シスコ、30%コスト削減を実現。 生産性も大幅向上

ケーススタディ
シスコ、30%コスト削減を実現。
生産性も大幅向上
製品、テクニカルドキュメント、Web コンテンツなどローカリゼー
ションのビジネスプロセスの改革に成功
ネットワーク製品であるルータ/スイッチ類で全世界に圧倒的なシェアを
持ち、各種アプリケーションを含むネットワーク活用のソリューションを
積極的に展開しているシスコ。進化するネットワーク製品に関連する膨大な
ドキュメントの翻訳や、製品のローカリゼーションをいかに効率に行うかが
急務となっていました。
2009 年、米シスコ本社では、全社のローカリゼーションと翻訳作業の専門
チームを発足。日本でも同チームが作られ、ローカリゼーション業務の見直
しに着手しました。そのパートナーとして選ばれたのが、SDL です。製品や
テクニカルドキュメント、マーケティングのブローシャーや Web コンテンツ
のローカリゼーションのトータルな改革を提案。ローカリゼーションのビジ
ネスプロセスの見直しをも含むソリューションが採用されました。SDL 専任
スタッフとシスコ社員との共同作業や、製品テストにまで踏み込んだローカリ
ゼーション作業など強力なパートーシップのもと、2 年をかけた改革を遂行。
現在では、パートナー企業へ質の高い製品情報をスピーディーに提供して
導入を早めるなど、市場にあわせたローカリゼーションの成功事例として
注目を集めています。
言語
ケーススタディ – シスコシステムズ
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課題
大量の翻訳案件と製品のローカリゼーション。膨らむコストの
見直しと質の向上が急務
ネットワーク同士を結び、データ変換を行う機器であるルータ/スイッチ
ローカルの言語、文化を理解したうえで
市場は、IP ネットワークの普及スピードに合わせて急成長し、進化を遂げて
製品やコンテンツのローカリゼーションは
きました。昨今では、音声や動画、ビジネスデータなど多様な情報を扱う
なされるべきです。一方ローカリゼーションの
アプリケーションと連携し、製品・ソリューションは多岐にわたっています。
実務はシスコのコア業務ではなく、私達はこれまで
同時に、関係するテクニカルドキュメントや Web コンテンツの翻訳・制作、
重要性を軽視してきました。ローカリゼーションの
アプリケーション製品のローカライズにかかる時間とコストは、年々、増大
世界的リーダーである SDL の経験豊富なスタッフ
していました。
に学び大きな成果を上げつつあります。そして現在
も SDL のスタッフとシスコスタッフが日米ほか各国
米シスコ本社ではこうした課題を解決するために、ローカリゼーションと
共同で、より良いローカリゼーションプロセス作りを
翻訳業務を専門とする部門をつくり、発注や管理を集約して改革に着手し
実施中です。
ていきました。日本でも 2009 年から、いち早く、ローカリゼーションの問題を
.
解決すべく、取り組み始めました。
シスコシステムズ合同会社
WW PARTNER ORGANIZATION,
BMO Ops, ETSG-Japan シニアマネージャー
大西 一朗 氏
WW PARTNER ORGANIZATION, BMO Ops, ETSG-Japan シニア
マネージャー 大西 一朗 氏は、当時の状況を次のように語ります。
「シスコは製品群が非常に多いので、ドキュメントの種類が多く、量も膨大
です。IP ネットワーク技術は常に進化し続けていますから、ドキュメントも
更新され続けます。その量は、日本で年間およそ 60 万ページにも及びます。
こうした大量のドキュメントの翻訳を、更新も含め、迅速に作成し、管理して
いく必要がありました」
。また、別々の部署で個別に翻訳業務をしていたため、
多数の翻訳会社に発注していました。別の部署で同じコンテンツを別々の
翻訳会社に重複して発注するなどの無駄、翻訳やローカライズの優先順位
が管理できていない、翻訳の用語や表現の不統一が散在するなど品質に
問題があることも、改革への取り組みの中で明らかになってきました。
リゼーション (G11N)
グローバ
ショナリゼーション (i
18N
ターナ
イン
)
ーション (L1
ゼ
リ
カ
0N
)
ロー
ンスレーション
トラ
過去
現在
未来
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ソリューション
SDL とともにローカリゼーションのビジネスプロセスを全面的
課題
に見直す
•
大量の製品、テクニカルドキュメント、
Web コンテンツの翻訳を効率的に行う
製品に関する情報をトータルで捉えて、翻訳の優先順位づけや、翻訳メモ
リーの集約、コンテンツ管理などを行うサービスは、SDL が全世界でグロー
•
•
製品ごとに用語や表現の不統一が散在する
アプリケーション製品などのローカリゼー
ションおよび検証不足
バル企業に提供しているソリューションです。大量ドキュメントの作成・
更新、製品ローカリゼーションのプロセスを見直し、スピードを高め、コス
トを削減します。さらに限られた予算の中でより多くのドキュメントや Web
コンテンツを翻訳できるように予算の最適化も行うなど、SDL が提案する
ソリューションは、シスコが求める改革に、まさに合致していました。
s 「ローカリゼーションは製品にとって非常に重要であり、選別されたレベ
ルの高いパートナーと行うべきだと考え、本社に対して提案、啓蒙活動を行
いました。SDL を選んだのは、翻訳するだけでなく、情報のフローを見直
し、コンテンツの更新管理までトータルなソリューションサービスやビジネ
スプロセス改革まで提供できること、既にグローバル企業で実績を持って
いることが決め手でした」と大西氏は語ります。また、製品の検証を含めた
ローカリゼーションが可能と、技術面に強いことも魅力だったといいます。
契約締結後は、SDL スタッフがシスコ社員と共同して、ローカリゼーション
に必要な業務の洗い出し、プロセスの見直しを進めました。製品群やそれ
らの位置付け、市場性を理解した上で、ローカリゼーションの新たな業務
フローを作り上げていきました。また、SDL スタッフが、シスコ米国本社
開発部門と直接やり取りをしてソースデータを入手して進めるなど、作業
スピードも向上。翻訳メモリーの集約など、製品ごとに散在する用語や
表現を統一するための作業も同時に進められました。
新しいローカリゼーションプロセスでは、製品の検証による品質向上に力を
入れたことも特徴的です。
「製品の知識を持っていないと、製品の検証や翻訳の
チェックができません。そこでプロジェクトスタート後、シスコのエンジニアを
派遣して、SDL スタッフに製品の説明をしながら、テスティングやローカライズ
作業も進めました。従来の翻訳の発注方法とはまったく違った、ユニークな
取り組みだといえるでしょう」とシスコ担当者は語ります。IP ネットワーク製品
では、常に進化して仕様が変わるので、進化に対する柔軟な対応も重要でした。
「製品を出荷する前の段階からローカライズとともにテストを行えれば、製品
の市場投入期間を短縮することができるだけでなく、結果的に製品の質が
高くなります。問い合わせが減ったことも大きな効果です。また、システム
に必要なテクニカルドキュメントがスピーディーに発行されているので、
パートナー企業がお客様へ導入するための期間を短縮できました。従来の
半分以下の期間でシステムを導入いただけ、お互いの売上増にもつながって
います」と、シスコ担当者は語ります。SDL スタッフが、直接、社内他部門
の担当者と確認し、シスコスタッフの時間と手間を削減しながら、スピード
アップと品質向上を実現させていきました。
「テクニカルドキュメントにおいても、それまで手つかずとなっていたコン
テンツ管理の検討など、段階にあわせたきめ細かい、プロフェッショナルな
仕事の進め方に助けられました」とシスコ担当者は付け加えます。
ソリューション
•
ローカライズ/翻訳業務全体を見直し、
ビジネスプロセスを改革
•
翻訳メモリの集約、用語や表現を統一した
質の高い翻訳。ブランドの一貫性
•
製品検証を含むローカリゼーションの提供
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メリット
主なメリット
•
•
•
ドキュメント発行のスピードアップと質の向上が製品の強みに
プロジェクト着手からドキュメント発行までの
スピードアップ
翻訳すべきドキュメントコンテンツのトータルな管理作業も、SDL がシスコ
製品の検証と一体化したローカリゼーション
と一体となって優先順位づけ、翻訳作業とチェックなどを進めていくように
による製品品質の向上
なり、発行までのスピードが上がりました。従来のような担当者が個々に
パートナー企業への質の高いドキュメントの
翻訳案件の発注をするといった事務手続きの無駄がなくなり、時間とコスト
タイムリーな提供
は大幅に削減できました。翻訳メモリーの集約と活用により、用語や表現も
統一されていき、翻訳品質とともにブランドの一貫性が向上しました。
翻訳品質の向上は、ビジネスの改善にもつながっていきました。
「さまざま
なドキュメントの質が上がったために、われわれの製品に対する習熟度が
上がりました。以前よりも、お問い合わせに対して的確にお答えできるよう
になったのです。さらに、日本語化されたドキュメントが、きちんと用意され
ていること。これは市場での強みとなり、パートナー企業からの信頼を高め
ました」とシスコ担当者は説明します。今後、さらに日本市場で成長が予想
されている、IP ネットワークを利用した音声電話やアプリケーション連携
分野についても、充実したドキュメントや Web コンテンツが売上を伸ばし
ていくと期待しています。
また、効率的なローカリゼーションの工程管理を実現する、翻訳管理システム
(SDL Translation Management Systems)を導入するなど、SDL の最高
品質のランゲージサービスとランゲージテクノロジーを組み合わせること
で、更なる「コストの削減・時間の短縮・品質の向上」の実現に期待して
います。
日本のエンタープライズ トランスレーション サービス グループによる 2 年間
の取り組みは、社内だけでなく、シスコ本社でも評価されました。多言語の
中でも複雑だと言われる日本語について、ローカリゼーションのプロセス
改革を成功させた事例は大きな注目を集めています。日本と同様にアプリ
ケーション製品の成長が期待される中国、韓国においては、今後、日本で
作ったローカリゼーションの仕組み、プロセスを適用させていく計画が進ん
でいます。
「ローカリゼーション改革で成果を上げ、費用対効果や顧客満足度の調査
からも、数字につながってきています。市場に合わせて製品をきめ細かく
展開していくための取り組みは、まだ始まったばかりだと認識しています。
SDL が先進的なグローバル企業とともに培ったノウハウを元に、さらに
先をゆく提案をしてくれることを期待しています」と大西氏。多言語化への
展開も前提とした製品のローカリゼーション、テクニカルドキュメント、
マーケティングコンテンツへの取り組みへと進化させていく構えです。
SDL(LSE:SDL)は、消費者の購買行動プロセスの流れ全体にわたり、企業が最適な顧客体験の提
供を実現するための支援をしています。Web コンテンツ管理、分析、ソーシャルインテリジェンス、
キャンペーン管理、翻訳サービスにより、SDL は企業がデータに基づくインサイトに基づいて顧客
のニーズを理解し、関連するコンテンツやコミュニケーションを連携させ、言語、文化、チャネル、
デバイスの垣根を越えて魅力的かつコンテキストに合った体験を提供するお手伝いをします。
詳細については、www.sdl.com/jp/ をご覧ください。
お問い合わせ SDL ジャパン株式会社
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に 70 か所以上のオフィスを展開しています。グローバルなトップブランド 100 社のうち 72 社が
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