セシウムテルライド薄膜フォトカソードの 量子効率の基板 - 日本金属学会

日本金属学会誌 第 69 巻 第 6 号(2005)493496
セシウムテルライド薄膜フォトカソードの
量子効率の基板依存性
1
杉 山 陽 栄1,
小早川 久1,2
高 嶋 圭 史1
浪 花 健 一3,1
竹 田 美 和2
1名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻
2名古屋大学大学院工学研究科結晶材料工学専攻
3名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻
J. Japan Inst. Metals, Vol. 69, No. 6 (2005), pp. 493
496
 2005 The Japan Institute of Metals
Effect of Substrate on the Quantum Efficiency of Cesium Telluride Thin
Film Photocathodes
1, Hisashi Kobayakawa1,
2, Yoshikazu Takeda2,
Harue Sugiyama1,
1
3,
1
Yoshifumi Takashima and Ken
ich Naniwa 
1Department
of Materials, Physics and Energy Engineering, Graduate School of Engineering, Nagoya University, Nagoya 4648603
2Department
of Crystalline Materials Science, Graduate School of Engineering, Nagoya University, Nagoya 4648603
3Department
of Physics, Graduate School of Science, Nagoya University, Nagoya 4648602
Molybdenum, in many cases, is chosen as a substrate of cesium telluride thin film photocathode for a radio frequency electron
gun (RFGun), which shows high performance. Therefore, in this study, we chose molybdenum as a substrate for cesium telluride thin film. The dependence of quantum efficiency on the kinds of metals for substrate has not been measured entirely and not
been well understood.
In this report, showing the result of measurements, we report on the dependence of the quantum efficiency on substrate for
the cesium telluride thin film photocathode. In addition to molybdenum, we use tungsten and copper for substrate. We also report
on the dependence of the quantum efficiency on the average surface roughness of substrate for cesium telluride thin film when using tungsten and copper as well as molybdenum for the substrate.
The rate in the measurement of the dependence of quantum efficiency on the kinds of metals for substrate to incident light
wavelength 250 nm was 20 on molybdenum, on tungsten 8.6 and on copper 4.8, when the tellurium thickness is 10 nm. In
the measurement of the dependence of quantum efficiency on the average surface roughness Ra of the substrates, the rate a sample on a substrate of which Ra is less than 0.1 mm shows was 20, on a substrate of which Ra is 50 mm was 15.
Thus, the quantum efficiency of cesium telluride thin film photocathode depends on the kind of metals for the substrate, and
also on the roughness of the surface of substrates.
(Received March 4, 2005; Accepted April 28, 2005)
Keywords: cesium telluride, photocathode, quantum efficiency, molybdenum substrate, radio frequency electron gun (RFGun)
基板には,Kong らの研究2),Sertore らの研究3)など,多く
1.
は じ
め に
の研究においてモリブデン基板が採用されている.モリブデ
ン基板を用いたセシウムテルライド薄膜フォトカソードは高
フォトカソード型高周波電子銃は,高品質電子ビームを得
い性能を示してきた実績がある.そこで本研究でもセシウム
ることに有利であるとされている.高周波電子銃は,高周波
テルライド薄膜用基板には,モリブデンを採用し研究してき
高電界により電子を引き出すため,電子引き出しの初期か
た.モリブデン以外の基板を用いた研究としては Chevallay
ら,相対論的速度の電子ビームを作ることが可能である.そ
らの研究4) , Sasabe らの研究5) が挙げられる. Chevallay ら
のため空間電荷効果の影響を相対的に小さく抑え,低エミッ
の研究では,銅カソードプラグに金を蒸着したものが使われ
タンス電子ビームを作ることが可能である.セシウムテルラ
ている. Sasabe らの研究では,カートリッジ式のセシウム
イド薄膜は,高周波電子銃用のフォトカソード材料として,
テルライド薄膜フォトカソードが使われており,基板にはモ
量子効率が高く,引き出し電流寿命が長い優れた材料であ
リブデンにクロムを蒸着したものが用いられている.しか
る1).
し,用いる基板材料や基板の状態による量子効率の変化につ
高周波電子銃用セシウムテルライド薄膜フォトカソードの
1 名古屋大学大学院生(Graduate Student, Nagoya University)
2 名古屋大学名誉教授(Professor Emeritus, Nagoya University)
いては,研究も理解も不十分である.
ここでは,セシウムテルライド薄膜フォトカソードに用い
る基板依存性について,測定結果を示し報告する.用いる基
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日 本 金 属 学 会 誌(2005)
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巻
板の材料依存性として,モリブデン以外に,タングステン,
銅を用いた場合について報告する.電子銃用のフォトカソー
ドは,加熱処理し繰り返し使用することに耐えられるものが
望まれる.タングステンは熱特性に優れたものとして選択し
た.銅は,高周波加速空洞の材料としてよく使用されること
から選択した.フォトカソード型高周波電子銃は,高周波加
速空洞の一端にフォトカソードを備えた電子銃であるが,フ
ォトカソードと高周波加速空洞の誘電率のギャップが小さい
ことが望まれる.
また,用いる基板の平均の表面粗さ依存性について,表面
粗さの異なるモリブデン基板を用いた場合のセシウムテルラ
イド薄膜フォトカソードの量子効率の変化についても報告す
る.モリブデンは切削や研磨などの加工が比較的難しい金属
材料であると言え,その表面の精度がセシウムテルライド薄
膜フォトカソードの量子効率に与える影響を調べた.
実験装置と測定,セシウムテルライド薄膜の生成
2.
Fig. 1 Measurement of quantum efficiency of cesium telluride
thin film photocathode as a function of incident light
wavelength. The longitudinal axis shows quantum efficiency,
the horizontal axis shows incident light wavelength. ● shows
data of a sample formatted on a molybdenum substrate, □
shows that on a tungsten substrate, ▲ shows that on a copper
substrate. In this plots, every sample was formatted on the
same condition of deposition.
セシウムテルライド薄膜は大気に触れると酸化により破損
される.しかし,本研究で開発した実験装置を用いると,超
高真空中(真空度 2.7 × 10-8 Pa )で生成したセシウムテルラ
イド薄膜を大気に取り出すことなく,生成した薄膜に直接光
を照射し量子効率の測定を行うことができる.
薄膜を生成する金属基板は,エタノールなどの超音波洗浄
を行った後装置に装着し,装置の真空生成後,600°
C の加熱
による清浄化を行う.
セシウムテルライド薄膜の生成においては,テルル,セシ
ウムの順に蒸着する.薄膜生成時の基板温度は室温である.
テルルの蒸着時は水晶膜厚計にて,基板に積まれたテルル膜
厚を測定している.テルルの蒸着後セシウムを蒸着し,セシ
ウムテルライド薄膜を室温にて生成している.
詳しくは,日本金属学会誌 69 巻 4 号6)を参照されたい.
基板依存性測定の結果
3.
3.1
基板材料依存性測定の結果
Fig. 2 Measurement of quantum efficiency of molybdenum
(●), tungsten (□) and copper (▲) as a function of incident
light wavelength. The longitudinal axis shows quantum efficiency, the horizontal axis shows incident light wavelength.
Fig. 1 にセシウムテルライド薄膜フォトカソードの量子効
率の入射光波長依存性における,用いる基板材料による変化
を示す.また Fig. 2 に基板そのものの量子効率の入射光波
長依存性を示す.縦軸は量子効率,横軸は入射光の波長 l
である.●はモリブデンを,□はタングステンを,▲は銅を
いたサンプルが最も高い量子効率を示した.
3.2
基板の平均の表面粗さ依存性測定の結果
基板に用いた測定結果である. Fig. 1, 2 に示したように,
セシウムテルライド薄膜フォトカソード用の基板にはモリ
セシウムテルライド薄膜を生成したフォトカソードの量子効
ブデンが用いられることが多い.しかしモリブデンは切削や
率は,基板そのものの量子効率よりも 3 桁程度高い.Fig. 1
研磨などの加工が比較的難しい金属材料であると言える.切
に示したいずれのサンプルも,用いた基板以外の蒸着条件,
削油にブルーベを使用し超鋼チップを用いて切削した表面粗
真空度などの条件は全てほぼ同等で,セシウムテルライド薄
さの大きなモリブデン基板を用意し,市販の研究用モリブデ
膜生成時のテルル膜厚は 10 nm である.入射光の波長 250
ン基板を用いた場合と比較した.切削加工したモリブデン基
nm に対する量子効率は,モリブデンを基板に用いた場合が
板の平均の表面粗さ Ra は 50 mm 程度で,市販の研究用モリ
20 であったのに対して,タングステン,銅を基板に用い
ブデン基板は,圧延加工された後研磨されたもので,Ra は
た場合は,それぞれ 8.6, 4.8であり,モリブデンを基板
0.1 mm 以下である.いずれのモリブデン基板も,装着前に
に用いたサンプルの量子効率が最も高い.しかし,今回の測
エタノールなどを用いた超音波洗浄を行い,超高真空下で
定では,入射光波長が 330 nm より長い領域で,銅基板を用
600°
C の加熱処理を行い,表面の清浄化を行った.
第
6
号
セシウムテルライド薄膜フォトカソードの量子効率の基板依存性
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Fig. 3 Measurement of quantum efficiency of cesium telluride
thin film photocathode as a function of incident light
wavelength. The longitudinal axis shows quantum efficiency,
the horizontal axis shows incident light wavelength. ● shows
that data of a sample formatted on a molybdenum substrate of
which average surface roughness Ra is less than 0.1 mm, □
shows that on a substrate of which Ra is 50 mm. Every sample
was formatted on the same condition of deposition.
Fig. 4 Measurement of quantum efficiency of cesium telluride
thin film photocathode as a function of incident angle of light.
The longitudinal axis shows quantum efficiency, the horizontal
axis shows incident angle of light. ●, ○ shows quantum efficiency for P, S polarized light of a sample on a molybdenum
substrate of which average surface roughness Ra is less than
0.1 mm. ▲, △ shows that on a substrate of which Ra is 50 mm.
Fig. 3 にセシウムテルライド薄膜フォトカソードの量子効
率入射光波長依存性の基板の Ra による違いを示す.用いた
基板はいずれもモリブデンである.●は Ra が 0.1 mm 以下
の基板を,□は Ra が 50 mm の基板を用いたサンプルの量子
効率を示している.基板の Ra 以外の蒸着条件や真空度など
の条件は全て同じである.今回示した波長領域では, Ra が
0.1 mm 以下の基板を用いたサンプルの量子効率は, Ra が
テルライドの光学定数は未知であるが,本研究の生成方法に
50 mm の基板を用いたサンプルの量子効率を全ての波長で
よるセシウムテルライド薄膜では,P 偏光斜入射時の反射率
上回った.入射光波長 250 nm における量子効率は, Ra が
の最小値はおよそ 60°
程度であることがわかる.測定結果か
0.1 mm 以下の基板を用いたサンプルが 20であったのに対
らは, P 偏光入射時の 60 °
付近のピークは, Ra の大きな基
し, Ra が 50 mm の基板を用いたサンプルでは 15 であっ
板ではなまっていることが確認できた.これにより,実際の
た.この測定により,セシウムテルライド薄膜フォトカソー
電子銃においては,フォトカソードへの光の入射方法とし
ド用の基板には, Ra がより小さな基板を用いる方が高い量
て,斜入射を採用する場合,より高い量子効率を得るために
子効率を得られることがわかった.
は,表面粗さが小さい基板を使わなければならないことがわ
Fig. 4 にセシウムテルライド薄膜フォトカソードの量子効
かる.しかし,50 mm もの大きな Ra を持つ基板を用いても
率の入射光角度依存性測定の結果を示す.縦軸は量子効率,
なお, S 偏光を用いるよりも P 偏光を用いた方が量子効率
横軸は入射光角度 u である.入射光角度は,サンプル表面に
は高く,また光の入射角度が 0 °
入射(直入射)よりも, P 偏
と取っている.入射光
対して光が垂直に入射するときを 0 °
入射時の量子効率は高い.基板の表面粗さが小さい場
光 60°
波長は 250 nm である.●,○は Ra が 0.1 mm 以下の基板
合はもちろんであるが,表面粗さが大きい場合にも,量子効
を用いた場合,▲,△は Ra が 50 mm の基板を用いた場合の
率の観点からは,斜入射が有利であると言える.
セシウムテルライド薄膜フォトカソードの P, S 偏光に対す
る量子効率を表している.Fig. 4 では,プロットの形を比較
4.
基板依存性測定の結果の考察
するために, Ra が 0.1 mm 以下の基板を用いたサンプルの
量子効率は,Ra が 50 mm のサンプルの量子効率にノーマラ
Fig. 1 において,セシウムテルライド薄膜フォトカソード
のとき, Ra が 0.1
イズしてある.実際は光の入射角度が 0 °
の量子効率は,モリブデン基板を用いた場合が最も高く,つ
mm 以下の基板を 用いたサンプルの 量子効率は 20 であ
いでタングステンを用いた場合が高く,銅を用いた場合が最
る.量子効率の絶対値は, Ra が 0.1 mm 以下の基板を用い
も低かった.この結果について考察する.
た場合に対して,Ra が 50 mm の基板を用いた場合は全体と
Fig. 1 で示したサンプルに用いた基板の平均の表面粗さ
して 25程度低い.一般に入射光の反射率は,P, S 偏光で
Ra は,モリブデンが 0.1 mm 以下で,タングステンは 2.5
異なり,P 偏光斜入射時に,その物質の光学定数に応じた入
mm であった.銅については測定していない.量子効率の基
射角度に最小値を作る.Fig. 4 の結果は量子効率が反射率と
板依存としては,材料依存のみならず,基板の表面粗さが影
関連していることが示された結果であると言える.セシウム
響することを Fig. 3 で示した.しかし, Fig. 3 で示したサ
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69
巻
る場合や,蒸着基板をその都度生成するなどの場合は,基板
の反射率の高さを基板選定の大きな要因に挙げるべきである
と言える.
5.
ま
と
め
セシウムテルライド薄膜フォトカソードに用いる基板依存
性について,測定結果を示し報告した.用いる基板の材料依
存性として,モリブデン以外に,タングステン,銅を用いた
場合について,また用いる基板の平均の表面粗さ依存性につ
いて報告した.
入射光 250 nm に対する,テルル膜厚が 10 nm のセシウム
テルライド薄膜フォトカソードの量子効率の材料依存性は,
Fig. 5 Reflection rate of molybdenum (solid line), tungsten
(dashed line) and copper (dotted line). The longitudinal axis
shows reflection rate, the horizontal axis shows incident light
wavelength.
モリブデンを基板に用いた場合が 20 であったのに対し
て,タングステン,銅を基板に用いた場合は,それぞれ
8.6, 4.8であった.
また基板の平均の表面粗さ(Ra )依存性については,Ra が
0.1 mm 以下のモリブデン基板を用いた場合,入射光波長
ンプルでは Ra が 3 桁もの変化をしても,量子効率の変化は
250 nm における量子効率が 20 であったのに対して, Ra
25にとどまっている.Fig. 1 で示した測定結果では,入射
が 50 mm のモリブデン基板を用いた場合は 15であった.
光波長 250 nm に対する量子効率は,モリブデン基板を用い
セシウムテルライド薄膜フォトカソードの量子効率は,用い
た場合に比べ,タングステン基板を用いた場合は 57 低
る基板材料にも依存し,また用いる基板の表面粗さにも依存
く,銅基板を用いた場合は 76 低い.基板の Ra の変化だ
することを示した.実際の電子銃においてはフォトカソード
けでは説明ができないほどの変化を観測している.
への光の入射方法として,斜入射を採用する場合,より高い
Fig. 5 にモリブデン,タングステン,銅の反射率を示す.
本研究で用いた装置では反射率を直接測定できない.そのた
め Fig. 5
量子効率を得るためには,表面粗さが小さい基板を使わなけ
ればならないことがわかった.
に示した値はよく信頼されている光学定数7)から計
名古屋大学大学院理学研究科教授の中西彊氏のご好意によ
算したものである.ここに示したモリブデン,タングステ
ン,銅においては,反射率が高いほど,セシウムテルライド
り,実験室と実験装置,消耗品の提供を受けました.
名古屋大学全学技術センターの香月眞澄氏と名古屋大学理
薄膜フォトカソードの量子効率は高い.薄膜においては,入
射した光の一部は薄膜を透過し基板まで到達する.基板まで
学部物理学科 4 年生の酒井良介氏に,モリブデンの切削加
到達した光は,薄膜と基板の界面で反射または透過し,反射
工においてご協力頂きました.
名古屋大学大学院工学研究科修士 2 年生の桑野智氏に基
光は再び薄膜中に入射する.そのため基板の反射率がセシウ
ムテルライド薄膜フォトカソードの量子効率に関連すると考
板金属の表面粗さ測定においてご協力頂きました.
えられる.
しかしながら,入射光波長 250 nm に対する反射率は,モ
文
献
リブデンが 70,タングステンが 51,銅が 37であり,
この反射率の差だけでは,量子効率の差は説明できない.薄
膜を通過し基板まで到達した光は,再び薄膜中に入射し,そ
のまま真空中に抜け出るばかりではなく,薄膜と真空の界面
でも一部が反射し,さらに薄膜中へ入射されることが示唆さ
れる.いわゆる薄膜の干渉により薄膜中で吸収される光の量
が増幅された結果,量子効率が高くなることが示唆される.
今回の測定結果からは,基板の反射率の影響は,薄膜による
入射光の干渉により増幅されていることが予想される.反射
率の高い基板を用いると,より高い量子効率を得られること
が予想できる.
実際に電子銃に装着する場合,フォトカソード用の基板に
は,加熱処理に耐えることが求められるため,単純に反射率
の高い基板材料を自由に選ぶことはできない.しかし,繰り
返し使用を前提としない使い捨てのフォトカソードを開発す
1) N. Terunuma, K. Hasegawa, M. Kuriki, H. Hayano, J. Urakawa,
T. Nakanishi, S. Okumi, I. Sakai, M. Takano, M. Nomura, K.
Hirano, Y. Yamazaki, R. Kuroda and M. Washio: Proceedings of
the 28th Linear Accelerator in Japan (2003) pp. 162164.
2) S. H. Kong, J. KinrossWright, D. C. Nguyen and R. L. Sheffield:
J. Appl. Phys. 77(1995) 60316038.
3) D. Sertore, S. Schreiber, K. Floettmann, F. Stephan, K. Zapfe
and P. Michelato: Nucl. Ins. Meth. A 445(2000) 422426.
4) E. Chevallay, G. Suberlucq and H. Trautner: PRODUCTION OF
A HIGH AVERAGE CURRENT ELECTRON BEAM WITH
CsTe PHOTOCATHODES, CTF3 Note 020. Tech. Photocathodes (2001).
5) J. Sasabe, H. Hanaki, T. Asaka, H. Dewa, T. Kobayashi, A.
Mizuno, S. Suzuki, T. Taniuchi, H. Tomizawa, K. Yanagida and
M. Uesaka: Nucl. Ins. Meth. A 528(2004) 382386.
6) H. Sugiyama, H. Kobayakawa, Y. Takeda, Y. Takashima and K.
Naniwa: J. Japan. Inst. Metals 69(2005) 392398.
7) E. D. Palik: Handbook of Optical Constants of Solids, (Academic
Press, Inc., 1985).