春夏に楽しむミディ ・ピレネーの味覚 ミディ ・ピレネー 星付きシェフ、ミシェル・ブラスのセレブな 「サンドイッチ」、ル・カピュサン 夏にトゥールーズを訪れたらぜひとも行 き た い の が、ミ シ ュ ラ ン 3 ッ 星 シ ェ フ の 店である。キャプサンは注文を受けてその 場で焼き、アリゴやフォアグラ、あるいは ロックフォールチーズといった地元の食材 を具にして巻いてくれる。新鮮でヘルシー、 ミッシェル・ブラス Michel Bras が息子の バランスのとれた食材を使う新しいタイプ セ バ ス チ ャ ン Sébastien と と も に オ ー プ の フ ァ ス ト フ ー ド 店 と 言 え る だ ろ う。 ン さ せ た「カ ピ ュ サ ン・シ ニ ェ・ブ ラ ス トゥールーズ限定の楽しみである。 Capucin signé Bras」だ。そば粉や小麦粉 のクレープをコーンの形にし、カリカリと 6, rue du Rempart Villeneuve した食感とモチモチした食感が同時に味わ 31000 TOULOUSE えるカピュサンという軽食をメインにした www.capucinbras.fr トゥールーズ市内のテラスのカフェ キャピトル広場のレストランのテラス席 そば粉や小麦粉のキャプサン ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées ©Capucin signé Bras 春夏に楽しむミディ ・ピレネーのイベント マルシアック・ジャズ・フェスティバル タルン川とアルビの街並み ©D.VIET / CRT Midi-Pyrénées 春夏に楽しむミディ・ピレネー アルビ 2010 年にユネスコ世界遺産に登録された アルビ Albi。イタリアを思わせるような穏や 年にアルビに生まれたトゥールーズ=ロート ク 美 術 館 Musée Toulouse Lautrec な ど レックの美術館となっており、世界で最も充 見どころも多い。 南仏ゴシック様式の傑作と称えられるサ カス・ミラー Marcus Miller、リシャール・ ンス内外の有名ミュージシャンがスイング ガ リ ア ー ノ Richard Galliano な ど 有 名 プ Marciac は 13 世紀まで歴史を遡ることの と夢をカバンに詰めてマルシアックにやっ レイヤーとすれ違うことも稀ではない。チ でき、三銃士の舞台ともなった古い村であ てくると、ますます賑やかで楽しくなる。 ケットの予約は今からどうぞ! る。毎 年 ジ ャ ズ フ ェ ス テ ィ バ ル Festival 8 月の最初の 2 週間はジャズ一色となり、 Jazz in Marciac が開催され、ヨーロッパ 村 内 で ダ イ ア ナ・ク ラ ー ル Diana Krall や におけるジャズの都として名高い。 ジョージ・ベンソン George Benson、マー 実したコレクションを誇る。17 世紀に造園さ www.jazzinmarciac.fr/jp れたフランス式庭園も美しい。 子が旅人を出迎えてくれる。街はかつての姿 ン ト・セ シ ル 大 聖 堂 は 圧 倒 的 な 存 在 感 を アルビを訪れれば、地元の人々の芸術に をそのままにとどめており、 ヴィユー橋 le 持って街を見下ろしており、アルビ市内の 対する思いと日々を大切に送るエレガンスを Pont-vieux や ベ ル ビ ー 宮 殿 le palais de la どこからでも見ることができる。サント・セ 感じることができるに違いない。 Berbie、タルン川にそびえたつレンガ造りの シル大聖堂を背にして建つのがベルビー宮 巨 大 な サ ン ト・セ シ ル 大 聖 堂 Cathédrale 殿。元は司教館だったこの館は現在は 1864 マルシアック・ジャズ・フェスティバル ©F.VERNHET / Jazz in Marciac 春夏に楽しむミディ ・ピレネーのアクティビティー ガヴァルニーのハイキング 滝(落差 442 メートル)があって迫力ある 春夏 ルルドからわずか数キロ行っただけで大 自然を楽しむことができる。ガヴァルニー 自然を身近に感じることができるのがピレ でのハイキングは体力と所要時間に応じて ネ ー 国 立 公 園 だ。ガヴァ ル ニ ー・カ ー ル 1 時間程度から難易度の高いものまでさま Cirque de Gavarnie は 高 さ 1700 メ ー ト ざまなプランが可能だ。 ルが 14 キロも続く巨大な壁。カールを囲 む よ う に 3000 メ ー ト ル 級 の 山 々 が 連 な ガヴァルニー・カールは 1997 年にユネ マルシアック・ジャズ・フェスティバル マルシアック・ジャズ・フェスティバル ©F.VERNHET / Jazz in Marciac ©F.VERNHET / Jazz in Marciac スコ世界遺産に登録された。 り、山稜にはヨーロッパでもっとも大きな 人物インタビュー ガヴァルニー・カール ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées 2010 年、2011 年とマルシアック・ジャズフェスに参加した上原ひろみさん マルシアックのジャズフェスティバルのことを教えてくれたのは私 の師匠であるジャズ界の巨匠アーマッド・ジャマルさんです。世界最 高級のフェスティバルで、ひろみも気に入るはず、と仰っていました。 参加してみると音楽と人生への愛に溢れていて素敵なフェスティバル でした。マルシアックのフェスティバルの持つ雰囲気に私もとても良 い影響を受けています。 マルシアック・ジャズフェスに参加した上原ひろみさん ©Jazz in Marciac / Francis VERNHET ガヴァルニー・カール ©P.THEBAULT/ CRT Midi-Pyrénées 6 ガヴァルニー・カール ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées www.midipyrenees-kanko-spot-tokusen.jp jp.rdvef.com/presse2015 printemps / été かな気候とのんびりとした気質のアルビっ Sainte-Cécile、トゥールーズ=ロートレッ マルシアックの夏は過ごしやすく、フラ ガスコーニュ地方のマルシアック 7 秋冬に楽しむミディ・ピレネーの味覚 ミディ ・ピレネー カスレ トゥールーズの郷土料理であるカスレ Le cassoulet は、かつては農民たちが日常 に食していた料理である。 カスレはヘルシーで消化に良い料理だ が、調理に大変な忍耐を必要とする。トゥー ルーズの伝統的な作り方にのっとって本物 のカスレを作ろうとすれば 4 時間はかかる と言う。食べる時も時間をかけてゆっくり と味わいたい。主な食材は白インゲン豆で、 トロトロになったカモのコンフィや豚のす ね肉、あるいはトゥールーズ産のソーセー ジとよくなじむ。各種スパイスを入れ、と ろ火で長時間ゆっくりと煮た後、カスル le cassoul と呼ばれる土鍋ごとオーブンに入 れる。香ばしく焼き色がついたら、サービ スする。 カスレ ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées 秋冬に楽しむミディ・ピレネーのイベント トゥールーズのスミレ祭り 冬に花開き、五感を楽しませてくれるス ミレはトゥールーズを代表する花である。 19 世紀の頃よりトゥールーズの人々はス ピック・デュ・ミディ天文台 ©P.THEBAULT / CRT-Midi-Pyrénées ミレを愛でてきたが、今でも街の周辺には 秋冬に楽しむミディ・ピレネー 雪景色のピック・デュ・ミディ ピック・デュ・ミディに天文台が設けら れたのは 19 世紀の終わりのことだ。博物 館が併設されており、天体観察や気象、天 は菓子やリキュール、お茶などの食材ある の高い場所にある博物館として知られてい いはコスメ用品など多方面で重用されてい る。 る。スミレは注目を浴びる旬な花となった 天文台には宿泊することもでき、世界で ミディ Le Pic du Midi。頂上には天文台が 文台の歴史などについての本格的な展示が 最も澄んでいると言われる夜空を楽しむこ あり、ロープウェイで誰でも登ることがで ある。この博物館はヨーロッパで最も標高 ともできる。 のだ。 2 月の中旬にはトゥールーズのキャピト ル 広 場 Place du Capitole で 2 日 間 に 渡 きる。眼下を雲が流れるほどの高さになる り、スミレ祭り Fête de la violette が開催 と切り立った岩山が目に入ってくる。素晴 される。スミレの街トゥールーズを訪れる らしい眺望を堪能したい。 絶好の機会となるはずだ。 ピック・デュ・ミディの頂上は長らく研 究者を除いて誰も訪れることがなかったた め、空気はどこまでも澄み、静謐な雰囲気 に満ちている。テラスからは地中海から大 西洋まで 300 キロに渡って続くピレネー 山脈の大パノラマを楽しむことができる。 ピック・デュ・ミディ天文台からの眺め © D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées ピック・デュ・ミディ天文台 © D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées - HPTE 秋冬 秋冬に楽しむミディ・ピレネーのアクティビティ ミヨーにある高級手袋ブランドで アトリエ見学 産のひとつである工芸稀覯職一覧に追加さ れ、2013 年にシャネルに買収された。 アヴェロン県の南部にあるミヨー Millau は世界一高い高架橋があることで知られて Causse Gantier いるが、高級手袋の産地としても名高い。 www.causse-gantier.fr/en/ エレガントなミヨー産の手袋はすでに 人物インタビュー メゾン・ド・ラ・ヴィオレットの店長 「トゥールーズでは毎年スミレを祝う祭りが行われています。2 月に咲く花なので、愛や敬意 ンも愛用していた。現在も高級ブランドの の象徴としてバレンタインデーに贈り合う人も多いです。スミレ月間である 2 月、メゾン・ド・ クリエイターたちが常に熱い視線を注いで ラ・ヴィオレット Maison de la Violette では、スミレの育て方を教わることのできる園芸教 いる。 室やスミレを使った料理講習などを開催していますので是非ご参加ください」 ミヨーの手袋の評価を高めるのに大きく www.lamaisondelaviolette.com ガンティエ Maison Causse Gantier であ メゾン・ド・ラ・ヴィオレットの店長、エレーヌ・ヴィエさん ©Maison de la Violette – Jardin d ’ Elen る。クリエイティビティに富んだ手袋を非 常なこだわりを持って作っている工房で 16 ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées トゥールーズ市内でスミレをテーマにしたブティックを開いているエレーヌ・ヴィエさん。 キー・ケネディーやスティーブ・マックイー 2012 年にユネスコによって、無形文化遺 スミレ祭り ©D.VIET/ CRT Midi-Pyrénées エレーヌ・ヴィエさん Hélène Vié 18 世 紀 か ら 貴 族 た ち を 魅 了 し、ジ ャ ッ 寄与したのが手袋工房のメゾン・コース・ コースの高級革手袋 ©Causse gantier スミレ祭り 高級手袋ブランド、コース ©Causse Gantier www.midipyrenees-kanko-spot-tokusen.jp jp.rdvef.com/presse2015 automne / hiver 高山が連なるピレネー山脈でひと際目立 つのが標高 2877 メートルのピック・デュ・ スミレ農家が点在している。現在、スミレ 17
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