大会レポート 第14回 全国中学校総合文化祭沖縄大会に参加して 練馬区立石神井東中学校 【沖縄全国大会の難しさ】 昨年度の東京都中学校連合演劇発表会で東京都より推薦を受け、第14回全国中 学校総合文化祭で公演を行った。今回は開催地が沖縄、会場となったのは浦添市の 「 て だ こ ホ ー ル 」 と い う 、 那 覇 空 港 か ら 車 で 40 分 程 度 の と こ ろ で あ っ た 。 沖縄で実施された今回の大会には様々な良い点もあったが、難しいところもたく さ ん 有 っ た 。ま ず 大 き な 問 題 な の が 、開 催 日 で あ る 。毎 年 、開 催 さ れ る の は 夏 休 み 、 8月の後半であるが、石神井東中が代表校として選ばれた今回の沖縄大会は、夏休 み で は 台 風 に 見 舞 わ れ る 可 能 性 か ら 今 回 の 12 月 13・ 14 日 で 、 学 校 公 開 日 と も 重 な ることとなった。 他 に も 、石 神 井 東 中 は 演 劇 部 員 が 38 名 と い う 大 所 帯 だ が 、上 演 に 全 員 が 関 わ れ る わけではなく、費用や会場の広さとの兼ね合いからも、全員での参加は難しいとこ ろ が あ っ た 。結 局 、出 演 ・ス タ ッ フ と し て 必 要 な 2 5 名 を 選 抜 し 、引 率 に は 顧 問 2 名 、 さらに保護者での付添を2名加えての参加となった。 「会場の広さ」だが、演劇が行われた会場は「てだこホール」の小ホールで、観 客席がわずか300席という、小さなホールであった。そこで心配だったのが東京 からの参加者の席の確保だったが、座席は大会事務局の配慮で押さえていただき、 安心して見てもらうことができた。その反面、沖縄自体には中学校の演劇文化がほ とんど無い状態で、一般客が入らず、また予約客も多めにおさえてしまったため 、 会場の観客が少ないという残念な結果ともなった。 【大会に向けての練習】 推薦された作品は昨年 度のもので、今回の上演 はそれを後輩が受け継い で上演するものであっ た。その大役を受けた現 役部員たちは、精一杯の 練習に取り組んだ。練習 は 11 月 の 区 大 会 が 終 わ って1か月と少し。しか し、あらかじめ夏休みに も2組のキャストを作っ て練習し、その上でオー ディションを行って本番の出演者決めておいた。そうしないと、航空券や宿泊を含 め、部員の心構えとしても影響が大きいからである。 本番に向けた練習で今回最も力点を置いたのは、劇の人物としてセリフから離れ て 会 話 を す る 、即 興 的 な 手 法 で あ っ た 。配 役 の 生 徒 は 昨 年 同 じ 役 で 演 じ た 者 も 含 め 、 ずっと同じセリフ、同じ動きに慣れてしまっている。そのままで上演したときには 心の動きを感じられない、形だけの演技になってしまうので、改めてその人物とし ての心をつかんでおく必要があった。その練習では形から抜け出せずに涙を流す生 徒もいたし、沖縄に行 って1日目(沖縄では 2泊した)の夜、ホテ ルの部屋でその練習を 行った者もいた。本番 前日には配役全員を部 屋に呼び集め、一部ず つでもセリフを言って みる練習をした。そこ で、最後まで自分の決 まったアクセントから 抜け出せなかった生徒 が少しそこから抜け出 す事が出来た。 沖縄での公演は、いろいろと予測が不可能で困難な点は多かったが、今の演劇部 の力量として精一杯の上演ができたと思っている。 (練馬区立石神井東中学校 演劇部顧問 田代 卓)
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