Cmagazine 2015 Summer Vol.77

﹁お客さまからお叱りを受けた社員に対し
最も大切にする研修の場だ。
っ た 際 の﹁ お 礼 ﹂の 言 葉 を 掲 載 す る 評 価 項
とは別に、社員同士が業務上で助けてもら
独自の研修や評価の制度を設けて人を育
目を設置。普段はあらためてかけ合うこと
れば、みんなで共有することで同じ失敗を
て る の は、﹁ お 客 さ ま に 必 要 と さ れ る 会 社
のない言葉が社員の励みになり、結束力が
防ぐことができる。おかげさまで、最近は
になるため﹂と言い切る佐野社長。そんな
て、他の社員の前で責任を追及するのが目
問題よりも、お客さまからのお褒めの声が
同社が目指すのは、客先にトラブルが生じ
的ではありません。なぜなら、同じ失敗は
アップされることが多くなっています。こ
た 際 の〝 救 急 車 よ り も 早 い 対 応 〟だ。 ク ラ
深まっているという。
うした地道な積み重ねによって、企業はよ
ウドシステム導入後は、顧客のトラブルを
誰にでも起こり得るからです。問題点があ
り良く成長していくのだと感じています﹂
瞬時に全社員に伝えることで、直接の担当
ク ラ ウ ド シ ステムを 活 用 し た
研 修 制 度 で 人の力 を 伸 ば す
1974年に三重県四日市市に本拠を構
え、創業以来、事務機の販売一筋に歩みを
続 け て き た﹁ 四 日 市 事 務 機 セ ン タ ー﹂。 キ
年を超える。
ヤノンマーケティングジャパンのビジネス
パートナーとしての歴史は
2011年には、初代社長の子息である
佐野智成さんが2代目社長に就任。﹁人材が
成長してこそ、企業も成長する﹂と語る同
社長が、就任以来徹底して取り組んできた
のは、人材育成だ。まず行ったのは、クラ
ウドシステムを活用した研修制度。研修と
いっても講師の説明を社員が一方的に聞く
ものではない。得意先からのトラブルの一
報が入れば、電話を受けた社員がクラウド
上にアップ、リアルタイムで全ての社員に
自動的にメールが送られる。問題が持ち上
がるとすぐにトラブルの理由を考え、改善
策を全社員で丁寧に話し合うのが、同社が
です。事務機を通じて、地域から必要とさ
れる。私自身、大変幸せな仕事だと思って
いますし、社員がそうした志ややりがいを
持つことができる環境づくりをすることが
私の役割だと考えています﹂
昨年、伊賀市のネットワークトップアシ
スト社をグループ企業に迎え、今後、津市
にも拠点を設ける目標を定めている。
﹁三重で生まれ育った私たちが、この地域
の方々のトラブルに迅速に対応できる日本
一の事務機販売店を創り上げ、成長させた
い。そのために、私たちが築いてきた販売
と修理のノウハウを三重県全域に伝播して
いきたいと思っています﹂
アワード
「PSP」
9年連続AAA
(トリプルエー)
を受賞
http://www.yj-c.co.jp/
加えて、各社員が自ら得意な分野の旬な
のところへ駆けつける習慣を全社員で意志
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キヤノンマーケティングジャパンが実施する保守サービス店の
●従業員数/24名、グループ37名
でなくても一番近くにいる社員がお客さま
のも、同社の特徴的な取り組みだ。
統一した。その結果、修理などのスピード
つながりやきずなを得られたかどうかが問
●資本金/1000万円
分間の研修を企画する
﹁パソコンに詳しい社員が﹃お客さまに受
が飛躍的に増すとともに、社員同士が互い
また同社では、人材育成の一環として、評
われます。営業担当者がお客さまから得た
●設立/1974年1月 テーマを見つけて
け る パ ソ コ ン テ ク ニ ッ ク 100 選 ﹄と 題 し
こうした取り組みが実を結び、昨年、キ
に助け合うチームワークの強化にもつなが
やり方が変わるような便利な機能を知った。
ヤノンマーケティングジャパンが実施する
た操作テクニックの研修を行ったことがあ
個 々 の 社 員 が 得 意 分 野 を 生 か し た 研 修 は、
保 守 サ ー ビ ス 店 の 評 価 制 度﹁ P S P︵ パ ー
っている。
仲間が講師になるからこそ、みんなが熱心
ト ナ ー サ ー ビ ス プ ロ グ ラ ム ︶﹂で、 9 年 連
りましたが、この研修では私自身、仕事の
に耳を傾ける。社内のコミュニケーション
続 最 高 評 価 で あ るAAA︵ ト リ プ ル エ ー︶
か成し遂げていない偉業を達成した。
を受賞するという、東海エリアでは2社し
の活性化にもつながっています﹂
顧 客の信 用 と 信 頼 を 勝 ち 得 て
価の機会をつくることにも注力している。
信用によって新規開拓し、その後は営業の
﹁事務機の販売は、社内外の多くの方との
﹁私が常々考えているのは、社内に褒める
アフターフォローや業務スタッフの電話対
永 続 的 な 取 引 関 係 につな げ る
文化を醸成させたいということ。それぞれ
応、さらには技術スタッフの修理対応によ
三重県四日市市日永西2丁目18番地7号
●本社/
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ケ
のマ ー
き
ずな
代表取締役社長 佐野智成 さん
の社員を褒め、主役にすることで、モチベ
LAN環境、ASPの提案・構築、システムサ
「社員全員が主役になれる環境をつくり、
初めて、永続的な取引関係へとつながるの
ポート、リース・レンタル事業、中古販売。
株式会社
四日市事務機センター
って信頼をつかむ。信用と信頼を勝ち得て
例えば、クラウド上にお客さまからの声
修理・保守・管理やインターネット環境、
オフィス関連のハード、ソフトなどを販売・
20
ーションが高まるからです﹂
株式会社
四日市事務機センター
地域から必要とされる会社へと育てたい」
テ
ィン
グ
右・中/毎年、夏祭りと新年会は、社員と家族を招いて盛大に開催。きずなづくりの2大イベントだ
左/グループ企業になったネットワークトップアシスト社