不動産マーケットレポート http://www.kenedix.com/ January 2015 Contents 1. Hot Topic ∼2014年の振返りと2015年の展望∼ マクロ経済状況・・・・・・・・・・・・・・2 不動産投資市場・・・・・・・・・・・・・3 賃貸オフィス市場・・・・・・・・・・・・5 賃貸住宅市場・・・・・・・・・・・・・・・6 商業施設市場・・・・・・・・・・・・・・・7 物流施設市場・・・・・・・・・・・・・・・8 ホテル市場・・・・・・・・・・・・・・・・・8 ヘルスケア市場・・・・・・・・・・・・・9 2. 不動産投資市場・・・・・・・・・・12 3. J-REIT市場・・・・・・・・・・・・・・13 4. オフィス市場:東京・・・・・・・・・14 5. 住宅市場・・・・・・・・・・・・・・・15 6. 物流施設/商業施設・・・・・・・・16 summary 1. マクロ経済状況 2014年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-1.9%と、予想外 のマイナス成長となった。個人消費が事前予想ほど回復しなかった こと、民間住宅が引続きマイナスとなったこと、設備投資が減少した こと、民間在庫が大幅マイナスとなったことなどが主な要因である。 これを受け、調査機関各社は2014年通年の実質GDP成長率を大 幅に下方修正しているが、足元、消費税増税の影響が薄れつつあ ることや、現在、政府よって3兆円規模の経済対策が検討されてい ることなどから、2014年10-12月期以降、日本経済は緩やかな回復 傾向となる、との見方が多い。 2. 不動産投資市場は2015年も活況が続くだろう 2014年の商業用不動産取引額は第3四半期までの累計で、前年同 期比ほぼ横ばいの2.5兆円(DTZ)と、2013年とほぼ同水準で推移 している。一方、J-REITによる取得額は11月末までの累計で前年 同期比36.7%減少の1.3兆円となっている。2014年は、取引額はや や減少したものの引き続き活発に物件を取得したJ-REITに加え、 私募リートの拡大及び不動産会社やコア投資家などの大型取引き が牽引した年であったと言えよう。2015年も不動産投資市場は活況 が続くだろう。しかし、東京のプライム立地におけるキャップレートの 低下余地は少なく、新たなアセットタイプを含むオフィス以外の物件 や、地方市場への投資がより一層広がるだろう。 3. NOIの改善度合いに注目したい ホテル市場は外国人旅行客の増加などの影響により賃料上昇が顕 著になっている。オフィス市場では、中小ビルや周辺市場までは広 がっていないようだが、プライムビル中心に賃料は上昇傾向と見ら れる。賃貸住宅市場でも、賃料は上昇しつつあり、2014年は、程度 の差はあるものの、多くのアセットクラスにおいて賃料が明確に上 昇した年であったと言えよう。2015年はマクロ経済の不透明感が増 す中で、NOIの改善がどの程度実現できるのかが注目されるだろ う。 1 Hot Topic ∼2014年の振返りと2015年の展望∼ 【マクロ経済状況】 GDP成長率見通しは大幅な下方修正 2014年11月に公表された2014年7-9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は前期比年率-1.6%と、予想外 のマイナス成長となった(直前のコンセンサス予想では+2.47%が予想されていた。公益社団法人日本経済 研究センター『ESPフォーキャスト調査』より)。マイナス成長は2四半期連続である。また、12月に発表された 2次速報値でも、市場コンセンサスを裏切り、同-1.9%と、1次速報値より下方修正された。市場予測を大幅に 下回った主要因は、個人消費が事前予想ほど回復しなかったこと、民間住宅が引続きマイナスとなったこ と、増加が見込まれていた設備投資が減少したこと、民間在庫が大幅マイナスになったことなどである。7-9 月期の結果を受け、調査機関各社は2014年通年の実質GDP成長率を大幅に下方修正しており、ブルーム バーグコンセンサスによれば+0.3%となっている(2014年11月28日現在) 安倍政権の長期化、消費増税の延期 経済の低迷を受け、安倍首相は消費税増税の延期及び衆議院の解散・総選挙を表明した。消費税増税は 2017年4月に先送りされ、総選挙は投票率が52.66%(小選挙区)と史上最低を更新する中、与党が3分の2 以上の議席を確保した。総選挙によりアベノミクスは信任されたと言え、安倍政権は長期政権の可能性が高 まったと言えよう。 7-9月期の実質GDP成長率を押下げた主要因は民間在庫調整が進捗したためであり、悪いことではないと の見方が多いようだ。もっとも、民間設備投資や個人消費の回復の遅れは否めないが、足元、消費税増税 の影響が薄れつつあること、企業の設備投資の回復が見込まれること、現在、3兆円規模の経済対策を検 討されていることなどから、2014年10-12月期以降、日本経済は緩やかな回復傾向となるとの見方が多い。 物価見通しは下方修正へ 消費者物価指数は前年同月比+2.9%(2014年10月、全国コアCPI)と、5月の+3.4%をピークに低下傾向に ある。消費増税の影響を除けば+1.0%を割り込んだこととなる。物価見通しの低下を受け、日本銀行は10月 31日に開いた金融政策決定会合で追加緩和を決めた。年間60-70兆円のペースで増やすとしていたマネタ リーベースを約80兆円まで拡大し、上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の保有残高をこれまで の約3倍に増やすとしている。追加緩和に踏み切った理由として、日銀の黒田総裁は、消費増税後の需要の 弱さや原油価格の下落などによる物価下押し要因をあげている。なお、足元、原油価格が急落している。原 油価格の急激な変動は世界経済に大きな影響を与えるため、一概には言えないものの、原油価格の低下 は日本経済にとってはプラスに働くとの見方が多いようだ。ただし、日銀の目標であるコア消費者物価指数 2%を達成するためにはマイナスの影響を与える。 【図表1】実質GDP成長率と年率寄与度 【図表2】消費者物価指数(コアCPI) 10 (%) 4.0 (%) 全国 5 3.0 0 2.0 東京 1.0 -5 0.0 -10 -15 純輸出入 公的需要 企業設備投資 民間住宅 民間最終消費支出 実質GDP -1.0 -2.0 -20 Q1 Q2 Q3 2012 出所:内閣府 Q4 Q1 Q2 Q3 2013 Q4 Q1 Q2 2014 Q3 -3.0 2007 出所:総務省 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2 Hot Topic 【不動産投資市場】 J-REIT以外のプレイヤーによる取引が増加し、2014年も2013年の取引額とほぼ同水準になる見通し 2014年の商業用不動産取引額は活況であった2013年とほぼ同水準で推移している。DTZによれば、2014 年の年初から第3四半期までの累計で前年同期比ほぼ横ばいの2.5兆円となっている。一方、J-REITによる 取得額は11月末までの累計で前年同期比36.7%減少の1.3兆円となっている。引き続き良好な資金調達環 境から、J-REIT各社による投資意欲は衰えていないが、実績としてはやや低下した。昨年、大型IPOが続い たこと、物件取得競争が激化したことが要因としてあげられよう。 図表3は2014年の主な取引である。上位を見ると、不動産会社や事業会社による事業戦略上の取引が多く みられる。また、パシフィックセンチュリープレイス丸の内を取得したGICなどのソブリンウェルスファンドに代 表されるコアファンドによる取引も活発であった。J-REITによる取引は、12月に上場した積水ハウス・リート 投資法人による御殿山SHビル(取得価格515億円)が最大であり、200億円前後から多くみられるようにな る。また、売主に私募ファンドの名前が散見されるが、金融危機前に取得した物件がようやく売却できた事 例や、金融危機後に取得した物件が出口を迎えた案件などが多いようだ。総括すれば、2014年は、取引額 はやや減少したものの引き続き活発に物件を取得したJ-REITに加え、不動産会社やコア投資家などの大型 取引きが牽引した市場であったと言えよう。 【図表3】2014年の主な大規模取引 物件名称 物件種別 買い主 価格(億円) 都道府県 時期 大手町タワー 事務所 みずほ銀行 1,782 東京都 2014年3月 パシフィックセンチュリープレイス丸の内 事務所 シンガポール政府投資公社(GIC) 1,700 東京都 2014年10月 みずほ銀行前本店ビル 事務所 みずほフィナンシャルグループ 1,590 東京都 2014年11月 目黒雅叙園 事務所 森トラスト 1,300 東京都 2014年8月 国際赤坂ビル 事務所 積水ハウス 740 東京都 2014年4月 神奈川県 2014年7月 東扇島倉庫 A∼C棟 物流 ラサール・インベストメントマネジメント ソニー本社ビルの敷地 土地 ソニー生命保険 528 東京都 2014年9月 515 東京都 2014年12月 - 東京都 2014年10月 - 御殿山SHビル 事務所 積水ハウス・リート投資法人 新宿アイランド 事務所 東急不動産 クイーンズスクエア横浜 タワーB、C、ホテル棟 事務所 三井住友ファイナンス&リース 450 神奈川県 2014年3月 ガーデンシティ品川御殿山 事務所 積水ハウス・リート投資法人 397 東京都 2014年12月 中野セントラルパーク イースト棟 事務所 アクサ生命保険のSPC - 東京都 2014年3月 GLP東京Ⅱ 物流 GLP投資法人 361 東京都 2014年9月 エスポワール表参道 商業 三菱商事のSPC 352 東京都 2014年3月 343 東京都 2014年9月 - 千葉県 2014年7月 紀尾井町ビル 事務所 森トラスト総合リート投資法人 東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート ホテル ヒューリック 麹町ミレニアムガーデン 事務所 野村不動産オフィスファンド投資法人 265 東京都 2014年3月 恵比寿プライムスクエア 事務所 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 250 東京都 2014年6月 新宿イーストサイドスクエア 事務所 ジャパンリアルエステイト投資法人 231 東京都 2014年9月 本町南ガーデンシティ 事務所 積水ハウス・リート投資法人 231 大阪府 2014年12月 御茶ノ水ソラシティ 事務所 ヒューリックリート投資法人 229 東京都 2014年11月 住居 オリックス不動産投資法人 205 東京都 2014年3月 事務所 ヒューリックリート投資法人 201 東京都 2014年2月 ウエストパークタワー池袋 ヒューリック神谷町ビル 出所:各社公表資料、各種報道よりケネディクス作成 3 Hot Topic 私募リートの市場拡大が続いている 2014年は私募リートの市場規模が顕著に拡大した年でもあった。4投資法人が新たに運用を開始し、2014 年10月末現在の運用資産残高は8,600億円を超過していると見られている(出所:三井住友トラスト基礎研 究所)。私募リートの投資家は高利回りより安定収益を期待する国内年金などのコア投資家が中心となって おり、物件取得時にもやや有利と推察される。住友商事株式会社やNTT都市開発株式会社など、私募リー ト設立を表明している企業も複数あり、2015年も市場の拡大が続くと見られる。三井住友トラスト基礎研究 所によれば、既に運用を開始している私募リート10社の外部成長目標から推計すると、2015年上期には資 産規模が1兆円になり、2018年には2兆円に達すると見通しであるとしている。ただし、この予想には今後運 用を開始する私募リートは含まれておらず、予想以上に市場拡大が加速する可能性もあろう。 【図表4】私募リートの運用資産残高 9,000 (億円) 東京海上プライベートリート投資法人 8,000 丸紅プライベートリート投資法人 7,000 6,000 5,000 4,000 ケネディクス・プライベート投資法人 ブローディア・プライベート投資法人 大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人 DREAMプライベートリート投資法人 ジャパン・プライベート・リート投資法人 三井不動産プライベートリート投資法人 日本オープンエンド不動産投資法人 3,000 野村不動産プライベートリート投資法人 2,000 1,000 0 2010年11月 2011年3月 2012年3月 2012年9月 2012年10月 2013年4月 2013年7月 2013年10月 2014年4月 2014年10月 出所:三井住友トラスト基礎研究所 キャップレートの低下余地は少ない 商業用不動産投資市場は2年以上活況を呈しており、結果的にキャップレートは低下傾向を続けている。図 表5は日本不動産研究所が半年毎に公表している不動産投資家期待利回りの推移である。東京丸の内・大 手町地区のAクラスビルに対する不動産投資家期待利回りは2014年4月に4.0%まで低下し、10月にも同じ く4.0%を記録した。これは、金融危機前の2006年4月から2008年10月と同じ水準である(2007年10月調査 のみ3.8%)。なお、この調査は不動産投資家に対するアンケート調査を基に集計されており、回答された期 待利回りの中央値を採用しているが、その平均値も公表されている。2014年4月と10月では中央値は4.0% と横ばいであったが、平均値は4.1%から3.9%へ低下している。これは、高めの期待利回りの回答が減少 し、低めの期待利回りの回答が増加した結果だ 【図表5】不動産投資家期待利回り ろう。または、一段と低い期待利回りを回答した 7.0 (%) 投資家が存在した可能性もあろう。いずれにせ よ、不動産投資市場は最も低い利回り(≒最も高 6.0 い価格)を提示する投資家に牽引されるため、実 際の市場は中央値や平均値で語ることはできな 5.0 い。実際の取引としては、パシフィックセンチュ リープレイス丸の内や大手町タワーのキャップ レートが3.0%を下回ったと見られている。これが 4.0 プライムオフィス市場の現状であり、キャップレー トの低下余地は少ないと見られる。 オ フィス (丸の 内・大 手町) 商 業(銀 座) 住 居(城 南・ワ ンルー ム) 物 流 ( 東 京 /湾 岸) 3.0 05/4 06/4 07/4 出所:日本不動産研究所 08/4 09/4 10/4 11/4 12/4 13/4 14/4 4 Hot Topic 冷静な判断力を残しながらも過熱する市場に参加せざるを得ない状況 日本不動産研究所の調査によれば、不動産投資市場の市況サイクルのうち、東京の不動産価格動向は現 在は「拡大期」であると(拡大期初期及び拡大期後期を含む)答えた投資家が86%という結果になっている。 また、半年後にはピークに達するとの回答が26%になっており、拡大期が終盤に近付いているとの認識を 持っている投資家が増えている模様だ。キャップレートの低下は進み、投資市場には過熱感も感じられる。 しかし、金融危機前の活況期とは、やや趣が違う。例えば、銀行貸出は2006年から2007年当時の様に大幅 に伸びている訳ではなく(図表6)、地方市場の期待利回りは当時ほど低下していない。一方で、パシフィック センチュリープレイス丸の内が1,700億円で取引され、J-REITも3%台での取引が増えている。過熱感はあ る、と言えるだろう。ただし、投資家は前回に比べれば冷静でもあると見られる。 2015年も不動産投資市場は活況が続くだろう。 日銀は金融緩和を続ける構えであり、資金は潤 【図表6】不動産業向け銀行貸出伸び率(前年同期比) 15 (%) 沢である。円安が進行し、イールドギャップが比 較的高い日本市場には、海外からの資金流入も 10 続き、株式市場が堅調である限りにおいて、JREITの新規上場や既存REITの増資も続くと見 5 られる。また、私募リートの新規設立や、増資も 続くだろう。物件取得は簡単ではない状況が続く が、過去に設立されたファンドの償還や、オポ 0 チュニスティックファンドの出口などによる物件供 給が期待されよう。ただし、東京のプライム立地 -5 におけるキャップレートの低下余地は少なく、新 たなアセットタイプを含むオフィス以外の物件や、 地方市場への投資がより一層広がるだろう。 -10 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 出所:日本銀行 【賃貸オフィス市場】 2014年、東京オフィス市場は空室面積が大幅に減少し、空室率は低下を続けた。三鬼商事によれば、東京 ビジネス地区(都心5区)では、2013年末には52万坪あった空室面積が2014年11月末には39.7万坪まで減 少し、空室率は7.21%から5.55%まで低下した。年初から11月末までの11ヶ月間における新規需要は17.8 万坪と、2013年1年間における新規需要14.6万坪を既に超過しており(三鬼商事公表データよりケネディク ス推計)、新規需要は堅調であったと言えよう。 一方、賃料は上昇基調にあるものの、予想程には上がっていないとの声が聞こえる。三幸エステート株式会 社と株式会社ニッセイ基礎研究所が公表している「オフィスレント・インデックス」によれば、東京都心3区全 体の成約賃料指数は2012年第4四半期の70ポイントを底に上昇し、2013年第3四半期には79ポイントと なったが、その後再び低下し、2014年第3四半期には76ポイントとなっている。また、Aクラスビルの成約賃 料は2011年第3四半期の19,706円(/月、坪)がボトムとなり、上昇を続けているが、2013年には顕著に上昇 していたものの2014年に入ると上昇速度が低下している。2013年には金融危機後に下げ過ぎたオフィス賃 料が「上げ戻し」たものの、賃料水準がある程度の水準に戻った2014年は「上げ渋った」と言えよう。そして、 テナントのニーズが二極化しているため、小規模なオフィスビルや、スペックや立地に劣るオフィスビルの賃 料上昇は本格化していないと見られる。 5 Hot Topic 森ビル株式会社によれば、2015年の東京23区オフィスビル供給面積は前年比約26%増の111万㎡となって いる。2014年よりも増加するものの、水準としては過去平均(104万㎡/年)をやや上回る水準である。都心3 区での供給が81%と大半を占めるが、足元、都心Aクラスビルでまとまった空室面積は少なくなってきてお り、2015年竣工予定の新築ビルに対する引き合いも強いようだ。このため、景況感が極端に悪化しない限 り、オフィス需要は堅調に推移し、2015年も空室面積は減少するだろう。また、高スペックビルの空室在庫が 少なくなり、テナントの選択肢が狭まってきていることから、Aクラスビルの賃料上昇は加速する可能性もあろ う。ただし、2016年以降も100万㎡以上の新規供給が控えているため、景況感次第の側面は否めない。 【図表7】都心5区新規需要面積 30 (万坪) 【図表8】東京23区大規模オフィスビル供給量 2.5 (百万㎡) 25 2.0 20 15 1.5 10 5 1.0 0 -5 0.5 -10 -15 0.0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 注:2014年は11月まで 出所:三鬼商事㈱よりケネディクス作成 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 出所:森ビル㈱ 【賃貸住宅市場】 賃料上昇を目指すJ-REIT 賃貸住宅市場は2014年、賃料上昇局面に転換したと言えるだろう。J-REIT各社は賃料上昇局面に入ったと 認識し、稼働率重視から単価重視に舵を切り始めている。日本アコモデーションファンド投資法人は保有物 件の都心3区賃料単価変化率が金融危機以降初めてプラスに転じたと公表している(2014年8月期決算説 明資料より)。また、野村不動産レジデンシャル投資法人はテナント入替による新規契約において増額入替 の割合が43.7%、減額入替が38.6%と、増額入替の割合が増加し、新規募集賃料が底打ちから上昇に転じ る傾向が鮮明になっているとコメントしている(2014年5月期決算説明会)。東京23区においてJ-REITが保 有する賃貸住宅の賃料は2009年から2012年頃まで下落傾向にあったが、2013年に一部上昇に転じた(図 表9)。そして、2014年は賃料上昇が本格化した年であったと言えるだろう。 2014年の貸家着工戸数(鉄筋コンクリート造: 【図表9】賃貸住宅賃料前年比増減率 RC 造 )は 10月までの累計で前年比25%増の 6% 20,778戸となっており、2015年には賃貸マンショ 4% ンの新規供給は2014年よりもやや増加すると見 られるものの、それほど高水準ではないだろう。 都心3区 2% 一方で東京23区への人口流入増加の流れは続 0% いており、需給は逼迫した状況が続く事が予想さ -2% れる。新規供給が増加する地域において局地的 東京23区 -4% に需給が緩和する可能性はあるものの、全体と してはタイトな需給環境が続くと見られ、賃貸住 宅賃料は引続き上昇傾向が予想されよう。 -6% -8% 07/01 07/12 08/11 09/10 10/09 11/08 12/07 13/06 14/05 出所:不動産証券化協会『Japan Property Index』よりケネディクス作成 6 Hot Topic 【商業施設市場】 小売企業の業績は二極化の様相 2014年4月の消費税率引上げの影響は当初予想されていた以上に個人の消費意欲を低下させた。2013年 より景気回復傾向にあったものの、円安の進行や原油高により物価が上昇し実質所得が低下したためと見 られている。消費者態度指数は5-7月に一時改善したものの、8月以降4ヶ月連続で悪化している。一方で、 小売各社の業績は二極化が進んでいる。スーパーマーケットの売上高は4月には増税の影響で前年同月比 -0.6%となったものの、5月以降はプラスを維持しており、10月の売上高は同+3.4%となっている(日本スー パーマーケット協会)。ドラッグストア各社の売上高は4月以降前年比マイナスが続いていたが、株式会社マ ツモトキヨシホールディングスの全店売上高が7月にプラスに転じるなど、概ね各社、夏頃には持ち直してい る。一方で、GMS各社の売上高は、イトーヨーカ堂の全店売上高は前年比マイナスが続いているなど、改善 の兆しが見えていない。また、全国百貨店売上高(既存店)は、4月に同-12.2%と大幅な減少を記録した後、 徐々に改善し、9月には同-0.7%となった(全国百貨店協会)。10月に再び同-2.2%に悪化しているが、秋冬 物の衣料品が伸び悩んだためと見られている。なお、三越伊勢丹ホールディングスの銀座店売上高が同 +10%を記録するなど、インバウンド需要が高い伸びを示している。 商業施設の新規供給は抑制的 小売店舗売場面積の供給量は抑制的と見られる。大規模小売店舗立地法届出状況から推計すると、2014 年の新規供給店舗面積は前年比-9.6%の266万㎡となる見通しだ。2015年上半期の新規供給面積は前年 同期比+8.6%の128万㎡とやや増加するものの、急増する兆しは見られない。また、2014年開設店舗のう ち、売場面積10,000㎡を超える店舗は約30%と、前年同様低水準である。出店の中心は10,000㎡以下の 中小店舗になっている模様だ。 前述のように、個人の消費環境は良好とは言えず、小売業の業績は二極化が鮮明となっている。生活に密 着したスーパーやドラッグストア、又はインバウンド需要を取り込むことができる店舗などの業績は堅調であ る。業績好調な企業を中心に出店意欲は旺盛であり、新規供給が抑制的であることから、商業施設の需給 バランスは良好な状況が続くと見られる。リスク要因としては、消費低迷の長期化があげられよう。 【図表10】商業施設供給面積(大店立地法届出ベース) 10 1.6 (百万㎡) 80% 新規供給面積(左軸) 前年同期比(右軸) 1.4 60% 1.2 40% 1.0 20% 0.8 0% 0.6 -20% 0.4 -40% 0.2 -60% 0.0 -80% Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 2006 2007 出所:経済産業省よりケネディクス作成 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 7 Hot Topic 【物流施設市場】 高水準の供給が続くものの、新規需要も高水準であった 2014年9月末現在の首都圏物流施設の空室率は4.9%となった(CBRE、大型マルチテナント型物流施設)。 2013年末の空室率が4.0%であり、やや空室が増えたことにはなるが、高水準な供給が続いているため、空 室率は予想程上昇していない印象がある。物流施設は2013年より高水準な供給が続いているが、供給に 見合った新規需要が発生していると言えよう。 背景には、インターネット通信販売市場の拡大がある。2013年のBtoC EC市場(消費者向け電子商取引) の規模は前年比17.4%増の11.2兆円と高い伸びを示しEC化率は3.67%まで上昇した。市場規模の拡大は 加速度を増しており、今後も市場拡大が予想されている。EC市場の拡大に伴い、宅配便取扱個数も増加傾 向にある。3PL各社やインターネット通販を行う企業による物流施設に対する需要はまだまだ堅調と見られ 3PL る。 2015年には過去最大規模の新規供給が予想されている 一五不動産情報サービスによれば、2015年の首都圏物流施設供給面積は164.3万㎡になる見込みであ る。予定通り全て供給されれば、2015年は過去最大規模の新規供給となる。「2015年第3四半期までに竣 工する9棟のうち3棟は一棟借りテナントが内定しており、全体でも約50%の面積でテナントが内定している」 ようだ。しかし、2015年第4四半期には一挙に9棟(約20万坪)の供給があるため、需給環境の悪化が懸念さ れる(CBRE)。特に新規供給が急増するエリアにおける、局地的需給環境の緩和が予想される。 【図表11】インターネット通信販売市場規模 12.0 【図表12】宅配便取扱個数 (兆円) 3.67% BtoC市場規模(左軸) 10.0 4,000 (個) 3.5% 3.11% EC化率(右軸) 4.0% 2.83% 3.0% 3,000 2.46% 8.0 2.5% 2.08% 6.0 1.52% 1.79% 2.0% 2,000 1.5% 4.0 1.0% 1,000 2.0 0.5% 0.0 0.0% 2007 2008 出所:経済産業省 2009 2010 2011 2012 2013 0 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 出所:国土交通省 【ホテル市場】 ファンダメンタルズが最も良好なアセットと言っても過言ではないだろう 2014年4-6月期における東京都のビジネスホテル客室稼働率は前年同期比2.1%ポイント上昇の83.9%と、 2012年1-3月期以降10四半期連続で上昇した。また、日本経済新聞社によれば、東京と大阪の主要31ホ テルの9月の客室稼働率は東京は前年同月比0.7%ポイント低下の82.3%、大阪が同4.5%ポイント上昇の 91.3%と、大阪では9割を超える非常に高い稼働となった。大阪では7月にユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ)で人気映画「ハリーポッター」をテーマにした新エリアが開業した効果があったと見られる。東京で は、各ホテルが客室単価を引上げる動きがあり、稼働率がやや低下したと見られている。 8 Hot Topic 他のアセットクラスは、ようやく賃料上昇が見えてきた局面であるが、ホテルの収益性は顕著に向上している ようだ。STR Globalによれば、2014年10月の東京のADR(平均客室単価)は前年同月比12.5%増加の 17,707円となっている。ホテル市場では高稼働が継続しており、足元、ホテル各社は単価の引上げに転じて いると見られる。 ホテルが高稼働となっている背景には、外国人観光客の増加に加え、日本人も円安で海外旅行が控えられ 国内旅行にシフトしている影響があると推察されよう。2014年の訪日外国人客数は10月末現在で前年同月 比27.1%増の1,100万人に達しており、年間では1,300万人に届く勢いである。東南アジア各国向けのビザ 発給要件の緩和や格安航空会社(LCC)の増便に加え、円安の進行が追い風となっていると見られる。 ホテルの取引、新規建設も活発に行われている また、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、2020年まではホテル市場の好況が 続くと見られている。このため、投資家のリスク許容度が高まっていると見られ、ホテルへの投資も活発であ る。日経不動産マーケット情報が報道している取引を集計すると、2014年9月までの取引は概ね70件程度と なっている。2013年の同時期までの取引件数は40件程度となっており、ホテルの取引件数は大幅に増加し ている模様だ(日経不動産マーケット情報の記事よりケネディクス推計)。また、ホテルの建設も増加している と見られる。しかし、年間200万人程度というハイペースで増え続けている外国人旅行者の受け皿には程遠 く、ホテル市況は堅調な状況が続くだろう。 【図表14】訪日外国人客数 【図表13】ビジネスホテル客室稼働率 100 (%) 14 (百万人) (%) 40 人数(左軸) 2011 2012 2013 2014 90 増加率(右軸) 12 30 10 20 8 10 6 0 4 -10 2 -20 80 70 0 60 Q1 Q2 出所:観光庁よりケネディクス作成 Q3 Q4 2006 2007 2008 2009 2010 2011 出所:日本政府観光局よりケネディクス作成 -30 2012 2013 2014 【ヘルスケア市場】 初のヘルスケア特化型リートが上場 2014年11月5日、初のヘルスケア特化型リートとして、日本ヘルスケア投資法人が上場を果たした。日本政 府は日本再興戦略(2013年6月14日閣議決定)において、「民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリート の活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備、普及啓発等」を行うとし、国土 交通省や一般社団法人不動産証券化協会などが中心となり、運用や開示方法に関するガイドラインなどを 検討、公表してきた。言わば官民あげてヘルスケアリートの誕生に力を注いできており、その期待は大きい。 投資家からの期待も大きく、初値倍率(上場初値/公募価格)は1.54倍と、REITとしては異例の高さとなった。 配当利回りも12月19日現在2.76%と大手オフィスリートに引けを取らない水準となっている。 9 Hot Topic 日本ヘルスケア投資法人の主な特徴 日本ヘルスケア投資法人は上場時に取得した資産を含め14物件、運用資産総額132億円でスタートした。 14物件全てが有料老人ホームとなっているが、サービス付高齢者向け住宅やその他の高齢者施設・住宅、 医療施設なども組み入れ対象としている。14物件のうち介護付有料老人ホームが9物件、住宅型有料老人 ホームが5物件、物件当り平均居室数は84居室(33∼155居室)となっている。組入比率の目安は三大都市 圏が50%以上、中核都市圏が50%以下、その他が10%以下となっているが、「東京エリア」(首都圏、東京圏 など)に対する投資比率を明確にしていないリートは異例だ。ヘルスケア施設、特に高齢者向け施設や住宅 の需要が日本全国幅広く高まっていることを反映していると言えよう。ただし、今後、中長期的に高齢者人口 が増加すると見られるエリアに限定している模様だ。投資エリアに対する考え方はヘルスケア特化型ならで はと言えるだろう。 立地や建物以上に、オペレーターが非常に重要なファクターとなるため、オペレーターに対する定量的定性 的デューデリジェンスを行い、事業の継続性及び優位性を確認するとしている。また、賃貸借契約は長期志 向であり、「実質10年以上の物件」を投資対象としている。なお、経済情勢の大幅な変動などによりオペレー ターの経営状態が悪化し、契約が解約、解除された場合に備え、全ての既存オペレーターとの間で運営の バックアップに関する協定を締結している(Backup Operator Membership)。 ポートフォリオの内容に関しても、賃料負担力、介護報酬割合、入居一時金償却収入割合など、独自の指標 を用いて説明されている。これらの指標は各オペレーターから開示された事業収支の情報に基づき、投資法 人が独自に算出している。上場時のポートフォリオの平均は、賃料負担力は1.7倍、介護報酬割合は 50.6%、入居一時金償却収入割合は5.7%となっている。 【図表15】日本ヘスルケア投資法人所有物件一覧 物件名 オペレーター 取得価格 上場時 残存賃貸借 延床面積 (億円) 築年数 契約期間 (㎡) 客室 数 鑑定 NOI 取得時 NOI利回り 種別 所在地 取得日 さわやか海響館 介護付 福岡県 3月28日 6.3 11.0 19.4 2,694 65 50 7.9% さわやか鳴水館 介護付 福岡県 3月28日 5.9 9.0 19.4 4,554 87 47 8.0% 住宅型 京都府 3月28日 7.5 7.0 19.4 2,459 84 61 8.1% さわやか日の出館 介護付 新潟県 11月5日 7.7 7.0 20.1 2,674 50 48 6.2% さわやかリバーサイド栗の木 住宅型 新潟県 11月5日 2.7 5.0 20.1 1,349 33 17 6.4% さわやか大畠参番館 住宅型 福岡県 11月5日 2.9 3.0 20.1 1,412 50 18 6.2% シダー 介護付 愛知県 11月5日 12.8 6.0 13.4 3,590 100 74 5.8% スーパー・コートJR奈良駅前 スーパー・コート 住宅型 奈良県 11月5日 15.7 5.0 24.7 4,988 155 91 5.8% チャームスイート緑地公園 チャーム・ケア・ コーポレーション 介護付 大阪府 3月28日 19.5 8.0 23.8 5,330 128 144 7.4% ニチイ学館 介護付 福島県 3月28日 2.7 7.0 19.4 1,965 52 22 8.3% 日本介護医療セ ンター 住宅型 大阪府 3月28日 9.5 7.0 19.4 2,925 104 85 8.9% 介護付 広島県 3月28日 9.6 8.0 19.4 4,090 80 69 7.2% 介護付 神奈川県 3月28日 11.7 6.0 19.4 3,733 80 89 7.6% 介護付 神奈川県 11月5日 18.4 3.0 19.9 4,248 104 99 5.4% さわやかはーとらいふ西京極 さわやか倶楽部 ラ・ナシカあらこがわ ニチイケアセンター福島大森 ヴェルジェ枚方 レストヴィラ広島光が丘 レストヴィラ相模原中央 レストヴィラ衣笠山公園 ワタミの介護 出所:日本ヘルスケア投資法人公表資料よりケネディクス作成 10 Hot Topic また、利益超過分配を実施する点も特徴の一つと言えよう。ヘルスケア施設は、地価が相対的に安い地方 の物件比率が高く、資産全体の価値に占める建物の価格に割合がオフィスビルなどに比べて、相対的に高 くなる傾向があり、高めの減価償却費を計上することが見込まれる。一方で、投資法人が費用を負担する修 繕は躯体及び主要構造部分に限定されている施設もあり、減価償却費に比べて設備更新等に要する費用 が低額となる傾向がある模様。このため、日本ヘルスケア投資法人は減価償却費の40%を上限として、利 益超過分配を実施する方針である。 2015年には2社が新規上場を目指している 現在、SMBCヘルスケアホルダー合同会社(㈱三井住友銀行、NECキャピタルソリューション㈱、シップヘル スケアホールディングス㈱の3社が出資)とジャパン・シニアリビング・パートナーズ㈱(ケネディクス㈱、㈱長 谷工コーポレーション、三菱UFJ信託銀行㈱、㈱LIXILグループ、㈱損害保険ジャパン、㈱新生銀行の6社が 出資)の2社がヘルスケアリート上場を目指している。プレイヤーは少ないものの、投資市場に流通している ヘルスケア施設が少ないこともあり、物件取得競争は激化していると推察される。日本ヘルスケア投資法人 が上場時に取得した物件のNOI利回りは5.4%∼6.4%と、上場前に取得した物件のNOI利回り5.8%∼8.9% に比べると明らかにレンジが低下しており、市場におけるキャップレートの低下を表していと見られる。 2015年には残る2社が運用するリートが上場する計画を表明しており、また、上場した後も外部成長を目指 し物件取得競争は続くだろう。高齢者人口は中期的に増加する見通しであり、供給増加による需給バランス の悪化は局地的にはあり得るが、全体として需要が減退するリスクは少ないだろう。投資市場からの資金流 入が、高齢者向け施設・住居の急増する需要の受け皿の一助となり、更に施設・住居の質の向上につなが ることを期待したい。 11 不動産投資市場 商業用不動産取引額、2四半期連続前年割れ 2014年第3四半期における商業用不動産取引 額は前年同期比28%減の5,469億円と、2四半 期連続の前年割れとなった(DTZ)。第3四半期 は季節柄、比較的取引が少ない時期であるが、 商業用不動産取引額 (十億円) 1,200 取引量(左軸) 500% 前年同期比(右軸) 1,000 400% 800 300% 600 200% 400 100% 200 0% 今期はやや伸び悩んだ感がある。J-REITによる -7.9%と第2四半期を下回ったトレンドは全体の 不動産取引額と同様だ。 年間取引額は前年比同水準と見られる 続く第4四半期の商業用不動産取引額は大幅に 増加すると見られる。10月以降、パシフィックセ 0 -100% 09Q1 09Q2 09Q3 09Q4 10Q1 10Q2 10Q3 10Q4 11Q1 11Q2 11Q3 11Q4 12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3 物件取得額は前年同期比15.9%増の3,080億 円と、前年の取引額を超過したが、前期比 出所:DTZ ンチュリープレイス丸の内(取引額1,700億円) J-REITによる取引額 (十億円) や、みずほ銀行旧本店ビル(同1,590億円)など、 800 大型取引が相次いでいる。このため、2014年年 取得 売却 間の商業用不動産取引額は3.5兆円となった 600 2013年の取引額とほぼ同水準で着地すること が予想されよう。J-REITは概ね前年比3割減の 水準の取引額となりそうだ。2014年はJ-REIT以 外のコア投資家やデベロッパー、事業会社によ る 大型取引が 目立つ年であ ったと言えよ う 。 2015年もJ-REITや私募リートによる新規設立、 上場及び増資は活発に行われるだろう。また海 外投資家も引続き日本市場に注目しており、資 金流入は続く事が予想されよう。 400 200 0 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 2009 2010 2011 出所:J-REIT各社公表資料よりケネディクス作成 2012 2013 2014 主要取引事例 物件名称 用途 買主 都道府県 価格(十億円) 延床(㎡) 時期 パシフィックセンチュリープレイス丸の内 事務所 シンガポール政府投資公社(GIC) 東京都 170.0 38,840 2014年10月 みずほ銀行旧本店ビル 事務所 みずほフィナンシャルグループ 東京都 159.0 74,088 2014年11月 目黒雅叙園 事務所 森トラスト 東京都 130.0 155,820 2014年8月 御殿山SHビル 事務所 積水ハウス・リート投資法人 東京都 51.5 19,813 2014年12月 新宿アイランド 事務所 東急不動産 東京都 - 38,353 2014年10月 ガーデンシティ品川御殿山 事務所 積水ハウス・リート投資法人 東京都 39.7 21,033 2014年12月 GLP投資法人 東京都 36.1 85,455 2014年9月 GLP東京Ⅱ 物流 紀尾井町ビル 事務所 森トラスト総合リート投資法人 東京都 34.3 24,599 2014年9月 新宿イーストサイドスクエア 事務所 ジャパンリアルエステイト投資法人 東京都 23.1 23,414 2014年9月 御茶ノ水ソラシティ 事務所 ヒューリックリート投資法人 東京都 22.9 12,597 2014年11月 DFS T ギャラリア沖縄 商業 日本リテールファンド投資法人 沖縄県 15.6 42,088 2014年9月 ユニバーサル・シティウォーク大阪 商業 野村不動産マスターファンド投資法人 大阪府 15.5 17,769 2014年9月 プロロジスパーク川西 物流 日本プロロジスリート投資法人 兵庫県 13.6 75,026 2014年8月 mozo ワンダーシティ 商業 日本リテールファンド投資法人 愛知県 11.7 45,995 2014年9月 One's Mall(ワンズモール) 商業 Croesus Retail Trust のSPC 千葉県 11.0 83,751 2014年9月 出所:各社公表資料、各種報道よりケネディクス作成 12 J-REIT市場 J-REIT指数は良好な事業環境を反映し上昇 J-REIT指数と主要株価指数(2013年1月=100) 180 2014年7月以降の東証REIT指数のパフォーマ ンスは、+16.7%と、Topixの+10.9%を上回った 160 (12月12日時点)。J-REITの投資口価格は概ね 堅調に上昇しているが、日本銀行が追加緩和を 140 決めた10月31日前後から、上昇が加速してい 120 る。追加緩和の実施により、長期金利が一段と 低下したこと、日銀がJ-REIT投資口の買い入れ ペースを年間300億円から900億円に増額した 事などが要因と見られる。一方で、東証不動産 株指数は-2.3%と軟調だ。 イールドスプレッドは小幅に低下 この間、J-REITの配当利回りは低下したが、同 様に10年国債利回りも低下している。J-REIT配 当利回り(東 証REIT指数ベース)は6月末比 0.36%ポイント低下しているのに対し、10年国債 利回りは0.17%ポイント低下した。結果的にイー ルドスプレッドは0.19%の低下に留まっている。 100 80 東証REIT指数 TOPIX 東証不動産株指数 60 01/13 04/13 07/13 10/13 01/14 04/14 07/14 10/14 出所:ブルームバーグ よりケネディクス作成 (週次、2014年12月12日現在) イールドスプレッドの推移 6 (%) 東 証 REIT指 数 配 当利 回り 10年 国 債 利 回 り イ ールド ギャッ プ 4 2 住宅REITが顕著に上昇 アセットタイプ別にみると、住宅REITの投資口 価格が堅調である。7-8月には下落したものの、 0 13/1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 9 月 以 降 上 昇 に 転 じ て い る 。 特 に 11 月 に は 出所:ブルームバーグよりケネディクス作成 (週次、2014年12月12日現在) +12%と大幅に上昇している。10月31日に日本 アセットタイプ別価格インデックス(2013年1月=100) 200 銀行が追加緩和を決め、全てのREITは急上昇 オフィス指数 住宅指数 商業・物流指数 180 した。その後、オフィスREITの投資口価格が値 を戻した一方で、住宅REIT投資口価格は上昇 160 を続けている。指数への影響が大きい大型オ フィスREITの配当利回りが3%を割り込む中、住 140 宅 REIT に 出 遅 れ 感 が あ っ た 事 、 ま た 、 住 宅 120 REIT各社が賃料上昇を実現しつつある事など 100 が好感されたためと推察される。 日本以外ではイールドギャップが上昇した 80 01/13 04/13 07/13 10/13 01/14 04/14 07/14 出所:ブルームバーグよりケネディクス作成 (週次、2014年12月12日現在) 2014年7月以降、主要国REIT市場は概ね堅調 海外REIT指数(2013年1月=100) に推移したが、最も高パフォーマンスであったの 180 は日本市場であり(+16.7%、12月12日現在)、 160 次いで 豪州( +11.5%) 、 米国(+8.4%)、 英国 (+8.0%)となっている。イールドギャップは日本 140 市場以外の主要国で上昇している。投資口価格 120 の上昇に伴い配当利回りは低下しているが、長 期国債利回りの低下幅の方が大きいためであ 100 る。イールドギャップは日本が2.58%、米国が 80 1.43%、 英 国が 1.1%、 豪州 が 1.37% 、 シ ン ガ 日本 米国 英国 ポールが3.55%となっている。 60 豪州 01/13 04/13 07/13 10/13 01/14 04/14 07/14 出所:ブルームバーグよりケネディクス作成 (週次、2014年12月12日現在) 10/14 シンガポール 10/14 13 オフィス市場:東京 空室面積が40万坪を下回った 東京都心5区の平均空室率は2014年9月末に 5%台に低下し、11月末には5.55%となった(三 鬼商事)、また、11月には空室面積が5年9ヶ月 ぶりに40万坪を割り込み、39.7万坪となってい た。空室面積は6月末には46.1万坪であったの で、7-9月期において5.6万坪、10-11月で0.7万 坪減少している。 新築ビルへの需要は強い 空室率と賃料 25 (千円/坪) (%) 10 20 8 15 6 10 4 5 平均空室率(右軸) 0 2014年9月末時点のグレードAビル空室率は前 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 期比横ばいの4.8%となり、11月末には4.1%に 注:東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) 2014 11 低下した(CBRE)。第3四半期は「一部既存ビル 出所:三鬼商事 (月次、2014年11月現在) で二次空室が顕在化した一方、築浅ビルや新 新築/既存ビル空室率 50 (%) 築ビルへの移転が進んだ」(CBRE)模様。東京 新築ビル(左軸) 既存ビル(右軸) 駅前のJPタワー(2012年5月竣工、延床面積: 40 212,000㎡)がついに満室となり、丸の内・大手 町エリアの空室率は、1.6%となった。日本生命 30 丸の内ガーデンタワー、日本橋ダイヤビル、恵 20 比寿ファーストスクエアといった、この間竣工し た大規模ビルは満室稼働しており、大規模新築 10 ビルに対する需要の高さが伺われる。 Aクラスビルの賃料は上昇しているが、オフィス 市場全体までは広がっていない模様 2 平均募集賃料(左軸) 0 12 2015年の新規供給は前年比約26%増の111万 ㎡が予想されている(森ビル)。丸の内・大手町 地区を中心に、都心Aクラスビルのまとまった空 室面積は少なくなってきており、プライムビルで は賃料上昇の継続が予想される。注目点は賃 料上昇の波がどこまで広がるかであろう。 14 (%) 10 8 6 4 2 0 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 注:東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) 出所:三鬼商事 (月次、2014年11月現在) 平均募集賃料は5月に前年同月比プラスに転じ てから上昇幅が加速しており、11月には+4.5% グレードAビル賃料と空室率 60 (千円) の16,950円(/月、坪)となった(三鬼商事)。ビル 想定成約賃料(左軸) 平均空室率(右軸) オーナーは明確に賃料を上げる方向に舵を切っ 50 たと見られる。成約賃料も上昇の兆しが見えて 40 いる。三幸エステートによれば、2014年第3四半 30 期東京都心部Aクラスビルの成約賃料は前期比 A +7.1% の 30,335 円 ( / 月 、 坪 ) と な っ て い る 。 20 CBREが公表しているグレードAオフィスビルの 10 想定成約賃料も前年同期比4.2%増の32,100 円(/月、坪)と、10四半期連続で上昇している。 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 しかし、基準階面積100-200坪の大型ビルでは 出所:CBRE (四半期ベース、2014年9月現在) 前期比横ばい、同100坪未満の中型以下では オフィスレント・インデックス(2006Q1=100) 同+1.3%に留まっており、中小ビル全体の賃料 160 が明確に上昇しているとは判断できない。 2015年もプライムビルの賃料上昇は続くだろう 13 140 0 13 14 12% 10% 8% 6% 4% 2% 0% 14 Aクラスビル 200坪以上 100-200坪 120 100 80 60 14 注:東京都心3区 出所:三幸エステート、ニッセイ基礎研究所 (四半期ベース、2014年9月現在) 住宅市場 東京都心部への人口流入は加速している 主要都市人口推移(推計値) 13年9月 東 京 都 心 部 へ の 人口 流入 が 加 速し て いる 。 2014年9月時点の東京都心5区の人口は前年 東京都 同期比2.63%の96.1万人となった。東京23区で 東京23区 も前年同月比1.06%増となっており、東京への 都心5区 人口流入は顕著だ。仮に、現在のペースで増加 すると、2016年末には都心5区の人口が100万 人に達することとなる。その他の年も引続き人 口流入傾向にあるが、大阪市、名古屋市の人口 増加率はやや鈍化している。福岡市への人口 流入は引続き高水準である。 14年6月 14年9月 前期比 13,283,225 13,358,735 13,389,865 前年同月比 0.23% 0.80% 9,057,136 9,123,994 9,153,154 0.32% 1.06% 936,772 953,750 961,437 0.81% 2.63% 名古屋市 2,270,841 2,275,171 2,276,130 0.04% 0.23% 大阪市 2,683,531 2,685,076 2,685,850 0.03% 0.09% 福岡市 1,505,558 1,515,995 1,518,440 0.16% 0.86% 出所:各都市 首都圏賃貸マンション稼働率(J-REIT保有物件) 98 (%) (%) 6.0 賃料単価を重視しつつ稼働率は高水準を維持 96 4.0 94 2.0 92 0.0 90 -2.0 主な住宅系REITが保有する首都圏賃貸マン ションの稼働率は2014年10月末時点で95.9% となった。6-7月に前年割れとなったものの、8月 以 降 は 前 年 同 月 比 プ ラ ス に 転 じ 、 10 月 は 同 0.3%ポイント上昇となっている。住宅REIT各社 が賃料単価を重視する姿勢を強めている中でも も、稼働率が低下していないのは、それだけ需 給バランスが逼迫している証左だろう。 賃貸住宅賃料はボトム比+5.0%の水準 稼 働 率 (左 軸 ) (シングルタイプ)によれば、東京23区の賃料は -4.0 1/04 1/05 1/06 1/07 1/08 1/09 1/10 1/11 1/12 1/13 1/14 注:稼働率=稼動面積/賃貸可能面積 出所:主な住宅系REITの開示情報を元にケネディクス作成(2014年10月末現在) マンション賃料インデックス(東京23区) 110 アットホーム㈱と㈱三井住友トラスト基礎研究所 が公表している『マンション賃料インデックス』 前 年同月 比(右 軸) 88 シングルタイプ(18㎡以上30㎡未満) コンパクトタイプ(30㎡以上60㎡未満) 105 ファ ミリータイプ(60㎡以上100㎡未満) 100 上昇を続けている。2014年第3四半期の賃料は 前四半期比+0.1%と、9四半期連続で上昇した。 95 ボトムは2011年第3四半期であったが、そこか ら、現在の賃料は約5%上昇した水準にある。 賃貸住宅供給圧力は限定的と見られる 2014年第3四半期の全国貸家着工戸数は、前 90 85 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 注:『マンション賃料インデックス』連鎖型を採用 出所:アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所 2013 2014 年同期比5.7%減の8.7万戸と、11四半期ぶりに 貸家着工戸数 (千戸) 前年同期比マイナスに転じた。2015年1月に予 25 定されている相続税の実質増税を見据えた節 税対策での貸家建設需要が一服したと見られ 20 東京 愛知 大阪 福岡 る。東京都は前年同期比0.5%減の1.4万戸、年 初来累計で同12%増の4.6万戸となった。第4四 半期が仮に、同横ばいとなれば、2014年の東京 15 10 都貸家着工戸数は前年比8.6%増の6.3万戸程 度で着地することになる。2015年の賃貸住宅供 給量は、やや増加しそうだが、増加する人口流 入を勘案すれば問題ない水準だろう。 5 15 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出所:国土交通省よりケネディクス作成(四半期ベース、2014年9月現在) 2014 物流施設/商業施設 物流施設:新規供給は一服、需要も一服 2014年第3四半期の首都圏大型マルチテナント 型物流施設の平均空室率は4.9%と、前期比 1.2%ポイント下げた。今期の新規供給は「三井 不動産ロジスティクスパーク久喜」1棟であり、満 室稼働した模様だ。前期までに竣工した施設の 入居も進み、新規需要が4万坪弱まで積み上 がった(CBRE)ようだ。3PL等の物流記号やイ ンターネット通販企業による先進的大型物流施 設に対する需要は依然強い模様。 2015年は過去最高水準の新規供給見通し 物流施設募集賃料と空室率 7.0 (千円) 25% 募集賃料(左軸) 既存物件空室率(右軸) 平均空室率(右軸) 6.0 20% 5.0 15% 4.0 10% 3.0 5% 2.0 0% 05 06 07 08 09 10 11 出所:CBRE (四半期ベース、2014年第3四半期現在) 12 13 14 2014年中に竣工する3棟はリーシングが進捗し 物流施設需給バランス(東京圏) ており、年内の空室率はさらに下がる可能性が (千㎡) 高くなっているようだ(CBRE)。2015年の供給 600 新規供給 新規需要 面積は164.3万㎡と、過去最大規模となる見通 500 しであり、徐々に需給環境が緩和する事が予想 されている(一五不動産情報サービス)。特に、 400 第4四半期には、一挙に9棟(約20万坪)の供給 300 があるため、需給環境の悪化が懸念される。し かし、テナントの引き合いは強く、引続き需要は 200 堅調の様だ。供給が急増するエリアを除けば、 100 マーケットが大幅に崩れる可能性は低いだろう。 商業施設:SC売上高は反転の兆し 2014年4月の消費税率引上げの影響を受け、47月までの4ヶ月間、SC既存店売上高は前年比 マイナスが続いた。その後8-9月には前年比プ ラスに転じたものの、10月には再び前年同月比 -1.1%とマイナスに転じている。百貨店売上高が 以前プラスに転じていない事を勘案すればショッ ピングセンターは比較的健闘していると言える だろう。商品別にみると、飲食料品及び医薬品 の小売売上高は6月以降前年比プラスを維持し ており、生活必需品は堅調な様だ。 0 10/8 4/09 10/09 4/10 10/10 4/11 10/11 4/12 10/12 4/13 10/13 4/14 11/14 出所:一五不動産情報サービス 小売売上高(前年同月比) (%) 20 10 0 -10 既存SC総合 プライム立地と周辺エリアでやや状況が異なる 百貨店 小売売上高 -20 1/13 4/13 7/13 10/13 1/14 4/14 7/14 10/14 東京都心部の商業店舗募集賃料は、概ね安定 出所:日本ショッピングセンター協会、日本百貨店協会、経済産業省(2014年10月現在) 的と見られるが、プライム立地以外では依然厳 商業店舗賃料(全フロア) (千円) しいようだ。2014年第3四半期の募集賃料は、 35 銀座エリアでは1階が前期比8.1%増の49,695 30 円(/月、坪、以下同じ)となっているが、1階以外 は同6.1%減の25,093円となっている。公募件 25 数は1階で減少、1階以外で増加している。一 方、表参道エリアでは全フロアで公募件数が減 20 少し、募集賃料は同12.7%増となっている。新宿 15 エリアでも公募件数が減少し、募集賃料は2.5% 銀座 表参道 新宿 渋谷 池袋 とわずかながら上昇しているが、池袋エリアでは 10 公募件数が同21%増加し、募集賃料は0.4%上 昇に留まっている。 出所:ビーエーシー・アーバンプロジェクト 16 本資料の取り扱いに関して 本資料は不動産市況の現状と将来動向に関する情報提供を目的としたものであり、当社又は当社関連会 社からの金融商品・証券等投資の勧誘または斡旋を目的としたものではなく、公式又は非公式な取引条 件の確認を行なうものでもありません。 本資料は当社及び当社関連会社により作成された資料です。本資料に記載された内容については、一般 に依拠しうると考えられる公開された情報に基づくもの、又は本文中で特定された情報源もしくは当社にお いて信頼できると考える第三者から提供された情報等に基づいて当社により準備されたものですが、当社 はその正確性、完全性、有用性、また適切性等について、明示的にも黙示的にも表明・保証するものでは ありません。本資料に記載された内容等は、作成時点のものであり、事前の通知なくして変更されることが あります。また、本資料に記載された内容が、今後修正・変更されたとしても、当社は当該情報・意見等を 改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。 本資料に記載されたグラフ・数値等は過去の実績を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆するも のではありません。貴社/貴殿が本資料中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等 を検討するに当たっては、貴社/貴殿において内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社/貴殿自 身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めします。 本資料の著作権その他の権利は、特段の断りがない限り、当社に帰属しており、当社の事前の明示の同 意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。 お問い合わせ先 ケネディクス株式会社 リサーチ戦略チーム 羽田野 友紀 [email protected] 17 不動産マーケットレポート 2014Q4 Copyright @ 2014 KENEDIX. 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