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事務局 開講
記載欄 年度
科目名(メディア)
2013年度
=
科目
区分
共通科目
(社会系)
科目
コード
事例から学ぶ日本国憲法
1128329
履修
制限
(’13)=
無
単位
数
2
(TV)
〔主任講師(現職名): 岡田 信弘 (北海道大学大学院特任教授) 〕
〔主任講師(現職名):
〕
【 本 学 担 当 専 任 教 員 : 道幸 哲也 (放送大学教授)
】
講義概要
我が国の最高法規である日本国憲法の基本構造、全体像および具体像について、理論的な観点だけでなく、具体
的な事例や設問にそくして検討する。たとえば、日本国憲法が第8章で定める「地方自治」については、「地方分権
の一環として、広域行政に対応すべく『道州制』が主張されることがあるが、都道府県を統併合して道州にすること
に憲法上問題はないか」といった設問を立てて、この設問に対する解答を導き出すために必要な知識や議論を検
討する形で講義を進める。ともすれば遠い存在と受けとめられがちな日本国憲法を身近なところで理解することを試
みたい。
授業の目標
日本国憲法の基本構造、全体像および具体像に関する基礎的な理解が望まれるとともに、本授業の学習を通して
「法的なものの考え方」とその表現の仕方の習得も目標となる。
履修上の留意点
市民生活と裁判、現代の犯罪と刑罰、現代環境法の諸相、企業・消費者・政府と法、現代日本の政治も履修すると
よい。
回
テ ー マ
1 「憲法」とは何か
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
日本国憲法もその系譜に連なる近代立憲主義の基本原理
として、どのようなものがあり、それが日本国憲法のなかにど 岡田 信弘
のように組み込まれているのかについて検討する。
(北海道大学
大学院特任
教授)
【キーワード】
立憲主義、実質的意味の憲法、形式的意味の憲法、近代
的意味の憲法、憲法の法源、権力分立
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
日本国憲法が定めている天皇制と平和主義の法的内容に
ついて検討する。具体的には、天皇の地位および権限、平
和的生存権、戦争放棄などについて考察するが、その際、 岡田 信弘
象徴天皇制と平和主 歴史的観点と国際的観点を視野に入れることによってより (北海道大学
2 義
深い理解を試みる。
大学院特任
教授)
【キーワード】
国民主権、象徴天皇制、皇室典範、国事行為、公的行為、
平和的生存権、戦争放棄
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
国民・市民と国の政治をつなぐ選挙制度や政党制度にはど
のようなタイプが存在し、日本国憲法の下でそれらがどのよ
うに具体化されているのかについて検討する。具体的に
岡田 信弘
は、選挙制度の分類、現行の選挙制度、政党の憲法上の (北海道大学
地位などについて考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
多数代表制、少数代表制、比例代表制、並立制、政党国
家、党籍変更議員の失職制度
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
3 選挙制度と政党
回
テ ー マ
4 国会
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
「国権の最高機関」であると同時に「唯一の立法機関」でも
ある国会について、その地位・組織・権限を検討するととも 岡田 信弘
に、議員の地位や立法過程などについても考察する。
(北海道大学
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
国会中心立法の原則、国会単独立法の原則、立法過程、
会期不継続の原則、二院制、ねじれ国会
5 内閣
6 裁判所
政府形態に関する類型論を踏まえて、日本国憲法が採用
している議院内閣制のありようについて検討する。具体的に
は、内閣の組織・権能、内閣総理大臣の地位などについて 岡田 信弘
考察し、議院内閣制の運用や実態に関する理解も試みる。 (北海道大学
大学院特任
教授)
【キーワード】
議院内閣制、均衡本質説、責任本質説、国民内閣制、内
閣総理大臣、衆議院の解散
日本の裁判所システム、すなわち裁判所の組織と権限、裁
判員制度などについて検討するとともに、人権保障のあり
方と密接に関わっている違憲審査制の理論と実態につい 岡田 信弘
(北海道大学
て考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
警察予備隊違憲訴訟、司法権、法律上の争訟、最高裁判
所、下級裁判所、裁判員裁判
7 地方自治
地方自治の本旨を基礎にした、日本国憲法における地方
自治のあり方について検討する。具体的には、地方自治体
の組織と権限、国と自治体の関係、法律と条例の関係など 岡田 信弘
(北海道大学
について考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
地方自治の本旨、地方分権、制度的保障論、地方公共団
体、道州制、上乗せ条例、住民投票条例
8 人権の観念
日本国憲法における人権保障のありようを理解する前提と
して、そもそも「人権」とはいかなる概念なのかについて検
討する。具体的には、人権の歴史、人権の体系、人権の享 岡田 信弘
有主体などについて考察する。
(北海道大学
大学院特任
【キーワード】
教授)
1789年人権宣言、ワイマール憲法、第三世代の人権、人権
の享有主体、法人の人権、外国人の人権、未成年者の人
権
憲法で保障されている人権は、どのような法的関係に適用
されるのか、またその制限が認められるのは、いかなる根拠 岡田 信弘
人権の適用範囲と分 によっていかなる場合なのかについて検討する。
(北海道大学
9
類
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
私人間効力、社会的権力、特別の法律関係、公務員の政
治的活動、人権の分類
幸福追求権と平等権の法的含意や具体的な保障内容につ
いて検討する。最も裁判例の多い分野でもあり、具体的な 岡田 信弘
幸福追求権と法の下 事例にそくして保障の実態についても考察する。
(北海道大学
10
の平等
大学院特任
教授)
【キーワード】
幸福追求権、人格的利益説、一般的自由説、プライバシー
の権利、自己決定権、合理的区別
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
回
テ ー マ
精神的自由権(1)
11
―内心の自由
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
精神的自由権の中の、いわゆる内心の自由に関わる諸自
由について検討する。具体的には、思想・良心の自由、信 岡田 信弘
教の自由、学問の自由などについて考察する。
(北海道大学
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
思想・良心の自由、信教の自由、政教分離原則、目的効果
基準、学問の自由、大学の自治
精神的自由権(2)
12 ―表現の自由
13 経済的自由権
心の中での精神活動の成果を外部に表現することに関わ
る精神的自由権、具体的には表現の自由、集会・結社の自 岡田 信弘
由などについて検討する。
(北海道大学
大学院特任
教授)
【キーワード】
集会の自由、結社の自由、表現の自由、知る権利、検閲の
禁止、名誉毀損
福祉国家的理念を採用している日本国憲法の下で、経済
活動に関わる様々な自由がどのように保障され、逆に制限
されているのかについて検討する。具体的には、職業選択 岡田 信弘
(北海道大学
の自由と財産権の保障について考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
職業選択の自由、許可制、適正配置規制、規制目的二分
論、財産権の保障、正当な補償
14 社会権
福祉国家理念を基礎にした20世紀的人権としての社会権
が、日本国憲法においてどのように保障されているのかに
ついて検討する。具体的には、生存権と教育を受ける権利 岡田 信弘
(北海道大学
について考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)
生存権、プログラム規定説、併給禁止規定、堀木訴訟、教
育権の所在、旭川学力テスト事件、環境権
国民・市民が、国家機能の一翼を担うことになる参政権と国
家機能の発動を請求する国務請求権について検討する。
具体的には、選挙権・被選挙権、請願権、裁判を受ける権 岡田 信弘
(北海道大学
15 参政権と国務請求権 利などについて考察する。
大学院特任
教授)
【キーワード】
選挙権、被選挙権、在宅投票制度、議員定数不均衡、事
情判決の法理、国務請求権
岡田 信弘
(北海道大学
大学院特任
教授)