11.金庫の主要な事業 - 砺波信用金庫

11.金庫 の主要な事業
◎ 直近の事業年度 における 事業の概況
(1)預
金
「健全な経営に徹し、お客様の信頼に応える信用金庫」をモットーとして、ミニディスクロ
ージャー誌の発行など情報開示に努め、地域やお客様に密着した渉外活動を行なうなど、地域
・お客様からの信頼性の向上を図るべく努力をしてまいりました。
平成20年度末(21年3月期)の預金残高は、766億5百万円で、定期性預金の増加に
より、預金全体では、前年度末(20年3月期)対比3億24百万円、0.42%の増加とな
りました。
(2)貸
出
貸出につきましては、事業性貸出および個人貸出の推進に積極的に取り組みました。
このような中、一般企業向けの貸出は、企業の設備投資が少なく、また、大口貸出先の倒産
等により減少となりました。
また、消費の低迷等により消費者ローンの減少および住宅着工件数の減少による住宅ローン
の減少から、個人向け貸出も減少となりました。
しかしながら、地方公共団体に対する貸出が増加したことにより、平成20年度末(21年
3月期)の貸出金残高は、461億82百万円で、前年度末(20年3月期)対比83億
45百万円、22.05%の増加となりました。
(3)収
益
平成20年度の経済情勢は、米国の大手金融機関の破綻をきっかけとして国際的な金融危機
が深刻化し、世界的に急速な実体経済の悪化がもたらされ、海外需要の減少と円高による輸出
の急減、国内消費の縮小と製品販売価格の下落などが進み、企業業績・決算見通しの大幅な下
方修正が相次ぐとともに、大手企業を中心に、生産・投資・雇用の大規模な調整が実施される
に至りました。こうした金融・経済危機は、中小企業の経営をも直撃し、急速かつ大幅な減産
や資金繰りに苦しむ企業が増加するなど不況色が一段と強まりました。
そのような中で、平成20年度の収益状況は、取引先企業の業況悪化や、将来に備えた厳格
な自己査定の実施などに伴う不良債権処理費用が大幅に増加しました。
その結果、業務純益は74百万円(前年度対比1億55百万円、67.51%減少)となり
ましたが、経常損失は5億8百万円、当期純損失は4億98百万円となりました。
- 31 -
◎ 最近5年間の主要な経営指標 の推移
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
経
常
収
益 1,646,445 千 円 1,502,623 千 円 1,630,618 千 円 1,545,814 千 円 1,519,181 千 円
経
常
利
益
303,239 千 円
234,314 千 円
85,103 千 円
40,918 千 円 △508,167 千 円
200,516 千 円
153,983 千 円
67,886 千 円
22,020 千 円 △498,918 千 円
額
157,820 千 円
158,106 千 円
158,306 千 円
158,511 千 円
158,729 千 円
数
3,156 千 口
3,162 千 口
3,166 千 口
3,170 千 口
3,174 千 口
数
6,788
6,742
6,725
(△は経常損失)
当
期
純
利
益
(△は当期純損失)
出
出
資
資
総
総
会
口
純
資
員
産
額
6,873 人
6,213 百万円
6,852 人
5,975 百万円
総
資
産
額
83,868 百万円
預 金 積 金 残 高
貸
高
有 価 証 券 残 高
出
金
残
単体自己資本比率
出資に対する配当金
(出資1口当たり)
職
員
数
人
人
人
6,057 百万円
6,117 百万円
5,508 百万円
85,323 百万円
84,869 百万円
83,074 百万円
91,247 百万円
76,131 百万円
77,436 百万円
78,218 百万円
76,281 百万円
76,605 百万円
40,238 百万円
41,701 百万円
39,044 百万円
37,836 百万円
46,182 百万円
28,189 百万円
26,292 百万円
23,519 百万円
21,118 百万円
23,438 百万円
12.28 %
12.49 %
15.03 %
15.83 %
14.88 %
2.5 円
2.5 円
2.5 円
2.5 円
2.5 円
96 人
92 人
91 人
88 人
89 人
(注)1.総資産額には、債務保証見返は含んでおりません。
2.経常収益・経常利益・当期純利益は、各年度中の実績を載せてあります。
3.出資総額・出資総口数・会員数・純資産額・総資産額・預金積金残高・貸出金残高
・有価証券残高・職員数は、毎期末現在の実績を載せてあります。
4. 単体 自己 資本 比率 は 、「信 用金 庫法第 89 条第1 項に おいて 準用 する銀 行法 第14
条の2の規定に基づき、信 用金 庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし
自己資本の充実の状況が適 当で あるかどうかを判断するための基準(平成18年金融
庁 告示 第 21 号 )」 に基 づ き算 出 して おり ま す。 な お、 当 金庫 は国 内基 準を 採用 して
おります。
- 32 -
◎ 直近の2事業年度における事業の状況
(国内業務部門と国際業務部門との区別はしておりません 。)
( 1)主要 な業務の 状況を 示す指標
イ .業務 粗利益及 び業務 粗利益率
資金運 用収支 、 役務取 引等収支 及 びその 他業務 収支
(単位:千円)
平成19年度
資
金
運
用
収
支
資 金 運 用 収 益
資 金 調 達 費 用
役 務 取 引 等 収 支
役 務 取 引 等 収 益
役 務 取 引 等 費 用
そ の 他 業 務 収 支
そ の 他 業 務 収 益
そ の 他 業 務 費 用
業
務
粗
利
益
業
務
粗
利
益
平成20年度
1,143,548
1,410,256
266,708
1,115,646
1,436,040
320,394
36,723
62,678
25,954
37,890
61,535
23,645
45,107
61,191
16,083
1,225,379
△ 8,655
13,998
22,653
1,144,882
1.48%
1.37%
率
(注)1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(平成19年度1,020千円、平成20年度
1,230千円)を控除して表示しております。
業務粗利益
2.業務粗利益率=
×100
資金運用勘定平均残高
- 33 -
ロ .資 金 運 用 勘 定 並 び に 資 金 調 達 勘 定 の 平 均 残 高 ・ 利 息 ・
利回り
(単位:平均残高・百万円、利息・千円、利回り・%)
項
資
金
運
う
金
う
う
有
調
ち
ち
け
価
達
預
譲
ち
出
預
ち
借
証
勘
金
渡
平成19年度
勘
貸
ち
う
う
用
ち
う
資
目
積
性
預
用
平成20年度
平 均残 高
定 利
息
82,607
1,410,256
83,186
1,436,040
利 回 り
1.70
1.72
平 均残 高
金 利
息
37,991
836,186
40,067
832,550
利 回 り
2.20
2.07
平 均残 高
金 利
息
21,384
208,653
20,769
239,814
利 回 り
平 均残 高
0.97
23,088
1.15
22,205
息
359,659
357,923
利 回 り
平 均残 高
1.55
77,605
1.61
78,094
息
267,728
321,624
利 回 り
平 均残 高
0.34
77,748
0.41
77,280
息
266,860
317,066
利 回 り
平 均残 高
0.34
-
0.41
-
金 利
息
利 回 り
-
-
-
-
平 均残 高
106
1,062
金 利
息
利 回 り
618
0.57
4,300
0.40
券 利
定 利
金 利
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(平成19年度10百万円、平成20年度12百万円)
を控除して表示しております。
- 34 -
ハ .総資 金利鞘
(単位:%)
区 分
資
資
金
運
金
総
用
調
達
資
利
原
金
価
利
(注) 1. 資 金 運 用 利 回 =
2. 資 金 調 達 原 価 率 =
3. 総
資
金
平成19年度
利
鞘=
回
1.70
1.72
率
1.62
1.68
鞘
0.08
0.04
資
金
資
平成20年度
金
運
運
用
用
勘
収
定
計
益
平
残
×100
(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用+経費)
資
金
調
達
勘
定
計
平
残
×100
資金運用利回 - 資金調達原価率
ニ .受取 利息及び 支払利 息の増減
(単位:千円)
平成19年度
残高による増減
利率による増減
平成20年度
純 増 減
残高による増減
利率による増減
純 増 減
受取利息
うち貸出金
△ 29,818
△ 50,076
△ 4,282
9,730
△ 34,100
△ 40,346
9,962
44,406
15,822
△ 48,042
25,784
△ 3,636
うち預け金
24,958
56,170
81,128
△ 6,117
37,277
31,160
うち有価証券
△ 42,181
△ 32,703
△ 74,884
△ 13,981
12,245
△ 1,736
支払利息
うち預金積金
△ 2,173
△ 1,807
137,921
138,016
135,748
136,209
1,701
△ 1,617
52,195
51,822
53,896
50,205
-
-
-
-
うち譲渡性預金
うち借用金
2,722
△ 3,166
△ 444
-
3,921
-
△ 239
3,682
(注)1.残高及び利率の増減要因が重なる部分については、両者の増減割合に応じて按分しております。
ホ .利益 率
(単位:%)
項
総
資
総
資
産
産
目
経
当
常
期
純
利
利
平成19年度
益
益
平成20年度
率
0.04
△ 0.59
率
0.02
△ 0.58
(注)1. 総 資 産 経 常 利 益 率 =
経常利益
総資産(債務保証見返除く)平均残高
×100
2. 総 資 産 当 期 純 利 益 率 =
当期純利益
総資産(債務保証見返除く)平均残高
×100
- 35 -
ヘ .経費 の内訳
(単位:千円)
区 分
件
人
平成19年度
平成20年度
費
651,346
645,422
報
酬
給
料
手
当
492,720
484,768
退
職
給
付
費
用
93,821
95,991
他
64,804
64,662
費
372,953
383,744
費
154,764
161,058
う ち 旅 費 ・ 交 通 費
2,626
2,503
費
21,478
20,848
う ち 事 務 機 械 賃 借 料
12,070
21,076
う
そ
の
物
件
事
務
う
ち
80,561
77,610
70,863
68,030
う ち 土 地 建 物 賃 借 料
10,797
10,888
う
47,690
47,735
27,362
27,301
費
費
9,304
10,091
7,785
7,397
費
48,618
56,662
他
63,558
63,293
金
6,951
6,898
1,031,251
1,036,065
ち
事
保
事
う
人
ち
事
減
価
そ
広
務
資
信
費
費
固
ち
定
通
委 託
産
全
業
管
告
厚
宣 伝
生
償
の
税
却
理
費
費
合 計
- 36 -
( 2)預金 に関する 指標
イ.流動性預金、定期性預金、譲渡性預金その他の預金の
平均残 高
(単位:百万円)
科 目
流
性
14,648
14,445
う ち 有 利 息 預 金
定
期
性
預
金
12,905
12,823
62,901
62,665
うち固定金利定期預金
55,342
55,894
うち変動金利定期預金
そ
の
他
3,382
2,493
198
169
計
77,748
77,280
渡
預
平成20年度
金
譲
動
平成19年度
性
預
合
- 金
計
- 77,748
77,280
(注)1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
固定金利定期預金:預入時に満期日までの利率が確定する定期預金 変動金利定期預金:預入期間中の市場金利の変化に応じて金利が変動する定期預金 ロ.固定金利定期預金、変動金利定期預金及びその他の
区分ご との定期 預金の 残高
(年度末、単位:百万円)
科 定
期
目
預
平成19年度
平成20年度
金
57,255
57,565
固 定 金 利 定 期 預 金
54,458
55,241
変 動 金 利 定 期 預 金
2,797
2,323
( 3)貸出 金等に関 する指 標
イ . 手形 貸付、証 書貸付、 当座貸越 及 び割 引手形の 平均残高
(単位:百万円)
科 目
平成19年度
平成20年度
割
引
手
形
2,389
1,945
手
形
貸
付
4,999
4,562
証
書
貸
付
29,506
32,472
当
座
貸
越
1,095
1,087
37,991
40,067
合 計
- 37 -
ロ .固定 金利及び 変動金 利の区分 ごとの貸 出金の 残高
(年度末、単位:百万円)
科 貸
目
平成19年度
出
平成20年度
金
37,836
46,182
固 定 金 利 貸 出 金
23,211
28,044
変 動 金 利 貸 出 金
14,625
18,137
ハ .担保 の種類別 の貸出 金残高
項 目
当
金
有
庫
預
金
価
(毎期末現在、単位:百万円)
平成19年度
積
証
動
平成20年度
金
1,767
1,633
券
9
3
産
-
-
不
動
産
8,801
8,137
そ
の
他
-
-
10,578
9,774
険
4,298
4,437
保
証
15,942
15,028
信
用
7,016
16,941
37,836
46,182
小 計
信
用
保
証
協
会
・
信
用
保
合 計
ニ .担保 の種類別 の債務 保証見返 額
項 目
当
金
有
庫
預
金
価
(毎期末現在、単位:百万円)
平成19年度
積
証
動
平成20年度
金
-
-
券
-
-
産
-
-
不
動
産
8
8
そ
の
他
-
-
8
8
険
-
-
保
証
97
176
信
用
-
-
105
184
小 計
信
用
保
証
協
会
・
信
用
保
合 計
- 38 -
ホ .使途 別の貸出 金残高
(毎期末残高、単位:百万円)
平成19年度
使 途
平成20年度
構成比%
構成比%
設
備
資
金
15,285
40.39
21,520
46.59
運
転
資
金
22,551
59.60
24,662
53.40
37,836
100.00
46,182
100.00
合 計
ヘ .業種 別の貸出 金残高 及 び貸出 金の総額 に占め る割合
(毎期末残高、単位:百万円)
平成19年度
業 種
製
平成20年度
貸出先数 貸出金残高 構成比% 貸出先数 貸出金残高 構成比%
造
業
170
5,288
13.97
165
5,114
11.07
農
業
3
31
0.08
2
11
0.02
林
業
2
4
0.01
1
1
0.00
漁
業
-
-
-
-
-
-
鉱
業
1
783
2.06
1
328
0.71
業
183
5,761
15.22
185
5,754
12.45
電気、ガス、熱供給、水道業
-
-
-
-
-
-
業
2
187
0.49
4
233
0.50
業
14
1,129
2.98
13
1,038
2.24
建
情
設
報
通
運
信
輸
卸
売
、
小
売
業
177
3,654
9.65
172
3,645
7.89
金
融
、
保
険
業
2
350
0.92
2
333
0.72
業
32
2,449
6.47
30
2,260
4.89
業
188
3,804
10.05
190
3,905
8.45
774
23,446
61.96
765
22,626
48.99
体
6
6,316
16.69
6
15,841
34.30
人
2,491
8,073
21.33
2,333
7,714
16.70
3,271
37,836
100.00
3,104
46,182
100.00
不
サ
動
産
ー
ビ
ス
小 計
地
方
公
共
団
個
合 計
ト .預貸 率の期末 値及び 期中平均 値
(単位:%)
区 分
期
期
末
中
預
平
貸
平成20年度
率
49.60
60.28
率
48.86
51.84
預
貸
貸
率=
貸出金末残 預金積金末残+譲渡性預金末残
×100
2. 期 中 平 均 預 貸 率 =
貸出金平残
預金積金平残+譲渡性預金平残
×100
(注) 1. 期
均
平成19年度
末
預
- 39 -
チ .消費 者ローン ・住宅 ローン残 高
項 目
消
費
住
者
宅
ロ
ー
ロ
(毎期末現在,単位:百万円)
平成19年度
ー
平成20年度
ン
2,164
2,017
ン
5,909
5,697
( 4)有価 証券に関 する指 標
イ .商品 有価証券 の種類 別の平均 残高
該 当ありません。
ロ .有価 証券の残 存期間 別残高
平成19年度
(単位:百万円)
区 分
国
地
短
方
期
社
1年以下
1年超
3年以下
338
3年超
5年以下
384
5年超
7年以下
167
7年超
10年以下
39
期間の定め
10年超
のないもの
- - 合計
債
145
債
- - - - - - - - 債
- - - - - - - - 社
債
株
式
2,738
- - 6,766
- 867
451
- - - - - - 5
298
- 900
証
券
投
資
信
託
- - - - - - - - そ の 他 の 証 券
- - - - - - - - 8,298
6,506
1,034
1年超
3年以下
448
3年超
5年以下
212
5年超
7年以下
106
1,390
1,000
平成20年度
債
地
短
方
期
社
社
1年以下
161
7年超
10年以下
- 期間の定め
のないもの
- - 10年超
合計
928
債
- - - 306
- - - 306
- - - - - - - - 357
- - 2,412
式
- 外
国
証
券
499
投
資
信
託
- そ の 他 の 証 券
合 計
21,118
債
債
株
5
3,391
(年度末、単位:百万円)
区 分
国
- 5
国
2,884
1,000
16,647
外
合 計
1,193
5,823
1,074
- 3,074
3,768
- 1,933
- - 6,149
9,185
1,856
- - - - 5
500
200
600
884
- - - - - - - - - 957
884
5
- 9,897
- 2,469
- 40 -
17,580
5
4,617
- - 23,438
ハ .有価 証券の種 類別の 平均残高
(単位:百万円)
平成19年度
区 分
国
地
方
短
期
社
平成20年度
債
1,142
1,019
債
653
247
債
- - 社
債
18,183
16,651
株
式
5
5
3,103
4,282
外
国
証
券
投
資
信
託
- - 券
- - そ
の
他
の
証
23,088
合 計
22,205
ニ .有価 証券の種 類別の 残高
(年度末、単位:百万円)
平成19年度
区 分
国
1,074
債
地
方
短
期
社
平成20年度
928
債
- 306
債
- - 社
債
16,647
17,580
株
式
5
5
3,391
4,617
外
国
証
券
投
資
信
託
- - 券
- - そ
の
他
の
証
21,118
合 計
23,438
ホ .預証 率の期末 値及び 期中平均 値
(単位:%)
区 分
期
期
末
中
預
平
証
平成20年度
率
27.68
30.59
率
29.69
28.73
預
証
証
率=
有価証券末残
預金積金末残+譲渡性預金末残
×100
2. 期 中 平 均 預 証 率 =
有価証券平残
預金積金平残+譲渡性預金平残
×100
(注) 1. 期
均
平成19年度
末
預
- 41 -
12.金庫 の事業の運営
( 1)リス ク管理の 体制
金融機関の業務が多様化、複雑化している中、それに伴い、管理すべきリスクも急速に増
大しています。こうした環境下において、リスクは常に変化していくため、従来以上に適切
に対応していくことがリスク管理の本質と考えております。
当金庫では、各種リスクの早期把握と管理強化を経営の重点課題として掲げており、すで
に制定している「統合的リスク管理規程」に基づき、経営の健全性確保・地元地域への継続
的な貢献を目的として、各リスクに対して適時適切な対応が図れるよう管理体制を強化して
います。
◎ 信用リス ク管理
信用リスクとは、貸出先の業況悪化や倒産等により、元本の返済や貸出金利息の支払いが
契約通りに行われなくなるリスクのことです。
当金庫では、貸出資産の健全性確保を最重点課題とし、貸出審査部門と営業推進部門を分
離し、厳格な審査体制をとっています。さらに、資産内容の実態をできる限り客観的に把握
し、企業会計原則及び日本公認会計士協会の「実務指針」等に基づき適正な貸出金償却・引
当を行うために自己査定を実施しています。
この自己査定においては、営業関連部門から独立した資産査定部門が、営業関連部門に対
して牽制機能を働かせることにより適正・正確な資産査定を行っております。
また、内部研修の実施や外部研修への受講生派遣、本部による営業店への臨店指導等、実
践的な取組みによる人材育成にも努めています。
◎ 市場リス ク管理
市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等、様々な市場のリスク・ファクターの
変動により、保有する資産の価値が変動し損失を被るリスクで、金利動向に伴う「金利リス
ク 」、 株 式 や 債 券 な ど の 価 格 の 変 動 が も た ら す 「 価 格 変 動 リ ス ク 」、 外 国 為 替 相 場 の 変動 に
伴う「為替リスク」などがあります。
当金庫では、事業計画に基づいた運用・調達の方針を策定し、余資運用情報協議会でチェ
ック・検討を行ない、より健全な資産・負債のバランス、収益構造の強化、管理態勢の充実
に努めています。
また、市場関連リスク管理要領及び市場リスク管理チェックリスト表によりリスク管理の
充実を図っております。
- 42 -
◎ 流動性リ スク管理
流動性リスクとは、資金が固定したり、不足したために店頭での支払いや決済資金に支障
をきたすリスクのことです。
当金庫では、流動性リスク管理要領及び流動性リスク管理チェックリスト表により、リス
ク管理の充実を図っており、調達した資金と運用している資金の期間のバランスが極端に崩
れないよう細心の注意を払って管理を行い、常に必要な支払資金の確保に努めています。
◎ オペレー ショナル ・リス ク管理
・事務リ スク管理
事務リスクとは、事務処理上の錯誤・ミスや事故・不正等を起こすことによって、金融
機関のイメージや信用が損なわれるリスクのことです。
当金庫では、事務リスク管理要領及び事務リスク管理チェックリスト表によりリスク管
理の充実を図るとともに、こうした事故の未然防止のために、本部検査部署による臨店検
査の実施や、営業店など各々の部署で定期的に自店検査を実施し、相互牽制が働く運営体
制により事務リスクの発生防止に努めています。
また、事務処理を担当する職員のレベルアップを図るため内部研修の実施や、営業店へ
の臨店指導など、事務リスク管理の強化を図っています。
・システ ムリスク 管理
システムリスクとは、コンピュータ・システムのダウンまたは誤作動、災害や回線故障
およびシステム不備などに伴い損失を被るリスクや、情報資産の漏洩、紛失、不正使用、
改ざん等コンピュータを不正使用されることなどによる人為的要因により損失を被るリス
クをいいます。
業務の多様化、高度化や取引量の増加に伴い、コンピュータ・システムは当金庫に欠く
ことのできない存在となっており、システムリスクを回避するための安全対策は、お客さ
まに質の高いサービスをご提供するうえで、極めて重要です。当金庫では、この安全対策
の充実に全力をあげて取り組んでいます。
オンラインシステムは信金大阪共同事務センターに委託し、バックアップシステムの稼
動とともに安全対策に万全を期しています。専用のオンライン回線を使用し外部からアク
セスできないようにして、データの改ざんを防止しています。
また当金庫では、情報資産の安全対策に関する基本方針「セキュリティ・ポリシー」に
基づいて、保有する情報システムおよび情報資産を適切に保護・管理し、金融機関として
の社会的責任を果たすために万全の体制を講じております。
- 43 -
・風評リ スク管理
風評リスクとは 、当金庫の資産の健全性や収益力 、自己資本などのリスク耐久力 、規模 、
成長性、利便性など当金庫の価値・イメージを形成する内容について、その事実が存在し
ないにもかかわらず、劣化したなどの噂だけが広まることによって、当金庫への安心度、
親密度が損なわれることにより 、当金庫に対する評価が著しく低下するリスクのことです 。
当リスク管理においては、社会における金融経済の状況を適切に把握し、当金庫の風評
および業界の風評に伴う悪影響などに対し 、未然に対処すべく 、管理態勢を図っています 。
( 2)法令 遵守の体 制
信用 金 庫 は、 信 用 金庫 法 を はじ め 各 種法 令 等 の適 用 を 受け て お りま す 。 また 、 信 用金 庫
は 高い 公 共 性を 発 揮 し、 地 域 の中 小 企 業等 お よ び地 域 住 民の た め の協 同 組 織金 融 機 関と し
て その 社 会 的使 命 を 自覚 し 、 経営 の 健 全性 と 透 明性 に も 配慮 し 、 それ ぞ れ の地 域 社 会繁 栄
に 奉仕 す る こと を 基 本理 念 と して お り ます 。 こ うし た 地 域と と も に歩 む 金 融機 関 と して 、
地 域に 真 に 信頼 さ れ るた め に は、 法 令 や法 令 に 基づ く 各 種ル ー ル 、更 に は 社会 的 な 規範 を
遵 守す る こ とは 当 然 の責 務 で あり 、 い ささ か な りと も 社 会か ら 批 判を 受 け るこ と の ない よ
う努めていかなければなりません 。
当金 庫 に おき ま し ては 、 役 職員 一 人 ひと り が 、コ ン プ ライ ア ン ス・ マ ニ ュア ル に より 法
令 や企 業 倫 理に 対 す る認 識 を 深め 遵 守 する と と もに 、 コ ンプ ラ イ アン ス ・ チェ ッ ク リス ト
表 によ り 法 令等 遵 守 の意 識 の 確認 の た めに チ ェ ック を 行 って お り ます 。 ま た、 本 部 ・各 営
業店ごとに研修会を開催し、意識の向上を図ることとしております。
今後 は 、 コン プ ラ イア ン ス ・マ ニ ュ アル な ど につ い て 、随 時 現 状を 鑑 み た内 容 の 見直 し
を 図り ま す 。ま た 、 苦情 等 処 理体 制 の 強化 を 図 り、 健 全 性、 信 頼 性の 向 上 に努 め て まい り
ます。
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