平成27年度 名古屋市立栄小学校 学校努力点研究(案) 1 「吹き飛ばせ、作文コンプレックス! 」 研究主題 ー「課題設定・取材・構成」に重点を置いた指導と、書き慣れるための日常実践を通してー 2 研究のねらい 作文用紙を目の前にすると鉛筆を持つ手が止まってしまってしまう。児童が「書くこと」を苦手と している背景には、いったいどんな実態があるのだろうか。 『国語科学習指導要領』には、 「書くこと」の指導事項として、書く学習場面に 【書く学習 場面に 示されている。そこで、研究1年目である昨年度は、児童が、書く学習場面にお すると、多くの児童が、 「書くことがない」、「書き方がわからない」など、 「課 る手だてが、児童の「書くこと」を支援する上で効果的であることが分かった。 ふ か め る 場 面 課題設定 ↓ ② 取材 ③ 構成 ④ 記述 ⑤ 推敲 ↓ ↓ ↓ ↓ ⑥ 交流 ) また、昨年度は、文章を書く機会を教師が意図的に増やすことで、児童が「書 ① ( なった。また、各学年の授業研究からも、「課題設定・取材・構成」の段階におけ つ く る 場 面 ) 題設定・取材・構成」の段階において困難さを感じているということが明らかに ( つの段階を意識しながら「書くこと」に重点を置いて授業研究に取り組んだ。 つ か む 場 面 ) けるどの段階で、どんな困難さを感じているのかという実態をつかむために、6 おける6つの段階】 ( おける6つの段階「①課題設定、②取材、③構成、④記述、⑤推敲、⑥交流」が くこと」に慣れ親しむことができるようにした。日常的な活動を長続きさせるための工夫や、児童・ 教師の双方にとって負担にならないようにすることなどの課題が残されているが、実践を恒常的に継 続させるための工夫を施していくことで、よりよいアプローチの仕方を探求していきたい。 研究2年目となる平成27年度は、これまでの成果と課題を踏まえ、 「吹き飛ばせ、作文コンプレ ックス!」というテーマの下、児童の苦手をなくすために研究に取り組む。まず、書く学習場面にお ける6つの段階のうち「課題設定・取材・構成」に重点を置いて授業研究をすることで、 「書くこと がない」 、 「書き方が分からない」といった児童の苦手をなくすことを目指す。また、日常実践を通し て書く機会を増やすことで、 「書くことが不慣れだ」と感じる児童の苦手をなくすことを目指したい。 3 研究の方法 (1) 研究構想図 ~ 「 書 く こ と 」 が 苦 手 な 栄 っ 子 ~ 「 な か な か 書 け な い な 。 」 「書くことがない」児童への指導 ○ ○ 誰に(相手意識)、何のために(目的意識)書くのかを明確にする。 思わず書きたくなる題材を提示する。 【課題設定】 「書き方が分からない」児童への指導 ○ 観点や視点を示して、書く内容を集めさせる。【取材】 観点:五感、会話、周りの人の言動、場面の様子 視点:大きさ、形、色、数、におい、動き、感触、感想 ○ 構成の仕方を指導する。【構成】 低学年:事柄の順序に従って書かせる。 中学年: 「はじめ」 「中」「終わり」の段落構成を意識させ、 伝えたいことを終わりに書かせる。 高学年:文章全体の構成の効果を考えて書かせる。 「書くことが不慣れ」な児童への指導 ○ 書き慣れる、書く力につなげるための日常実践を行う。 (10 分間テーマ作文、日記、短作文、視写、読書 ※ 等) 一つの単元内で、上記全てを押さえる必要はない。単元や実態に合わせて、 「課題設定・ 取材・構成」のどの段階に重点を置いて手だてを講じるかを決め、効果的に活用する。 ~ 「 書 く こ と 」 が 得 意 な 栄 っ 子 ~ 「 先 生 、 書 け た よ ! 」 目 指 す 児 童 の 姿 (2) 児童理解・評価 ・ 児童の実態を把握するために、質問紙調査と、 「10 分間テーマ作文」を、5月、2月に実施す る。1年生は、9月と2月に実施することとする。 ・ 10 分間テーマ作文および 10 分間視写の活動を、日常的な活動として取り入れてもよい。 ・ 作文への添削・評価は簡潔にし、教師の負担にならない程度にとどめる。 (3) 日常実践 ・ 朝の15分授業を国語科の学習時間とし、教育課程と関連させて計画的に行う。各学期始めに は、 「15 分授業学習計画案」を作成する。 ・ 金曜日に設定されている学級の時間を有効に活用する。 ・ 週に1~3回程度でよいので、教師も児童も無理なく続けられるようにする。 ・ 正確に書くことよりも、まず書くことに慣れ親しむことに重点を置き、書く機会を増やす。 ・ 児童が自分の学習を振り返り達成感を味わうことができるようにするために、一人に一冊ずつ 学習ファイルを用意し、書いた文章を綴っておくようにする。 (4) 授業実践 ・ 国語科の教育課程の下、 「書くこと」に重点を置いた授業実践(45分間)に、年間2回取り 組む。このうち1回は、略案を用意し、部会ごとに授業を参観し合うようにし、研究の内容や進 め方について検討を重ねる。もう1回は、学校努力点授業参観として保護者に公開する。 ・ 前期、後期に1回ずつ、代表授業者による公開授業を行う。教員全員が授業を参観し、研究の 内容や進め方について検討を重ねる。代表授業者は部会で1人ずつ選出する。細案を用意する。 (5) 保護者との関連 ・ 担任は、学校努力点授業参観として、主題に沿った国語科の授業を保護者に公開する。 ・ 学期末には児童に学習ファイルを家庭に持ち帰らせ、保護者に学習の成果を伝える。 ・ 家庭訪問、個人懇談会、学級懇談会、学校便り等の機会を通じて、研究の様子を伝える。 4 組織図 校 長 教 頭 努力点推進委員会 主幹教諭 教務主任 (内堀 丹羽 校務 教務 ○ すみれ・1・2・3年部会(平岩 内堀 加藤 井口 丹羽 北川) ○ 4・5・6年部会(小神 大矢 水田 神谷 相坂 浅野) 主幹) 5 年間計画 月 4 5 6 7 7・8 9 日 程 主な行事 6 入学式 努力点研究部会① 4月 3日(金) 7 始業式 「研究主題、研究の方法について」 4月初旬 ≪15分授業学習計画(1学期)の作成≫ 14-15 懇談会 21 6 年全国学力 努力点研究部会② 学習状況調査 「15分授業学習計画(1学期)」 22 授業参観① 4月20日(月) 「実態調査質問紙 質問内容の検討」 30 4・5 年国語科 「代表授業者決定」 「学年部会(1) 」 標準学力調査 1 遠足 5月8日(金) 「10分間テーマ作文」(2~6年) 19-20 修学旅行 5月11日(月)~15日(金)質問紙調査の実施(2~6年) 25-29 家庭訪問 5月下旬 質問紙調査の結果と考察(紙上報告) 努力点研究部会③ 6月29日(月) 「前期授業実践 事前検討会」 8 - 9 授業参観②・ 懇談会 7月13日(月) 努力点研究部会④ 17 終業式 26-28 中津川野外教 育 夏季休業中 研究部会 ≪15分授業学習計画(2学期)の作成≫ 努力点研究部会⑤ 9月14日(月) 「15分授業学習計画(2学期)」 「学年部会(2)」 1 4 始業式 運動会招待状 作り 9月11日(金) 「10分間テーマ作文」、質問紙調査(1年) 10月 7日(水) 努力点研究部会⑥ 「後期授業実践 事前検討会」 10月26日(月) 努力点研究部会⑦ 「中間報告会」 (A4半分程度の報告書) 11月18日(水) 努力点研究部会⑧ 「学年部会(3) 」 10 11 12 12・1 1 2 3 冬季休業中 3 運動会 7 連合音楽会 20 学校開放日 (5限目授業 参観③) 23 展覧会招待状 作り 13-14 展覧会 30~ 個人懇談会 ~4 個人懇談会 22 終業式 ≪15分授業学習計画(3学期)の作成≫ 努力点研究部会⑨ 1月25日(月) 「15分授業学習計画(3学期)」 「学年部会(4) 」 2月5日(金) 「10分間テーマ作文」(全学年) 2月8日(月)~12日(金)質問紙調査の実施(全学年) 努力点研究部会⑩ 2月22日(月) 「実践最終報告会」 (A4用紙1枚程度) 努力点研究部会⑪ 3月14日(月) 「来年度の研究の進め方について」 7 始業式 8 書き初め会 20 学校開放日 (15分授 業・1~2限 目授業参観 ④) 24-25 授業参観⑤・ 懇談会 18 卒業式 24 終了式
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