トレーニングの知識(作成:本沢)

トレーニングの
基礎知識
NSCA(国際ストレングス&コンディショニング協会)の CPT(パーソナルトレーナー)の資
格試験テキストより、抜粋してまとめています。すでに認知しているであろう項目や詳細な内容は
割愛しています。
株式会社本沢メディカル 本澤博文
神経と筋の基礎知識
筋の活動
○通常の筋力発揮を行った場合(
これは( 1
1
遅筋
or 速筋
)繊維が優先的に発揮される。
)繊維の方が興奮の閾値が低いためでこれをサイズの原則と呼ぶ。
ただし、伸張性筋活動時はこれが逆転する。
○(
2
)…筋が張力を発揮しながら短縮する運動
負荷を挙上する際など
( 3
)…筋が張力を発揮しながら強制的に伸張される運動
ブレーキをかけながら負荷を下す際など
○<エキセントリックアクションの特徴>
・より大きな筋力発揮が可能である。
・速筋繊維から優先的に動員される
・筋繊維の微小損傷を引き起こし(
4 )を誘発する。
○<筋力を決める要因>
・筋横断面積
・神経系の機能
・筋に占める(
5
)繊維の割合…遺伝により決定しトレーニングで変化しない
○<レジスタンストレーニングの効果>
・神経系の適応…通常トレーニングを開始して1カ月程度は筋力は増加するが、筋横断面積
に変化はみられない。これは神経系の適応により筋発揮抑制が低減するた
めである。
・筋肥大…神経系の適応が上限に近づくと筋横断面積の肥大が起こる。
・代謝的適応…特定のタンパク質の合成が活性化される。
○<有酸素性持久力トレーニングの効果>
・代謝適応…筋繊維内の(
6
)濃度が上昇、筋内の毛細血管密度の上昇がみられる。
・筋繊維の変化…高強度トレーニングを長期行うと、タイプ I 繊維とタイプⅡc 繊維の筋横断
面積が( 7
)する。
これは、酸素や代謝産物の輸送に適した形態に適応するためと考えられている。
1.遅筋
性筋活動)
2.コンセントリックアクション(短縮性筋活動)
4.遅発性筋痛
5.速筋
6.ミトコンドリア
3.エキセントリックアクション(伸張
7.減少
心臓血管系と呼吸器系
運動と酸素
○通常1分間に摂取できる酸素の最大値を(
○(
2
1
)という。
)…血中乳酸値が4mmol/ℓに達する運動強度
エネルギー供給システム
運動(筋活動)には ATP が必須のエネルギー源である。
体内の ATP 量はわずかであるため体内で再合成する必要がある。
再合成のシステムは以下の通りである。
○<ATP-PCr系>
ATP の再合成で始めに利用されるのは(
3
)である。このエネルギー供給システムを ATP
-PCr系という。
ATP-PCr系のエネルギー供給の特徴
・酸素を必要としない無気的反応である。
・エネルギー供給のスピードが極めて速い。
・最大持続時間が(
4
)秒である。
・短時間の爆発的なパワー発揮に貢献する。
○<解糖系>
・筋肉や肝臓、血中にある(
5
)を無気的(酸素を介入せず)に利用したATP生産、
エネルギー供給システムである。
解糖系のエネルギー供給システムの特徴
・酸素を必要としない無気的反応である。
・エネルギー供給スピードが ATP-PCr系の次に速い。
・最大持続時間は(
6
)秒である。
・乳酸を発生させ筋のpH低下を起こす。
○<有酸素系>
・グリコーゲンが酸素の加入によって水と二酸化炭素に分解される過程でATP再合成する。
有酸素系のエネルギー供給システムの特徴
・酸素が絶対必要
・反応を起こすまで(
7
)分に時間を必要とする。
・酸素供給と燃焼が十分であれば、エネルギーを半永久的に生産できる。
1.最大酸素摂取量(VO2max)
4.7~8
5.グリコーゲン
2.乳酸性閾値(LT)
6.33 7.2~3
3.クレアチンリン酸
心臓血管系のトレーニングの効果
○<心臓>
・トレーニングにより心拍出量が増大する。
・持久的なトレーニングによって(
1 )の容積が増大する。
・高強度のストレングストレーニングにより(
2
)が肥大する。
○<心拍数>
・安静時心拍数(RestHR)は持久的トレーニングによって低下する。
・レジスタンストレーニングによっても RestHR は低下する。
○<毛細血管と循環機能>
・有酸素運動を継続的に行うと筋の血流量が増大する。
・これは( 3
)が発達することによる。
・筋のミトコンドリアの増加、筋グリコーゲンの増加を認める
1.左心室
2.左心壁
3.毛細血管
呼吸器系のトレーニング効果
○<肺容量の変化>
・トレーニングを積んだ選手ほど肺容量は大きい傾向がある。
しかし、持久的な能力と肺容量の関係は一致した見解が得られていない。
○<呼吸筋の変化>
・呼吸筋の発達により呼吸による酸素消費が抑えられ、その分骨格筋へ多くの酸素を供給することが
できる。
○<酸素運搬系の変化>
・最大運動強度(
1
)%以上の持久性トレーニングによって VO₂max は増加する。
・競技選手の VO₂max は運動を中止すると一般人と同レベルに低下する。
・一般人では VO₂max の65%が LT ポイントとなるが、競技選手では(
が始まる。
1.60
2.75
2
)%から乳酸の蓄積
無酸素トレーニング・有酸素トレーニング
○<無酸素運動の処方と休息の取り方>
・ATP-PCr系(フォスファゲン系)の休息は受動的で非活動的が適している。
・乳酸系の休息は能動的で活動的な方が適している。
・休息時間とタイプのガイドラインでは、ATP-PCr系は(
1
)秒の静的休憩、乳酸系は(
2
秒の動的休憩を推奨している。
(参考)
各競技のエネルギー供給機構への依存度
ATP-PCr系
競技種目
乳酸系
有酸素
50mスイム
98%
2%
0%
100m走
95%
5%
0%
バスケットボール
85%
15%
0%
400m走
80%
15%
5%
サッカー
60%
20%
20%
1500m走
20%
55%
25%
5000m走
10%
20%
70%
マラソン
0%
5%
95%
(フィールド)
○<有酸素運動の効果>
・有酸素運動により血中の(
3
)が増加し LDL は減少する。また、血液のコレステロール、
( 4 )は減少する。
・赤血球やこれを運ぶ血漿を増加させ、結果として全血液量を増加させる。
○<有酸素運動の処方>
・目標心拍数=(最高心拍数
―
安静時心拍数)×目標%
+ 安静時心拍数
例えば、安静時心拍数が60拍/分、40才の人が60%運動強度の心拍数を求めると・・
最高心拍数=220-年齢であるから、220-40=180となり、目標心拍数=
(180-60)×0.6+60=132拍/分となる。
・上記をもとに安静時心拍数50の20才の人が90%運動強度のトレーニングをする場合、心拍数
はいくつに設定するか?(
7
)
1.30~90秒
2.60~240秒
6.50~85%
7.185
3.HDL 4.中性脂肪
5.50~85
)
レジスタンストレーニングと内分泌系
レジスタンストレーニングとホルモン分泌
○<テストステロン>
・男性ホルモンの一種で筋肥大、陰毛の発育に関わる。
・レジスタンストレーニングによって血中総テストステロン濃度は上昇する。
・より、大きな上昇を引き出すには、
( 1 )の種目(スクワットやデッドリフト)
( 2 )/1RM の重量で行う。
セット間の休憩を60~90秒にするなどする。
・上記のようなトレーニングを長期にわたって行うと安静時のテストステロン濃度もわずかに上がる。
○<成長ホルモン>
・成長ホルモンは筋や骨の成長を促し、体脂肪を減らし、免疫機能を高める。
・成長ホルモンの分泌を促すには
大筋群の種目
中~高重量(75~85%/1RM)で大容量
セット間の休憩を60秒以内にする
1.大筋群
2.85~95
ウォームアップとクーリングダウン
・ウォーミングアップの目安は30分前後で十分に汗がでて体温が上がり、心拍数が(
1
)前後に
なる程度が目安
・ウォーミングアップの効果の持続時間は(
2
)分程度だが、環境により前後する。
・激しい運動後は直ぐに座らずに軽い運動を続けた方が、回復が早まる。
これは、筋中の(
3
)濃度を下げ全身に循環させることによる。
・激しい運動後は乳酸濃度が安静時の10倍以上にもなり、安静では乳酸濃度が半減するのに30分か
かるが、40%VO₂max 程度の運動を行うことで15分になる。
1.120
2.40~50
3.乳酸
ストレッチングと柔軟性トレーニング
ストレッチングの種類
○<スタティック(静的)ストレッチ>
・( 1 )反射が起きにくく、安全なストレッチである。
・運動後のスタティックストレッチは筋肉痛の発現を抑制し、発現した筋肉痛の治療にも効果がある。
・運動前のスタティックストレッチは、パフォーマンスを(
2
)させる可能性がある。
○<バリスティック(動的)ストレッチ>
・運動前のウォームアップに適している。
・パートナーストレッチで行った場合は、伸張反射を誘発しやすく筋損傷のリスクがある。
○<PNF ストレッチ>
・張を感じる位置までストレッチ→抵抗下でアイソメトリック6秒→リラックス→30秒ストレッチ
を繰り返す。
・主に腱紡錘の(
1.伸張
2.低下
3
)器官の作用を利用したストレッチ方法である。
3.ゴルジ
レジスタンストレーニングのプログラムデザイン
レジスタンストレーニングの基本原則
特異性の原則(SAID)
体の細胞は特定の刺激に対して特定の反応を示す。これを理解したうえでプログラムをデザインする必要
がある。
○<エネルギー代謝的特異性>
・3つの主要なエネルギー代謝(
1
)(
2
)(
3
)の特質理解したうえプログラムデザ
インする必要がある。
○<オーバーロードの原則>
・日常生活動作のなかでは通常、最大筋力の約(
4
・筋力を増強するには最低、最大筋力の約(
)%以上の負荷が必要である。
5
)%が使用されている。
○<漸進性の原則>
・軽い負荷から重い負荷へ、基本的なエクササイズから専門的なエクササイズに、筋持久力から
筋肥大へとトレーニングを変化させていく。
1.ATP-PCr系
2.解糖系
3.有酸素系
4.30
5.60
トレーニング変数
適切なトレーニングを処方するには、以下の7つのトレーニング変数を把握、決定する必要がある。
○<ニードアナリシス>
・競技の特性、競技者の個別性、希望を把握し分析すること。
○<エクササイズの選択>
・トレーニングの目的、競技種目、エクササイズ経験、使用可能な器具や環境を加味し決定する。
・エクササイズのタイプは大きく分け(
1
)(
2
)に分類する。
・コアエクササイズとは、①大筋群を動員するエクササイズ、②多関節エクササイズ、③1RM
テストが実施できるエクササイズが条件となる。
(例、( 3
)(
4
)(
5
)
・補助エクササイズとは、①単一の小筋群を動員するエクササイズ、②単関節エクササイズ、
③1RMテストが実施できないエクササイズである。
(例、( 6
)(
7
)(
8
)
○<トレーニング頻度>
・初心者は週(
9
)回、中級者は(
10
)回、上級者は(
11
)の頻度で実施する。
○<トレーニングの順序>
(1)プライオリティ・プリンシプル
重要度の高いエクササイズを優先して行う原則
・大筋群から小筋群のエクササイズの順序で行う。
・高度なテクニックを要求され心理的負荷の大きいエクササイズから行う。
・コアエクササイズから補助エクササイズの順で行う。
・上半身エクササイズと下半身エクササイズを交互に行う。
・プッシュエクササイズとプルエクササイズを交互に行う。
(2)スーパーセット法
主動筋と拮抗筋を連続して交互に行う方法。
(3)コンパウンドセット法
同じ働きの筋群を2つ以上のエクササイズで連続して行う方法
(4)プレ・エクゾーション法
メインに効果を出したい筋に対し、代償する筋の単関節エクササイズを前もって行い疲労させる方法
例、ベンチプレスで大胸筋を鍛えたい場合、トライセプスエクステンションを行い上腕三頭筋を疲労
させる。
○<トレーニングの負荷と回数>
・反復が可能な最大回数を(
12
)という。
例、60kgのベンチプレスを8回行い、9回目が上がらなかった場合8RMの重さが60kg
○<トレーニング量>
・トレーニング量は総重量で考える。
例、スクワットを100kg×10回×3セット×週3回行った場合は、週間で9000kgとなる。
○<休息時間>
トレーニングの主目標により以下の表が目安となる。
トレーニング目標
休息時間
筋力・パワー
2~5分
筋肥大
30~90秒
筋持久力
30秒以下
○<ピリオダイゼーション>
・長期間にわたるプログラムを行う際、一定期間ごとにプログラム内容を変化させること。
○<プログラムデザイン実例>
筋肥大プログラム実例
種目
回数
セット数
セット間休憩
コア
スクアット
10
4
90秒
コア
ベンチプレス
10
4
90秒
補助
ラットプルダウン
10
3
60秒
補助
バーベルカール
10
3
60秒
補助
レッグエクステンション
10
2
60秒
補助
レッグカール
10
2
60秒
体幹
ベントニーシットアップ
15
3
種目
回数
セット数
セット間休憩
コア
スクアット
5
5
2分
コア
ベンチプレス
5
5
2分
コア
デッドリフト
5
5
2分
コア
ショルダープレス
10
3
2分
補助
バーベルカール
10
3
60秒
補助
レッグカール
10
3
60秒
体幹
ベントニーシットアップ
15
3
種目
回数
セット数
セット間休憩
ベンチプレス
20
2
30秒
スクワット
20
2
30秒
ラットプルダウン
20
2
30秒
バーベルカール
15
2
30秒
筋力強化プログラム実例
筋持久力強化プログラム実例
トライセプスエクステン
15
2
30秒
レッグエクステンション
20
2
30秒
レッグカール
20
2
30秒
ション
1.コアエクササイズ
2.補助エクササイズ
3~5.ベンチプレス、スクワット、パワークリーン、デッドリフト、ショルダープレス等
6~8.バイセプスカール、カールレイズ、クランチ、バックエクステンション等
9.2~3
10.3~4
11.4~7
12.RM
有酸素運動のプログラムデザイン
有酸素的持久力を規定する要因
○<最大酸素摂取量(VO₂max)>
・運動中に体内に摂取することのできる酸素量(1分間)の最大値で有酸素的持久力の指標となる。
・一般人では50~60ml/kg/min が基準でアスリートでは70~80ml/kg/min となる。
・トレーニングをしていない者は、トレーニングにより5~30%の増加を認めるが競技選手は
ほとんど増加しない。
○<乳酸作業閾値(LT)>
・運動中に血中乳酸濃度が急激に上昇する地点
・LTが出現するレベルは一般に(
1 )%VO₂max とされ、持久性競技選手では70~90%
VO₂max と言われている。
○<運動効率>
・ある運動速度でのエネルギー消費量
○<エネルギー供給>
・トレーニングによりミトコンドリア量が増加し、筋の酸化能力が向上することで、脂肪を効率的に
エネルギー源として利用できる。
○<筋繊維特性>
・遅筋繊維が多いほうが有酸素競技に有利である。
1.50~70
有酸素トレーニングのタイプ
○<LSD>
・LSD とは Long Distance Training の略で長い距離をゆっくりとしたペースで走る持久走のこと
・運動強度としては50~70%VO₂max,心拍数(
1
)程度でジョグ程度
・循環機能向上、体温調節機能向上、骨格筋の酸化能力向上が見込めるため、生活習慣病予防に特に
適している。一方、競技選手の場合はレースで要求される FT 繊維の動員がないためこのトレーニ
ングだけでは対応できない。
○<ペーストレーニング>
・LSD より早いスピードでの走り続ける持久走
・運動強度は70~90%VO₂max、心拍数(
2
)程度
・LT に相当する強度で競技選手のレースに相当するペースである。
・ランニング効率の向上や LT の向上効果がある。
○<インターバルトレーニング>
・早いスピード(急走期)とジョグによる休息を繰り返しおこなうトレーニング
・急走期には心拍数を(
3
)程度とし、休息期に(
4
)程度に回復させる。
・有酸素性および無酸素性の相反する能力を同時に養成することができる。
○<レペティショントレーニング>
・最大酸素摂取量以上の強度で、30秒~90秒間運動を維持し、能動的休憩を運動時間の5倍とする。
・無酸素的な代謝能力を高める効果がある。
○<ファルトレクトレーニング>
・野外の自然環境の地形を利用したトレーニング。
1.110~130拍
2.150拍
3.180拍
4.120拍
特別な人のプログラムデザイン
子供のレジスタンストレーニング
○<特殊性>
・思春期前は(
1
)が十分なレベルまで分泌されていないのでレジスタンストレーニングによって
得られる筋肥大は成人に比べて起こりにくい。
・骨端軟骨の障害は成長を阻害する可能性があるが、適切なレジスタンストレーニングによる骨端軟骨
の障害は報告されていない。
女性のレジスタンストレーニング
○<妊娠出産>
・妊娠中の適度なエクササイズは、感情の不安定化を抑制し過度の体重増加を防止する。
・高齢出産者では特に効果がでている。
・運動中の妊婦の心拍数が最大酸素摂取量の運動強度の(
2
)%以上になると、胎児の徐脈、
低酸素症の可能性がある。
【アメリカ産婦人科学会ガイドライン(一部抜粋)】
・少なくとも週3回以上規則的に運動する方が好ましい
・瞬発性の運動、飛び跳ねる運動は避ける。
・結合組織が緩んでいるので、関節の深い曲げ伸ばしは避ける。
・運動のピーク時に心拍数を計測し目標を上回らないように注意する。
・妊娠5カ月以降は、(
3
)位での運動は避ける。
・バルサルバを避ける。
・妊娠5カ月以降は、心拍数を140拍以下にする。
1.アンドロゲン
2.70
3.仰臥
高齢者のレジスタンストレーニング
・高齢者においてもレジスタンストレーニングで筋肥大が起こることが確認されている。
・レジスタンストレーニングにより HDL コレステロールの増加、インスリンの感受性を高めることが
確認されている。
○<プログラムデザイン>
・有酸素系、ストレッチング、レジスタンストレーニング、クーリングダウンから成るように構成する。
・初心者は1RM の(
1
)%で、12レプスを2セットから開始する。
・最終的には1RM の70%程度まで高める。
・1回のトレーニングは30分までとする。
1.30
危険因子を持つ人のレジスタンストレーニング
○<高血圧>
・( 1 )運動は独立した降圧作用を有する。(高血圧者において10mmHg 程度)
・高血圧者のトレーニングは1RM の40~60%の負荷で10~20レプスを30~60秒かけて
おこなう。休憩時間は15~45秒とし8~12種目のサーキットトレーニングを2~3セット
おこなう。
・バルサルバをしないように注意する。
1.有酸素運動
筋骨格系の機能解剖・バイオメカニックス
筋力に関与する因子
○<神経系>
・筋肥大を伴わない筋力の増大は神経系の改善による。
・一般に電気刺激を用いて生じる生理学的最大筋力は随意最大筋力より(
1
)%高い。
これは中枢神経系の抑制が働いているためと考えられており、かけ声を出すなどで抑制が低減される
こともある。
○<筋横断面積>
・最大筋力は筋繊維の横断面積に比例する。(神経系のより差はある)
・筋の横断面積は(
2
)に比例する。
・筋横断面積が同じならば、男女差は(
3
)
○<筋繊維の配列>
・同じ体積ならば紡錘状筋より羽状筋の方がより大きな力がだせる。
○<張力-長さ関係>
・等尺性収縮において筋繊維が発揮する張力はある長さにおいて最大値を示し、それより短いあるい
は長いと張力は減少する。
1.10~20
2.筋フィラメント数
3.ない
骨・結合組織
骨に対するトレーニング効果
・成人の骨は(
1
)単位で新生され、1年で全体の約(
・運動刺激で骨は強くなり(
3
2
)%が置換される。
)の運動が特に有効である。
・骨代謝に関わる因子は、遺伝的因子、ホルモン等の全身的因子、荷重(運動)等の局所的因子の3つ
に分けられる。
このうち、最も影響が大きいのは(
4 )で、全体の40%を担う。
・骨量は20代までに増加し、その後50代までは維持される。その後特に女性では骨量は著しく低下
する。その為、成長期に骨量のピークを高めることが骨粗鬆症には最も重要とされる。
・「骨には、荷重に応じて形態を修正し、量と構造を変化させる機能が備わっている」これを(
の法則という。
1.3~5カ月
2.30
3.クローズドキネティック
4.局所的因子
5.Wolf
5
)
関節軟骨に対するトレーニング効果
・関節運動は滑液の拡散を促進し軟骨への酸素や栄養の供給を促す事で軟骨の維持に関与する。
・関節の栄養供給は(
1
)の拡散に依存している。
・実験ではランニング等の運動で関節軟骨の肥厚と軟骨細胞の増加が生じるが、損傷された軟骨では
破壊が進行する場合がある。
1.滑液
結合組織に対するトレーニング効果
・筋膜、腱など結合組織は運動負荷により強度を増す。
・高強度のトレーニングは膠原繊維の増加を促し、筋肥大に伴い筋膜、腱ともに強くなる。
・有酸素トレーニングは膠原繊維の代謝を亢進させる。
トレーニングと心理学
・選手が主体的にトレーニングを行う場合の動機づけを(
1
)という。
○<目標設定の原理原則>
・詳しく具体的な目標
・現実的で挑戦的な目標
・短期目標を重視
・上達度が具体的かつ客観的に評価されること
○<マイナス思考>
・負けたらどうしよう、失敗したらどうしようという思いはマイナス思考に陥り実力発揮の妨げとなる。
・競技中のマイナス思考を取り除く方法として(
2
)が有効である。
これは試合中、自分自身に語りかける独り言である。
例:テニスのサーブを打つときに「入るから思い切り打つぞ」など
1.内発的動機付け
2.セルフトーク
プライオメトリックス
プライオメトリックスの基礎科学
○<プライオメトリックスとは>
・筋が伸張性収縮を行った直後に短縮性収縮を行う(=
1
)と呼ばれる一連の動作を行うことに
よって、短収縮のみの筋力よりも大きな筋力を発揮できるという性質を利用したもの。
・これは伸張反射と腱の弾性の複合的効果によるものと考えられている。
・具体例、下肢では(
2
)エクササイズ、上肢や体幹では(
3
)など
○<SCC の作用>
・SCC には以下の作用がある
1.伸張反射
2.弾性エネルギーの蓄積と利用
3.予備緊張
4.ゴルジ腱反射に対する制御機構
1.ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)
2.ジャンプ
3.メディシンボール
プライオメトリックス実施上の留意点
○<年齢>
・成長期が過ぎ骨、靭帯の発育が完了してから行う。
○<筋力>
・パラレルスクワットにて体重の1.5倍程度の挙上ができることが望ましい。
○<体重>
・体重が100㎏を超える場合にデプスジャンプを行う際は45cm 以下にする。
○<実施場所>
・芝生や体操用のマットが望ましい。
・アスファルトやコンクリートなどは禁忌である。
・体育館などのフローリングでは、適度なクッション性のあるマットを敷くか、クッション性のある
シューズを用いることが望ましい。
○<疲労状態>
・レジスタンストレーニング後や有酸素運動後の疲労が残存している場合は行うことが望ましい。
プライオメトリックスのプログラムデザイン
○<関節角度>
・競技における動作時の関節角度を考慮する。
例:走り幅跳びの踏切では、砲丸投げより膝の屈曲角度が浅くなる。
○<力の発揮方向>
・競技に応じた力の方向を考慮する。
例:砲丸投げの上肢は斜め上へのプッシュ、バレーのブロックは垂直方向の下肢など
○<量の設定>
・初心者の場合は1回のトレーニングあたり80回程度(10回×2セット×4種目)、上級者
では140回程度までとする。
○<トレーニング頻度>
・プライオメトリックスによるダメージの回復には48~72時間を要する為、中2~3日空ける
必要がある。
○<休憩時間>
・疲労が十分抜けてから次のセットを開始する。
○<タイミング>
・ウォームアップ→技術練習→スピード系トレーニング→プライオメトリックス→筋力トレーニンング
→有酸素トレーニング→クーリングダウンの順で行う。
その他の項目抜粋
○<炭水化物ローディング>
・従来の方法
試合の4~7日前に高強度運動をして筋肉中のグリコーゲンを使いきってしまう。その間は炭水化物
は極力摂取しない。
試合3日前から運動量を落とし、炭水化物中心の食事に切り替える。
これにより、筋肉中のグリコーゲン量は2倍近くになる。
しかし、体調を崩い易いというデメリットがある。
・最近の方法
試合前7日から徐々に運動量を落とし、前半は通常の食事、後半は炭水化物を多くする。
この方法でも従来型に近いグリコーゲンが筋肉に蓄えられる。
○<競技中の心理>
・競技において「負けたらどうしよう」「上手くできるか」などといったマイナス思考はパフォー
マンスを低下させる。
このマイナス思考を払拭する方法として(
1
)が有効である。
○<スピード、クイックネス、アジリティ>
・スピードとは移動スピード(短距離走など)と動作スピード(自転車をこぐ速さ)を言う。
・クイックネスとはひとつの動作の瞬発的な速さをいう(跳ぶ、打つなど)
・アジリティとは複合運動の速さをいう(オフェンスのカットラン、スキーのスラローム)
○<エクササイズを始める際のリスクファクター>
・年齢:男性45歳以上、女性55歳以上
・家族歴:両親あるいは1頭身以内に心筋梗塞または突然死がある
・喫煙:1日20本以上
・高血圧:収縮期血圧 140mmHg 以上、拡張期 90mmHg 以上
・高コレステロール血症:総血清コレステロール値が 220 ㎎/dl 以上もしくは、高比重リポタンパク
35 ㎎/dl 以上
・糖尿病:30歳以上のインスリン依存型(Ⅰ型)35歳以上のインスリン非依存型(Ⅱ型)あるいは
15年以上の病歴
・運動不足:座業従事者
上記のうち2つ以上に該当し、VO₂max 60%以上の運動をする場合は医師の判断を得る。
○<ピリオダイゼーション>
レジスタンストレーニングのピリオダイゼーションモデル
シーズン
オフシーズン
プレシーズン
インシーズン
局面
筋肥大
最大筋力
ピーキ
筋持久力
維持期
ング
強度
50~75%
60~95%
95%
量
3~6セット
3~5セット
1~3セット
10~20 回
4~8回
1~8回
1.セルフトーク
ポストシーズン
80%
積極的休養