フコース特異的レクチンによる N 型糖鎖の分離

フコース特異的レクチンによる N 型糖鎖の分離
~各種レクチン HPLC カラムを使って
フコース特異的レクチンは複数ありますが、レクチンごとに結合する糖鎖は異なります。
今回、レクチン 7 種をそれぞれ固定化したカラムで、市販の PA 標識 N 型糖鎖の分析をおこな
いました。
● PhoSL (スギタケレクチン)
★
PhoSL(スギタケレクチン)
側鎖の数にかかわらず、コアフコース(α1-6
フコース)が付加した糖鎖のみに結合します
カラム
溶離液
PhoSL-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
10mM Ammonium acetate pH6.4
溶出時間(分)
● rAAL (ヒイロチャワンタケレクチン)
rAAL(リコンビナントヒイロチャワンタケレクチン)
コアフコースおよびα1-3 フコースが付加し
た糖鎖に結合します
★
カラム
溶離液
rAAL-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
20mM L-Fucose / 10mM Ammonium acetate pH6.4
溶出時間(分)
● TxLC-Ⅰ (チューリップレクチン)
TxLC-Ⅰ(チューリップレクチン)
2 本鎖、3 本鎖の糖鎖に結合しますが、
コアフコースの有無で結合性に違いが見ら
れます
★
カラム
溶離液
溶出時間(分)
TxLcⅠ-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
10mM Ammonium acetate pH6.4
★は各レクチン HPLC カラムに結合しない糖鎖の溶出位置を示す
Man
Gal
GlcNAc
Fuc
● AOL (麹菌レクチン)
★
AOL(麹菌レクチン)
コアフコースおよびα1-3 フコースが付加
した糖鎖に結合します
カラム
溶離液
AOL-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
20mM L-Fucose / 10mM Ammonium acetate pH6.4
溶出時間(分)
● LCA (レンズマメレクチン)
★
LCA(レンズマメレクチン)
2 本鎖のコアフコースが付加した糖鎖のみ
結合します
カラム LCA-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
溶離液 0.1M Methyl-α-D-Glucoside / 10mM Ammonium acetate pH6.4
溶出時間(分)
● PSA (エンドウマメレクチン)
★
PSA(エンドウマメレクチン)
2 本鎖のコアフコースが付加した糖鎖のみ
結合します
カラム PSA-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
溶離液 0.1M Methyl-α-D-Glucoside / 10mM Ammonium acetate pH6.4
溶出時間(分)
● Lotus (ロータスレクチン)
★
Lotus(ロータス)
α1-3 フコースが付加した糖鎖のみ
結合します
カラム
溶離液
Lotus-HPLC Column (4. 6mm×150mm )
10mM Ammonium acetate pH6.4
★は各レクチン HPLC カラムに結合しない糖鎖の溶出位置を示す
Man
Gal
GlcNAc
Fuc
溶出時間(分)
フコース特異的レクチンでも、フコースの結合位置や側鎖数の違いで結合性が異なることがわ
かります。このような糖鎖結合の多様性は、レクチンの特長の一つです。