夕刊フジ 2015 年(平成 27 年)4 月 24 日掲載 放置すれば腎不全や神経障害を招くだけでなく、がんや心臓病などあらゆる重大疾患の温 床となる糖尿病。生涯をかけて、根気強く向き合っていかなければならない病気だけに、主 治医との関係は重要だ。 東京都大田区にある大森赤十字病院の糖尿病・内分泌内科部長を務める北里博二医師は、そ んな糖尿病患者に寄り添い、全力でサポートする姿勢を崩さない糖尿病治療のエキスパートだ。 (中略) 北里医師の診療科には、慢性疾患看護専門看護師や糖尿病療養指導士など、糖尿病治療の スペシャリストが複数所属している。医師だけでなく看護師、栄養士、薬剤師らがそれぞれ の分野で専門性を生かした医療介入をすることで、高度なチーム医療を実現している。 そんな北里医師の診療姿勢に「とげとげしさ」は微塵もない。治療に積極性のない患者に 対しても、声を荒げたことはないという。 「医者が怒って病気がよくなるなら別ですが、それよりも自分自身のデータをきちんと理 解してもらうほうがはるかに効果的。治療を休んでいた人にも、それなりの理由があるはず。 たとえ久しぶりであっても、病院に来てくれた勇気を尊重したい。 」 (記事本文より抜粋) 大森赤十字病院 夕刊フジ 2015 年(平成 27 年)5 月 20 日掲載 (前略) 「精神的なストレスは血糖値を高めます」 と語るのは、大森赤十字病院糖尿病・内分泌内科部 長の北里博仁医師。その仕組みをこう解説する。 「ストレスで交感神経が優位になると、副腎から アドレナリンやストロイドホルモンが多く出ます。 これが血糖値を高める働きを持っている。そもそも 人間の体で“血糖値を下げる作用”のあるホルモン はインスリンだけ。その他のホルモンは血糖値を上 げる方に働いてしまうのです」 (中略)Мさん[記事ケースの患者:引用者注] の場合、過労もさることながら「妻の入院」が大き く影響していると北里医師は指摘する。 「夫婦のどちらかが入院すると、看病する側の夕 食時間が遅くなる傾向が強まります。病室に食事を 持ち込んで、奥さんと一緒に食べられたらよかった のですが…」 ただし、Мさんのケースは、元の生活に戻せれば、 一時的な投薬治療でコントロールは可能だと北里医 師はいう。 (後略) (記事本文より抜粋) 大森赤十字病院
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