女性プロテニス選手のピリオダイゼーション Ivo Van Aken, Steven Martens and Carl Maes はじめに ITF Coaching & Sport Science Review の中の関心事に、ピリオダイゼーションというテニスにとって興 味のあるものがある。テニスは、水泳、陸上競技などと比較して、正確なピリオダイゼーションプランに大 きな違いがある。テニスでは、ピークパフォーマンスのためのプランは、重要である。ピリオダイゼーショ ンに関する難しさは、5 大陸をまたがって、最小限のトーナメントでプレーを行うプロ選手にとって、ます ます増大している。 女子のプロゲームにおいて、最近のランキングシステムでは、より多くのトーナメントを回ることになっ ている。結果として、多くの選手が、身体のコンディション、回復、全体的な準備などが必要となってくる。 過去には、ランキングは、トーナメントでの平均によって決めれらており、選手は、包括的に準備をしたり、 ケガの後の休息なども行っていた。トーナメントディレクターは、トップ選手が十分に戦っていないという ことで、満足していなかった。ランキングシステムが変更され、選手は、今試合が多く、練習が少ない状況 になっている。よりよい準備をし、練習をすることは、もはや、選択は難しいものとなっている。むしろで きない状況である。ここでは、次のような質問があがる。 「最近は、オーバープレーやトレーニング不足によ って、プロフェッショナルテニスにおいてケガが増えていますか?」 他の要因も、ピリオダイゼーション過程を複雑にしている。30 週で、30 の違った開催があり、旅行が続き、 タイムゾーン、ホテルの変化、違った食べ物、コートサーフェス、そして天候なども考えなければならない。 ランキングシステムの見直し、ルールや性の違い(男性のスケジュールを女性に重ねあわせ、また成人のス ケジュールを子供に合わせたりすることのできない)を検討することが必要となろう。 女子テニスの特別な要求 女子選手のゲームが続くと、男子選手との違いがより、はっきりとしてくる。言い換えれば、これらの違 いは、女子選手のピリオダイゼーションと同じように、試合の戦術と戦略の影響であろう。 早期の身体的成熟の結果が大きく、若い女子は、シニアと同じようなプレーを始める。一方、男子は、ジ ュニアとシニアとは、はっきりと違ってくる。またジュニアの年齢別グループでも違いがある。その結果と して、女子のプロツアーに参加する若い選手の数は、増加しているのが現状である。 社会的、心理学的な研究として、女性は、若い時代には、男性よりもより円熟(成熟)しているのである。 Duda は、男性は、自分自身のより高い目標のために競技性を好むが、一方、女性は、仕事量(練習量)の目 標を好み、パフォーマンスを発揮するのである。経験的に、女性選手は、より注意が必要であり、個人的、 社会的レベルに注意することも考えなけばならないのである。女性は、ツアーにおける試合や相手(ライバ ル)を観察することにもならないのである。 これらの要因は、選手のピリオダイゼーションやコーチ−選手の動向に優位にインパクトがある。 女子選手のピリオダイゼーション(推奨される) トーナメントの数と休息(トレーニング期間と回復期間) トップ選手は、年齢に応じてトレーニングブロックの最低の数を計画している。 最初(重要) 第2ブロック 第 3 ブロック 14 歳 8 週間 6 週間 4 週間 16 歳 8 週間 4 週間 4 週間 18 歳 8 週間 4 週間 なし 表2は、ITF 女子ランクされたトップ 30、そして WTA のトップ 30 でのトーナメントの数を示している。男子 プロも対比しているが、女子は、トーナメントの数は少ないが、試合数は多い傾向にある。ドローサイズや 深さのプレーなどによっても違うが、ジュニア対プロトーナメント、男子対女子ツアー、これらの違いをい くつか示してみる。 こられのエキスパートは、特別は連続的なトーナメントの週の数を推奨している。並びで、最大3トーナ メントである。例外的には、4 週、容認できないが 5 週である。カレンダーをみると、2004 年では、5(ある いは6)の連続的なトーナメント週の 38 シリーズがある。 年齢に適切なルール:シニアやジュニアと混合したプログラム 私の意見は、ジュニアトーナメントの数にリンクした形での WTA 年齢適切なルールの必要性を提唱した い。この提示後の 10 年、AER は、バーンアウトは有意に減少し、選手のキャリアも長くなるだろう。プレー ヤーのストレスも、外的な要因(メディア、両親)、パフォーマンスのいろいろな基本的な変数(ケガ、旅行 など)から移動されるであろう。 選手が今戦っているランキングシステムの変化は、AER に影響している。 (表3)1997 年から、選手の参加 するトーナメントの数は、増え続け、結果として AER は、いくつかの場合に、緩和した。シニアやジュニア レベルにとっては、統合されつことは必要である。 表3の数は、シングルスの試合である。もし、ジュニアのゲームでダブルスもプロモートして、シングル スとダブルスのランキングを統合された形で計算すると、より有意義になる。10000 ドルのトーナメントの 予選で負けると、選手のトーナメントの総数には、入れなくなる。これらの結果、将来的には、暗くなる。 トーナメントの制限あるいは休息期間を義務付ける シニアレベルにおいてさえ、トーナメントの数は、良いバランスのスポーツライフを楽しんだり、長いキ ャリア(選手生活)を送るには、高すぎる数字である。若いプレーヤーたちと WTA の試合の数を制限するこ とは、非常に相乗効果があるであろう。数えきれないトーナメントを作っていることから選手を阻止し、多 くのオープンドローによるフィールドでプレーすることもより確立されることから、ランキングは、パフォ ーマンスの質を上げることになろう。これらは、トーナメントの数の減少が、基本的には自営業の選手にお ける潜在的な収入のロスを意味し、自分を売り込まなければならないことにもなろう。 他の意見では、強制的に週間の最小の数あるいは少なくとも 1 年に 2 ブロックのツアーになればと思って いる。これは、代理人や選手が有利性をもつようにオーガナイズすることも必要であろう。 (より経済的に) ピリオダイゼーションモデル Baiyi(2003)は、選手が競争することの必要性(ランキングをあげる)を感じているが、正しくトレーニン グする時間が取れないために十分戦えないということを避けるためにピリオダイゼーションの重要性を強調 している。選手の身体状態を十分考慮し、Balyi は、4つのステージを考えている。 Maes(2003)は、負荷として 3 週のサイクルでの練習 対 負荷として 3 週そして最低1つの大きな 6∼8 週のトレーニングブロックを提案している。1 週目は、少ない練習量で、より技術的なストロークの要因に 焦点が当てられる。2 週では、トレーニング量も質も増大され、3 週では、量も少なく、弱点よりも得意など ころで戦術的にも強調され、より爆発的な出力が特徴される。身体的、精神的な視点から最も過小評価され るのは、移行/回復期である。 WTA(2001)は、準備期間として(最低:4 週) 、試合前として(最低:4 週)、ピーキング(最大:3 週) 、そ して積極的休息期(1∼4 週)を年間として推奨している。しかしながら、現在のランキングシステムの背景 に対して、これらのブロックは、長すぎるようにも見える。われわれは、期間の変更をしていきたいと思っ ている。(より短いインシーズン、1(あるいは2)の長い準備期とプレ試合期) テクノロジーの視点から、〝デジタルテニスコーチ〟のようなコンピュータープログラムと〝Dsagenda〟 で、ピリオダイゼーションのガイドラインやプログラムを提供し、コーチと選手のコミュニケーションをよ り合理的にしていくサービスを考えていきたい。 結論 テニス選手のパフォーマンスは、周期化することは難しいものであるが、若い年齢でのシニアレベルで戦っ ているや女子選手(あるいは少女)は、多くなっている。もし、コーチ、トレーナー、両親、エージェント が、オーバープレーやオーバートレーニングから若い女子選手を守ることができなければ、トーナメント規 制とトレーニングシステムが再検討されることが必要である。 REFERENCES Balyi, I. & Hamilton, A. (2003). Long-term athlete development, trainability and physical preparation of tennis players. In M. Reid, A. Quinn & M. Crespo (Eds.). ITF Strength and Conditioning for Tennis (49-57). London, ITF Ltd. European Coaches Symposium. (2004). Unpublished document. ECS, Malta. Duda, J. (2002). The implications of motivational climate in tennis. In M. Crespo, D. Miley, & M. Reid (Eds.). Top tennis coaching (55-58). London, ITF Ltd. Otis, C. & Goldingay, R. (2000). The athletic woman’s survival guide. Human Kinetics. Pluim, B. (2001). Males vs. Females. In M. Crespo, B. Pluim, & M. Reid (Eds.). Tennis medicine for tennis coaches, (127-130). London, ITF Ltd. Maes, C. (2003). Planning physical conditioning for professional players. In M. Reid, A. Quinn & M. Crespo (Eds.). ITF Strength and Conditioning for Tennis (217-225). London, ITF Ltd. Raabe, B, & Verbeek, M. (2004). A study of the activities of the top hundred-ranked ITF junior girls in 2004 and junior players on the WTA Tour ranking in 2004. Tennis Europe. Reid, M.M.& Maeso, M. (2003). Strength and conditioning in the female game. In M. Reid, A. Quinn & M. Crespo (Eds.). ITF Strength and Conditioning for Tennis (193-198). London, ITF Ltd. WTA. (2001). Physically speaking, July. WTA. (2005). Age Eligibility Rule.
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