ソキアレポート2008秋季号

2008 秋季号
Vol.19 No.4
USER REPORT
自動車工場の搬送設備を測り
安定稼働を支援する
『MONMOS』
大豊精機株式会社 様
WORLD REPORT ∼ 韓 国 ∼
南極の消えゆく氷河を調査する
GNSS受信機『GSR2700 ISX』
韓国極地研究所 様
EVENT REVIEW
「Precision & Reliability」
信頼に応える高精度な製品群が集結
地理空間情報システム展 2008 イベントレポート
NEW PRODUCT NEWS
トータルステーション Series20K 他
写真の GSR2700 ISXは海外仕様となります
自動車工場の搬送設備を測る
『MONMOS』
高い信頼性と簡単操作で安定稼働を支援
た
い
ほ
う
せ
い
き
大 豊精機株式会社 様
およそ20年前、造船用非接触測定機として開発が始まった三次元測定システム
『MONMOS』。
三次元座標をリアルタイムに測定できるので、トンネルや橋梁の施工管理や変位計測をはじめ、
信頼性の高さから、自動車工場など最先端の製造施設でも導入されている。
そこで今回は、自動車生産用の自動化装置などを製造している大豊精機株式会社様にお伺いして
『MONMOS』の導入経緯から現在の使用状況までをお聞きした。
01
生産現場に
﹃MONMOS﹄導入
る測定機だ 。
次 元 座 標 値 を 非 接 触 で 瞬 時 に 得 られ
ルも 高 く な っ て い ま す 。 年 ほ ど 前
て い ま す 。ま た 求 め ら れ る 精 度 レベ
化 装 置 や 溶 接 設 備、自 動 車 量 産 部 品
この
﹃ MONMOS﹄を自動車工場に
導 入 し た の が、自 動 車 生 産 用 の 自 動
によ っ て 誤 差 を 吸 収 してきたのです
た 。こ れ ま で は 搬 送 ロボットの 調 整
らに 高 精 度 化 するよう 依 頼 されまし
にはプレス部 品 を 置 く 位 置 精 度 をさ
日 本 の 製 造 業 は、世 界 市 場 に お け
る 競 争 力 を 高 め る た め、製 品 の 品 質
の 製 造 な ど を 行 な っ て い る、愛 知 県
設備の組み付けと据え付けに利用
管理とコスト削減を目標に、生産設備
付 けをさらに 正 確 にしなければなら
が、そ の よ う な 対 応 で は 時 間 が か か
各種生産設備の精度は年々高まって
自 動 車 工 場 の 生 産 設 備 は、毎 年 の
よ う にバージョンアップし て お り、そ
な か っ た の で す﹂と 導 入 に 至 っ た 背
豊田市の大豊精機様である 。
の た び に 高 いレベルの 性 能 と 精 度 が
景を教えてくださった 。
の 改 良 を 常 に 行 っ て い る 。そ の た め
れまでさまざまな 測 定 機 器 が 用 いら
要 求 される 。大 豊 精 機 様 が 担 当 して
ペースで運ぶので、常に高い位置精度
が求められている 。
ターゲットとなる専用治具を製作
個人差のない測定精度を目指して
る た め、搬 送 設 備 の 組 み 付 け と 据 え
れてきたが、近年、従来の測定機器で
い るプレス 工 程 に お い て も、搬 送 ロ
いる 。その精度を確認するために、こ
は 対 応 で き な い ほ ど に、求 め ら れ る
ボットがプレス 部 品 を 数 秒 に
個の
精度が高くなってきた 。
そこで頼りにされたのがSOKKIA
の三次元測定システム
﹃ MONMOS﹄
である 。 点
入 経 緯 に つ い て、設 備 製 造 本 部 設 備
がある 。基準台に置かれたプレス部品
的に部品を置くアイドリングテーブル
回の測定で距離、水平
生 産ラインには、プレス部 品 を 置 く
そ れ で は、ど う し て 大 豊 精 機 様 が
基 準 台 と、作 業 を 進 め る た め に 一 時
﹃MONMOS﹄
を選んだのか 。その導
1
角、鉛直角を測定でき、精度の高い三
製 造 部 製 造 課 で 組 長 を 務 める 岡 本 洋
は、搬 送ロボットによ っ て 一 旦 アイド
リングテーブルに 置 かれ、さらに 所 定
一様に伺ったところ、次のように語っ
てくださった 。
いました 。しかし、ラインレーザは、角
ラインレーザと自動レベルで測定して
を 導 入 す る 前 は、位 置 を 決 め る の に
付けを行っていますが、﹃MONMOS﹄
さ ま ざ ま な 形 状 のプレス部 品 に 対 応
い 。そ し て アイドリングテ ー ブルは、
ロボットを 据 え 付 け な け れ ば な ら な
の位置にアイドリングテーブルと搬送
に 定 め ら れ て お り、基 準 台 か ら 一 定
岡本 洋一 様
の位置に運ばれる 。基準台は、生産ラ
度 が 少 し で も ず れ た り、距 離 が 長 く
するために、上下左右に動く数個の支
インの 基 準 線 に 沿 っ て 設 置 するよう
な っ たりすると 測 定 精 度 が 落 ちてし
え 台 か ら 構 成 さ れ て お り、支 え 台 の
﹁当 社 は、自 動 車 工 場 のプレス 工 程
における 搬 送 設 備 の 組 み 付 けと 据 え
ま い ま す 。そ の た め に 精 度 の 高 い 測
動 作 位 置 を 測 定 し て、組 み 付 け の 位
02
定機器が必要となりました﹂
信頼性も高く評価しています。
1
置精度を確かめなければならない 。
さ ら に 岡 本 様 は﹁お 客 様 は 常 に 新
装 置 の 組 み 付 け と、工 場 内 の 据 え
技 術 を 投 入 しながら 生 産 工 程 の 改
付 け 位 置 精 度 を 要 求 精 度 内 に 収 める
測定に個人差がなく、
1
良 を し て お り、そ の 頻 度 は 年 々 増 し
大豊精機株式会社
設備製造本部 設備製造部
製造課
組長
1
誰でもどこでもいつでも簡単に測定できる
スピーディーで 信 頼 性の高い『 M O N M OS』
た 。そ の こ と に つ い て 岡 本 様 は 次 の
大 豊 精 機 様 は2007年 春 に 導 入
べ く、大 豊 精 機 様 が 導 入 し た 機 種 は
試験をした後、同年 月に 台採用し
ントロール・ターミナル
﹃SDR4000﹄
ように語ってくださった 。
Dステーション
﹃ NET1200﹄とコ
である 。
﹃NET1200﹄は大型構造
単 位 で 測 定 し、測 角 精 度 は
物を
﹁﹃MONMOS﹄を 導 入 した 際、誰
水 平、垂 直 と も に 1と い う 高 精 度 で
でも 定 められた 位 置 に 反 射ターゲッ
台は自動車
台 採 用 す る こ と に な り、
頼 性 の 高 さと 操 作 性 のよさに 会 社 側
も納得し
台 は 自 社 工 場 用、
もう
月に
工場用にしました 。その後、海外での
台 導 入 し て、現 在 で は
使 用 も 頻 繁 になり、
2008年
さらに
台
方 で 測 定 値 が 変 わ り ま す し、肉 眼 で
岡 本 様 か ら も﹁従 来 使 用 し て い た
自 動 レベルですと 測 定 用 の 尺 の 置 き
なりました 。
﹃MONMOS﹄での測定
心 して 測 定 作 業 を 進 められるように
人 差 に よ る ば ら つ き が な く な り、安
製 作 し ま し た 。お か げ で 測 定 値 も 個
際 の 位 置 決 めにも﹃M ONMOS﹄を
据 え 付 け を 行 っ て い る の だ が、そ の
了 さ せ た 後、自 動 車 工 場 に 輸 送 し て
0.1
性 能 に 合 わせて 測 定 用 の 専 用 治 具 を
大豊精機様では、自社工場内でアイ
ドリングテーブルなどの組み付けを完
単位の測定は難し
見 ているので
い 。しかし﹃ NET1200﹄で測定す
使っています﹂
4
使 用 し て い る 。こ の こ と に つ い て 岡
3
方 法 を 標 準 化 す る こ と に よ っ て、信
トを 置 く こ と が で き る よ う に、そ の
大豊精機様が『MONMOS』
の性能
を考慮して、ターゲットとなる測定
用の専用治具を製作した。専用治
具を指定された場所に合わせるだ
けで正確に設置できるため、信頼
性の高い測定が可能になった。
本様は﹁自動車工場の生産ラインに据
mm
● 鞍ヶ池工場 〒471-0003 愛知県豊田市岩滝町小玉215-1
TEL.0565-89-5836 FAX.0565-89-5840
大豊精機株式会社
設備製造本部 設備製造部
製造課
2
頼性の高い測定値を簡易な操作方法
0.1
ていただいた 。
mm
ht t p: // w w w.tsk .t aihonet .co.jp
岩浅 光太朗 様
1
2
れば、 単 位 の 測 定 値 を 簡 単 に 得 ら
れ ま す﹂と 測 定 精 度 の 高 さ を 評 価 し
ある 。
1
9
え 付 け る 際 に は、比 較 的 少 な い 測 点
0.1
で 素 早 く 入 手 で き た の で す 。こ の 信
mm
1
3
操作方法が簡単だから
すぐに覚えられるし、
作業時間も短縮しました。
大豊精機株式会社 様
● 本社・本社工場 〒470-0341 愛知県豊田市上原町折橋1-15
TEL.0565-43-0801 FAX.0565-43-0815
03
測 定 し な け れ ば な り ま せ ん 。そ の 点
い 日 や 空 き 時 間 を 見 つ け て、素 早 く
ため、なるべくラインが稼働していな
の 位 置 精 度 で 稼 働 することが 求 めら
産ラインが設けられており、各国共通
地 の 自 動 車 工 場 には 同 じタイプの 生
え 付 けを 行 っ た 経 験 がある 。世 界 各
て か ら 精 度 を 確 か め て い ま す 。そ れ
置する際には水平を何度もチェックし
があるようです 。﹃MONMOS﹄を設
が、最 近、
Z 方 向 で 測 定 値 のばらつき
で 済 み ま す が、工 場 内 は 振 動 が 多 い
﹃M ONMOS﹄なら、スピーディーに
れ て い る 。そ の 位 置 精 度 を 保 証 す る
で も、た ま に
気になる点についてお聞きすると、
車工場で、プレス部門の搬送設備の据
岩浅様は
﹁XY方向は問題ないのです
測 定 で き ま す﹂と 自 動 車 工 場 に 適 し
ために﹃MONMOS﹄を持って、世界
方 向 の 測 定 値 にばら
ている理由を述べられた 。
の 点 に つ い てソキア販 売 名 古 屋 営 業
SDR4000
つ き が あ る の で、こ の 点 を 解 決 し た
中の工場に出かけている 。
大 豊 精 機 様 の 活 躍 の 場 は、国 内 だ
け に と ど ま ら ず、世 界 各 地 に 広 が っ
﹁移 動 には 飛 行 機 を 使 うのですが、
測定機器は温度変化や振動に敏感な
所 の 坂 本 は﹁測 定 値 の ば ら つ き が 大
NET1200
いと思っています﹂と述べられた 。こ
精 密 機 器 で す か ら、い つ も 手 荷 物 と
き い よ う で し た ら、一 度 点 検 調 整 に
三次元計測標準プログラム
て い る 。こ れ ま で も アメリカや カナ
して 機 内 に 持 ち 込 んでいます 。
﹃M O
お出しください 。また、定期的な点検
ダ、タイ、中国、南アフリカなどの自動
NMOS﹄は機内持ち込み可能なサイ
調整をお勧めします﹂と説明する 。
介でき、大変感謝している 。
違 っ た 分 野 で 活 躍 していることが 紹
今回、大豊精機様のおかげで、自動
車 工 場 の 生 産 設 備 という 今 までとは
な領域での活躍をお伝えしてきた 。
精 度 管 理 やメンテナンスと、さまざま
計測をはじめ、造船や橋梁などの製造
これまで﹃MONMOS﹄について、
岡 本 様 は 可 搬 性 が 優 れていることに
ダムやトンネル、高層ビルなどの変位
ついても述べられた 。
簡易な操作と測定方法の標準化で
スムーズで素早い位置測定を実現
複 数 の 仕 事 が 同 時 進 行 しているう
え、海 外 で の 据 え 付 け が 多 い こ と か
ら﹃MONMOS﹄を 操 作 する 担 当 者
ソキアレポートでは、
今後も
﹃MON
は 名近くいるという 。その中の一人
MOS﹄がさまざまな分野で活躍して
いることを 紹 介 していきたいと 考 え
ている 。
● 3Dステーションをコントロール
●多様な座標系設定が可能
●設計値と実測値を比較する「データ比較計測機能」
●高精度な位置出し・位置決めを行う
「位置決め
(杭打ち)機能」
● 機械を移動しても同じ座標系で計測可能
●測角精度 1
●測距精度
(0.6+2ppm ×D)
mm(反射シート使用時)
● IP66 と高い耐環境性能かつ、
可搬性の良い小型軽量ボディ
● Bluetooth ® 無線機能搭載
である 大 豊 精 機 様 の 設 備 製 造 本 部 設
備製造部製造課の岩浅光太朗様は
﹁操作方法は簡単なので、すぐに覚え
られました 。ラインレーザと自動レベ
ルを 使 用 し て い た 頃 と 比 較 す る と、
ターゲットの 置 き 方 も 簡 単 になりま
し た か ら、測 定 誤 差 に 関 す る 不 安 が
な く な り、スピ ー ディ ー な 測 定 が で
き ま す﹂と 現 場 の 様 子 を 語 っ て く だ
株式会社ソキア販売
名古屋営業所
坂本
10
さった 。
04
3Dステーション
Z
ズと重量なので、とても便利です﹂と
3Dステーション
『 NET1200』
とコントロー
ル・ターミナル
『 SDR4000』
を用いて測定
方法を再現してくれた大豊精機様の岩浅
光太朗様 。
「ターゲットを1回測定するだけで、距離、
水平角、鉛直角の数値を得られるので、と
ても簡単です」と語ってくれた。
年以上にわたり極寒の南極大陸で
ジョージ島︵南 緯
度
60
分、西 経
度
58
分︶がある 。この 島 は、氷 棚 の 表 面
13
ド 諸 島 が あ り、島 の ひ と つ にキング
島 の 先 端 の 海 域 にサウス・シェトラン
こ こ がバ ー トン 半 島 で あ る 。こ の 半
地 図 で 南 極 大 陸 を 見 る と、角 の よ
う な 形 を し て い る と こ ろ が あ る が、
環境調査を行う韓国極地研究所様
20
年 以 上 にわた っ て 調 査
20
ている 。また、KOPRI様では、地球
化 の 影 響 についての 証 拠 資 料 となっ
照合され、
南極大陸における地球温暖
同様のプロジェクトで得られた結果と
タは、
世界各国の科学者が行っている
行っている 。この研究で得られたデー
す る た め に、南 極 大 陸 で 環 境 調 査 を
であり、地球温暖化の影響をモニター
様 は、国 立 海 洋 研 究 院 の 付 設 研 究 所
所︵KOPRI︶様である 。KOPRI
活 動 を 行 っ て き た の が 韓 国 極 地 研究
世宗基地で
ベースキャンプにもなっている 。この
行っているほか、遠征のための常設の
周 囲 の 陸 地 と 水 域 に 対 する 研 究 を
基地﹂
があり、
通年の研究活動として、
キングジョージ島 には 1988年 に
セジョン
韓 国 が 建 設 し た 南 極 観 測 基 地﹁世 宗
とても重要な地域となっている 。
極 大 陸 の 氷 棚 の 変 化 を 研 究 するのに
の 影 響 が 顕 著 に 表 れ て い る の で、南
行 し て い る 。こ の よ う に 地 球 温 暖 化
少 し て お り、さ ら に 海 氷 域 も 年 々 退
融 解 が 進 行 し、氷 棚 の 量 と 範 囲 が 減
47
消えゆく氷河
韓国極地研究所様は南極の環境調査に
SOKKIAのGNSS受信機『GSR2700 ISX 』
を使用
地球温暖化に伴い、南極大陸においても過去 50年の間に年間平均気温が上昇している。
この極寒の地で、20年以上にわたり、氷棚や海氷域などの観測を行っているのが
古気候学の研究で著名な韓国極地研究所
(KOPRI)
様である。今回は、このKOPRI 様から
極寒の地での測量調査のこと、SOKKIAの測量機器を採用した理由などをお聞きした。
キング・ジョージ島
King George Island
セジョン
世 宗基地
King Sejong
Station
南極点
South Pole
05
温 暖 化 に 対 する 海 洋 生 態 系 の 反 応 調
査 など、さまざまなプロジェクトの 研
究グループのサポートもしている 。
番目、世界で
番目に南
﹁KOPRIの任務を遂行させやす
く す る た め に、韓 国 は1986年、ア
ジアの中で
名 の 人 員 が 必 要 で あ り、
はしばしば m 以 上 にも 達 すること
極 寒 の 気 候 に 泣 か さ れ ま し た 。風 速
頃は、測量機器の性能や険しい地形、
学 科 の 孫 鎬 雄 教 授 は﹁測 量 を 始 め た
ソ ン・ホ ウ ン
ジェクトに参
共同研究者としてぺプジロ
ェ
加 している 韓 国 の 培 材 大 学 校 土 木 工
ギーを費やさなければならかなった 。
なおかつ 非 常 に 多 くの 時 間 とエネル
には 最 低
技 法 で は、強 風 下 の 岩 場 で 行 う 測 量
施 し て い た 。こ のプリミティブな 測 量
査 は こ れ ま でレベルと 巻 尺 だ け で 実
国 家 的 な 科 学 調 査 を 行 っ ている
KOPRI 研究者チームだが、測量調
これまでの測量業務
さまざまな苦労に悩まされた
の陳永根博士は語ってくださった 。
チ ン・ヨ ン グ ン
ました﹂とKOPRI様の主任研究員
ける 科 学 的 研 究 を 積 極 的 に 行 っ てき
員として加盟し、以来、南極大陸にお
研 究 科 学 委 員 会︵SCAR︶にも 正 会
めた条約︶を締結しました 。また南極
極 条 約︵南 極 大 陸 の 平 和 的 利 用 を 定
33
が あ り、巻 尺 は ほ と ん ど 役 に 立 ち ま
陳博士も﹁レベルと巻尺では悪天候
せんでした﹂
と当時を述懐した 。
06
3
3
20
意味がありません﹂
と述べられた 。
え に、正 確 な 結 果 が 得 ら れ な け れ ば
仕 事 は 厳 しい 環 境 下 で 測 量 を 行 うう
に は 耐 え ら れ ま せ ん で し た 。我 々 の
え、頑丈なので研究員を感心させた 。
RK ﹄と同様に、極寒の気候によく耐
トータルステーション﹃ Series30
チームがすでに使用していた
﹃GSR2700 ISX ﹄
は、変化する
耐 久 性 に 優 れ、な お か つ 効 率 的 に 測
境 下 で 測 量 を 行 う に は、防 水 性 能 や
の 遠 征 に は、1回 に 相 当 な 費 用 が か
もつながった 。孫教授も﹁測量場所へ
おかげで、
研究の時間と費用の節約に
氷 棚 と 海 氷 を 追 跡 調 査 するためのG
量 で き る 高 性 能 タイプで な け れ ば な
かり、
しかも研究者たちの貴重な時間
PSデータを船上で収集できる 。この
らない 。そこでKOPRI様が白羽の
を失ってしまいます﹂。さらに製品の
高性能
融解する氷を研究するのに、
の 測 量 機 は 必 要 ないと 思 うかも 知 れ
矢を立てたのがSOKKIAのトータ
性 能 について﹁現 場 で 初 めて﹃GSR
な い が、南 極 大 陸 の よ う な 厳 し い 環
ルステーション﹃ Series30RK ﹄
2700 ISX ﹄を使ったとき、使い
2700 ISX ﹄と﹃ Series 30
こ と に 驚 き ま し た 。我 々 は﹃G S R
やすさと 精 度 の 高 い 結 果 が 得 られる
だった 。
新たな海洋調査に対応するために
RK ﹄を 長 時 間 使 用 していますが、両
目 した 。さまざまなメーカーのGPS
データを 収 集 できるGPS機 器 に 注
船 から 離 れる 必 要 がなく 正 確 な 空 間
問 題 解 決 のために、KOPRI 様 は、
調 査 す る の は 不 可 能 で あ る 。そ こ で
耐 え ら れ な い の で、氷 の 上 に 乗 っ て
し、海 の 氷 は 研 究 員 や 機 材 の 重 さ に
調 査 を 行 う 必 要 性 が 出 てきた 。しか
KOPRI様のプロジェクトは年々
拡 大 し て い る 。そ の 中 で 新 た な 海 氷
査 す る と き は 頼 も し い 限 り で す﹂と
くれます 。特 に 融 解 する 氷 を 追 跡 調
すべてにおいて 我 々 の 期 待 に 応 えて
しかし﹃GSR2700 ISX ﹄なら、
もいいというわけにはいきません。
な測量が伴うので、どのGPS機器で
を 測 定 し 追 跡 調 査 を 行 う に は、困 難
校の大学院生、表基元氏は﹁環境変化
しています﹂と述べられた 。培材大学
タを提供してくれるので、
いつも感心
る強靭さがあるうえ、
常に正確なデー
﹃GSR2700 ISX﹄を採用
機 器 を 試 み た が、性 能 は も ち ろ ん
製 品 とも 極 寒 の 厳 しい 環 境 に 耐 えう
の こ と、技 術 サポ ー トの 充 実 ぶ り か
語ってくださった 。
ピョー・ギウォン
ら も、SOKKIAのGNSS受 信 機
﹃G S R 2700 ISX ﹄は、研 究
﹃GSR2700 ISX﹄が選ばれた 。
『 GSR2700 ISX 』。そばには研究者の
オレンジ色の建物の前に設置された
無事帰還を祈るための韓国伝統のトー
テムポールが建てられている。 南極と
いう極地においても『 GSR2700 ISX 』
は、その性能を発揮 。データを正確に
収集している。 培材大学校の大学院
生で、KOPRI 様の共同研究者でもある
表基元氏 。 正確なデータを集める
ために流氷を追跡、
ボートで氷山を迂回
しながら調査することもある。
07
﹃GSR2700 ISX﹄が
秘めている特長
﹃GSR2700 ISX ﹄は、
GPSと
GLONASS信号を使うことができ
な場所である 。そこで研究者は、大気
圏 の 最 上 層 部 にある 電 離 層 の 状 態 変
化を研究・分析するためのGPS信号
の遅延時間測定にも﹃GSR2700
ISX﹄
を使用している 。
プロジェクトが拡大してゆくにつれ
るので、
衛星利用の可能性が限られて
て、ま す ま す 必 要 性 が 高 ま っ て い く
れる 時 間 をできる 限 り 少 なくしよう
南 極 の 凍 てつくような 風 雨 にされさ
ルギーしか要らず、
生産性は向上する 。
務が果たせるので、最少の費用とエネ
タが得られる 。また、少ない装備で任
境 の 中 で 、人 類 の た め に 、地 球 環 境
て い く こ と だ ろ う 。極 寒 の 厳 し い 環
頼 性 の 高 いデータを 科 学 者 に 提 供 し
陸 の 基 準 点 を 設 置 するのに 必 要 な 信
化 を 的 確 に 評 価 し、さ ら に は 南 極 大
量機で収集されたデータは、環境の変
高性能の測量機 。今後も、それらの測
いる極域においても、
信頼性の高いデー
とする研究者にとっては、頼もしい測
のために、
SOKKIAブランド製 品
KOPRI:http://w w w.polar.re.kr/English _Web/ index.aspx
℃
が 活 躍 していることは 私 たちの 誇
念されている。
量機である 。陳博士も﹁ SOKKIA
という 厳 しい 気 象 条 件 下 でも 正 確 な
りである 。
り、生態系に与える深刻な影響も懸
ブランドの製品は、風速 m、
気温
結果を提供し、我々のニーズに応えて
くれます﹂
と太鼓判を押す 。
●コンパクトながら、数値入力に便利な10キーを搭載
● IP66 の耐環境性能
●ノンプリズムにおいて30cmから長距離まで、測量成果
として使える高精度な測距が行えるRED-tech EDM 搭載
現在、温暖化に関する定量的なデー
タは 存 在 し な い の で、研 究 者 は 南 極
Series30RK
大 陸 の 性 質 についての 知 識 を 深 める
,iyiV̜ÀiÃÃÊ/œÌ>Ê-Ì>̈œ˜
ために、氷河と海氷の融解速度を﹃G
SR2700 ISX ﹄でRTK観測し
ている 。また、温暖化の影響を追跡調
査するために、データ収集の初期段階
においては 通 年 の 測 量 を 行 う 予 定 に
しており、収 集 されたデータは、地 球
温 暖 化 の 理 解 を 深 めるために 分 析 さ
れ、世 界 中 の 科 学 者 や 研 究 者 な ど と
共有していくことにしている 。
08
また、南 極 大 陸 は、太 陽 放 射レベル
を 調 査 す る た め、電 離 層 に 容 易 にア
温暖化の影響が顕著といわれてお
−20
クセスで き る と い う 点 に お い て 最 適
高緯度の極地である南極大陸では
33
--Ê-ÞÃÌi“
GSR2700 ISX
● GPS、GLONASS、SBAS の各信号、補正情報を受信可能
● 最新のアルゴリズムにより、超高速 RTKフィックスが可能
● 測量用 GPS/GNSS 受信機として、
世界初の「音声ガイダンス」機能を採用
● IPX7の耐環境性能
Precision & Reliability
お客様の信頼に応える精度とサービス、
高品質のブランド、
SOKKIA
私たちの企業姿勢と高精度な製品群を紹介
2008.6.18-20. at PACIFICO YOKOHAMA
地 理 空 間 情 報 システム 展
2008
6月18日
(水)から20日
(金)までの3日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜において
「地理空間情報
システム展 2008」
が開催され、通算 20,000人
(主催者発表)
を超えるご来場者で賑わいました。今年の
ブーステーマは「Precision & Reliability
(精度と信頼性)
」
。
SOKKIAブースでは
“はかる技術 ”によっ
て生み出された高精度で信頼性の高い製品群を、
「測量・調査」
「施工」
「維持管理」
「工業計測」
の4つの
展示エリアでご紹介いたしました。またソキアスクールで実施している研修事業とJCSS 校正事業の
コーナーでは、信頼性の背景となる活動をご案内いたしました。さらにプレゼンテーションコーナーでは
「ソキアの魂∼高精度への挑戦の系譜∼」
と
「
『 NET05』∼高精度で拡がる計測分野∼」
を上映すること
で、精度を追求し、高い壁を乗り越えてきた開発陣の意気込みを紹介。展示会全体を通して、SOKKIA
ブランドの高精度な製品群はもちろんのこと、常に最先端の技術開発に挑んでいる企業姿勢なども伝
えられた、大変有意義な3日間となりました。 *主催者発表
プレゼンテーション
SOKKIAブランドの真骨頂である
「高精度への
挑戦」を初めて映像化したとあって、大きな注目
を集めていました。初日に韓国からお越しいただ
いたユーザーの皆様には、
SOKKIA KOREA 社
員による韓国語のライブナレーションでご紹介
いたしました。
09
10
工業計測エリア
-
Industrial Measurement -
ニューカラーをまとった 3Dステーション『 NET05』を初公開 。大きな
測量・調査エリア
-
Surveying -
『SRX 』
や
『GPS/GNSS 』
を中心に展示しました。中でも、小型軽量化
注目を集めていました。今年は流体デザインの車輌や船体ブロック模
されたSRX 用リモートキャッチャー
『 RC-PR4』を、ピンポールセット、
型を計測するコーナーを設置 。立ち止まって質問される来場者も多く、
ポールセットでデモンストレーションし、今まで以上に自由に、そして
ブースの中でもひときわ目立ったエリアとなりました。
軽快に観測が続けられることを紹介しました。同時に電子野帳の画
面を大型ディスプレイに映し出し、使い勝手のよさにも焦点を当てま
した。
『 SRX 』をセンサーとした遺跡調査システムをはじめ、新製品の
『Series20』や
『Series20K 』
には、来場者からひっきりなしに質問が集
まり、
最も賑やかなエリアとなりました。
維持・管理エリア
-
Asset Management -
施工エリア
-
Construction -
『 SRX 』をブース内の高い位置に設置し、定点観測プログラムを大型
トンネル模型を設営し、
『 MONMOS 』システムで行われる自動観測や
ディスプレイに映し出してデモンストレーションしました。
『GIS 』
のコー
レーザマーキングなどの機能を紹介しました。また、内装施工をイメー
ナーでは、道路標識などの公共地物の維持管理導入事例を紹介する
ジしたコーナーを作り、
実際に自動整準のラインレーザを手に触れてい
とともに、ESRIプラットフォームへの展開についてもご案内いたしまし
ただくことで、
操作性のよさを実感していただきました。
た。また、協力企業とともに、ひび割れ調査システムや音声による調査
項目の入力なども併せてご紹介いたしました。
11
新 製 品 紹 介
GPS / GNSS SURVEYING INSTR UMENTS / SOFTWARE
ESRI ArcPad Extention
Spectrum Field
NEW
G I R 1 6 0 0 を 完 全 コ ント ロ ー ル
ArcPad で、SOKKIA の DGPS 受 信 機 GIR1600 を 使った位 置 情
ESRI ® 社製の GISデータ収 集ソフトウェアArcPad ® の
報取得を可能にします。リアルタイム観 測で使 用する補正情 報は、
使い勝 手はそのままに、DGPS 受信機 GIR1600の性能を
MSAS や中波ビーコンが使用できます。
最 大限に引き出すエクステンションです。
後 処 理計算用 GPS 観 測データを取 得
後 処理計算用の GPS 観 測データ( Raw データ)を意 識することな
く取得できます。このデータを 使って、Spetrum Officeで後 処 理
DGPS 計算を行えば、位置精度を 2 ∼ 3cm*まで高めることが可能
となります。
*予測精度 。衛星の配置等、観測環境によって異なります。
ESRI ArcGIS Desktop Extention
Spectrum Office
NEW
後処理 DGPS 計算
Spectrum Field によって記録された観測データと基準局データを
ESRI ® 社製のオフィスソフトウェアArcGIS Desktop® に、高精度な
使用して、2 ∼ 3cm*という高精度な位置情報を計算します。リアル
後 処 理 DGPS 計算機能および、フィールドで収 集したデジタル写真と
タイムでディファレンシャル補正が利用できない地域でも、高精度の
フィーチャ情報のマッチング機能を追 加するエクステンションです。
位置情報取得が可能になります。
*予測精度 。衛星の配置等、観測環境によって異なります。
デ ジ タ ル 写 真 と フィ ー チ ャ の オ ート マ ッ チ ン グ
Spectrum Field から取り込んだフィーチャ情報と、デジタルカメラ
で撮影した写真を自動的に関連付けします。データ入力作業がなく
なり、
大幅な作業の効率化が図れます。
13
SURVEYING INSTR UMENTS / TOTAL STATION
トータルステーション
Series20K
NEW
高 性 能 な ハ ード ウ ェ ア
防塵・防水性能は、クラス最高の IP66( JIS C0920 に準拠)。パウダー状の粉
過酷な現 場で真価を発揮するスタンダード・トータル
塵や、
強いにわか雨をシャットアウトする構造で、過酷な現場環境に対応します。
ステーションに 10 キーを搭 載 。
また SET520K には、−30℃にも耐える寒冷地仕様*もご用意しています。
耐環境性能と操作性を両立させたコンパクトモデルです。
このほか、1素子反射プリズムで 3,500m までを測距精度 2mm+ 2ppm の高
精度で測距可能なレーザ距離計、高い信頼性が実証されたアブソリュート・エン
コーダ・システムなど、優れたハードウェアとなっています。
また、数値入力に便利な10 キーを搭載し、コンパクトなモデルにも関わらず優
れた操作性を実現しています。
*詳しくは、
お近くのソキア販売営業所または代理店にお問い合わせください。
多 彩 な ソ フト ウ ェ ア
SET220K/320K(KS) には、公共測量作業規程に対応した対回観測プログラ
ム、SET220K/320K(KS)/520K(KS) には、
「 路線計算プログラム」
「放射観
測プログラム」を搭載しています。他にも現場で役に立つソフトウェアを多数搭
載しています。
小型軽量のスタンダード・トータルステション
Series20 に、
高精度モデルを追加
測角精度 2”
の高精度モデル SET220 を、
Series20 に加えました。
これで 2”
/3”
/5”
/ 6”と測角精度の違いで 4 機種のラインアップが
揃いました。
CONSTR UCTION LASER INSTR UMENTS / PIPE LASER
パイプレーザ
SP1
使 い や す さ を 併 せ 持 つ 堅 牢 ボ ディ
NEW
アルミニウム筐体のボディは、水深 5m に 24 時間放置しても浸水しないとい
堅牢で精密なパイプレーザが、
う、JIS 保護等級 IPX7 を凌ぐタフな設計です。使い易さ、見易さを考え、絶妙な
正確で高効率な管敷設 工事を実現します。
角度の付いた本体操作パネルや広範囲で使用できるリモコンで、簡単に勾配や
ビーム方向を設定できます。また、着脱可能なバッテリーは連続使用 48 時間を
実現しています。オプションのバッテリーホルダーを使用すれば単一乾電池も
使用可能です。
正 確 で 見 や す い 勾 配 ビーム
勾配は測量機の角度測定に使用するアブソリュートエンコーダによって検出、他
に類を見ない高精度と信頼性を実現しています。0.01‰単位で設定でき、設定
範囲は−150‰∼+400‰と、広範囲です。高輝度レーザダイオードの採用で、明
るく見やすいレーザ光を照射 。高速点滅機能を使えば、太陽光の下でも、レーザ
スポットを容易に見つけることができます。
SOKKIA 製品情報
14
h t t p : / / w w w. s o k k i a . c o . j p / p ro d u c t / i n d e x . h t m l
リアルタイムな情報発信源であるソキア・トプコンホームページ、この度「SET 倶楽部」をリニューアルオープンいたしました。会員
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・トプコン
株式会社ソキア
事業企画部
: TEL 046-248-4342 FAX
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通巻第43号/2008年1月発行 発行/
(株)
ソキア
事業企画部
通巻第46号/2008年9月発行 発行/
(株)
ソキア
・
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神奈川県厚木市長谷260-63
〒243-0036
TEL 046-248-0068(
代表) FAX 046-247-6866
ソキアレポート
Vol.19
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ソキアレポート
Vol.19
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・ソキアレポートと実際の製品の色とは印刷の関係で多少異なる場合があります。
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・ソキアレポート記載の製品名・OS名・アプリケーション名等は各社の商標または登録商標です。
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