平成27年度 1号(4月6日発行)

附属札幌中学校「学校だより」
北海道教育大学
附属札幌中学校
藤 房
生命・自然・身体
平成27年4月6日発行
№1
校
長
佐藤
昌彦
生命・自然・身体。それらはいつも附属札幌中学校の全校生の皆さ
んへ、一人一人が自らの価値観を形成するためのキーワードとして、
具体的な事例を含めながらいろいろな教育活動の場で伝えてきた視点
です。そうした生命・自然・身体という視点を、3 月の下旬、新潟県
上越市で開催された教育に関する全国的な学会でも、今後の日本の教
育の方向を考える際のキーワードとして提起しました。職種や立場な
どの違いにかかわらず、生命・自然・身体は、ものごとを考えるため
の重要な土台になるからです。新年度のスタートにあたり、あらため
て生命・自然・身体に関する要点を整理しておきたいと思います。
生命。災害、事故、事件などはすべて生命の問題に収斂されます。
東日本大震災に伴う原発事故では、自然環境が大量の放射性物質で汚染され、放射線量の高い地域には、
長期間、立ち入ることができなくなりました。また、生命の共存は日本だけの問題ではありません。戦
争という惨禍を考え合わせれば、生命の共存が人類共通の最重要課題となるからです。5 月に行われる
長崎への修学旅行はこのことを深く学ぶ貴重な機会になります。
自然。生命を守る基盤であると言えます。人間は自然の一部。自然に支えられてこそ、生きることが
できるからです。自然に逆らっていないか、自然に無理をかけていないか、自然の理にかなっているか。
先人が大切にしてきた自然への畏敬の心を回復すること。それは日本の教育の大きな課題です。
身体。
「生命」
「自然」という価値を実感として学ぶために欠かすことができない視点になります。前
回の「学校だより」ではその事例としてアイヌの人々の伝統的な楽器である口琴(ムックリ)製作につ
いて述べました。材料としての竹を削るプロセスは「自然に逆らっていないか」「自然に無理をかけて
いないか」
「自然の理にかなっているか」という問いに答えるプロセスと言えるからです。
学会で提起した際の根拠は、目の前の事象だけではなく、過去・現在・未来を俯瞰した結果に基づい
て提示しました。たとえば、過去については、戦後(1945 年以降)日本の教育での生命・自然・身体に
着目した系譜に関する検証結果を示しました。現在については、フィンランドや中国での教育視察の結
果を述べました。未来については、3Dプリンターが登場する時代の教育に関する考察結果を示しまし
た。この3Dプリンターに関しては北海道教育大学札幌駅前サテライトで公開シンポジウムも開催しま
した。未来を見通した教育の在り方(3Dプリンターが登場する時代の教育の在り方)を全国に先駆け
て北海道から発信したいと考えたからです(何を大切に考えて教育を組み立てればいいのか)
。
平成 24 年 4 月の「学校だより」には次のように記しました。
「東日本大震災での交通機関の麻痺や原
発事故による屋内退避によって、私が札幌へ戻ることができず、福島にいることを知った北海道の多く
の方々から、たくさんの飲料水や米、魚、野菜、果物、保存食料などを送っていただきました。一つ一
つが届くたびに、北海道の方々のあたたかな心を強く感じ、感謝の思いでいっぱいになりました。一番
たいへんな時に助けていただいた御恩にお応えできるよう、『価値観の形成』という基軸をふまえなが
ら、北海道の子どもたちの教育に全力で取り組んでいきます。」そうした思いは、附属札幌中学校の生
徒の皆さん、保護者の皆様、関係者の方々と共に過ごすなかで、いっそう強くなっています。本年度も
教職員全員でよき教育環境をつくっていきたいと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
「挑戦が力を生み、継続が力を深める」
「今年度、附属札幌中学校に着任しました副校長の三浦
副校長
三浦
英悟
英悟
(みうら えいご)と申します。平成16年度から平成22年度ま
での7年間附属中学校で勤務し理科を教えておりました。この度、
伝統ある附属札幌中学校へ再度勤務することができ大変うれしく
感じております。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
平成26年12月3日に「はやぶさ」の2号機が発射されたニュ
ースが放送されました。このニュースを見て、遡ること4年前の平
成22年6月13日に小惑星探査機「はやぶさ」がミッションを終
了して、地球に何とか帰還した時のことを思い出しました。当時は、
その様子が何度もニュースで流れていたのがつい先日のように思い出されました。この帰還の様子は、
映画「ハヤブサ」にもなったほど日本をはじめ世界中の大きな出来事になりました。「はやぶさ」のこ
のミッションは小惑星のサンプルを採取することでした。もし、小惑星からサンプルを持ち帰る技術が
確立されれば、
「惑星が誕生したころの太陽系星雲内の様子がどうであったのか」についての手がかり
を得ることができます。いわば、小惑星は惑星が誕生したころの記録をとどめている化石のような天体
だと言われています。この化石を持ち帰る目的で、「はやぶさ」は、平成15年5月9日に打ち上げら
れ、平成22年6月13日に帰還しました。「はやぶさ」が実際に回収したカプセルには、小さな微粒
子が入っていて、直径 1 ミリメートルほどの微粒子十数個、10 マイクロメートル(1マイクロメート
ルは1ミリの 1000/1)以下の微粒子を約 3,000 個捕獲することができました。その小さな小さな粒子に
は、地球誕生の秘密がたくさんつまっています。この大きな成果をうむために、発射から7年もの間に、
どれほどの困難があったのか計り知れません。燃料漏れ、地球との交信の遮断、イオンエンジンと化学
エンジン故障、姿勢を保つ装置故障など、常に数多くのトラブル発生の連続でした。しかし、出来るこ
とを一つ一つ解決して、何とか地球に帰還したことが、人の心を強く感動させたものだと思います。し
かし、すべてのトラブルが、順調に解決されたわけではありません。どのトラブルも今まで一度も経験
したことのないことです。失敗を改善するために、どんなに小さなことでも可能性を信じて、実行し続
けた結果です。これが、地球にとっての大きな一歩につながりました。そして、大きな成果を残して、
ハヤブサのミッションが完了しました。
「挑戦が力を生み、継続が力を深める」これは、
「はやぶさ」のキーメッセージです。
附属札幌中学校では、以前から、「自ら考え自ら行動すること」を大切にしてきました。授業でも学
習課題を大切にしていることはそのためです。さて、附属中学校の皆さん、今年1年、いろいろなこと
に挑戦をして、試行錯誤しながらも継続することを大切にしてください。自分で考えて(意思決定して)
挑戦すること、それを継続することに大きな価値があります。そして、「はやぶさ」のような大きな成
果が必ずうまれます。応援していきます。
保護者の皆様、お子様のご進級、ご入学おめでとうございます。学校では、保護者のみなさまと一緒
に、お子様の成長に向けて全力で取組みを行ってまいります。本校の学校教育へのご理解とご協力をよ
ろしくお願いいたします。
新任の教職員の紹介
今年度も新しく着任した8名の教職員を迎え、新たな気持ちで教育活動を推進していきます。今後と
もよろしくお願いいたします。
・副校長
・数学科教諭
・養護教諭
三浦 英悟 先生(札苗中学校より)
長谷川 英和 先生(福井野中学校より)
今田 琴歌 先生(留萌高等学校より)
・国語科講師
祢津
・社会科講師
檜田 悠太 先生
・理科講師
寺田 和史 先生
・用務員
関口 裕昭 さん
・心の相談員
山内 紗綾 さん
豊 先生
今年度の附属札幌中学校の教職員
INFORMATION
例年、年度初めにお伝えしておりますが、以下の内容について改めて保護者の皆様にご確認いただき、
ご協力をお願いいたします。
本校行事、PTA活動への参画について~共にあゆむ姿勢を大切に
本校では、
「共創の学校」の理念を大切にし、互いに学び合い、高まり合うことができる場としての
学校を目指しています。子どもの学びの姿を中心として、特に、保護者と教師が同一方向に向かって子
どもたちの成長を見守っていきたいと願っております。お忙しいとは存じますが、学校で行われる様々
な活動に積極的に出席していただければ幸いです。保護者と学校が共にあゆむ姿勢を大切にする本校行
事、PTA活動への参画を今年度もお願いいたします。
入校許可証について
学校での安全管理の徹底のため、来校者には入校手続きをお願いしております。保護者の皆様につき
ましては、入校証の提示によってその手続きを省かせていただいております。ご来校の際には入校証を
忘れずにご持参ください。
欠席・遅刻等の連絡は直接お電話で
お子様が欠席または遅刻をする場合、必ず保護者の方から学校へ電話連絡をするようお願いいたしま
す。特に本校は広域通学ということもあり、子どもたちの安全管理を考えますと始業時の登校状況の確
認が必要です。朝のお忙しい時間帯とは思いますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
その際、教職員の朝の打ち合わせが8:25~8:35に行われますので、8:15までに連絡をし
ていただくようお願いいたします。保護者の方と学級担任が、直接お話できることが理想と考えており
ますので、FAXでの連絡はご遠慮ください。
また、お子様が体調を崩したときなど、学校から早退しなければならない場合につきましては、保護
者の方にお迎えをお願いしております。確実に保護者の方と連絡が取れるよう「家庭環境調べ」の保護
者の連絡先につきましては、携帯電話等の番号を記載いただければ幸いです。
プリント等の配付物について
年間を通じて、学校から発行されるプリント等の配付物が多くあります。中学生になると、保護者宛
てのプリント等が保護者の方に渡らない場合があり、学年が上がるにつれてその傾向が強くなるようで
す。プリント等の配付物は学校の様子の紹介や重要な内容のものと様々ですが、お子様には、学校から
の配付物は漏れなく保護者に見せるよう指導しております。ご家庭におかれましても、学校と同様にお
子様に声をかけていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
個人情報ポリシーに関してご理解・ご協力を
本校では、生徒および保護者の方々の権利利益を保護するために、「個人情報の保護に関する法律」
および関連政省令、指針等に基づき個人情報保護に向けて取り組んでいます。個人情報につきましては、
その使用目的の範囲内で収集し、適正な管理と保護に努めておりますことにご理解ください。また、以
下の三点につきまして、ご協力をお願いいたします。
1.
「家庭名簿」の配布について
本校は広域通学という性質上、各ご家庭で電話連絡が必要となる場合が出てきます。そのため、「家
庭名簿」を、学級内限定として配布いたします。なお、取り扱いにつきましては、各ご家庭でご留意い
ただき、決して外部には漏らさないよう、お願いいたします。
2.
「一斉連絡応答システム」について
緊急時等の連絡手段として、本校では、「一斉連絡応答システム」を取り入れております。緊急時の
みならず、PTA 関係の連絡、修学旅行等における連絡等においても活用しているところです。ご家庭で
希望され、登録していただいた携帯電話やスマートフォンに、学校から一斉メールを配信するものです
が、流出することのないよう留意いたしますので、メールアドレスの登録にご協力ください。
3.研究紀要、学校だより、学年だより、ホームページ等における顔写真の掲載について
本校は研究推進校として、子どもたちがよりよい学びをすすめるための研究に取り組むことが使命の
一つです。研究紀要の発行などを通じて全道・全国に発信しておりますが、この時、研究成果を示すた
めに、子どもたちが真剣に学ぶ姿を写真で掲載しております。また、この写真は、学校だよりやホーム
ページ上にも転用されます。子どもたちの学ぶ姿、活動する姿が掲載されることをご承知ください。
また、学年だよりでは、子どもたちの作文を写真付きで掲載させていただく場合があります。学年だ
よりは外部には配布せず、該当学年のご家庭にのみ配布するものです。ご理解いただければ幸いです。
以上、個人情報に関わる本校の方針と掲載のご依頼をさせていただきましたが、この件につきまして、
様々なご事情により、顔写真の掲載等に不都合なご家庭がありましたら、主幹教諭(寺田)まで、ご連
絡いただきますようお願い申し上げます。
本校駐車場の利用について
保護者の方が本校に来校される場合、多くの方が自家用車を使用されています。全校行事や小学校と
行事が重なるときなどは駐車場が混雑します。駐車場の利用について以下のようにお願いいたします。
□警備員や係員の指示に必ず従ってください。
□図の①、②の駐車場がいっぱいの場合は矢印に沿って通路の左側に寄せて縦列駐車をお願いします。
くれぐれも左右両側に駐車しないようお願いします(両側に駐車すると進めなくなります)。
□縦列駐車がいっぱいになった場合は、大学テニスコート横の③の駐車場を利用してください。
□お帰りの際は矢印の方向に一方通行でお進みください。
□×印及びバスベイには進入・駐車しないようお願いいたします。
※警備員、担当者の指示に従ってくださ
い。
※校舎前の駐車場に止められない場合は、
矢印の通路に駐車されても結構です。そ
の場合、左に寄せ、他の車が通れるよう
にしてください。
※バスベイは駐車禁止となっております。
③
②
①
②
Sマート
の場所が駐車可能場所で
す。
□「共創の学校」の理念に基づき、新しい出会いを大切にしましょう。
□お子様が、新しい学年・学級においてよいスタートをきれますよう、ご家庭において
も支援をお願いいたします。
日(曜日)
行事等の予定
4/ 1(水)
~5(日)
春
季
休
最終下校時刻
業
2年
3年
2年
3年
14:10
16:50
16:00
16:50
6(月)
新任式・始業式
(簡易給食)
7(火)
第 70 回入学式
(簡易給食)
8(水)
学級写真撮影、卒業アルバム個人写真撮影(3年)
16:50
内科検診3年
1年生ジャージ配付
16:50
学力テスト
前期委員・専門局員選出
16:50
9(木)
10(金)
11(土)
12(日)
13(月)
14(火)
研究部春の集中部会
昼短縮日課
委員会・専門局会
授業参観 13:50~
香港教育学院視察
学級懇談会
PTA各委員会・ふじづる委員会
15(水)
内科検診①(1年)
16(木)
口腔検査(全学年)
17(金)
前期委員・専門局員承認式
14:55~
15:50~
研究日2
16:50
15:10
16:30
16:50
委員会・専門局会
16:50
午前3時間授業(給食なし)
18(土)
PTA総会・ふじづる総会
13:00~
PTA各学年集会・各学年懇談会
14:10~
PTA各委員会・ふじづる委員会
16:05~
PTA役員会
16:25~
12:20
19(日)
20(月)
21(火)
22(水)
振替休業日
全国学力・学習状況調査(3年)
養護基礎実習オリエンテーション
小・中・ふじのめ合同体位測定(全学年)
16:50
15:35
教育相談①(午後)
研究日3
23(木)
教育相談②(午後)
職員会議5
15:35
24(金)
教育相談③(午後)
尿検査1次
15:35
25(土)
部活動結成集会(1年:希望者のみ、2・3年:加入者のみ)
26(日)
部活動可
27(月)
耳鼻科検診1年
16:50
28(火)
29(水)
16:50
昭和の日
部活動可
30(木)
16:50
※職員会議、研究日について緊急時以外お電話はお取次できません。趣旨をご理解の上、お電話はご遠
慮ください。ご協力をお願いいたします。