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近代文学特別講座
活字をはみだすもの 第10回
かけ の たけ し
日記を読む楽しみ ―戦時下の作家の日常風景
講師 掛野剛史
◇開催 5月23日(土)
23日(土) 13:00~14
:00~14:00
戦時下、作家はいかに生活し、創作活動を続けたか。戦局が激化し、本土空襲もはじまった
昭和18年。大衆文学作家村雨退二郎の日記を読み込み、戦時下に生きる作家の赤裸々な
日常風景を覗き見させてもらうことにします。
【講師紹介】 埼玉学園大学准教授、1975年生。横光利一および大正~戦中戦後の出版メディアを中心に
研究している。
こ う の たつ や
室生犀星「蜜のあはれ」 ―窮極の会話小説
講師 河野龍也
◇開催 5月23日(土) 15:00~16
:00~16:00
老作家と少女(実は金魚)との「会話」のみから成り立つ異色の小説「蜜のあはれ」。その完全
原稿が、豪華な皮装で残っていました。装幀はおそらく著者自身の指示によるもの。金魚の
絵柄をあしらった表紙の細工も、犀星の好みを反映して見事です。推敲の痕もおびただしい
直筆原稿から、金魚の少女の「名言」が生み出されていく秘密の数々を探っていきます。
【講師紹介】 実践女子大学准教授、1976年生。佐藤春夫を中心に、美術と文学ジャンルの交流や作家
の異文化理解に関心がある。
なかざわ
泉鏡花、最後の戯曲
◇開催 6月6日(土)
わたる
講師 中澤 弥
13:00~14
:00~14:00
泉鏡花の戯曲と言えば、「天守物語」や「夜叉ヶ池」が最も良く知られているだろう。「お忍び」
は、昭和11年に「中央公論」に発表された鏡花最後の戯曲であり、昭和に入ってから書かれた
数少ない例になる。夜になると女の声が聞こえるという幽霊屋敷に乗り込むのは、裁判所長北
畠勝行。この怪異譚を、和紙に毛筆で書かれた鏡花自筆の草稿とともに味わっていきます。
【講師紹介】 多摩大学准教授、1959年生。1920年代から30年代にかけての文学と諸芸術との交流を
研究テーマとする。
し ょ う じ たつ や
芥川龍之介の書簡を読む愉しみ
◇開催 6月6日(土)
講師 庄司達也
15:00~16
:00~16:00
今秋、「羅生門」を発表してから 100 年を迎える芥川龍之介。彼が、雑誌『新潮』の編集者水守
亀之助に宛てた大正9年の書簡を読みます。友人の動向に触れる記述に加えて自作の俳句
も綴られているのですが、その封筒の意匠などにも注目したくなる、大変に楽しい1通です。
【講師紹介】 東京成徳大学教授、1961年生。芥川龍之介の〈人〉と〈文学〉を主たる研究テーマとし、出版
メディアと作家、読者の関係にも関心を持つ。また、作家が聴いた音楽を蓄音機とSPレコードで再現するレ
コード・コンサートなども企画・開催している。今春『芥川龍之介ハンドブック』(鼎書房、2015)刊行。
※参加費無料 参加ご希望の方は別紙申込書をご利用ください
2015.4.30
古書出版部