
W
a
v
e
m
e
m
。
『
y
C
o
m
m
o
n
息
i
l
i
n
j
e
c
G
o
n
s
y
s
I
e
m
3.1実験方法
図2にPDAを用いた光学系および計測装置の概略
Fig.2Schematicdiagramofoptics
図を示す.光源として連続発振が可能であるAr+レ
Table3ExperimentaIconditjon
ーザ(波長514[nm],Spectra-Physics)を用いた.Ar+レ
lnjectionpressurBp報IMPal 6 0 , 8 0 . 1 0 q l 2 0 1 0 0 1 0 0
ーザはドライバボックス内で分光され,光ファイバ
を介してトランスミッタより出射される.そして二
A
m
b
i
e
n
t
p
r
e
s
s
u
「
e
p
。
I
M
P
a
]
AmbiGntdensityp・Ik9/m3
2.0200.1q・1.0'2.0
l
n
j
e
c
t
i
o
n
q
u
a
n
t
i
t
y
Q
Y
【
m
『
T
P
l
本のレーザ(各光線200mW出力)を交差させること
により高圧定容容器内に計測体積を形成し,粒径と
液滴速度を計測した.また,ディテクタは粒子から
の散乱光のうち表面反射光が減衰し,一次屈折光が
支配的となる位置に配置する必要があるため,レー
ザ入射方向から30。の位置に設置した.また,ディ
39.539.51..17,18.6,39,5
205,10,15‘2020
l
n
j
e
c
l
i
o
n
d
u
「
a
t
i
o
n
I
h
v
【
m
s
]
1.660.5310.88‘1.18,1.661.66
Ambientgas
C
O
z
TemPeratu「eZ[K]
C
O
2
Fuel
JlSsecondcIassgasoil
テクタには3個のフォトマルチプライア(光電子倍
増管)が設置されており,位相差を検出する組み合わ
MieSca社ering
zImm]
せを二種類持つことで,1つの粒子から2つの位相
Laserbeam
差を検出している.
mm}
に対し,図3に示すように噴霧軸方向・半径方向に
各4水準を取る計16点で計測を行なった.なお,噴
射は4秒周期で行ない,噴射回数は75回とした.
7
o
00
「
’んや1.1詞︲
3.2実験条件
本研究では,噴射量,噴射圧および雰囲気密度を
実験パラメータとし,室温場の下で実験を行なった.
実験条件を表3に示す.また,それぞれの実験条件
漣
TF
96
③Measurement
point
Z[mm】:30,50, 70080
r[mm]:0,3,6,
9
NozZlebody
夢 窒 ゆ 動
Fig.3Measu「ementpointandspraylmage
(
2
)
Ai「ICOz
3 0 0 3 0 0 3 0 0
⋮
54微粒化Vol・'5,No.51(2006)
Z
I
m
m
]
0000
、
3.21噴射量について
噴射量をパラメータとした実験では,ginj=5,10,
15,20[mm3]とし,噴射圧はpinj=100[MPa]とした.
なお,雰囲気密度はPh=39.5[kg/m3]とし,雰囲気気体
にはCOぅを用いた.
『
3.2.2噴射圧について
11
mm]9E
噴射圧をパラメータとした実験では,pinj=60,80,
100,120[MPa]とし,噴射量はginj=20[mm3]とした.
班
p
河
=
1
0
0
[
M
P
a
]
,
p
・
=
3
9
.
5
[
k
g
/
m
3
]
,
Q
j
n
ノ
ー
2
0
[
m
m
3
]
肘
=
1
.
6
6
[
m
s
]
,
f
=
2
.
4
9
[
m
s
]
なお,雰囲気密度はβa=39.5[kg/m3]とし,雰囲気気体
にはCO2を用いた.
Fig.4Locationofmeasu「ement
騨騨報祷令寸;−祷苧湾
一.。'竪唯
3.2.3雰囲気密度について
雰囲気密度を実験パラメータとした実験では,
βa=1.17,18.6,39.5[kg/m3]とし,噴射圧を
Pinj=100DViPa]とした.なお,雰囲気気体にはCOぅお
よびAirを用い,gmj=20[mm3]とした.
拳
j
l
1
4.PDA計測の問題点および実験結果の定義
4.1PDA計測の問題点
T
g
か ←
高速かつ高密度である噴霧をPDA計測するには,
現在の計測装置では限界がある.そこで,計測が困
難となると考えられる条件および理由を以下に記す.
毎
。
QmF5QIIrlOQilF15Q"F20[mm3I
i=0.80!=1.32I=1.771=2.49[msl
p
I
n
F
1
0
0
[
M
P
a
]
,
P
b
=
3
9
.
5
[
k
g
/
m
3
1
Fi95Sp「ayImageasafunctionofinjectionquantity
(1)計測体積内を複数の粒子が通過した場合,複数
の信号が重ね合わさり検出されるため,各粒子
の位相差を認識することができない.その結果,
位相差から粒径に変換することが不可能となる
ため計測が困難となる.
驚営… .. …=…罷蒜.一. ー一.=一貢霞零噸率薗一呉展..、一再唖輔識
(2)液滴数密度が高い場合,レーザ光路上に存在す
る粒子により強度が減衰するため,計測体積内
を追加する粒子の散乱光が弱くなる.その結果,
散乱光の信号がノイズに埋もれてしまうため,
計測が困難となる.
(3)高速噴霧の場合,粒子は雰囲気気体から加わる
‐
春
一
=
p側f60pjnF80pr100pr120IMPa]
抗力により,非球形な粒子となる.非球形な粒
子を計測すると,信号から検出された2つの位
相差から計算される曲率に差が生じる.この非
球形な粒子をデータとして取り込むと,精度の
低いデータとなる.このため本研究では球形率
p
・
=
3
9
.
5
1
k
g
/
m
3
1
,
Q
‘
r
2
0
1
m
m
3
l
,
仁
2
.
4
9
【
m
s
】
Fig.6Sp「aylmageasafunctionofinjectio、pressure
が22.14%以下となった粒子データは取り込ま
ない設定とした.
4.2実験結果の定義
実験結果の例として,図4に本実験で基準とした
実験条件の計測結果を示す.実験条件は噴射圧を
piqj=100[MPa],雰囲気密度をβh=39.5[kg/m]],噴射量
をginj=20[mm3]とした.図中●は計測に問題の無い
藤...。繊.爵”鐸嬉
島=1.17島=18.6pa=39.51kgノ、.'
位置,図中▲は1回の燃料噴射につき,0.,[ms]間に
P
‘
、
j
=
1
0
0
【
M
P
a
l
,
Q
i
n
j
=
2
0
【
m
m
3
1
,
伝
2
.
4
9
[
m
S
】
Fig.7Sp『ayImageasafunctionofambientdensity
計測粒子数が平均2個以下,つまり噴射終了時まで
(
3
)
微粒化Vol,15,No.51(2006)55
150個以下の計測期間がある位置,図中×は高速か
一lnjectiondu「ation
300
.-&」旦遮L
西0m石
50
︹望E一言で。−⑩ン︼の一旦O﹄□
鼠1.
,
.."再b−
蓉・;顎骨増,,”・群−5鈴
.塁・篭:‘“、“移挙も
F$、=込
﹃0.
ロ
7
5
;
蓄
電
い
2.557.502.5575
T
i
m
e
a
f
t
e
r
i
n
j
e
c
t
i
o
n
s
t
a
l
t
{
m
s
]
(a)Z=30[mm](b)Z=50[mm]
脳.婆へ、鋒︾
︾
。、一号
・・た.
.●謎..
E
『
函
’
魚灸
&●ぜ.衿、
Mie散乱法より得られた画像より,本研究で対象
としたディーゼル噴霧の噴霧構造を説明する.画像
1
−のE↑。Q︲︸吻一①一旦O﹄ローO﹂①pE.こ︾こ.。。
5.1対象としたディーゼル噴霧の噴霧構造
■
●
.︾・鷲興.、..︽︾
0
00
00
0
0
00
010
40
32
5.実験結果および考察
50
E店
●0.
孔から噴霧先端までの距離とする.噴霧角は,
鈴図
Ⅸ0眼
少なくなり,計測に不適切な位置とした.
撮影時期/は,噴射期間rinjを8分割して噴射開始
z/irinj=1/8から噴射終了後Mrinj=12/8まで撮影し,その
12番目の画像Mrinj=12/8を用いた.
ここで噴霧先端到達距離は,〃riqj=12/8における噴
100
400
つ高密度場であるため,散乱光の減衰や,非球形な
粒子が原因で』計測粒子数が0となる期間がある位
置,図中*は噴霧外縁部付近,または噴霧が通過し
ない位置であるため,計測体積内を通過する粒子が
02.557.502.557.510
TimeaHerinjeclionstartIms]
(c)Z=70[mm](d)Z=80[mm]
p
j
n
F
1
0
0
I
M
P
a
1
,
p
a
=
3
9
.
5
1
k
g
/
m
3
]
,
Q
J
n
F
2
0
[
m
m
3
]
,
‘
n
F
1
.
6
6
[
m
s
]
,
F
O
[
m
m
1
Fi98Tempo「aIdistributionofcountnumberofdropIets
andtheirveIocityatsp「ayaxIs
///、j=12/8における噴孔から噴霧先端到達距離の
一
での噴霧外縁と噴孔のエッヂを通る直線を結ぶ頂角
とする.
ginj=5[mm3]のとき,噴霧先端到達距離は55.7[mm],
噴霧角は21.6[deg.],噴霧円錐角は18.5[deg.]であっ
75.3[mm],噴霧角は20.1[deg.],噴霧円錐角は
到達距離は90.1[mm],噴霧角は19.0[deg.],噴霧円
錐角は19.4[deg.]であった.ginj=20[mm3]のとき,噴
霧先端到達距離は104.8[mm],噴霧角は20.3[deg.],
噴霧円錐角は19.2[deg.]であった.
噴射圧変化における噴霧画像を図6に示す.
舞 . :
0
0
50
息‘,X麹,.逗 鎮強へ、…,逢
1
0
Timeafterinjectionsla「t[msl
(a)FO[mml(b)ノー3[mm]
③Number
;輿患
ィ
ゾ
惣ミ
.¥・of丸
2.557.502.557.5
一
溌
‘
w
,
.
.
”
100
pjnj=60[MPa]のとき,噴霧先端到達距離は100.6[mm],
i'′更
75
●Numbe「
’|VcIociW
ハu戸。
︹U﹃I
21.9[deg.]であった.ginj=15[mm3]のとき,噴霧先端
ロ
、繰皿 弓 患 唖
・ふミェ.
登一○○一⑩ン両一QO﹄ロ
た.ginj=10[mm3]のとき,噴霧先端到達距離は
100
可旦
一的E↑・目︲︸里①一。。﹄ロ﹄O﹂①負Eコ匡旨二○○
まず,噴射量変化における噴霧画像を図5に示す.
-lnjectiondu「ation
濁0
0
00
00
003
0
0
00
02
0
3
2
1
4
70[%]の位置での噴霧外縁部と噴孔を結ぶ直線の頂
角とする.噴霧円錐角は噴孔から’[mm]離れた位置
50
.
.
桑
、
畿
叫畠
蓉息繊浄舜舞
2.557.502557.5
0
ロ
T
i
m
e
a
r
t
e
「
i
n
j
e
c
t
i
o
n
s
t
a
「
t
[
m
s
]
噴霧角は23.5[deg.],噴霧円錐角は18.3[deg.]であっ
(c)F6[mm](d)戸9[mm]
た.pinj=80[MPa]のとき,噴霧先端到達距離は
103.4[mm],噴霧角は21.5[deg.],噴霧円錐角は
19.5[deg.]であった.pmj=120[MPa]のとき,噴霧先端
到達距離は108.2[mm],噴霧角は22.2[degJ,噴霧円
錐角は19.2[deg.]であった.なお,pinj=100[MPa]のと
p
i
n
F
1
0
0
I
M
P
a
]
,
p
a
=
3
9
.
5
[
k
g
/
m
3
]
,
Q
ノ
,
F
2
0
[
m
m
3
]
,
l
i
r
1
.
6
6
[
m
s
]
,
Z
=
5
0
1
m
m
]
Fig.9Tempo「aIdist「ibutionofcountnumberofdroplets
a
n
d
t
h
e
i
r
v
e
I
o
c
i
t
y
i
n
r
a
d
i
a
l
d
i
r
e
c
t
i
o
n
Z=30[mm]:×,Z=50[mm]:×,Z=70[mm]:△,
Z=80[mm]:●であった.これらの結果が得られた詳
雰囲気密度変化における噴霧画像を図7に示す.
細な原因を追究するため,図8に噴霧軸上で軸方向
距離Zを変化させて計測した計測粒子数および液滴
ph=1.17[kg/m3]での噴霧特性は,噴霧が撮影視野を超
速度の時間変化を示す.縦軸は0.1[ms]あたりの計測
きは上記噴射量変化giqj=20[mm3]と同等である.
粒子数および液滴速度,横軸は時間とした.
Zが増加するに伴い,計測が容易になる原因とし
て,噴霧は噴孔からの距離が増加するほど微粒化お
よび拡散が促進されると考えられる.このため,Z
が増加するに伴い,液滴数密度が減少するため,計
測しやすくなることが考えられる.
また,図8より』各条件において計測された液滴
えたため正確な値を計測することは不可能であった
仏=18.9[kg/m3]のとき,噴霧先端到達距離は
114.7[mm],噴霧角は19.4[deg.],噴霧円錐角は
18.7[deg.]であった.なお,瓜=39.5[kg/m3]のときは上
記噴射量変化ginj=20[mm3]と同等である.
5.2計測点の変化による影響
5.2.1噴霧軸方向距離の変化による影響
速度を比較すると,Z=50,70,80[mm]の順に遅く
なっている.これより,計測点が噴孔から離れるに
図4より計測結果は噴霧軸‘方向の距離
つれ,液滴速度が低下し非球形な粒子が減少するこ
(
4
)
56微粒化Vol、15,No.51(2006)
m
5.2.2噴霧半径方向距離の変化による影響
図4より,Z=50[mm]の位置での計測結果に
ノー0[mm]:×,ノー3[mm]:▲,ノー6[mm]:●,ノー9[mm]:
m
れは噴孔に最も近い条件であり,液滴数密度と液滴
速度が高いため,計測不可能な期間が長く,液滴速
度が低くなる時刻から液滴が計測され始めたためと
考えられる.
1
10000
とで,計測が容易になると考えられる.さらに,
Z=30[mm]での液滴速度が最も低くなっているが,こ
mm]
に0
QbF5Imm。IQjrlOlmmJIQ‘F15[m、.lQF20【mm3j
時0.531,s】I&ツー0.881,s]lr1.181,s】fr166Ims]
*となる変化が見られた.これらの結果が得られた
詳細な原因を追究するため,図9に軸方向距離を
︺7
55
0
︺
1
【
0
.
両meanerinjectionstaRImsl
(a)QJnF5[mm3](b)QjnF10[mm3]
4,r0.53[ms]lhfOB8[ms]
一、唖
唖
;
畷
磁
一望E]蚤一○○一①シ一の一旦。﹄口
2.557.502.557.5
調0m石印お0
動方向をレーザ入射方向から垂直方向としているた
め,これにより,計測点までにレーザが通過する噴
霧領域が減少し,計測点へ入射するレーザ光の強度
鵜
ロ
一
噴霧軸から噴霧外縁部に近づくにつれ液滴数密度が
減少するため計測が困難となる原因が緩和されたと
推測される.次に,本実験では半径方向距離'・の移
へ
h■■
微粒化および拡散が促進されると考えられるため,
鍵
鼠
忠
;
﹁;”
[、E一・三︲]の一①一qo﹂ロ﹄O﹂gE.二一厘コ○○
られなくなる.この原因として二つの理由が考えら
れる.まず,噴霧軸からの距離が増加すると噴霧は
;
、
受
雨竺
-lnjectiondu息tion
一“唖
示す.図9より,FO[mm]の場合,計測粒子数が0
の期間があるが,F3[mm]になると,計測粒子数が
増加している.戸6[mm]は,計測粒子数の減少が見
︹一
測した計測粒子数および液滴速度分布の時間変化を
0
0
0
00
叩6
印4、
0
530
3釦
10
64
15
p
町
=
1
0
0
I
M
P
a
l
,
島
=
3
9
.
5
【
k
g
/
m
3
]
F
i
g
.
1
0
E
f
f
e
c
t
o
f
i
n
j
e
c
t
i
o
n
q
u
a
n
t
i
t
y
o
n
m
e
a
s
u
r
l
n
g
c
a
p
a
b
i
l
i
t
y
Z=50[mm]とし噴霧半径方向の距離ノ・を変化させて計
鈴魂"、−−題寿司;。篭…
が減衰しにくくなる.このため,粒子の散乱光の計
測が容易になったと考えられる.
02.557.502.557.510
TimeanerinjectionsIart[ms1
また,ノー9[mm]は計測粒子数が少なくなっている.
この理由として,Z=50[mm]での噴霧幅を計測すると
21.4[mm]であったことから,戸9[mm]は噴霧外縁部
付近の計測となっていたことがわかる.このため,
計測体積内を通過する粒子が少なくなり,計測粒子
数が少なくなると考えられる.
帝﹄烏二、ヨウ’’二
これらのことから,噴霧外縁部に到達しない範囲
ではrが増加するに伴い,計測が容易になると考え
られる.
0
0
l
l
i
i
塞
途
=
=
0
外で計測粒子数がoの期間があった位置は,噴射量
f,m
ろ 、 悪
O
図10に,噴射量をパラメータに用いた場合の計
測結果を示す.図10より,噴霧が通過しない位置以
、
Q
j
r
2
0
[
m
m
3
]
o
Q
m
F
1
5
[
m
m
3
]
,害i、t
−
EC二。、﹄﹄のEコーOン
5.3噴射量の影響
3
02
0
0
00
0
(c)QJhF15[mm3](d)QjnF20[mm3】
4,F1.181,s]1カF1.661,s】
P
i
n
j
=
1
0
0
[
M
P
a
]
・
p
h
=
3
9
.
5
【
k
g
/
m
3
]
,
Z
=
5
0
[
m
m
]
,
ノ
ー
0
[
m
m
]
Fig.11Tempo「aldist「ibutionofcountnumbe「ofd「oplets
a
n
d
t
h
e
i
r
v
e
l
o
c
i
t
y
a
s
a
f
U
n
c
t
i
o
n
o
f
i
n
j
e
c
t
i
o
n
q
u
a
n
t
i
t
y
ginj=20[mm3]の時,Z=30,50[mm]:,=0[mm],噴射量
ginj=15,10[mm3]の時,宏30[mm]:ノー0[mm]の位置で
1.01.52.02.53.0
TASI[ms]
あった.これらの結果から,顕著に結果が異なった
Fig.12Volumefraction「esults
a
t
i
n
j
e
c
t
i
o
n
q
u
a
n
t
i
t
y
c
h
a
n
g
e
s
Z=50[mm]:ノー0[mm]の計測結果に着目する.図11
そこで詳細に議論するために,図12に各噴射量に
おける,噴霧に対する燃料の体積割合の時間変化を
示す.縦軸を噴霧と燃料の体積割合とし,横軸を時
に噴射量を変化させて計測した計測粒子数および液
滴速度の時間変化を示す.図11より,噴射量を減少
させると,計測粒子数の減少が見られなくなること
がわかる.また,噴射量が減少すると,液滴数密度
が低下し,レーザの減衰がしにくくなるため計測が
間とした.ここで,縦軸のリノル…は噴霧モーメンタム
法(6)によって得られた噴射率波形からその時刻にお
容易になると推測できる.
ける噴射量を求め,Kpmyは噴霧画像を図’3のよう
にIpixel厚さの円板の集合体と仮定して積算した値
(
5
)
微粒化Vol,15,No.51(2006)57
NozzIeexiI
ざ亡ロ一一m
である.図12より噴射量が減少すると,噴霧に対す
る燃料の体積割合が低下していることが確認できる.
〃=
匡印q○
つまり,噴射量が減少するに伴い,噴霧内の液相の
割合が低下し,液滴数密度が低下していると考えら
V
h
,
これらのことより,噴射量を減少させると液滴数
ゴ|﹃一
る
.
一
語”﹄ユの
れるため,計測が容易となる傾向が見られたといえ
図耽
ー
密度が低くなることから,計測粒子数が増加すると
考えられる.
=
また噴射量が5[mm3]の場合,噴霧の運動量が小さ
一一I(1) 1
[
p
i
x
e
l
l
Fig.13CaIculationofsp「ayvolume
く雰囲気気体から受ける抵抗により,Z=80[mm]の位
置に噴霧が届かない.このため,Z=80[mm]の位置は
、
計測に不適切な位置であることがわかる.
5.4噴射圧の影響
図14に,噴射圧をパラメータに用いた計測結果を
示す.図14より,噴霧が通過しない位置以外で計測
粒子数が0となる期間があった位置は,すべての噴
r
射圧において,Z=30,50[mm]:戸0[mm]の位置であ
[
m
、
った.これらの位置は,高速かつ高密度場であるた
め,散乱光の減衰や,非球形な粒子などが原因とな
り,計測が困難になると考えられる.また,噴射圧
の変化によって計測結果に変化の現れた計測点は
p〃r60IMPa]p,,r80[MPa】pノ,F100[MPa]p"F120[MPa]
p
a
=
3
9
.
5
I
k
g
/
m
3
】
,
Q
ル
r
2
0
[
m
m
3
l
,
1
=
2
.
4
9
I
m
s
]
、NumbB「
ずも■
乳
〆
:
‘
骸
・
磯
;
顔
;
.
、
¥
“
。
詫
一
蕊弧:恥
︹UP○
FiW繭
ズ
.
、
墨
L
昌
二
』
z
聖
塑
L 一…
きき蕊
b.,J・も
..患¥
晶誓§
壱一○○一①シ司一。。﹂ロ
T7meanerinjedionsta「tIms]
(a)pj,f60[MPa](b)pjnF80[MPal
副0
WI5
6
02.557.502.557,510
T
i
m
e
a
n
e
「
i
n
j
e
c
l
j
o
n
s
f
a
「
t
[
m
s
]
(c)pjrlOOIMPa](d)pjnF120IMPa]
β
‘
=
3
9
.
5
{
k
9
/
m
3
1
,
Q
〃
F
2
0
[
m
m
3
]
,
Z
=
7
0
[
m
m
]
,
F
O
[
m
m
]
,
1
1
,
F
1
.
6
6
1
,
s
]
F
i
9
1
5
T
e
m
p
o
r
a
l
d
i
s
t
「
i
b
u
t
i
o
n
o
f
c
o
u
n
t
n
u
m
b
e
r
o
f
d
「
o
p
l
e
t
s
a
n
d
t
h
e
i
r
v
e
I
o
c
i
t
y
a
s
a
f
U
n
c
t
i
o
n
o
f
i
n
j
e
c
t
i
o
n
p
r
e
s
s
u
「
e
帝己Ⅵ二三浬コワーーン
ると考えられるため,計測が容易な傾向になると推
察される,しかし,実際の計測結果は噴射圧が増加
すると計測粒子数が減少する傾向を示すため,計測
が困難となる原因が液滴数密度の増加であるとは考
0
0
0
0
そこで図15の速度分布に着目すると,液滴速度
の最高値は噴射圧が増加するに伴い大きくなること
がわかる.また,液滴速度は計測粒子数の減少が始
まる付近で最高値を示すことが確認できる.この相
関性から,噴射圧が増加すると液滴速度が速くなり,
−
匡○一一。m﹂﹄①E.|Oン
えにくい
30
2
0
0
0
霧に対する燃料の体積割合が低下していることが確
認できる.この結果から,噴射圧が増加すると噴霧
内の液相の割合が低下し,液滴数密度が低下してい
、識寧難蝿。.-、偽厭蔵畠患
。且◆其癖ロ、
50
凝蕊.鞭
2.557.502.557.5
ー も も 由 一
75
00﹃I
そこで,原因を追究するため,図16に各噴射圧
における,噴霧に対する燃料の体積割合の時間変化
を示す.縦軸を噴霧内の燃料の体積割合とし,横軸
を時間とした.図16より,噴射圧を増加させると噴
一議騨
一辺E︸
主な原因が明確ではないと言える.
5 00
西0
速くなるため非球形粒子となることが挙げられるが,
2
戸
苧
専
噌
、
l
p
玉。・恥認傘齢浮舎・玲画.
て,液滴数密度が高くなる,レーザ光が減衰し』粒
子の散乱光を検知できなくなることや,液滴速度が
-Injectiondu「ation
詳知。。,、誕譲範
・封っ、鶏恥蛭識、
[mE一・Q︲一m一①一旦。﹂ロ﹂o﹂①pE.匡一匡三。。
いて噴射圧を変化させて計測した計測粒子数および
液滴速度の時間変化を示し,図15を用いてこの変化
の原因を考察する.図1sより,噴射圧を増加させる
と比較的液滴速度の速い期間において,計測粒子数
が谷状に減少していくことがわかる.この原因とし
0
010
00
m4
叩3、2叩
0
0
10
32
Z=70[mm]:’=0[mm]のみでありpmj=60[MPa],
p
i
n
j
=
8
0
[
M
P
a
]
:
●
,
p
i
n
j
=
1
0
0
[
M
P
a
]
,
p
i
q
j
=
1
2
0
[
M
P
a
]
:
△
となった.そこで図15に,←70[mm]:ノー0[mm]にお
皿、鼠蝿
F
i
g
.
1
4
E
f
f
e
c
t
o
f
i
n
j
e
c
t
i
o
n
p
「
e
s
s
u
「
e
o
n
m
e
a
s
u
r
l
n
g
c
a
p
a
b
i
I
i
W
1.01.52.02.53,0
TAS│【ms]
Fi916Volumefractionresults
atinjectionp「essu「echanges
(
6
)
58微粒化Vol,15,No.51(2006)
非球形粒子となりやすくなるため,計測粒子数の減
叩
図17に,雰囲気密度をパラメータに用いた計測結
果を示す.図17より,噴霧が通過しない位置以外で
計測粒子数が0である期間がある位置は,雰囲気密
峰、
pa=1.17{kg/m3]島=18.6Ikg/m31pa=39.5[kg/m3】
p
h
n
j
=
1
0
0
【
M
P
a
1
,
Q
l
n
l
=
2
0
[
m
m
3
1
,
!
=
2
.
4
9
1
,
s
]
Fig.17Measurementcapabiliiya9ainstambientdensity
一lniectiondu「atiorl
800
たZ=70[mm]:ノー3[mm]において比較を行なった.
図18にZ=70[mm]:ノー3[mm]での雰囲気密度を変
■q
600
●ゥ
ら −
■ ●
40C
ゆ
め ■
O
■ ●
q■凸■■
令 ■ ■
8
:
、
湾
・
bロー◆、塊■
御…:--皇謡
2.557.502.557.510
'
0
,
T
1
m
e
a
f
t
e
r
i
n
j
e
c
t
i
o
n
s
l
a
r
t
I
m
s
]
(a)βa=1.17[kg/m31(b)島=18.6[kg/m3]
300
⑨Number
畠VeIociIy
■
、
の
凸
’
0
225
150
息
員
・
・
記
品
,ヘ
200
一の芦二ご一口o一の三m一旦○﹂ロ
−mE一・Q︲]切一m−Qo﹄己﹄。﹄①。Eコ三ニコCO
燃料の体積割合が小さくなっていることが確認でき
る.雰囲気密度が減少すると,噴霧内の液相の割合
が低くなり,計測が容易となる傾向が現れることが
予想される.しかし,計測結果は逆に計測粒子数が
低下する傾向を示した.このため,雰囲気密度を変
化させた場合の液相の体積割合の変化は計測に対し
影響が小さいと考えられる.また図18より雰囲気密
度が低下するにつれて計測される液滴の最高速度が
増加していることがわかる.このため,計測粒子数
唖! 一 唖
一 鈴 ・
0
0
0
00
0
2
80
600
4
化させて計測した計測粒子数および液滴速度の時間
変化を示した.図18より,雰囲気密度を減少させる
と,計測粒子数が減少する現象が大きくなっている
ことがわかる.また,計測粒子数が減少している期
間では,液滴速度が増加している.図19に雰囲気密
度を変化させ,時間に対する噴霧と燃料の体積割合
を示す.図19より雰囲気密度を減少させると噴霧と
「nm
1
如錘卸布0
位置においても雰囲気密度が減少すると,計測粒子
数が減少する傾向が予測できる.そこで,雰囲気密
度の影響を詳細に確認するため,計測結果が変化し
r÷
〆
R
R
I
皿
!
子数が0となる時間が存在した.また,ノー3[mm]の
、曲
Ii!リ
5.5雰囲気密度の影響
度が39.5,18.6[kg/m3]の時戸0[mm]において,Z=30,
50[mm]の位置であった.また,雰囲気密度が
1.17[kg/m3]の時,噴霧軸上のすべての位置で計測粒
mm]
叩
0000
少が生じると考えられる.
額
静
噸
難
…
i
>
、
噌
診
…
、
7
5
0
02.557.510
T
i
m
e
a
n
e
r
i
n
j
e
c
t
i
o
n
s
t
a
r
t
I
m
s
]
(c)島=39.5[kg/m31
p
i
l
1
F
1
0
0
[
M
P
a
]
,
Q
l
n
F
2
0
[
m
m
3
】
,
【
h
f
1
.
6
6
[
m
s
]
,
Z
=
7
0
[
m
m
]
,
F
3
1
m
m
]
Fig.18Tempo「aldist「ibutionofcountnumberofd「oplets
andtheirvelocityagainstambientdensity
云巴烏二
が減少する原因は,液滴速度が速くなることで非球
形粒子となりやすくなるため,燃料が空気と十分混
合せず非常に方向性の強い噴流が存在するための両
また,図20に示すように雰囲気密度が1.17[kg/m3]
の場合,Z=70[mm]:ノー0[mm]において』速度が一定
の値以上計測できていないことがわかる.これは,
計測可能な液滴速度の限界を上回っていることが原
因である.
0.002
i
B
0.001
(
I
N
埼迅
,0]
一℃一号一一ン匡O一一○m﹄﹄のE三○ン
者が考えられる.
0.003
舌0.01.02.03.0
>
6.おわりに
T
A
S
l
[
m
s
]
Fig.19Volumefraction「esults
atambientp「essurechanges
本研究から,以下のような知見を得た.
E一Injectiondu眉tion
(1)計測位置が噴孔に近づくと,比較的高速な粒子
300
d800
'
9
W
:
鰯
爵
、脳
:
:
:
:
私
'
菖
蕊
置
が通過する期間において計測粒子数が減少する
柘
。
盲
(2)噴霧半径方向距離の増加に伴い,噴霧外縁部に
o『瞳。.:g
到達しない範囲で比較的高速な粒子が通過する
期間において計測粒子数が増加する.
g2。。『・Z"5重
一公唾孟八一厘釣侭
喜 びエミ〆頭∼・
=一陰
一心員
(3)噴射量を減少させると,比較的高速な粒子が通
舌02.557.5・10
目T1meafterinjectionstartlms】
過する期間において噴霧軸距離が短い条件での
O
β
,
=
1
.
1
7
【
k
g
/
m
3
]
p
"
=
1
0
0
[
M
P
a
I
,
Q
"
r
2
0
[
m
m
3
]
,
l
h
v
=
1
.
6
6
[
m
s
l
,
Z
=
7
0
[
m
m
】
,
F
O
[
m
m
]
Fig.20ExampIeofthelimitofmeasu「ement
ofdropIetsvelocity
(
7
)
微粒化Vol,15,No.51(2006)59
計測粒子数が増加する.
奥村宜宗
(4)噴射量が減少すると,同じ計測点で比較した場
同志社大学大学院
工学研究科機械工学専攻
博士課程前期課程修了
合!比較的高速な粒子が通過する期間において
計測粒子数が増加する.
(5)噴射圧が増加すると,噴霧軸上での計測点にお
〒610-0321
いて,比較的高速な粒子が通過する期間におい
て計測粒子数が減少する.
京都府京田辺市多々羅都谷I-3
Tel:0774-65-7742
(6)雰囲気密度が減少すると,噴霧軸上での計測に
Fax:0774-65-7743
おいて計測粒子数が減少する.
略歴:2006年
同志社大学大学院工学研究科
博士課程前期課程修了
(7)雰囲気密度が減少すると,噴霧外縁部から噴霧
軸上に近づくに伴い,計測粒子数が減少する.
謝辞本稿の執筆にあたり実験装置PDA(DANTEC
DYNAMICS,HiDenSePDASystem)を快くお貸しい
竹田哲馬
同志社大学大学院
工学研究科機械工学専攻
博士課程前期課程在学
文 献
蕊
(1)JulienLacoste,“PDACharacterizationofDense
現在
ただいた,ダンテック・ダイナミクス株式会社代表
取締役松本雅則様に心より感謝いたします.また本
稿で用いたデータの収集整理には,同志社大学工学
〒610-0321
部4回生北芝隆信君の協力を得たことをここに付
京都府京田辺市多々羅都谷I-3
記し,感謝の意を表する.
Tel:0774-65-7742
Fax:0774-65-7743
略歴:2005年 同 志 社 大 学 工 学 部
機械システムエ学科卒業
DieselSpraysUsingaCommon-Raillnjection
System",SAEpaper,No.2003-01-3085,(2003).
(2)伊藤昇平,“コモンレール”,ENGINE
同志社大学大学院工学研究科
博士課程前期課程在学
非定常ディーゼル噴霧の噴霧
特性に関する研究に従事.
TECHNOLOGY,V01.1,No.4,(1999)1pp,46-47.
(3)LEEJ,KANGS,RYOB,"二次元PDPAを用いた
間欠的多孔ディーゼル噴霧の乱流混合流れ特'性
千田二郎
の時間分解解析",日本機械学会論文集B編,
同志社大学工学部教授
V
o
L
4
6
,
N
o
.
3
,
p
p
、
4
2
5
4
3
3
,
(
2
0
0
3
)
.
(4)JHOM,HUHKY,YOOJ−H,LAIM−C,
‘‘NumericalPredictionandValidationofFuelSpray
BehaviorinaGasolineDirect-InjectionEngine,,,
SAEpaper,No.2001-01-3668,(2001).
(5)LEEJ,NISHIDAK,SONGKK,"多孔ディーゼル
間欠噴霧の液滴-空気流れ特性の実験的研究",
自動車技術会学術講演会前刷集,No.61-01,
P
p
,
1
4
,
(
2
0
0
1
)
(6)J,MDesantes,R,Paiyri,F,J,Salvador,J、Gimeno,
“MeasurementofSprayMomentumfbrtheStudyof
CavitationmDiesellnjectionNozzles",SAEpaper,
No.2003-01-0703,(2003).
〒610-0321
京都府京田辺市多々羅都谷I-3
Tel:0774-65-7742
Fax:0774-65-7743
略歴:
1985年 同 志 社 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
機械工学専攻博士課程後期課程修了
同年
ヤンマーディーゼル(株)入社
1990年 同志社大学工学部機械系学科専任講師
1992年 同志社大学工学部機械系学科助教授
1994年 米国ウィスコンシン大学客員助教授
1998年 同志社大学工学部機械系学科教授
非定常噴霧や噴霧燃焼場の光学的
計測,モデリング,燃料設計手法によ
る低エミッション燃焼法の提案,水素
ディーゼル機関,バイオディーゼル燃
料に関する研究に従事.
(
8
)