Report on Study ~新検出器WAGASCIの設計~ ~INGRIDのoperation~ Naruhiro Chikuma 竹馬匠泰 The University of Tokyo 1 4月~9月の過ごし方 • 4月 ― T2K実験の前置検出器の一つINGRIDのイベント再構成のアル ゴリズムの理解 ― 新検出器WAGASCIへの適用に向けていくつかのシミュレーショ ンを実行 • 5月 ― 検出器で用いるシンチレータのテスト実験(東北大学の電子 ビームを使用) ― Franceからの共同実験者も含めたミーティング(京都大学にて) • 6月~8月 ― CERN Summer Student Program (スイス・フランスに滞在) • 9月 ― WAGASCIにおいてミューオン飛程検出器での磁場導入の検討 2 T2K実験 T2K 長基線ニュートリノ振動実験 ・J-PARCの30GeV陽子加速器で生成された ν𝜇𝜇 ビームを295km離れたスーパーカミオカンデ (SK、50ktonの水チェレンコフ検出器)で観測。 ・前置検出器ホールに設置されたND280で ν𝜇𝜇 ビームフラックスを測定。 ・オフアクシス法 (ビーム中心からずらし𝜈𝜈振動が最大となる𝐸𝐸𝜈𝜈 得る) ⇒ νµ → ν𝑒𝑒 振動を7.3𝜎𝜎で世界初の観測(2013年、最終統計の8.4%) 今後、さらなる統計量 ・混合角𝜃𝜃13 , 𝜃𝜃23 のさらなる高精度測定 ・CP対称性の破れ ν𝜇𝜇 ビーム 𝜇𝜇+ 280m 295km • ND280(オフアクシス検出器) • スーパーカミオカンデ(SK) 3 WAGASCI 検出器 WAGASCI ・ 中心検出器(標的部分) + 𝜇𝜇飛程検出器(MRDs) ・ H2O標的とCH標的(それぞれ1ton) ⇒標的中の原子核とニュートリノとの反応で生じた荷電粒子(𝜇𝜇− など) をプラスチックシンチレータを用いて検出 ※シンチレーション光は、 波長変換ファイバーを 通してMPPCで読み出す。 ※検出器間のヒットの 時間差情報より、荷電 粒子の方向を決定 ⇒外部からのバックグ ラウンド源を除外 Central Detector MRDs (鉄とシンチのサンドウィッチ構造) 側面:4つ 下流:1つ 中心検出器部のシンチレー タの組み合わせ Central Detector 4 10月 5 • 4 – 12 : T2K collaboration meeting @富山 ― WAGACI実験のmeetingでMRDにおける磁場の導入について発表 • 15 – 16,20 – 22 : INGRID立ち上げ作業 @J-PARC(東海村) ― 解析プログラムの整理、𝜈𝜈(𝜈𝜈) ̅ beamに向けたセットアップ WAGASCI • 実際の𝜈𝜈(𝜈𝜈) ̅ beamには backgroundとして𝜈𝜈(𝜈𝜈) ̅ が混ざっ ていて、シグナルである𝜇𝜇− と𝜇𝜇+ と を区別することでpureなイベント の測定が可能となる。 • MRDについてSimulation(右図) - MRDにMuonを直接入射し、磁場に よる散乱角を測定する - 𝜇𝜇+ と𝜇𝜇− を散乱の方向によって区別 After deflection by magnetic field Initial Muon’s direction : Muon’s hits on scinitllator Topview Sideview : Scintillator(active) : Scintillator(inactive) : Iron(magnetized) 11月 6 • 4~7,24~30 : INGRIDのoperation@J-PARC(東海村) - ソフトウェアの管理、errorの対応 - semi-offlineでデータ解析をして𝜈𝜈ビームの方向を測定 INGRID • INGRIDはJ-PARC前置ニュートリノ検出器ホールに置かれ、生成直後のニュートリノ反応 を測定することによりフラックスやビーム方向に対する誤差を制限している。 • 基本構造は、鉄とプラスチックシンチレータからなる層構造。 14 • イベントレートは𝜈𝜈モードで1.71/1014 POT(Protons on target), 𝜈𝜈モードで0.56/10 ̅ POT ビーム方向の測定の一例 (𝜈𝜈̅ beam, 6.23e+17POTのデータ ) 12月 • • • • 7 • FPGA:デジタル回路のみが実装可 10 – 12 : FPGA講習会@九州大学 能な集積回路(サイズはせいぜい 14 – 17 : T2K beam shift@J-PARC 2cm×2cm程度).ユーザーが(ソフ トウェアのように)回路情報を書き 17 – 21 : ビームテスト@東北大学 込んで使用. 21 – 23 : ニュートリノ新学術研究会@富士山 • T2K beam shift:ニュートリノ振動実験のために,加速器の運転状況やニュートリ ノビームの精度などを24時間体制( 8時間シフト×3)でモニターする. T2K • ビームテスト:WAGASCI実験で使用予定の3mm薄型プラスチックシンチレータに ついて,600MeVの陽電子ビームを用いて性能評価を行った. WAGASCI ビームテストで使用したシンチレータ(右) 東北大学の陽電子ビーム施設(下) シンチレータの光量(下) p.e. 1月 8 • 15 – 22 : INGRID expert shift@J-PARC INGRID • 2月のT2K Collaboration meetingに向けて,INGRIDのofficial plotを作成 (T2K Run6についての解析結果発表準備). ch# distribution (Vertex X) - Neutrino vertexの分布はdataとMC expectation で十分に一致. - Beam方向,Event Rateについても安定して正し く測定されている. ⇒今後も同様に測定を続ける. Beam Measurement Event Rate & Beam Directrion Horizontal Modules Vertical Modules Center [cm] Width [cm] Center [cm] Width [cm] 0.49±1.21 442.5±2.0 2.21±1.34 473.3±2.4 2月 9 • 2 – 7 : T2K Collaboration meeting INGRID (発表 INGRIDにおけるニュートリノビーム測定結果 <1月に作成したofficial plot>) • 8 – 11 : ICEPP シンポジウム WAGASCI (発表 WAGASCI実験のためのプラスチックシンチレータ性能評価 <12月,東北大>) ⇒ 同内容で学会発表. • 26 – 28 : INGRID expert shift • 磁石導入に向けたシミュレーションの進歩 WAGASCI 新しい磁場マップをジュネーブ大学から入手 ⇒ GEANT4ベースのMCシミュレーションに実装 ⇒ 解析は進行中 3月 10 • 9 - 10 : Flavor研究会@東海村 (発表 INGRIDにおけるニュートリノビーム測定結果 <1月に作成したofficial plot>) • 15 – 17 : INGRID operation INGRID (発表 WAGASCI実験のためのプラスチックシンチレータ性能評価 <12月,東北大>) ⇒ 同内容で学会発表. • 21 - 24 : 日本物理学会@早稲田 • プロトタイプ作成に向けたエレクトロニクスデザイン WAGASCI - 32ch MPPC arrayをTFBまたはEasirocに接続する必要がある - コネクタの作成 ⇒ 設計し、企業に製作を依頼。
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