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平成27年4月1日
21世紀を生き抜くために
~グローバル人材の育成のために~
東京都立深川高等学校長
三保
和彦
深川高校に着任して2年目となりました。昨年度、90周年記念行事も終わり、100
周年へ向けて新たな第一歩が始まりました。伝統ある自主・合理・積極・協調という4つ
の教育目標のもと、
「バランスのとれた人間性の育成」と「自己実現を図る資質・能力の育成」
を掲げた教育活動は継続して展開しています。
受験勉強だけではなく、21世紀を生き抜くために幅広い教養・能力を身につけさせ、
人を思いやる豊かな感性・思考スキル・協働性を育み、将来の目標に向かって人として幸
せを感じながら生きていける人を育てたいと考えています。
その中で昨年度はスーパーグローバル大学の指定、大学入学者の「入学者受け入れ方針・
学位授与の方針・教育課程の編成・実施の方針」の一体的な策定の義務化などグローバル
社会・大学卒業学生の質保障に対応した改革が進みました。
これによって、大学教育のグローバル化が進み、日本の大学の国際競争力が向上し、グ
ローバルな舞台で活躍できる人材が育つことを期待されています。また、社会に送り出す
具体的な卒業生像が明確になり、安易に卒業させない大学作りが進み、しっかりした学生
を社会に送りだす責任を果たす大学が増えていきます。
この改革で数年のうちに日本の中での偏差値の意味が薄れ、
「グローバル社会の中で○○
がしたいから○○大学○○学部(又は○○専門学校)へ進む」という自己実現型進学がよ
り進んでいくと考えています。
深川高校では、この流れにいち早く対応し、21世紀を生き抜くためにグローバル人材
の基礎となる力の育成を図り、生きる筋道が見える学校として、以下の流れをつくること
にしました。
スーパーグローバル大学等への進学
→→大学での学びを通じてグローバル企業等への就職
→→グローバル社会で活躍し、厳しい時代を生き抜く
→→母校でキャリア教育の一環として進路講演会等を実施
昨年度はおかげさまで、スーパーグローバル大学への合格者を99名出すことができま
した。以下がその内訳です。【
( )内が合格者数】
東京工業大(1)
、早稲田大(1)
、東京外国語大(1)、芝浦工業大(5)、上智大(1)、
東洋大(56)
、法政大(19)
、明治大(11)、立教大(3)
、創価大(1)
卒業した生徒はグローバル社会を見据えて、大学・専門学校等へ目的意識をもって夢の
実現のために本校を旅立っていきました。
現在、落ち着いた雰囲気の中で特色ある教育活動が行われ、次なるステージに向かうた
めに「ワンランク上を目指して(高きを目指して)!」という志をもたせることにも力を
入れています。昨年度の挨拶でも述べましたが、生徒に「想いがあるから形になる」とい
うことを伝え続け、「志高気清」な人を育てたいと思っています。
この実現のために、教職員がスクラムを組んで*1、生徒を鍛え・伸ばす学校づくりをし
ていきます。今年度から都立高校として東京都教育委員会より『東京グローバル10』の
指定(H27~H29 の3年間)を受けており、研究・成果を還元させることによって、生徒
の意欲が喚起され、
自ら学ぶ態度が育ち、
学力が確実に定着していくと確信しております。
教育活動は学校だけではなく、家庭・地域を含めて、それぞれの役割を果たし、社会全
体で行われるものです。すべての生徒が将来の日本を背負っていくのです。一生懸命取り
組んでいきますが、教育の質の向上のためにご意見等いただければ、謙虚に受け止め、さ
らに進歩していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
*1「スクラムを組んで」~高きを目指す~
90年からなる伝統を守り、志を高くもたせ、生徒にとってワンランク上の進学実績を
残すこと。
そして、社会の変化に対応して絶えず進化し、スクラムを組んで教育実践を積み上げる
こと(
「猶足らざるを憂う」という気持ち)で、深川スタイルを創っていくこと。
それらは、深川高校に入学してくる生徒の希望を叶える深川高等学校の使命だと考えて
います。