トファシチニブクエン酸塩 (ファイザー、武田薬品工業)

【新医薬品】
関節リウマチ領域における世界初のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
トファシチニブクエン酸塩
®
「ゼルヤンツ 錠」
(ファイザー、武田薬品工業)
トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ/ファイザー、武田薬品工業)
リウマチ学会、トファシチニブの使用 GL を公表
添付文書よりも適応を限定する格好に
日本リウマチ学会は 6 月 3 日、「全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン」を発表した。
トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ/ファイザー、武田薬品工業)は生物製剤と同程度の有効性を持つ経口の関節リウマチ治療薬。
リウマチ学会は、トファシチニブ投与中に重篤な有害事象を合併する可能性があるとして、ガイドラインで適応や有害事象の予防・早
期発見・治療のための注意点を示し、薬剤の適正使用を促すとしている。
添付文書ではトファシチニブの適応は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」。一方、今回のガイドラインでは、「メトトレキサート
(MTX)8mg/週を超える用量を 3 カ月以上継続して使用してもコントロール不良の関節リウマチ患者」とし、適応をさらに限定した格好。
さらに、日和見感染に対する安全性を配慮して、「末梢血白血球 4000/mm3 以上」、「末梢血リンパ球数 1000/mm3 以上」、「血中
β-D-グルカン陰性」の 3 項目を満たすことも強く推奨されるとしている。
活動性結核を含む重篤な感染症合併患者、悪性腫瘍を有する患者などは投与禁忌とした。
また、因果関係は明らかではないものの治験で悪性腫瘍やリンパ増殖性疾患の発現が報告されていることや、日本人を含むアジア
人集団ではほかの人種に比べて重篤感染症発現率が高かったとして、投与に際して注意を呼び掛けている。
ガイドラインには、トファシチニブ投与中に発熱や咳、呼吸困難が出現した場合の対応をまとめたフローチャートも盛り込まれた。
発熱や咳、呼吸困難(PaO2、SpO2 の低下)が認められた場合は、胸部単純 X 線写真、CT 検査、身体所見、臨床検査の実施し、トファ
チシニブの投与を一旦中止。
呼吸器内科、放射線専門医の読影で、実質性陰影や間質性陰影を呈した例には、それぞれ診断に必要な検査を実施すべきとした。