地域連携委員会 - 人文学部 - 茨城大学

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地域連携委員会
地域連携協定を締結している自治体との連携活動
1.常陸大宮市
<2012 年度 上半期 連携事業概要>
● 市民大学講座(秋講座 3 回、春講座 3 回)の企画
秋講座 「茨城県北地方のまちづくりを考える」(3 回シリーズ)
第 1 回 11 月 13 日(火)<茨城県北地方のまちづくりを考える①>(人文学部教授・齋藤典生先生)
第 2 回 11 月 20 日(火)<茨城県北地方のまちづくりを考える②>(人文学部教授・齋藤典生先生)
第 3 回 11 月 27 日(火)<観光によるまちづくり・むらおこしを考える ドイツとの比較から>(人文
学部講師・小原規宏先生)
春講座 「欧米の女性作家の文学と社会」(3 回シリーズ)
第 1 回 2 月 5 日(火)<シャーロット・ブロンテの世界『ジェイン・エア』の魅力と影響力を中心に>(人文
学部准教授・市川千恵子先生)
第 2 回 2 月 12 日(火)<アメリカ南部社会とその文学>(人文学部教授・大畠一芳先生)
第 3 回 2 月 21 日(木)<ルーマニアのドイツ人 ヘルター・ミュラーの作品から>(人文学部教 授・
小泉淳二先生)
⇒予定通り、秋講座を 2011 年 11 月に開講し、現在、春講座を開講中である。秋講座には 23 名、春講 座には
19 名の受講者が参加した。
● 常陸大宮市における地域活性化事業への参加
①農村集落活性化活動、及び都市農村交流活動のサポート(塩田地区)(通年)
⇒本年度、上半期も、常陸大宮市塩田地区における豊島区との農を介した都市農村交流事業に人文学 部学生が
参加し、サポートを行った。具体的には、年 3 回開催される「塩田そばの学校」及び年 2 回 開催される「塩田
お米づくり体験オーナー」に参加し、都市住民が行う農作業のサポートを行っている(2012 年 5 月 20 日、8 月
5 日、9 月 16 日、10 月 21 日)。また、昨年度に引き続き、都市住民のそばの畑や田、そして集落内の耕作放棄
地を学生が地元住民と協働で管理しながら地元住民との交流を充実させ、地域活性化やまちづくり、そして農に
関する研究を進めている。月に 2 回程度の頻度で、現地を訪れ、毎回 5~15 名程度の学生が農作業を行った
(2012 年 4 月 21 日、5 月 12 日、5 月 27 日、6 月 16 日、6 月 23 日、7 月 14 日、7 月 29 日、8 月 19 日、8 月
25 日、9 月 4 日、9 月 22 日、10 月 8 日、11 月 4 日、11 月 14 日、11 月 25 日、12 月 9 日、12 月 22 日)。さらに、
2012 年 8 月 25 日には、塩田地区待合集落にお ける祭りの実施をサポートした。さらに、今年度も昨年度から
引き続き、活動を記録し、PR するた めのホームページを管理している
(http://hitamaru.hum.ibaraki.ac.jp/)。また、今年度も、大学にて、月に 1 回の、常陸大宮市との連
携活動を実施し、学生ミーティングを開催した。
②「まちづくりネットワーク会議」への参加(通年)
⇒本年度も昨年度に引き続き、まちづくりに取り組む市民グループを集めて、今後のまちづくりについて話し合
う「まちづくりネットワーク会議」を 2012 年 9 月 30 日に、美和地区にて開催した(30 名参 加)。人文学部の
学生も 6 名が参加し、各市民グループの近況を知るとともに、美和地区でのまちづくりについて学んだ。さらに、
ワークショップに参加した。次回の会議は、2013 年 3 月に開催した。
⇒2013 年 3 月 2 日には、市民や市民グループ、そして学生が協働して、まちづくりについて話し合う「ネッ
トワーク大会」を広報用のポスターを作成して開催した。
③「元気っこ・サマーキャンプ」のサポート(盛金地区)
(2012
⇒本年度は、常陸大宮市内の小学生を対象に、盛金 WAC 協議会が開催した「元気っこ・サマーキャ ンプ」
年 8 月 21 日~24 日)を人文学部の学生 3 名がサポートした。具体的には、キャンプ中に提供された様々な
体験メニューの提供を行った。
④伝統文化(和紙)保全活動への参加(歴史民俗資料館との協働)(通年)
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⇒今年度、上半期も、常陸大宮市歴史民俗資料館と地元の和紙職人との協働で、常陸大宮市の伝統品である和紙
を保全していくという活動を行った。具体的には、使用されなくなった美和地区の高齢者コミュニティセンター
の和紙を漉くための道具を利用することで、道具を保全するとともに、和紙の新たな利用方法を見出すことで、
和紙の保全も進めようというものである。今年度、上半期には、 2012 年 6 月 30 日、7 月 1 日に活動を行った。
また、2012 年 9 月 24 日~27 日まで、大学、茨城県庁、そして常陸大宮市をフィールドに開講した集中講義でも、
当該活動に携わる 3、4 年生 9 名が、1 年生に活動の内容や地域との関り方をテーマに、レクチャーを行った。
さらに 2013 年 1 月 27 日に開講された集中講義でも 7 名の学生が 1 年生にレクチャーを行った。
⑤市内の子どもを対象とした「ふるさと探検隊」実施のサポート(通年)
⇒今年度は、茨城県が企画し、常陸大宮市において、市内の小学生を対象に、農業や環境の教育を目標に、市
内を見学する「ふるさと探検隊」(全 3 回)が実施されている。その第 1 回が 2012 年 8 月 8 日 に実施され、
100 名の小学生が参加した。その小学生のサポートを 22 名の人文学部の学生が行った。10 月 20 日には、第 2
回を実施し、引き続き、20 名を超える学生がサポートを行った。そして 2013 年 2 月 10 日には第 3 回が実施
し、22 名の学生が参加した。
⑥2013 年度西塩子の回り舞台の企画、及び運営について
⇒常陸大宮市塩田地区の伝統芸能である、農村歌舞伎「西塩子の回り舞台」が、2013 年 10 月 19 日に 開催され
ることが決定した。これまでは竹や木を材料として設置される農村歌舞伎の舞台は、歌舞伎 終了後、すぐに解
体されていたが、2013 年度は歌舞伎終了後、すぐに解体することはせずに、茨城大学や他地区の市民グループに
も貸し出されるが決定された。これを踏まえて、常陸大宮市担当の地域連携委員や学生は、回り舞台の企画の段
階から運営に参加することとなり、2012 年 7 月 1 日の第一回目の会議、そして 9 月 22 日の第二回目の会議に
参加した。
⑦「花カフェ」の開催
⇒2012 年 10 月 13 日に塩田地区にて、学生が主導して、花カフェというイベントを開催した。このイベントは日
頃、お世話になっている塩田地区の市民や他地区の市民を集めて、交流を通じたネットワークの拡大を図ろうと
するイベントである。学生たちが育てた花を愛でながら、学生たちが市民と協働で生産した蕎麦粉などを利用し
て菓子を作り提供して交流を図った。提供した菓子も常陸大宮市内の市民グループの指導を受けて作ったもの
で、60 名弱の市民が本イベントに参加した。
⑧
常陸大宮市関係者の茨苑祭への参加
⇒本年度も本学の学園祭茨苑祭に常陸大宮市市民が参加した。具体的には、2012 年 11 月 10 日には、舟生フォ
ーラムが、11 日には岩崎農産物直売所が学園祭の参加し、協働で常陸大宮市の農産物の PR を行った。同時に、
同ブースにて、学生が主体となり、パネルの展示も行い、常陸大宮市と人文学部の連携事業の意味や、常陸大
宮市をフィールドとした研究を紹介した。
● 広報「いっしょにまちづくり」の執筆(通年)
⇒今年度も常陸大宮市の広報の 1 コーナーである「いっしょにまちづくり」を、常陸大宮市で活動する学生が 2
ヶ月に 1 度のペースで執筆しており、上半期には、3 名の学生が執筆した。そして下半期にはすでに 3 名の学生
が執筆し、常陸大宮市での学生と市民の協働による活動の報告などを行った。2012 年 11 月号、NO.98
● 集中講義の開講(前期)
⇒今年度は、夏季に集中講義を開講した(2012 年 9 月 24 日~27 日)。昨年度までも、大学での講義と常陸大
宮市でのフィールドワークを組み合わせた教養の総合科目としての集中講義を、冬季に開講していたが、本年度
から当該科目が、「地域課題の総合的探求プログラム」の導入科目として位置付けられたため、大学での講義と
常陸大宮市でのフィールドワークに加えて、茨城県庁での講義も組み合わせて開講された。さらに、受講希望者
が 76 名と募集定員を大幅に超えたため、前期と後期の両方で開講することとした。そして、前期は、40 名が受
講した。常陸大宮市でのフィールドワークは 9 月 25 日と 26 日に行われ、25 日の午前には地域営農に取り組むグ
ループの見学、午後には 2 つの市民グループが開設した 2 つのコミュニティカフェの見学、及びコミュニティカフ
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ェを媒介とした地域活性化をテーマとしたワークショップを行った。26 日には、茨城大学の学生と常陸大宮市
民が協働で取り組む和紙を保全する活動を見学することともに、和紙の利用促進をテーマにワークショップを行
った。特に 26 日の指導は人文学部の 3、4 年生 9 名が担当し、「学生が学生を指導する」ということを実現し
た。
●
集中講義の開講(後期)
⇒前期に引き続き、後期も集中講義を開講した。2012 年 12 月 25 日に学内で講義を行い、12 月 26 日に県庁を訪
れ、OB や OG のレクチャー聞き、また OB や OG とワークショップを行った。そして 2013 年 1 月 26 日、27 日には
常陸大宮市を訪れ、前期と同様に地域活性化に取り組む市民グループによるレクチャーを聞いた。後期の受講
生は 22 名であった。
● 「アクションミーティング2013」の開催
⇒本年度も昨年度に引き続き、常陸大宮市をフィールドに研究を行った学生の研究発表会であるアクションミー
ティングを 2013 年 3 月 2 日に開催する予定である。2 つの学生グループと 2 名の学生が研究 発表を行った。
2.大洗町
①町役場と協力して明神町における空き家調査と所有者アンケートを実施し、報告書を大洗町に提出した。
②漁村集落を対象とした都市農村交流推進ワークショップの支援を行った。
③公開講座「世界のくらしと文化―ヨーロッパ編」4 回を開催した。
3.茨城町
1月23日に茨城町との地域連携に関する協定を締結した。具体的な連携事業の検討は 2013 年 4 月中に行う予
定である。
4.その他の連携活動
(1)講義「地域連携論Ⅰ」「地域連携論Ⅱ」の開講
地域連携論「働く意義・学ぶ意味」の講義(ⅠおよびⅡ)は、年度計画通り、今年度も茨城県経営者協会や茨
城大学文理・人文学部同窓会のご協力を得て順調に進行し、終了した。本講義は、企業のトップマネジメント
の方をはじめ、労働組合や市長といった、様々な立場で、社会で活躍されている方々から直接、現在の社会を見
る視点や、ご自身の経験、そして、大学生への期 待や要望などをお話しいただくものである。そして、こうした
お話を通して、学生たちが、より具体的に社会やそこで生きる将来の自分をイメージし、現在の学生生活へとフ
ィードバックさせることを目的としている。こうした講義の趣旨を受講生が理解し、強い刺激を講義から受けた
ことは、毎回提出した感想文およびレポートから明らかである。
受講者は、Ⅰが 64 名(人文コミュニケーション学科 6 名、社会科学科 58 名)、Ⅱが、61 名(人文コ ミュ
ニケーション学科 7 名、社会科学科 54 名)であった(ⅠⅡの重複履修を含む)。
11 月 7 日に開催された公開シンポジウムでは、株式会社茨城新聞社の代表取締役社長である小田部卓氏に、
「働く意義・学ぶ意味」をテーマにご講演いただいた。東日本大震災直後の、新聞社としての茨城新聞社の取
り組みを通して、企業、そしてそこで働くことの社会的役割・意味についてご講演いただいた。講演後の多く
の質問にも丁寧に答えていただき、シンポジウムに参加した学生にとって大変大きな刺激となった。
講演後には、県内主要企業(カスミ、ケーズホールディングス、常陽銀行)の人事担当者による公開模擬面
接を行った。模擬面接には、23 名の学生が参加したが、そのうち 17 名が 2 年生であった。大学生活の早い段
階から就職を意識した学習が意識づけられていることがこの数から見て取れる。これから就職活動を行う学生
にとっては、面接の緊張感を味わうと同時に、自分の考えを伝えることの難しさや、伝えるための工夫につい
て知る良い機会となった。面接後の質疑応答では、就職活動を控えた学生が抱える率直な疑問や不安につい
て、やさしくも、現実を見据えたご回答をいただいた。
また、本年度もシンポジウムの冒頭に、人文学部 4 年生(経営学ゼミナール)による就職活動の体験談と、
後輩へのアドバイスについての話があった。シンポジウム参加者にとっては、最も身近な先輩からの話という
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こともあり、1 年後、2 年後の自分の姿として、より具体的に就職活動についての実情について学ぶことがで
きた。
全体を通して、一方では社会とは、企業とは、働くとは、といった人間の社会的営みのより根源的なテーマ
について、他方では、働くときのマナーや意識、就職活動での注意といったより実践的・具体的なテーマにつ
いて学ぶ機会となり、受講生の今後の生活について有意義な講義となった。
(2)第 8 回地域史シンポジウムの実施
12 月 1 日、第 8 回地域史シンポジウム「茨城の鎌倉街道―その歴史と沿道の文化遺産―」を開催した。
人文学部教員も専門委員として参加している「茨城県歴史の道調査事業」の成果を、大学での研究成果ととも
に、一般の県民、県内外の研究者に、わかりやすく還元することができたと思う。
現在、中世の道は、大変注目されている。幹線道に沿って町場が発展し、人や物、文化や信仰が行き交った。
道の封鎖が合戦の焦点となり、道を通じた地域社会のあり方が、武士団結合のカタチをも規定していた。鎌倉幕
府と御家人たちの拠点とを結ぶ幹線道を「鎌倉街道」と呼ぶが、茨城県内(常陸・下総北部)は、そのうち下道
と中道(奥大道)とが通過しており、これら本道からは諸方面へ支道が分かれ出ていた。このシンポジウムは、
県内の「鎌倉街道」と伝承されてきた道筋についての、初めての現況調査の集成となった。当日は、冷たい雨
だったが、県内外から 220 名の来場者があった。会場設営や運営は、歴史・文化遺産コースの学生ボランティ
ア 30 名が担い、下記の通り、予定を進行することができた。
【日時】平成 24(2012)年 12 月 1 日(土曜日) 12 時 30 分~17 時 30 分
【場所】茨城大学人文学部 講義棟 10 番教室
≪プログラム≫
[基調講演]
「鎌倉街道を考える―常総の「道」と中世武士団―」茨城大学人文学部教授 高橋修/「考古資料からみた中世
常陸・北下総の道―周辺地域との比較検討―」/土浦市上高津貝塚ふるさと歴史の広場 学芸員 比毛君男
[現況報告-茨城の鎌倉街道-] 内山俊身(茨城県立古河第一高等学校教頭)/飛田英世(茨城県立歴史館首
席研究員)/大関武(茨城県立歴史館首席研究員)/千葉隆司(かすみがうら市郷土資料館学芸員)/宇留野主
税(桜川市教育委員会文化財課主幹)/前川辰徳(大田原市那須与一伝承館学芸員)/額賀大輔(水戸市埋蔵
文化財センター嘱託職員)
【主催】茨城大学人文学部【共催】茨城県教育委員会
【後援】牛久市教育委員会、かすみがうら市教育委員会、古河市教育委員会、桜川市教育委員会、筑西市教育委
員会、土浦市教育委員会、利根町教育委員会、ひたちなか市教育委員会、結城市教育委員会(以上、五十音順)
なお年度末には、これまでの事業の成果を点検するため、これまでの地域史シンポも含めた実施報告書を発
行した。
(3)同窓会活動
茨城大学文理・人文学部同窓会は、人文学部の教育・研究の充実、卒業生を通じた地域連携や地域貢献に微
力ながらつとめてきています。その一環として、「学生懸賞論文」を募集しました。締切の 2012 年 10 月 31
日までにきわめて広範なテーマを扱った 10 編の力作が寄せられました。ご協力に感謝 いたします。その後、学
内選考を経て最終選考会を 2012 年 11 月 26 日に開催しました。選考委員とし て、茨城大学人文学部長伏見厚次
郎様、茨城新聞社代表取締役社長小田部卓様、茨城県教育庁高校教育課課長柴原宏一様、茨城県経営者協会顧
問野口芳男様にお願い致し、また、主催者として弊同窓会会長土田惣一も加わり選考致しました。その結果、下
記のとおり最優秀賞 1 編、優秀賞 2 編、佳作 3 編が選ばれました。今回の「学生懸賞論文」応募及び選考にあ
たり、多大なご協力を頂きましたことを、心より感謝いたします。今後とも、同窓会活動に対しまして何卒、
ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。なお、2012 年 12 月 12 日(水曜日)に、茨城大学人文学部長
室において授賞式を開催いたしました。
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記
賞金
【最優秀賞】
・菊地貴大(社会科学科 4 年)
10 万円
「「現実的悪意の法理」の導入の可能性」
【優秀賞】
・綿引彩乃(社会科学科 4 年)
5 万円
「消費者と生産者のつながりにみる農産物流通」
・伊藤優紀(社会科学科 3 年)
5 万円
「少子化克服への道」
【佳作】
・中村紫帆(人文コミュニケーション学科 4 年) 2 万円
「日本の「戦争」という過去について」
・高山美緒(社会科学科 3 年)
2 万円
「少子化の進行と展望」
・野田桃子(社会科学科 3 年)
2 万円
「高齢化社会の日本における介護の在り方」
以上 6 編
(4)コンソーシアム
対茨城県立歴館
茨城県立歴史館との連携事業は既に軌道に乗っており、今年度も例年通り(1)茨城県立歴史館主催の公開
講座への、人文学部教員の出講 (2)主として茨城県立歴史館学芸員による人文学部専門科目Ⅰ「茨城の歴史と
風土」の運用の二件を実施中である。
(1)については:
①5/12(土)高橋修教授「文化財・史料レスキューの現場から」
②6/23(土)深澤安博教授「空爆による住民の生存破壊戦略の開始-リーフ/エティオピア/ゲ ルニカ-」
③12/15(土)佐々木寛司教授「藩体制から府県制へ-明治維新期の地域編成をめぐって-」 を予定通り
開講し、好評を以て迎えられた。
(2)については:
資料1に掲げた授業計画に沿って開講した。茨城県立歴史館での「実物に即した授業」は、博物館との連携があ
ってこそ実現しうる内容であり、学芸員資格取得を目指す学生を中心に人気が高い。大学との移動手段や前後の
授業時間との調整等についても、昨年度までにほぼ対応策が完成の域に達しており、問題なく運営できた。今
年度前期においては、かねてよりの懸案であった出講者の人事手続き上の位置付けに関する調整が、最大
の課題であった。これについては両機関の組織責任者ならびに実務責任者の間で複数回にわたり会合を開き、
夏休み直前に円満に決着を見るに至った。
対常磐大学
常磐大学との連携は、昨年秋の連携協定締結を受けて新たな段階に進んだ。今年度の主たる課題は以下の2件
である。(1)単位互換授業の試験運用、並びに来年度からの正式開講に向けた課題抽出と対策の構築 (2)「地域
貢献」「研究協力」分野での連携に向けた情報交換
(1)については:
茨城大学側から面接授業 33 本(内、遠隔授業と併用が 3 本)、常磐大学側から面接授業 21 本(内、遠 隔授業
と併用が 5 本)が対象科目として開放され、都合 54 本で合計 24 人の受講生があった。初年度としてはまずまず
の出足であるが、学期始めの広報の方法や遠隔授業の実施体制等、解決すべき課題も明らかとなってきている。
これまでに両学間で 3 回の正式会合を開いた他、直接の関係者間で随時情報交換を行い検討を重ねてきている。
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来年度の正式開講に向けて引き続き努力を重ねていきたい。特筆すべきは、本学が文科省補助金を受けて整備中
の就業力育成支援カリキュラム「根力育成プログラム」においても連携が開始されたことである。9 月 29・30
日には「フィールドワーク 地域を知る」(担当:蜂屋大八准教授)が常陸太田市里美地区に於いて開講され、
本学学生に加えて常磐大学からも学生2名の参加と依田・長谷川両副学長のご参観を得た。さらに、1 月 30 日
に開催された「プロジェクト実習(スタッフ編)」(鈴木敦担当)の活動報告会においても、長谷川副学長のご
参観を得た。後者は 2013 年度から両学の単位互換科目として開放される予定であり、一層の連携が進むことが
見込まれる。
(2)については:
前期末の会合において、正式に情報交換を開始した。当面は(1)にエネルギーを集中せねばならないが、2014
年度からの正式開始を目標に、努力を重ねていきたい。
茨城キリスト教大学との連携
茨城キリスト教大学との連携は、茨城県立歴史館・常磐大学との連携事業が動き始めた当初から「その次の事
業」として位置づけていたが、今年度から具体的な活動が始まった。上記「フィールドワーク 地域を知る」には
学生6名と東海林文学部長のご参加を得た。また同じく「プロジェクト実習(スタッフ編)
」を履修した学生チー
ムが、茨城キリスト教大学国際理解センターと本学留学生センターとの連携事業の具体的な企画・運営を茨城キ
リスト教大学の学生チームと共同で担当した。具体的には 10 月 21 日に茨城キリスト教大学キャンパスに於いて
「グローバル教育を語る」
(資料2)
、12 月 9 日に本学水戸キャンパスに於いて「国際交流学生フォーラム<海外
>を近くに感じよう!」
(資料3)を開催した。
この実績の上に、年末には両学間で単位互換協定が締結され、急速に連携関係が強化されつつある。
報告書の刊行 当該事業については例年報告書を刊行してきたが、今年度も同様に刊行された。
(5)情報公開 (1)2012 年 11 月と 2013 年 1 月に、人文学部地域連携委員会ホームページを最新の内容に更新
した。
地域連携委員会委員長 斎藤義則
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