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高
島
市
に つ い て
市章(シンボル)
『水と緑 人のいきかう 高島市』
旧6町村をそれぞれ1枚の花びらに見立て、6
町村が合併することで、互いに協力し合い、大
輪の花が咲くように発展して欲しいという願いを
込めています。
■位置・地勢
高島市は、滋賀県の北西部に位置し、総面積は
約 693 平方キロメートル(うち琵琶湖の面積 181.64
平方キロメートル)、総人口は約 5 万 1,600 人
(H26.12 月末現在)を擁しています。
市の東部は琵琶湖に、南西部は比良山地を境に
大津市および京都府に、北西部は饗庭野、野坂
山地を境に福井県に接しており、日本海側に近いこ
とから冬季の寒さは厳しく、積雪量が多い日本海側
気候です。また、晩秋には「高島しぐれ」と呼ばれる
降雨がしばしばあり、晴れ間には市内随所で美しい
虹を見ることができます。
■概要・歴史
高島市は、平成 17 年にマキノ町・今津町・朽木
村・安曇川町・高島町・新旭町が合併して誕生しま
した。この地は早くから湖西の交通の要衝として発
展し、中でも湖岸にそってはしる国道161号は、古代
には北陸道、中世・近世には西近江路・北国海道
などと呼ばれ、日本海と都を結ぶ大動脈として栄え
ました。また、朽木谷の山中を南北にはしる国道36
7号は、北国と京の都を結ぶ最短路として知られ、
塩漬けされた鯖を運搬する街道でもあったことから
「鯖街道」と呼ばれ、多くの人が行きかいました。
さらにこの地は、大津方面への湖上交通の拠点
でもあったことから港町や宿場町としても賑わい、海
津や今津には、古い商家や寺社が軒を連ねる町
並みがあり、往時の面影をしのばせています。
海津大崎の桜
白髭神社
15
歴史的には、「近江聖人」と称えられた日本陽明
ち り ょ う ち
学の始祖、中江藤樹を輩出し、「致良知(天から与え
中央分水嶺を 80km に渡って結ぶ「中央分水嶺・高
島トレイル」なども注目を集めています。
られた美しい心を絶えず磨き続け、鏡のように輝かせ
ち こ うどういつ
ること)」、「知行同一(本当の知は、実践を伴わなけ
ればならない)」などの学徳が今日に伝えられていま
す。また、数多くの高島商人(近江商人)を送り出した
土地柄でもあります。
小入谷の雲海
高島トレイル
■観光・産業等
水源を育む奥山、美しい水が人々の暮らしを潤す
里山、そして雄大な琵琶湖に至るまで、豊かな自然
に恵まれた高島市には、毎年多くの観光客で賑わ
う海津大崎の桜並木など、日本の百選に選定され
た自然景観が 13 か所あるほか、針江の川端(かば
た)に代表される、自然と人の暮らしが調和した「重
要文化的景観」が 3 か所あります。
昨年開催された「FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルラン
ニング in くつき」では、通常のトレイルコースとは別にト
レイルランニングコースが整備され、遠くは北海道や高
知から約 700 名ものランナーが集い、コースを駆け抜
けました。
川端(かばた)
年間を通して、豊かな自然を満喫できるレジャー
が人気で、樹々の香りやマイナスイオンに満ちた「森
林セラピーロード」、日本海側と太平洋側を分ける
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市内には酒蔵が5つあるほか、酢、醤油、味噌
などの醸造元があり、家庭でも鮒ずしや鯖のなれず
しが漬けられるなど、古くからの発酵食文化が息づ
いています。こうした発酵食文化は、美容や健康へ
の関心からも注目され、平成 25 年には「全国発酵
食品サミット in たかしま」が、26 年には「発酵食文化
カレッジ」が開催されるなど、市内外に広く発信され
ています。
地場産業では、安曇川地域の扇骨生産が国内
シェアの 90%以上を占めるほか、高島ちぢみ(綿ク
レープ)、高島颿布(帆布)など、豊かな水が育ん
できた綿織物産業も盛んです。
鯖ずし
和ろうそく
高島扇骨
■名産・特産
鮒ずし、鯖のなれずし、鯖ずし、ウナギ、あゆ佃
煮、その他淡水魚の各種加工品、地酒、富有柿、
いちじく、風車メロン、アドベリー(ボイズンベリー)、し
いたけ、万木(ゆるぎ)かぶら、山菜加工品、とちも
ち、丁稚ようかん、そば、雲平筆、高島扇骨、高島
織物(綿クレープ、帆布など)、和ろうそく など
高島颿布の鞄
■主な観光名所
海津の町並み、海津大崎の桜並木(日本さくら名
所百選)、マキノ高原(マキノスキー場、マキノ高
原温泉さらさ)、マキノ高原のメタセコイア(颿通り、
琵琶湖周航の歌資料館、生杉のブナ原生林
(日本の紅葉百選)、小入谷の雲海、グリーンパ
ーク想い出の森、朽木温泉てんくう、道の駅朽木
新本陣の日曜朝市、道の駅藤樹の里あどがわ、
近江聖人中江藤樹記念館、ガリバー青少年旅
行村、畑の棚田(日本の棚田百選)、高島びれっ
じ、大溝城址、八ッ淵の滝(日本の滝百選)、針
江生水の郷、新旭水鳥観察センター、中央分水
嶺・高島トレイル
あゆ佃煮
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大会山域の主な地名
【全 体 】
高島市
野坂山地
比良山地
安曇川
知内川
小荒路
蛭口
たかしまし
のさかさんち
ひらさんち
あどがわ
ちないがわ
こあらじ
ひるぐち
百瀬川
追坂峠
竹生島
都 久夫須麻神 社
海津
饗庭野
駄口
ももせがわ
おっさかとうげ
ちくぶしま
つくぶすまじんじゃ
かいづ
あいばの
だぐち
【大 谷 山 コース】
さなみ
酒波
ひおきじんじゃ
日置神社
いまづ
今津
だいらいけ
平池
おうみざか
近江坂
おおみかげやま
大御影山
ぬけど
抜土
【乗 鞍 岳 コース】
あらちごえ
愛発越
国境高原
くにざかいこうげん
乗鞍岳
のりくらだけ
在原
ありはら
芦原岳
あしはらだけ
猿ヶ馬場
さるがばんば
黒河峠
くろことうげ
三国山
明王ノ禿
赤坂山
粟柄越
ブナの木平
八王子川
調子ヶ滝
みくにやま
みょうおうのはげ
あかさかやま
あわがらごえ
ぶなのきだいら
はちおうじがわ
ちょうしがたき
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白石平
大谷山
石庭
寒風
淡 海 湖 (処 女 湖 )
しらいしだいら
おおたにやま
いしば
かんぷう
たんかいこ(しょじょこ)
【蛇 谷 ヶ峰 コース】
鹿ヶ瀬
黒谷
畑
横谷峠
須川峠
蛇谷ヶ峰
ししがせ
くろたに
はた
よこたにとうげ
すがわとうげ
じゃだにがみね
朽木
柏
知善寺谷
入部谷
くつき
かせ
ちぜんじだに
にゅうべだに
大 会 コ ース 概 要
2日目 「高島トレイル」 ・ 乗鞍岳コース
バスで国境高原スノーパーク駐車場まで移
動し、スタートとなる。ここが「愛発越(あ
らちごえ)
」
、奈良時代の関所がこの近くにあ
り、北陸道の要衝であった。現在は、福井県
との県境であり、
「高島トレイル」の出発点
でもある。本日の行動は、全コースチーム行
動となるので、くれぐれも慎重に進んでほし
い。スタートし、スキー場のゲレンデの南端
を登っていくと、正面に鉄塔が見えてくる。
ゲレンデ最上部を右に折れ、登山道に入って
いく<1>。
<2>
尾根道を行くと、途中大きく左に曲がる地
点がある<3>。
まっすぐに行く道も付いているので、ここ
はしっかりと地図を確認したい。
<3>
ここを過ぎると、稜線がはっきりとしてく
る。福井県側の野坂岳(のさかだけ)
、岩籠
山(いわごもりやま)も見えてくるころに
は、広いブナ林の中にいることが体感でき
る。さらに、ひと登りで乗鞍岳(のりくらだ
け)に到着である。道標には乗鞍岳と明記さ
れているが、ここは狭く休憩にはあまり向か
ない<4>。
<1>
黄色い『高島トレイル』と書かれたテープが
所々に張ってあるが、少しわかりにくいので
注意したい。小さな尾根にでると三叉路を示
す道標が立っている<2>。我々が来た道の
方向には、
「国境スキー場」を示す表示があ
り、ここを左に曲がろう。
19
渡せる。このコースの最高の景色が見られる
場所の一つである。
ここにはマキノの在原という集落からの林
道が通っており、アスファルトの道に驚か
されるかもしれない。緊急時などはここか
ら林道を下山することもある。電波塔を過
ぎ、前に見える広場に向かい、広場の右横
から再び登山道に入る<6>。
<4>
ほんの少し先に大きな電波塔が見えてくる
ので、そこまでは頑張ろう。電波塔の下は広
く草も刈られた平地で、琵琶湖が南に一望で
きる。最高の休憩ポイントだ<5>。
<6>
しばらく稜線の北側をトラバースし、再び
稜線に戻り緩い尾根を北上する。ところどこ
ろブナの大木も見られるようになる。開けた
場所に立つ鉄塔を左に曲がり<7>、芦原岳
分岐に向かう。
<5>
さらにその先に電波塔が見える。小さなは
しごを2つ通過すると二つの電波塔に到着す
る。夏の最盛期の登山となるので、熱中症予
防のためにここで水分補給をしておく必要が
ある。この辺りは冬の雪の多さから大木がな
く、天気が良ければ、遠く白山や日本海が見
<7>
20
芦原岳への分岐は左折し、関西電力の福井
側から京都・大阪に伸びるいくつもの大きな
鉄塔が、目の前に見えてくると、コースは日
本海に一番近いところを通っている。真下に
は敦賀の町や真っ青な若狭湾が、手に取るよ
うに見えている。ここから電線がどこにもつ
ながらない不思議な鉄塔が3本コース沿いに
立っている。
<9>
トイレのすぐ先で赤坂山(あかさかやま)
への登山道に入る。少し進むと別の林道にで
る。左折し 50mほど進み再び登山道に入
る。トラバース気味に進むとアザラシ岩とい
う岩が現れる。ここから傾斜が急になり登り
切ると、木道のある場所につく。この辺りは
小さな高層湿原で、かなり乾燥しているが木
道から外れないように歩きたい<10>。
<8>
3本目の不思議な鉄塔を過ぎ、南南西の尾
根を進み小さなコルを右折する<8>と「猿
が馬場(さるがばんば)
」と呼ばれるブナ林
の美しい緩やかな源谷にでる。急な坂を下れ
ば、そこが「黒河(くろこ)峠」である。こ
の先、林道を進むとすぐに立派なトイレがあ
るので、休憩に適している<9>。山奥のト
イレの維持がどれほど大変かは、登山者なら
考えなくてはいけない。大切に使用させてい
ただこう。ここからは林道がマキノ高原へと
向かっているので、緊急時にはここを下山す
ることになる。
<10>
小さな沢を過ぎ、三国山への分岐に出るが
山頂へは登らない。小さな沢をいくつか過
ぎ、大きな右カーブをすぎると目の前にガレ
場が見える。
「明王ノ禿(みょうおうのは
げ)
」である。花崗岩が風化してできた地形
で、砂のザレ場で足元を取られやすいので注
意して通過してほしい。ここは琵琶湖側が切
れ落ちており、登山道そのものに危険な箇所
21
はないが、鎖やロープで区切られた立ち入り
禁止区域には絶対に入ってはいけない<11
>。この付近は、以前は水晶がよく採れた。
今でも小さなものは足元にあるかもしれな
い。きれいな結晶を見ると、自分だけの宝石
に感じられる。
この道も古くから近江と若狭を結ぶ道で、
所々にはまだ平たい石が置かれている<13
>。イワカガミやカタクリ、ドウダンツツジ
など季節ごとに様々な花が咲いている。一度
平たい尾根に出るところが、
「ブナの木平
(ぶなのきだいら)
」で、立派な東屋が登山
者を迎えてくれる。
<13>
<11>
大きな東屋だが、冬には雪でこの東屋が埋
もれることもある。調子ヶ滝への分岐を過
ぎ、急な坂を下るとやがてスキー場が見えて
くる。ここがマキノ高原キャンプ場である。
緩やかとはいえ、スキー場のゲレンデなので
斜度が少しある、幕営時には就寝時の頭の方
向などにも気を使いたい。
さて、先を急ごう。小さなアップダウンを
過ぎると赤坂山(あかさかやま)頂上に出
る。広い頂上で、いつもマキノ高原側から多
くの登山者でにぎわっており、近頃は山ガー
ルブームでこの山が脚光を浴び、新しくカラ
フルな装備で楽しそうな登山者も結構多い。
頂上から少し下ると「粟柄越(あわがらご
え)
」に出る<12>。一つ目の分岐は福井県
へのもので、二つ目は寒風へと続くトレイル
とマキノ高原への分岐である。我々はここか
ら下山を開始しよう。
3日目 比良山系 ・ 蛇谷ヶ峰コース
今朝はマキノ高原から場所を移動し、比良
山系の北にある蛇谷ヶ峰(じゃだにがみね)
を目指すことになる。昨日とは異なり、メイ
ンザックを担ぎ、
隊行動での登山行動となる。
比良山系の主稜線は Y 字型に広がるが、この
Y の北側の大きな谷に鴨川が流れている。こ
の鴨川上流にある集落が黒谷や畑である。マ
キノ高原から、バスで鴨川沿いの黒谷地区ま
で移動する。一時間程度かかるので、トイレ
は乗車前にすませておくこと。また、バスの
降車は交通量が少ないとはいえ、一般の道路
<12>
22
上なので指示に従い安全に通行すること。降
車後バスの降車場から、200mほど歩き黒谷し
ゃくなげ運動公園に集合し、ここから登山行
動を開始する<14>。
瓶岳(つるべだけ)
・武奈ヶ岳(ぶながだけ)
に通じる比良山系の主稜線である。われわれ
は、峠で右折し北上していく。途中、701mの
標高点をこえ、アラ谷峠の看板を通過すると
小さな峠にさしかかる。
ここは須川
(すがわ)
峠というが、ボボフダ峠とも呼ばれてきた。
ここからは、広い尾根がつながり、主稜線と
いうのにすぐ左に谷が存在するという面白い
地形がみられる。この付近は、雄大な蛇谷ヶ
峰のふところを感じられる樹林帯の中、緩や
かな登りが続く。一度左に曲がり急登を登る
と、再度主稜線に出る。ここからは頂上はす
ぐそこだ。ここが本日の最高点、蛇谷ヶ峰の
本峰である。琵琶湖側の景色は美しく、山頂
部も広いので是非休息をしてほしい。天気が
良ければ北に加賀の白山も望め、西には鈴鹿
山脈から伊吹山(いぶきやま)が見渡せ、そ
の手前に大きく琵琶湖が横たわっている。
山頂からは登山道が西と北東に延びている。
西の道は朽木大野(おおの)への下山路であ
る。今回は北東側へ降りる。急な稜線を降り
るとすぐに「さわらび草原」への分岐がある
が、左折して北西の方へ下る。300mほど進む
と、また分岐点となっている。北に向かう尾
根道を下る。西に向かう「カツラの谷」への
道は 2013 年に台風で崩落し、通行不能である。
道標もあるので注意したい。ここからはかな
り急な下りで、木の階段になっているところ
もあるが、それが崩れてかえって歩きにくく
なっているところもある。尾根を 700m程下
ると 557mを示す標識の分岐に出る。この分
岐は左に進み北西への尾根を下る。下りきる
と林道に出る。いきものふれあいの里センタ
ーは現在閉鎖され、施設も撤去されている。
車道を 100mほど進むと、
「グリーパーク想い
出の森」への看板が現れる。
<14>
畑へのアスファルト道をつめると、公衆ト
イレの併設されたバス停に出る。ここを左に
曲がり、ほぼ直登するように棚田の中を歩い
て行く。琳明寺への道に入りお寺の直前で左
に曲がり、さらに谷沿いを登って行く。ここ
までの間は、
民家のすぐ横を歩くことになる。
早朝に通過するということもあり静かに行動
してほしい。谷をあがると、フェンスのある
林道に出る。
獣除けの電気も通っているので、
気をつけて通過し、通過後には忘れずにフェ
ンスを閉めてほしい。林道は比良山の下をト
ンネルで通り抜け朽木へつながっているが、
現在は土砂崩れのために通行不能である。林
道には横谷(よこたに)峠への登山道を記す
標識があるので、それに従い登山道に入る。
小さな谷沿いを登っていき、やがてジグザ
グの登りとなる。高低差 200m ほどで、稜線に
出る。ここが横谷峠である。以前、登山雑誌
に「ヨコタ峠」と間違って紹介されて以降、
この地名がよく使われている。今大会では、
本来の地名で記載するが、コース案内などに
はまだ「ヨコタ峠」と書かれているところも
あるので注意してほしい。この峠から南は釣
23
スタートすると、公園の中央の道を登山口
まで移動する。大きな階段があるので、注意
してほしい。そこからはアスファルト道をし
ばらく歩き、左に回り込むように進み、分岐
を未舗装の道へと右に折れると登山口は左手
に見えてくる。小さな谷をわたると尾根道が
続いていく。道は分岐に出会うが、
「バイパ
ス」と書かれた方を登っていく。バイパスの
終点の分岐に看板がある。この看板にある
「近江坂」方面に従って下って行くと、元の
場所に帰る羽目にあう。コンパスで確認して
坂を登っていってほしい。ゆったりとした尾
根を登って行くと、途中滝谷山(たきたにや
ま)への分岐を過ぎ、やがて林道出合に着
く。女子はここまでがチーム行動区間であ
る。男子は抜土までがチーム行動なので、間
違えないようにしてほしい。林道を過ぎ、尾
根を登っていくと、やがて大きな稜線が見え
てくる。稜線方向への分岐があるが、ここが
「近江坂分岐」である。登山道はまっすぐに
大御影山(おおみかげやま)から三重嶽(さ
んじょうがだけ)へと続くが、この分岐を右
に折れる。ここからがいよいよ 4 日目の中央
分水嶺「高島トレイル」である。大きな分岐
だが、ここはかなり分かりにくいので注意が
必要だ。
「近江坂」というのは、これも近江
と若狭の交易路で、峠を指す言葉でなく道を
指す言葉であった。ところが、近頃の「高島
トレイル」の登山レポートなどは大御影山へ
の分岐を「近江坂」としているものが多い。
間違えないようにしてほしい。分岐を曲がる
と道は下りで、視界も良くない。この下りは
かなり踏み跡も判断しにくく、雨の後はぬか
るみとなる。注意して降りる必要がある。下
りきって林道に出て、100mほど進んだ林道
の分岐点が「抜土(ぬけど)
」である。<16
>林道は見えているが、平坦になった所から
林道へは分かりにくい。どこから出るのかわ
からないということのないよう、ここでもコ
<15>
ここを下り「オグラス山吊橋」<15>で谷を
越える。蛇谷ヶ峰を朽木の人たちは「オグラ
ス山」と呼んでいる。向かいの小さな尾根に
とりつくと右手に本日のゴールの屋根つきの
グリーパーク想い出の森「多目的広場」に到
着する。男子はこの施設内にある温泉「てん
くう」に入浴してからバスに乗車、女子は下
山後すぐにバス乗車の予定であるので、行動
に注意してほしい。
集合時間は指示するので、
それに従い集合しバスに乗ってマキノ高原へ
帰ることとなる。
4日目 「高島トレイル」 ・ 大谷山コース
今日はバスでマキノ高原から「ビラデスト
今津」まで移動する。バスは 40 分ほどで、
「ビラデスト今津」に着く。ここは、標高
500m近くに作られた、キャンプ場や遊具が
点在する野外施設である。駐車場を降りる
と、すぐ横の施設「森のふしぎ館」に集合し
てもらう。この前が今日のスタート地点とな
る。スタート地点の横の展望台からは、琵琶
湖をはさんで伊吹山から鈴鹿山脈が屏風のよ
うにそびえている。滋賀県の主な山がほとん
ど見渡せるポイントである。
24
ンパスで方向を確認することが大切である。
浜町の向こうに若狭湾も見えている。ここか
らは展望の広がる稜線を北上する。周りの開
けた大きなコルを一つ越えると、灌木地帯に
なり、そこを抜けるとまた琵琶湖が大きく見
渡せる。ここが、
「寒風(かんぷう)
」の山頂
である。山頂とはいうものの、地形図による
と最高標高点はもう少し北西側になってい
る。ただし、積雪期でもなければ容易にそこ
には行けない。日本海からの風はこの稜線に
吹きつけ、少しでも天候が荒れると名前の通
り「寒風」となる。しかし、君たちが8月に
ここへ登頂した時には、たぶんまだまだ汗ま
みれの状態で、
「どこが寒風か!」と感じる
ことと思うかもしれない。少しでも涼しい風
が諸君を歓迎してくれることを祈るだけであ
る。この山頂も分岐になっており、稜線をた
どれば 2 日目に歩いた赤坂山方面へ出られ
る。この稜線も大変景色のよい気分の良いと
ころなので、ぜひまたの機会に訪れてほし
い。我々は、ここから「マキノキャンプ場」
方面へ下山を開始することとしよう。ここか
らは、急な尾根をジグザグに、とにかく一気
に下って行く。西山林道への分岐は左に折
れ、樹林帯を下って行くと、やがて急に前方
が開ける。マキノスキー場に着いたのだ。こ
こからはゲレンデを大きく左右に横切った先
から、まっすぐ下り、橋を渡ると「マキノ高
原キャンプ場」
。大会のコースの終了点、感
動のゴールである<17>。
<16>
抜土へ若狭・美浜から登ってくる立派な林
道には、コンクリートや鉄柵の車止めがつい
ており、福井県と滋賀県の県境になってい
る。男子はここまでがチーム行動の予定であ
る。監督と集合して、パーティーごとに山行
を楽しんでほしい。抜土は一息つくには良い
ところである。右手の林道をそのまま歩き、
左手の尾根を登り返す。左手の林道をしばら
く進んだところにも登山口があるが、こちら
は分水嶺ではなく、今回のルートではない。
抜土からの登り口もかなり分かりにくく、テ
ープを目印にしなければ、ここがルート?と
思うような、かなりの急登である。しかもこ
のあたりは、大きな木が林をなし、周りは見
渡せない。一気の登りが終われば、後は快適
な稜線が待っている。やがてブナの林を過
ぎ、灌木地帯に出る。今回は、このまま稜線
「高島トレイル」を進む。平たい稜線なの
で、どこが道なのか不明なところもあるが、
東に延びる稜線をはずれずにコンパスに従っ
て進めば問題はない。周りが開けた平坦地に
出ると、
「石庭(いしば)
」というマキノの集
落への分岐に出る。このあたりは石灰岩の露
頭が現れるカルスト地形で、
「白石平(しら
いしだいら)
」と呼ばれている。すぐそこに
大谷山がその平たい山頂を見せている。山頂
からの展望はすばらしく、赤坂山からよりも
琵琶湖が大きく感じられ、北側には福井県美
<17>
25
各隊の行動計画
(1) A隊の行動予定表
時刻
3
4
5
6
7
8
9
1
日
目
8
月
7
日
(
木
)
時刻
11
登
山
隊
編
成
12
13
諸
審
査
開
始
コ バ マ
ー ス キ
ス 発 ノ
高
隊
原
編
成
14
15
16
17
18
19
20
21
消
灯
幕
営
地
・
引
継
式
3
4
起
床
2
日
目
8
月
8
日
10
開
会
式
5
引
継
式
*
テ
ン
ト
は
張
っ
た
ま
ま
移
動
乗
鞍
岳
コ
ー
ス
(
金
)
6
バ
ス
発
車
・
移
動
国
境
高
原
ス
ノ
ー
パ
ー
ク
到
着
・
出
発
7
8
9
乗 電
鞍 波
岳 塔
②
10
黒
河
峠
12
13
14
赤 ブ マ
坂 ナ キ
山 の ノ
木 高
平 原
11
幕
営
地
・
引
継
式
幕
営
審
査
15
交
流
会
・
写
真
撮
影
16
17
18
19
20
炊
事
21
消
灯
← チ ー ム 行 動 ・ サ ブ 行 動 →
時刻
3
4
5
起
床
3
日
目
8
月
9
日
蛇
谷
ヶ
峰
コ
ー
( ス
土
)
時刻
4
日
目
8
月
1
0
日
(
日
3
4
起
床
大
谷
山
コ
ー
ス
6
引
継
式
・
マ
キ
ノ
高
原
駐
車
場
集
合
5
バ
ス
発
車
・
移
動
6
引
継
式
・
バ
ス
出
発
7
8
黒 畑
谷
到
着
・
出
発
9
横
谷
峠
10
11
蛇
谷
ヶ
峰
(
大
休
止
)
7
8
9
ビ 出
ラ 発
デ
ス
ト
今
津
到
着
林
道
出
合
近 抜
江 土
坂
分
岐
10
12
グ
リ
ー
ン
パ
ー
ク
想
い
出
の
森
11
13
入
浴
(
希
望
者
の
み
)
12
大 寒
谷 風
山
14
バ
ス
発
車
13
マ
キ
ノ
高
原
15
幕
営
地
・
引
継
式
16
幕 講
営 話
審
査
14
15
解
散
式
各
宿
舎
17
18
19
20
炊
事
16
17
18
19
20
)
← チ ー ム 行 動 → ← パーティー 行動 →
上記の予定時刻については、あくまでも目安です。詳細な時間設定を含め、現段階ではお答えできません。
チーム行動に設定される「規定時間」・「制限時間」などは、「審査に関する連絡」及び「予報第2号」でお知らせします。
26
21
消
灯
21
(2) B隊の行動予定表
時刻
3
4
5
6
7
8
9
10
11
開
会
式
1
日
目
8
月
7
日
12
13
諸
審
査
開
始
コ バ マ
ー ス キ
ス 発 ノ
高
隊
原
編
成
幕
営
地
・
引
継
式
12
13
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坂 ナ
山 の
木
平
マ
キ
ノ
高
原
幕
営
地
登
山
隊
編
成
(
木
)
時刻
2
日
目
8
月
8
日
3
4
5
起
床
引
継
式
*
テ
ン
ト
は
張
っ
た
ま
ま
移
動
乗
鞍
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コ
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ス
(
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)
時刻
6
7
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高
原
ス
ノ
ー
パ
ー
ク
到
着
・
出
発
バ
ス
発
車
・
移
動
8
9
乗 電
鞍 波
岳 塔
②
10
11
黒
河
峠
3
4
5
起
床
6
引 バ
継 ス
式 発
車
・
移
動
蛇
谷
ヶ
峰
コ
ー
( ス
土
7
8
黒 畑
谷
到
着
・
出
発
9
10
横
谷
峠
11
12
(
日
)
16
17
18
19
20
21
消
灯
14
15
交
流
会
・
写
真
撮
影
13
蛇
谷
ヶ
峰
3
(
大
休
止
)
4
起
床
大
谷
山
コ
ー
ス
5
6
引 バ
継 ス
式 発
車
7
8
ビ 出
ラ 発
デ
ス
ト
今
津
到
着
・
出
発
9
林
道
出
合
← チーム行動 →
10
近 抜
江 土
坂
分
岐
14
グ バ
リ ス
ー 発
ン
パ
ー
ク
想
い
出
の
森
)
4
日
目
8
月
1
0
日
15
16
17
18
19
20
炊
事
21
消
灯
← チ ー ム 行 動 ・ サ ブ ザ ッ ク 行 動 →
3
日
目
8
月
9
日
時刻
14
11
12
大
谷
山
13
寒
風
15
幕
営
地
・
引
継
式
16
幕 講
営 話
審
査
14
15
マ 解
キ 散
ノ 式
高
原
各
宿
舎
17
18
19
16
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消
灯
17
18
19
← パ ー テ ィ ー 行 動 →
上記の予定時刻については、あくまでも目安です。詳細な時間設定を含め、現段階ではお答えできません。
チーム行動に設定される「規定時間」・「制限時間」などは、「審査に関する連絡」及び「予報第2号」でお知らせします。
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炊
事
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