日本におけるLPG車の現状と課題 平成27年3月20日 LPガス自動車普及促進協議会 1 オートガスの国内需要の推移 家庭業務用 工業用 都市ガス用 自動車用 化学原料用 電力用 (千トン) 20,000 ■平成25年度実績 家庭業務用:804万トン(51.8%) 工業用 :274万トン(17.7%) 都市ガス用:118万トン( 7.6%) 自動車用 : 97万トン( 6.3%) 100万トンを割った 化学原料用:192万トン(12.4%) 電力用 : 65万トン( 4.2%) 合計 :1,550万トン 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 S31 35 39 43 47 51 55 59 63 H4 8 12 16 出典:日本LPガス協会 20 24 2 L P G車 登 録 台 数 推 移 4月 年度 タクシー 自 家 用 20 貨 物 年 特 殊 度 乗 合 合 計 タクシー 自 家 用 物 殊 乗 合 合 計 21 貨 年 特 度 タクシー 自 家 用 物 殊 乗 合 合 計 22 貨 年 特 度 タクシー 自 家 用 23 貨 物 年 特 殊 度 乗 合 合 計 タクシー 自 家 用 24 貨 物 年 特 殊 度 乗 合 合 計 タクシー 自 家 用 25 貨 物 年 特 殊 度 乗 合 合 計 タクシー 自 家 用 26 貨 物 年 特 殊 度 乗 合 合 計 239,489 17,428 22,906 11,301 160 291,284 236,047 16,449 22,561 11,792 171 287,020 227,660 14,833 21,734 11,470 171 275,868 210,803 13,663 20,721 11,162 172 256,521 203,681 12,658 19,832 10,848 173 247,192 197,785 11,727 18,857 10,434 180 238,983 192,324 10,766 17,769 10,160 185 231,204 5月 239,315 17,342 22,889 11,322 160 291,028 235,677 16,368 22,534 11,717 171 286,467 226,759 14,735 21,674 11,430 171 274,769 210,410 13,566 20,661 11,119 171 255,927 203,217 12,538 19,732 10,883 176 246,546 197,375 11,654 18,742 10,364 182 238,317 191,952 10,672 17,680 10,129 185 230,618 6月 239,202 17,334 22,858 11,304 161 290,859 235,284 16,279 22,503 11,722 170 285,958 225,557 14,638 21,580 11,405 172 273,352 209,739 13,503 20,578 11,053 170 255,043 202,773 12,523 19,677 10,820 177 245,970 196,964 11,611 18,687 10,405 186 237,853 191,639 10,618 17,597 10,102 185 230,141 出所:(財)自動車検査登録協会「自動車保有車両数」 7月 239,240 17,312 22,868 11,358 163 290,941 234,927 16,182 22,442 11,712 169 285,432 223,959 14,582 21,384 11,328 171 271,424 209,269 13,401 20,512 11,069 171 254,422 202,248 12,481 19,575 10,789 177 245,270 196,482 11,550 18,563 10,380 185 237,160 191,246 10,572 17,485 10,092 187 229,582 8月 239,465 17,268 22,843 11,400 162 291,138 234,729 16,059 22,378 11,680 169 285,015 222,091 14,457 21,328 11,292 172 269,340 208,684 13,343 20,416 11,080 171 253,694 201,744 12,389 19,463 10,768 181 244,545 196,132 11,504 18,481 10,407 185 236,709 190,853 10,531 17,377 10,037 186 228,984 9月 239,400 17,218 22,863 11,364 162 291,007 231,935 15,980 22,317 11,660 168 282,060 220,077 14,353 21,248 11,242 173 267,093 208,045 13,288 20,381 11,046 171 252,931 201,108 12,353 19,384 10,761 181 243,787 195,630 11,467 18,367 10,406 186 236,056 190,367 10,469 17,269 9,966 187 228,258 10月 11月 12月 238,820 17,176 22,833 11,331 163 290,323 231,309 15,870 22,252 11,634 170 281,235 218,425 14,319 21,161 11,205 172 265,282 207,435 13,239 20,316 11,021 171 252,182 200,592 12,271 19,296 10,678 179 243,016 195,244 11,373 18,254 10,366 187 235,424 189,894 10,413 17,098 9,947 188 227,540 238,123 17,119 22,825 11,430 166 289,663 231,078 15,769 22,154 11,604 170 280,775 216,538 14,242 21,086 11,152 172 263,190 206,807 13,188 20,249 10,938 173 251,355 200,199 12,208 19,247 10,691 180 242,525 194,896 11,291 18,225 10,346 185 234,943 189,406 10,373 17,014 9,955 188 226,936 237,672 17,048 22,764 11,497 167 289,148 230,792 15,561 22,107 11,567 170 280,197 215,578 14,144 21,014 11,206 172 262,114 206,362 13,148 20,176 10,909 174 250,769 199,839 12,133 19,194 10,638 179 241,983 194,561 11,242 18,196 10,290 184 234,473 188,957 10,304 16,933 9,957 188 226,339 1月 2月 237,234 16,953 22,749 11,649 167 288,752 230,369 15,468 22,045 11,528 171 279,581 214,154 14,100 20,942 11,215 172 260,583 205,844 13,067 20,112 10,911 175 250,109 199,457 12,073 19,131 10,542 180 241,383 194,235 11,147 18,127 10,275 184 233,968 0 3月 236,827 16,850 22,719 11,655 169 288,220 229,877 15,309 21,954 11,503 171 278,814 212,875 13,988 20,886 11,198 173 259,120 205,216 13,007 20,037 10,888 175 249,323 199,044 11,994 19,083 10,530 182 240,833 193,723 11,068 18,060 10,240 184 233,275 0 前月比増減 236,495 16,516 22,608 11,691 170 287,480 229,064 14,910 21,812 11,480 171 277,437 211,443 13,705 20,764 11,166 172 257,250 204,176 12,758 19,892 10,830 174 247,830 198,252 11,787 18,957 10,470 181 239,647 192,788 10,790 17,884 10,200 184 231,846 0 △ 449 △ 69 △ 81 2 0 △ 597 3月末LPG車登録台数計 バイフューエル 軽自動車 合 計 2,823 5,194 265,267 3,246 5,324 256,400 3,751 5,335 248,733 4,619 5,421 241,886 4,619 5,421 236,379 ↑前年度末 ↑前年度末 残念ながら専焼LPG車は右肩下がりで減ってきている。バイフューエル車、LPG軽自動車に期待 したい。(平成27年3月末実績を調査する予定) 3 世界では増えている 2013年は2,500万台 近くとなっている 4 日本の準メーカー車による新型LPG車の動向 5 1.三菱ミニキャブ LPGバイフューエル車 ミニキャブLPGバイフューエル車 (15年1月発売) ◇LPガスとガソリンの2つの燃料で 走行できるようにする自動切替え システムです。 高度な電子制御技術の活用により 移動や街乗りなどの通常走行では LPガスを使用し、高速・高負荷時 はガソリンでの走行となります。 ミニキャブトラック 3A/T 5M/T 開発中 ミニキャブバン 1 5M/T 5AMT 6 Mitsubishi Automotive Logistics Technology 三菱ミニキャブLPGバイフューエル車 (概要) 三菱ミニキャブトラックLPGバイフューエル車は、LPG車のユーザー様 やLPガス取扱い業者様等から根強い要望を頂き、その要望に応 えるため新規に開発を行い発売致しました。 【商品概要】 ・ガソリンとLPガスの2つの燃料を搭載したLPGバイフューエル車は運転 条件に応じて燃料を自動的に切り替えることができ、低燃費且つスムー ズな走行が可能です。 ・モードスイッチを手動で切り替えることができ、ガソリンだけでも走行が できますので、LPガススタンドの少ない地域や万が一LPガスの燃料切れ になっても安心してお使い頂けます。 ・航続距離を画期的に伸ばすことが可能であり、ガソリンとLPガスを満タン にした状態から約900㎞(LPガス約300㎞+ガソリン約600㎞)以上の 走行が可能です。 7 Mitsubishi Automotive Logistics Technology LPGバイフューエル車の特徴 (1/2) 三菱ミニキャブトラックLPGバイフューエル車のLPG燃料システ ムは、ガソリンシステムに併設し取付けており、LPガス燃料とガ ソリン燃料を自動で選択し走行が可能なシステムとなっておりま す。 《システム内容》 ・エンジン始動時 ・・・ガソリン燃料で始動。 ・低水温時・・・ガソリン燃料を使用。 ・暖機後・・・条件が整い次第、LPG燃料運転に切り替わる。 ・通常走行、通常加速時・・・LPG燃料を使用。 ・パワフル加速時(高負荷時)・・・ガソリン燃料に自動的に切り替わる。 高速走行はガソリン燃料で走行。 ・LPG燃欠時・・・ガソリン燃料へ自動的に切り替わる。 8 Mitsubishi Automotive Logistics Technology LPGバイフューエル車の特徴 (2/2) 《経済性》 ・LPGガスは取り扱い易い最も安価な代替エネルギーです。 ・ガソリン燃料との価格差により燃料コストの削減が可能となります。 《MLT高槻⇒大阪市近郊(都市部) 一般道565㎞実測走行データーでの経済性検証》 *1 燃料燃費 燃料費 燃料使用量 仕様 燃料名 (ℓ) (㎞/L) (円/L) 合計価格(円) *2 ガソリン燃料 8.00 19.5 1,074 134.3 *3 LPガス燃料 24.08 16.9 1,806 LPGバイフューエル 75 合計 32.08 17.6 89.8 2,880 *2 ガソリン燃料(単独) ガソリン燃料 30.37 18.6 4,078 134.3 LPガス燃料(単独) *4 *3 LPガス燃料 41.85 13.5 75 *1 一般道(565㎞)を走行した場合の燃料使用量 *2 経済産業省石油製品価格調査に基づくガソリン価格(全国平均) *3 大阪府高槻市のガス充填所での購入価格(MLT購入価格) *4 旧ミニキャブトラックLPG車(M/T)燃料燃費 3,139 【LPGバイフューエル車の燃料費優位性】 ・ガソリン燃料(単独)で走行した場合との比較 :▲1,198円 ・LPG燃料(単独)で走行した場合との比較 9 : ▲259円 Mitsubishi Automotive Logistics Technology 三菱ミニキャブLPGバイフューエル車主要部品 LPGバイフューエル車燃料系統図(ミニキャブ トラック) 取出バルブ 充填バルブ 充填口 液面計 LPG ガソリン 電磁弁 ベーパーライザー LPGインジェクタ 電磁弁(フィルタ付) 10 Mitsubishi Automotive Logistics Technology 2. 11 12 13 14 15 3. 2015年6月発売予定 16 17 18 4.新型アクセラLPG車 新型「アクセラ」のLPガス仕様車は、スカイアクティブシャーシーを用いることで快適性と安定性を 高めて走りの質を向上。旧型でリッター10.5kmだった燃費を11.4kmまで高め、特に時速40 ~80kmで走る際の燃費を大幅に改善しています。 新型「アクセラ」のガソリン仕様車には、ハッチバックタイプもありますが、LPガス仕様車はセダン タイプ(タンク容量90リットル)のみで展開し、LPガス販売事業者の営業用車両としての需要を見 込んでいます。 同社の年間販売目標は200台で、全国のマツダとマツダアンフィニ系ディーラーで販売とメンテ ナンス行うとしており、メーカーの希望小売価格は消費税込みで235万6,457円としています 19 ヨーロッパにおけるLPG車の動向 20 欧州でのLPガス車の動き 欧州ではLPガス車に対する理解が深まっている 1.排気ガスおよびCO2排出規制の強化がデーゼルからガス体燃料への転換を 後押し。 2.LPガス車の車種も多様になっており、利用者の選択の範囲も広がっている。 3.LPガス車の燃料供給システムもガソリン、デーゼルエンジンの技術開発に合わせ 進歩 自動車メーカーも利用者の要求に対応すべく 1.OEM車の補償の維持 2.オートガス燃料供給システムへの改造バリエーションと改造品質の確保 3.エンジン性能の維持 4.ガソリン車、デーゼル車と比較した場合のランニングコストの低減等に取り組んで いる状況。 21 欧州のLPG車は増えている 2013年では欧州全体のLPガス車は1,670万台を超え、その台数は毎年確実 に伸びている。2012年->2013年にかけ124万台の増加。 ポーランドでは2012年->2013年にかけ135,000台の増加。 イタリーでは63,000台、スペインでは17,000台の増加である。 トルコでは285,000台の増加である。2020年では500,000台を超える増加が 見込まれる。 背景には欧州における環境に関する規制強化と各国において石油の輸入を 抑える動きがあると言われている。 22 改造の動向 改造費用は5~30万円程度 1.Prins プリンスはSHVエナジーのグループ会社でありLPG/CNG車への改造シス テム製造に25年以上の経験を有し、世界で最初のR115認証(排ガス、改造 品質等が対象)を得ています。 燃料供給システムはポート方式(PRI)から直噴方式(DI)にシフトしてきており、 2015年までには90%以上がDI方式になるとのことです。 プリンス社のDIシステムは10社以上の自動車メーカーから承認を得ています。 23 改造の動向 2.IMPCO・BRC IMPCO・BRCは改造システムのメーカーでありIMPCOは米国・カリフォル ニア州に、BRCはイタリーに本社があります(両社は姉妹関係の会社)。 LPガス車への改造はBRCの工場で実施され、異なる自動車メーカーの 車を新車状態のまま改造しOEM車として納車しています。 改造費用: ①ポート方式(PRI) 800ユーロ(約11万円) ②直噴方式(DI) 2,000ユーロ(約28万円) ですが、直噴方式が主流になりつつあり、ここ数年で90%以上になると 見られています。 BRCの改造主力工場であるイタリーのシェラスコ(Cherasco)工場ではキット を年間500,000セット製造しており、改造はシェラスコ(Cherasco)とリボルノ (Livorno) 工場で行われています。 それぞれアセンブルラインを6ライン、19ラインを敷設しています。 OEM車に加え改造品質は維持しつつ所謂アフターマーケットとの間に位置す るDOEM(Delayed Original Equipment Manufacturer)車も手掛けています。 いずれも自動車メーカー10社以上の車を対象としています。 24 改造の動向 3.LANDI RENZO LANDI RENZO社は世界のLPガスシステム、CNGシステムの30%以 上のシェアを持っています。 12の工場の年間改造能力は500,000台を超える。同社ではシステ ムと車とのマッチング、DOEM工場での改造、アフターサービスの支援 を行っています。改造品質の維持向上には特に力を注いでいるようです。 4.改造費用 IMPCO・BRCの改造費用は11~28万円ですが、AYGAZでは5万円程度で 改造が行われているようです(もちろんキットメーカーや工費によっても異な るでしょうが)。 5.改造車、OEM車の競争力 タイでは改造車は約15,000kmが損益分岐点であり一般乗用車の1年間の 走行距離に相当します。 イタリアでは損益分岐点は32,000kmでありこれは一般乗用車の2年弱の 走行距離に相当します。 25 日本におけるLPG車普及促進策と その課題 26 国内における課題 1.タクシーの減車政策及び個人タクシーのガソリン車志向 (平成5年時より約▲50,000台) 2.改造費が高く、大衆車ではペイアウトは難しい 3.改造車の改造事業者の保証が充分でない (平成26年8月内燃機関工業会は、改造事業者が守るべき 最低限の保証制度を策定した。) 4.自動車メーカーが販売台数が少ないことを理由 としてLPガス車の車種を増やすことに消極的 ⇒ LPガス自動車の普及促進にまず第一に努力 すべきLPガス事業者の努力不足も指摘されている 5. LPガス車を所管する官庁が、燃料容器は経済産業省、 その他の車体は国土交通省と別れており、特に燃料容器 について厳しい規制があり、LPガス車の輸出入を困難に している 以上の課題を克服し、国内における効果的なLPG車の普及促進策は、LPG車 に関わる新たな国際基準を批准し、安価でメーカー保証の付いたLPG車の輸出 入の自由化であると考える。 27 ご清聴ありがとうございました LPガス自動車普及促進協議会 28
© Copyright 2024 ExpyDoc