農林中金総合研究所 2015 年 5 月 1 日号 調査第二部 多田 忠義・趙 玉亮 ≪来週・再来週のポイント≫ ギリシャ支援をめぐる動向に注目 ギリシャに対する金融支援をめぐって、ギリシャ政府は財政改革案の中身を債権団(IMF、EU、ECB)と 協議しているが、依然として交渉は難航しており、合意には至っていない。ギリシャは IMF に対し、6 日に 2 億ユーロの利払い、12 日に 7 億 5,000 万ユーロの元本返済を控えているが、支援策が合意できなけれ ばデフォルト(債務不履行)に陥る。すでに、ギリシャに対する海外民間投資家のエクスポージャーは低下 していると報道されているが、万が一デフォルトとなれば、欧州市場へ広く混乱が波及する可能性もある。 経済指標など 日本では、15 日に「国際収支(3 月)」が発表される。また、トヨタ自動車などの製造業、商社、金融関係 の決算が多数予定されている。 米国では、8 日に「雇用統計(4 月)」が発表される。コンセンサス中央値(Bloomberg 取りまとめ、1 日現 在)によれば非農業部門雇用者数は 22.3 万人増と、これまでのペースから大減速した 3 月(12.9 万人増) から増加幅は再拡大、失業率 5.4%と、3 月(5.5%)からさらに低下するとの予想である。3 月の非農業部 門雇用者数の増加ペースが鈍化した要因は寒波による一時的なものとみられ、4 月は 2 月までの水準に 回復すると予想されている。1∼3 月期の実質 GDP 成長率が予想を下振れたことで、米景気の先行きに 対する不安感がさらに高まっただけに、4 月の経済指標に注目はシフトしている。5 日に発表予定の「ISM 非製造業指数(4 月)」、13 日の「小売売上高(4 月)」や 15 日の「鉱工業生産指数(4 月)」などと合わせて 注目したい。 ユーロ圏では、13 日に「ユーロ圏 GDP(1∼3 月期速報)」が発表される。ECB による量的緩和効果もあ り、欧州最大の経済規模であるドイツでは景況感の改善が続いている。こうした流れがユーロ圏にどの程 度波及しているか注目したい。 中国では、8 日に「貿易収支(4 月)」が発表される。コンセンサス中央値によれば、輸出は前年比 2.9% と、3 月(同▲15.0%)からプラスへ転換、輸入は同▲9.8%と、3 月(同▲12.7%)から下げ幅を縮小させる との予想である。1∼3 月は春節による季節要因で変動が大きいことに留意する必要があるが、4 月の輸 出拡大は好意的に受け止められるだろう。ただし、輸入は依然として減少しており、対中貿易に依存する 国の景気は、足踏みが続くだろう。 ※5 月 8 日は休刊いたします。次回発行は 5 月 15 日(金)です。 ※スケジュール表は次ページに掲載しております。 農林中金総合研究所 無断転載を禁ず。本資料は、信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。本資料は情報提供を目的に作成されたものであり、投資のご判断等はご自身でお願い致します。 1 来週・再来週のスケジュール(5/4∼5/17) 月 日 国内の予定 5 月 4 日(月) 休場(みどりの日) 5 月 5 日(火) 休場(こどもの日) 5 月 6 日(水) 休場(振替休日) 5 月 7 日(木) 「マネタリーベース(4 月)」 5 月 8 日(金) 日銀金融政策決定会合議事要旨(4/7、8 分) 10 年物価連動国債入札(0.5 兆円) 国庫短期証券(3M)入札(5.4 兆円) トヨタ自動車決算(1∼3 月期) 海外の予定 米 米 米 米 米 欧 米 欧 米 米 英 米 米 米 中 エバンス・シカゴ連銀総裁講演 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演 「製造業受注(3 月)」 「貿易収支(3 月)」 「ISM 非製造業景況感指数(4 月)」 「ユーロ圏生産者物価指数(3 月)」 イエレン FRB 議長、ラガルド IMF 専務理事討論会 ECB 政策理事会・政策発表 「MBA 住宅ローン申請指数(5 月 1 日週)」 「ADP 雇用統計(4 月)」 総選挙 「新規失業保険申請件数(5 月 2 日週)」 「失業保険継続受給者数(4 月 25 日週)」 「雇用統計(4 月)」 「貿易収支(4 月)」 5 月 10 日(日) 中 「消費者物価指数(4 月) 中 「生産者物価指数(4 月)」 中 「マネーサプライ(∼15 日)」 5 月 11 日(月) 欧 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル) 5 月 9 日(土) 5 月 12 日(火) 5 月 13 日(水) 5 月 14 日(木) 5 月 15 日(金) 10 年利付国債入札(2.4 兆円) 国庫短期証券(6M)入札(3.5 兆円) 「景気動向指数(3 月速報)」 佐藤日銀審議委員講演(FIA ジャパン金融市場会議) 「国際収支(3 月)」(2p に予測掲載) 「景気ウォッチャー調査(4 月)」 30 年利付国債入札(0.8 兆円) 国庫短期証券(3M)入札(5.4 兆円) 「マネーストック(4 月)」 黒田日銀総裁講演(読売国際経済懇話会) 「企業物価指数(4 月)」(2p に予測掲載) 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 欧 EU 財務相理事会(ブリュッセル) 米 欧 欧 中 「小売売上高(4 月速報)」 「GDP(1∼3 月期速報)」 「ユーロ圏鉱工業生産(3 月)」 「鉱工業生産(4 月)」、「小売売上高(4 月)」、「固 定資産投資(除農村部、4 月)」 米 「新規失業保険申請件数(5 月 9 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(5 月 2 日週)」 米 「鉱工業生産・設備稼働率(4 月)」 米 「ミシガン大学消費者信頼感(5 月速報)」 5 月 16 日(土) 5 月 17 日(日) 大阪市特別区設置住民投票 農林中金総合研究所 無断転載を禁ず。本資料は、信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。本資料は情報提供を目的に作成されたものであり、投資のご判断等はご自身でお願い致します。 2 1.来週・再来週発表予定の経済指標予測 南 武志 3 月の国際収支統計【5 月 13 日(水)8:50】 <当社予測>経常収支: 原系列 2兆2,682億円、前年比 1636.8% (2月:1兆4,401億円、140.5%) 季節調整済 1兆6,433億円、前月比 ▲142.3%(1月:6,035億円、▲43.0%) 3 月 の 通 関 貿 易 収 支 は 原 系 列 (億円) 国際収支の動向 25,000 (2,274 億円)が 12 年 6 月以来の黒 字、季節調整済(33 億円)も 11 年 2 20,000 月以来の黒字に転じた。その背景に 15,000 は、円安効果によって輸出に増加傾 10,000 向が定着しつつあることや原油など 5,000 資価格下落による輸出額減少が挙 0 げられる。国際収支ベースでの貿易 -5,000 経常収支 収支についても、5,370 億円と、13 年 -10,000 貿易・サービス収支 6 月以来の黒字が見込まれる。また、 -15,000 第一次所得収支 サービス収支についても旅行収支は -20,000 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 引き続き黒字が見込まれるなど、サ (資料)財務省、日本銀行 (注)季節調整済 ービス輸出が底堅く推移したことから、 赤字幅が大幅に縮小するだろう。さらに、第一次所得収支も円安効果によって投資収益の受取額が膨 張しており、大幅黒字となるだろう。以上の結果、経常収支は原系列で約 2.3 兆円、季節調整済で約 1.6 兆円と、黒字幅が急拡大するだろう。 4 月の企業物価【5 月 15 日(金)8:50】 <当社予測>国内企業物価:前年比 ▲2.3%(3月:0.7%)、前月比 ▲0.1%(3月:0.3%) 新年度に入り、食料品などで値上 げの動きも散見されるが、一方で消 費停滞に加え、2∼3 月にかけての 輸出・生産の改善足踏みにより在庫 調整圧力が高い状態が続いている。 また原油など一部の資源価格に持 ち直しの動きもあるが、国内の石油 製品価格はまだ下落傾向が残って いる。以上から、国内企業物価は再 び前月比下落となるほか、前年比は 消費税増税の一巡によってマイナス 幅が大幅に拡大するだろう。 120 国内企業物価(国内需要財)の動向 180 中間財(左目盛) 115 最終財(左目盛) うち消費財(国内品、左目盛) 160 素原材料(右目盛) 110 140 105 120 100 100 95 80 90 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 60 (資料)日本銀行 (注)2010年=100 農林中金総合研究所 3 2.債券市場 寺林 暁良 ◎市場概況 (4/27∼5/1 前場) 長期金利(新発 10 年国債利回り)は、米独長期金利の上昇につられ、週後半に上昇した。 週初の長期金利は、先週末の日銀長期国債買入れオペで需給の良好さが確認されたことから、 0.3%割れでのスタートとなった。しかし、週央には高値警戒感から小幅ながら上昇。さらに、週末には米 独長期金利の上昇などを受けて一時 0.345%まで上昇した。なお、27 日には格付会社フィッチが日本国 債の格付けを「A+」から「A」へと 1 段階引き下げたが、市場への影響は限定的だった。また、28∼29 日の 米 FOMC と 30 日の日銀金融政策決定会合では、ともに大方の予想通り政策の現状維持が決まったた め、大きな影響はなかった。 イールドカーブは、先週から全体的に上昇した。1 日の 11:00 時点の新発 10 年国債(#338)は、 0.345%(先週末比+6.0 ベーシスポイント)。同 11:02 時点の 10 年国債先物(中心限月 6 月物)は、147 円 74 銭(先週末比▲46 銭)。 ◎来週以降の市場予想 (5/7∼5/15) 欧米の長期金利に左右されやすい状況にある。米国経済やギリシャ支援の行方が見通せるようにな るまでは、やや大きめの金利変化もありえるため、気を付けたい。8 日に 10 年物価連動国債入札、12 日 に 10 年国債入札、14 日に 30 年国債入札が行われる。いずれも重要な年限だけに、その結果に注目し たい。 (%) (%) 日本国債のイールドカーブ 2.0 1.8 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 11/30 2015年4月30日 2015年4月24日 (先週末) 2015年3月30日 (1ヶ月前) 2015年1月30日 (3ヶ月前) 2014年10月30日 (6ヶ月前) 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 イールドスプレッド 20年−10年 10年−5年 5年−2年 12/31 (%) 0.0 1/31 2/28 3/31 4/30 新発10年物国債利回り 0.500 ▲ 0.2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 15 20 25 30 40 (年) 0.10 0.450 0.400 0.05 0.350 0.00 先週末差 1ヶ月前差 3ヶ月前差 ▲ 0.05 ▲ 0.10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0.300 0.250 10 15 20 25 30 40 (年) 2/19 3/5 3/19 4/2 4/16 5/1 (資料)財務省「国債金利情報」より作成。新発 10 年国債利回りは Bloomberg より作成 ◎国債入札結果 入札日 銘柄 ( 回号) 表面利率 発行予定額 4/28 2年利付国債 (#352) 0.1% (0.1%) 2.5兆円 応札倍率 テール 最低価格 最高利回 3.90倍 (4.80倍) 0.6銭 (0.8銭) 100.195円 0.002% (資料)財務省ホームページより農中総研作成。表面利率及び応札倍率、テールの( )内数値は前回入札の値 農林中金総合研究所 4 3.株式市場 趙 玉亮 ◎市場概況 (4/27∼5/1 前場) 週初は概ね 2 万円台で推移。週央以降は、市場予想を下回った米GDP や日銀金融政策決定会合の追加 緩和無し決定を受け、大幅に下落。 週初は日米の金融政策会合を控えて様子見姿勢が強まって概ね 2 万円台で推移した。その後、30 日は市 場予想を下回った米国 GDP(1∼3 月期)の発表を受けて景気減速への警戒感が高まったほか、日銀政策決 定会合で一部に期待があった追加緩和を見送るとの決定もあり、日経平均は一時 550 円と今年最大の下落 幅となった。1 日前場は小幅続落、大型連休を控え、主力株を中心にやや売りが優勢となった。 ◎来週以降の市場予想 (5/7∼5/15) 日本国内では、材料が乏しいものの、トヨタ自動車などの製造業、商社、金融関係の決算が多数予定され ている。米国では低調な経済指標が相次ぎ発表されて景気減速への警戒感が高まるなか、雇用統計(8 日) などの 4 月分の経済指標が発表される。また、ギリシャ債務の交渉を巡って、EU 財務相理事会の開催にも注 目したい。 <5/1前場終値> 日経平均: 1 9 ,4 7 1 .5 0 (前週末比 ▲ 548.54 ) 日経平均株価の日足グラフ (円) 25日移動平均線 TOPIX: 1 ,5 7 7 .2 5 株価等の指標騰落率 200日移動平均線 (同 ▲ 41.59 ) 年度初来(15年3月末)比 前週(4/24)比 日経225 20,500 20,000 19,500 19,000 18,500 18,000 17,500 17,000 16,500 16,000 TOPIX TOPIXコア30 JPX日経400 日経JASDAQ 東証REIT 3/17 (億株) 3/23 3/27 4/2 4/8 4/14 4/20 4/24 出来高 株数 出来高 金額 東証一部 出来高 ▲3% 5/1 (千億円) 45 40 35 30 25 20 15 10 45 40 35 30 25 20 15 10 3/16 3/20 3/26 4/1 4/7 4/13 4/17 4/23 4/30 ▲1% 1% 3% 5% (兆円) 投資部門別株式売買状況(12年1月∼累積) 25 海外投資家 20 買越 15 10 信託銀行 5 0 -5 -10 売越 -15 個人 -20 13/1/25 決算発表 注目銘柄 (変更になることがありますのでご注意ください) 13/7/5 13/12/13 14/5/23 14/10/31 15/4/10 (資料) Bloomberg より農中総研作成 (5/7)キーエンス、任天堂 (5/8)楽天、富士重工業、三菱重工業、トヨタ自動車、三井物産、東芝、三菱商事 (5/11)ブリヂストン、アステラス製薬、三井不動産、ソフトバンク、スズキ (5/12)KDDI、三菱地所、クボタ、ダイキン工業、オリックス (5/13)日産自動車、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、大塚ホールディングス、 (5/14)国際石油開発帝石、住友不動産、エーザイ、日立製作所、 (5/15)SMC、NTT、武田薬品工業、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、第一生命保険 農林中金総合研究所 5 4.外国為替市場 木村 俊文 ◎市場概況 (4/27∼5/1 前場) ドル・円相場は、米 GDP や日銀会合後に一時的に円買いが強まったが、その後は 119 円台へ 週前半のドル・円相場は、米 1∼3 月の実質 GDP 速報や連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政 策決定会合などのイベントを控え、1 ドル=119 円前後で小動きとなった。その後も 119 円をはさむ展開 だったが、米 GDP(29 日)が市場予想を下回った場面や日銀が金融政策の現状維持を決定(30 日)した 場面では、一時的に 118 円台半ばまで円買いの動きが強まった。しかし、5 月 1 日前場は、前日に米国 で発表された週間新規失業保険申請件数や 1∼3 月の雇用コスト指数の改善などを受けてドル買いが 優勢となり、119 円台後半で推移している。 ユーロ・円相場は、ギリシャ支援進展への期待感や独金利上昇などを受けユーロ高に転換 ユーロ・ドル相場は、ギリシャ政府による支援策交渉チームの再編(27 日)などを受け支援協議が進展 するとの期待感が高まったことに加え、デフレ懸念後退でドイツ長期金利が上昇した一方、米景気減速 懸念が強まったことから、30 日に 1 ユーロ=1.126 ドルと 2 月下旬以来 2 ヶ月ぶりのユーロ高水準となっ た。こうした動きを受けて、ユーロ・円相場も 30 日に1ユーロ=133 円台半ばまでユーロ高・円安が進ん だ。5 月 1 日前場も 134 円台前半までユーロ高の動きが続いている。 ◎来週以降の市場予想 (5/7∼5/15) 1∼3 月の米 GDP が急減速したが、今後発表される ISM 景況指数(製造業:1 日、非製造業 5 日)や 雇用統計(8 日)、小売売上高(13 日)などで、4 月以降の米経済の回復が確認されるかどうかが今後のド ル・円相場のポイントとなるだろう。一方、ユーロは買い戻しの動きが続くと予想されるが、12 日に IMF へ の返済期限が迫るなどギリシャ情勢も引き続き材料となるだろう。 (円/ドル) (円/ユーロ) 円/ドル・レート 112 円 高 114 114 128 200日移 動平均 116 円/ユーロ・レート 112 126 116 126 円 高 128 130 130 132 118 132 118 25日移 動平均 134 120 120 25日移 動平均 122 124 2015/02/06 円 安 2015/03/06 (ドル/ユーロ) ドル/ユーロ・レート 1.24 1.2 1.18 ユ 1.22 200日移 動平均 ロ 高 ユ 1.14 ロ 安 1.12 1.1 1.08 1.06 1.04 2015/02/06 1.2 1.18 ー 1.16 1.24 ー 1.22 122 138 124 140 2015/05/01 2015/02/06 2015/04/03 25日 移動 平均 1.16 1.14 1.12 1.1 1.08 1.06 2015/03/06 2015/04/03 200日移 動平均 136 1.04 2015/05/01 円 安 134 136 138 2015/03/06 2015/04/03 140 2015/05/01 シカゴIMM円ポジション(先物のみ) (円ドル) (1万コントラ クト) ▲ 14 ▲ 12 ▲ 10 ▲8 ▲6 ▲4 ▲2 0 2 4 14/05 14/07 14/09 123 120 117 114 111 108 105 102 円ポジション(左軸) 99 円ドル(右軸) 96 14/11 15/01 15/03 15/04 (注) 1コントラクト=1250万円 (資料)Bloombergより農中総研作成 農林中金総合研究所 6 5−1.海外市場(米国、欧州) (米国)趙 玉亮、 (欧州)山口 勝義 ◎市場概況 (4/24∼4/30) 【米国】 長期金利(10 年債利回り)は、週を通じて上昇。週初は米 1∼3 月期 GDP 速報値や FOMC を控えて景気回 復への期待感が高まるなか、起債増やドイツ長期金利の上昇もあり、約 1 ヶ月半ぶりに 2%まで上昇した。その 後、発表された GDP は市場予想を下回ったものの、FOMC の声明で利上げに関する方針に変化がなかった ことが明らかとなり、市場への影響が限定的にとどまり、30 日は 2.03%(先週比では 7bp 上昇)となった。一方、 株価は週初に伸び悩んだものの、28 日には好調な企業決算を好感して反発した。その後、予想下振れの GDP を受けて、週央以降は下落した。ダウ工業株 30 種平均は、先週比 218.17 ドル(1.2%)安い 17,840.52 ド ルで取引を終了した。 【欧州】 今週は、ギリシャ国債の利回りが低下する一方で、ドイツ国債を中心に高格付け国債の利回りが大幅に上 昇した点で特徴的な週になった。ギリシャ情勢については、27 日にギリシャ政府が支援策交渉チームを再編 し、バルファキス財務相の影響力が抑制されたことなどを受け、支援協議が進展するとの期待が出た。これに 対し、29 日発表のドイツの、また 30 日発表のユーロ圏の消費者物価上昇率(HICP)でデフレ懸念が和らいだ ことなどで、ドイツ国債等の国債利回りは上昇した。週を通じて、ギリシャ 10 年国債は 180bp 利回りが低下。ド w イツ 10 年国債は 20bp の上昇。一方、好業績への根強い期待などを背景に上昇を続けてきた株式市場では調 整が入り、ストックス欧州 600 指数は 2.8%下落し、うち銀行セクターは 0.9%下落となった。 米国債のイ-ルドカーブ (%) 3.5 欧州の国債利回り(10年債) (%) 14 3.0 14/10/30 2.5 2.0 ギリシャ 12 ポルトガル 15/01/29 10 15/04/30 8 イタリア 6 スペイン 1.5 1.0 4 アイルランド 2 0.0 ドイツ 0 0.50 0.40 1ヵ月前差 3ヵ月前差 0.20 0.10 0.00 ▲ 0.10 1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 1年 2年 3年 5年 7年 10年 30年 米国の株価指数 (ドル) 14/11 14/12 15/1 18,000 15/3 15/4 欧州の株価指数 (ポイント) 18,500 15/2 ドイツ国債との利回りスプレッド(直近1週間の変動幅)(10年債) (bp) 10 ▲ 10 ▲ 30 ▲ 50 ▲ 70 ▲ 90 ▲ 110 ▲ 130 ▲ 150 ▲ 170 ▲ 190 ▲ 210 1週前差 0.30 14/10 450 200 400 190 180 350 17,500 160 250 150 200 NYダウ工業株30種 150 130 16,000 100 14/10 14/11 14/12 120 14/12 15/1 15/2 15/3 15/4 うち銀行 セクター② 140 16,500 14/11 ストックス欧州 600指数① 170 300 17,000 (参考)米国 10年 30年 英国 7年 ポルトガル 5年 アイルランド 3年 ギリシャ 2年 スペイン 1年 フランス 1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 イタリア ▲ 0.5 (参考)日本 0.5 15/1 15/2 15/3 ①−② (右軸) 15/4 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 7 5−2.海外市場(中国、その他新興・資源国) (中国)王 雷軒、 (その他新興・資源国)多田 忠義 ◎市場概況 (4/24∼4/30) 【中国】 国有企業の大規模な再編を好感したほか、中国人民銀行(中央銀行)が地方債の直接買入れを行うとの 観測も浮上したため、週明け 27 日の上海総合指数は大幅に反発し、7 年 2 ヶ月ぶりに 4,500 ポイントの大台 を回復した。しかし、その後は、高値警戒感から利益確定売りが広がったほか、中国人民銀行が地方債の買 入れについて否定的な考え方を示したこともあって、下落基調で推移した。 【その他新興・資源国】 米GDP など軟調な経済指標を受け、先進国株式の下落につられ、新興・資源国関連の株価指数は売り優 勢となった。国別にみると、インドでは、低調な企業決算に対する懸念に加え、企業の土地取得を容易にす る法律改正をめぐって野党が反発し、このほかの重要法案も議会通過せず、経済成長に影響が及ぶとの懸 念が広がっている。また、外国への資金流出も懸念されたことから株安となった。インドネシアでも企業決算 がさえず、株価は約 4 ヶ月半ぶりの安値を更新した。オーストラリアでは、鉄鉱石価格の下落で資源株が売ら れたほか、来週の中銀会合を控え、株式への売り圧力が高まった。ブラジルでは、中銀が政策金利を 5 会合 連続で引き上げ、13.25%(+0.5%)とした(29 日)。このところレアル高傾向だったこともあり、利上げ後は調整 が入っている。 4,000 3,500 3,000 2,500 15/04 15/03 15/02 15/01 14/12 14/11 14/10 2,000 bp(新興国債券と米債とのスプレッド) 4,500 480 335 460 340 440 345 420 350 400 355 380 360 360 債券指数EMBI+(左軸) 通貨指数ELMI+(右軸) 340 365 370 320 375 300 14/10 14/11 14/12 15/01 15/02 15/03 15/04 380 米ドル高→ 債券スプレッド・通貨指数 上海総合指数 ポイント (逆目盛) (ポイント) 5,000 100 WTI期近物 北海ブレント 豪NC石炭FOB期近物 (米ドル/トン) LME銅先物3ヶ月(右軸) 7,000 120 90 6,500 110 80 6,000 100 70 5,500 60 5,000 50 4,500 MSCI-EM 130 商品価格の動向 新興国株価指数(MSCI Index) ('15.01=100) EMアジア EMラテンアメリカ EMヨーロッパ (米ドル/バレル) (米ドル/トン) (%) 18 15/04 15/03 15/02 15/01 14/12 14/11 80 14/10 90 ロシア ブラジル インド 6 中国 4 オーストラリア 0 14/10 14/11 14/12 15/01 15/0215/03 15/04 15/3 ブラジル・レアル/ボベスパ ロシア・ルーブル/RTS インド・ルピー/SENSEX インドネシア・ルピア/ジャカルタ総合 自 ド 国 株 ル 通 安 高 貨 ・ 安 15/4 株価前週(4/24)比 為替前週(4/24)比 株 高 ・ ド 自 ル 国 安 通 貨 高 ) インドネシア 8 2 15/2 ( 10 15/1 ) 12 14/12 ( 14 4,000 14/11 通貨:対米ドル騰落率/株価騰落率 政策金利の推移 16 40 14/10 オーストラリア・ドル 中国元・上海指数 ▲7%▲6%▲5%▲4%▲3%▲2%▲1% 0% 1% 2% (注)一部は前営業日終値、それ以外は本グラフ作成時点との比較 (資料)Bloomberg、Thomson Reuters Datastreamより農中総研作成 農林中金総合研究所 8 6.指標分析・注目点 南 武志 ① 今週のレビュー 4 月 30 日に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、大方の予想通り、政策変更なしが決定さ れた。3 月の全国消費者物価(除く生鮮食品)は前年比 2.2%(消費税要因を除くと同 0.2%)と 2 月分(そ れぞれ同 2.0%、同 0.0%)から上昇率が回復したが、原油価格が大幅に下落しており、それが今夏まで に消費者物価の一時的な下落を招くとの予想から、日銀はいずれ追加緩和に追い込まれるとみる市場 参加者はいまだに多い。しかし、金融政策はプリエンプティブに行うのが基本であり、物価が下落状態に なってから発動しても手遅れであることを考慮すれば、「原油安で追加緩和」という発想は今回で完全に 否定された、と解釈するのが妥当であろう。 また、会合後に発表された展望レポートでは、消費者物価上昇率が物価安定目標に達するのは「16 年 度前半頃」と、それまでの「15 年度を中心とする期間内」から先送りされた。とはいえ、民間予想の平均と 比較すると、物価見通しは相変わらず強気である。量的・質的金融緩和がスタートした 13 年度について は、民間予想を上回るペースで物価の改善が進んだが、その「成功体験」の再現を期待しているようであ る。つまりは、「足元のデフレギャップは解消している」との認識の下、今後 1∼2%のペースで経済成長す れば、GDP ギャップは需要超過幅を拡大、同時に労働需給は一段と逼迫度を高め、それが賃金・物価を 押し上げる、というシナリオである。わが国の人口構成を考慮すれば、労働参加率がよほど高まらない限り、 この数年間で労働供給余力はどんどん少なくなっていくはずである。少なくとも半年はこのシナリオ通りに 日本経済が進んでいるのかどうかを確認するのだろう。これがうまくいかなければ、10 月末には戦略の練 り直し(含む追加緩和)が求められるのだろう。 以下、消費者物価以外の今週発表された主要な経済指標を確認したい。3 月の鉱工業生産は前月比 ▲0.2%と 2 ヶ月連続の低下となった。1 月の大幅増産の反動が長引いており、在庫も 2 ヶ月連続で積み 上がる結果となった。背景には、消費の低調さのほか、1 月まで堅調だった輸出がやや伸び悩んでいるこ とが挙げられる。 次に、3 月の消費関連指標であるが、供給サ イド(販売統計)と需要サイド(家計調査)とでは (2005年=100) 民間消費関連の指標 112 家計調査:全世帯・実質消費支出(除く住居等) 商業販売統計:小売業販売額指数(実質化) 第三次産業活動指数:広義対個人向けサービス業 消費総合指数 全産業供給指数:民間消費 110 108 106 104 明暗が分かれた。まず、商業動態統計・小売業 販売額指数は前月比▲1.9%と、2 月の「爆買い」 の反動が出た格好となった。一方、家計調査・ 全世帯実質消費支出(除く住居等)は同 2.8% 102 100 98 96 94 92 2005年 と 3 ヶ月ぶりに大きく増加。1∼3 月期を通じても 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 (資料)内閣府、経済産業省、総務省の各統計より作成 (注)家計調査、商業販売統計は2010年=100 前期比横ばいまで挽回できた。とはいえ、消費の持ち直しは鈍いままであることにはあまり変わりはない。 最後に、雇用関連指標であるが、失業率は再び 3.4%へ低下(改善)。しかし、失業者こそ前月から 9 万人減少し、97 年 4 月以来の水準まで改善しているが、雇用者数は前月から 3 万人増加にとどまったほ か、非労働力人口は同じく 17 万人増加している。労働参加率は 59.5%で改善が見られず、高齢化など の影響で労働供給が減少傾向にあることが影響している可能性が高い。一方、有効求人倍率は 1.15 倍 で 2 月と変わらず。求人の増加ペースは落ちているが、高水準での推移が続いている。 農林中金総合研究所 9 南 武志 ②指標予想:1∼3月期のGDP成長率見通し 5月20日に、2015年1∼3月期のGDP第1次速報(1次QE)が公表される予定である。当総研では月次公 表資料などを用いて簡便的にGDP成長率の試算を行った。 14年度上期の日本経済は2四半期連続のマイナス成長に陥るなど、楽観視されていた消費税増税の 悪影響を受け、低調に推移した。増税直前の駆け込み需要が強かった分、その反動も大きかったが、政 府から強い要請で実現した賃上げも増税も含めた物価上昇よりは低かったために、家計の実質所得が目 減りする事態を招いており、それが消費持ち直しを遅らせる、といった構図が続いている。 以下、1∼3月期のGDP成長率見通しについて述べていきたい。まず、全体の姿として、実質成長率は 前期比 0.2%(同年率換算 0.6%)と、2四半期連続のプラス成長となるが、10∼12月期(前期比0.4%、 同年率1.5%)からは減速する。0∼1%とされる潜在成長率とほぼ同水準であり、年度上期に拡大したデ フレギャップを縮小させる勢いはない。前年比は▲1.8%と4四半期連続のマイナス、かつ再びマイナス幅 が拡大。一方、名目成長率は前期比 0.2%(同年率 1.0%)と、実質成長率と同様、2四半期連続のプラ ス成長となるだろう。 次に、需要項目別に見ていきたい。民間消費は増税後の反動減で4∼6月期に前期比▲5.0%と、 1980年以降で最大の減少幅を記録したが、その後は持ち直しが始まったものの、総じて鈍い動きに終始 している。消費総合指数は15年入り後低下が続いており、1∼2月平均は10∼12月平均に比べて▲0.1% ほど下回っている。そのほかの消費関連の指標を見ると、第3次産業活動指数・広義対個人向けサービス 業の1∼2月平均は10∼12月平均を0.8%上回っている。1∼3月期の家計調査(全世帯・実質消費支出 (除く住居等)は前期比横ばいだが、商業動態統計(小売業販売額(実質ベース)は同▲1.6%と減少す QE予想:GDPと構成項目 名目GDP 実質GDP ( % 前年比) 国内需要 民間需要 民間消費 民間住宅 民間企業設備 民間在庫 公的需要 政府消費 公共投資 純輸出 輸出等 輸入等 GDPデフレーター( % 前年比) 4 ∼6 月期 0.3 -1.6 2014年 7 ∼9 月期 -0.9 -0.7 1 0 ∼1 2 月期 1.0 0.4 - 0 .3 - 1 .4 - 0 .8 -2.6 -3.6 -5.0 -10.3 -5.0 (1 . 4 ) 0.5 0.4 1.1 (1 . 1 ) -0.3 -5.3 2.1 -0.7 -1.1 0.3 -7.0 -0.2 (- 0 . 8 ) 0.6 0.2 2.1 (0 . 1 ) 1.5 1.0 2.1 0.2 0.1 0.5 -1.2 -0.1 (- 0 . 2 ) 0.3 0.3 0.8 (0 . 2 ) 2.8 1.3 2.4 2015年 1 ∼3 月期 0.2 〔1.0〕 0.2 〔0.6〕 2 0 1 4 年度 1.2 -1.0 - 1 .8 0.1 0.4 0.1 0.1 0.3 -0.7 0.2 -4.9 1.5 0.9 2.4 (0 . 1 ) (0 . 3 ) (0 . 0 ) (0 . 0 ) (0 . 0 ) (0 . 1 ) (- 0 . 2 ) (0 . 0 ) (- 0 . 2 ) (0 . 1 ) (0 . 3 ) (- 0 . 1 ) -1.6 -2.4 -3.0 -12.0 -0.1 0.8 0.5 1.8 7.3 3.0 2.3 (- 1 . 7 ) (- 1 . 8 ) (- 1 . 8 ) (- 0 . 3 ) (- 0 . 0 ) (0 . 3 ) (0 . 2 ) (0 . 1 ) (0 . 1 ) (0 . 7 ) (1 . 2 ) (- 0 . 4 ) (資料)内閣府資料などを基に、農中総研予測 (注)%前期比、( )内は四半期であれば前期比成長率、年次であれば前年比成長率に対する寄与度(%pt) 〔 〕内は、年率表示(%) 民間在庫、純輸出の( )は前期比に対する寄与度表示。 農林中金総合研究所 10 るなど、まちまちであった。基本的に消費の基調は弱いままと認識しており、民間消費は前期比 0.1% (前期比成長率に対する寄与度:0.0ポイント)と3四半期連続のプラスだが、失速気味の姿になるだろう。 民間住宅については、新設住宅着工戸数・床面積とも下げ止まり、一部で持ち直しも見られることもあり、 前期比0.1%(寄与度:0.0ポイント)と、微増ながらも4四半期ぶりのプラスと予想する。 民間企業設備投資は、日銀短観などビジネスサーベイからは年度計画は堅調さを維持するなど、企業 の投資意欲は高いままだが、足元の関連指標をみる限り、実際の投資行動にはそれが十分反映されて いない。先行指標とされる機械受注(船舶・電力を除く民需)は1∼3月期は3四半期連続の前期比プラス となる公算が高い(事前予測では前期比1.5%)。鉱工業統計:資本財出荷(除く輸送機械)も前期比 1.2%と3四半期連続で上昇。民間企業設備投資は同 0.3%(寄与度:0.0ポイント)と、小幅ながらも4四 半期ぶりのプラスとなるだろう。 また、4∼6月期に大きく積み上がった後、2四半期連続で調整が進んだ民間在庫投資であるが、3月分 の鉱工業統計・在庫指数では12月時点よりも水準が高まるなど、2月以降は在庫積み上がりが見られる。 そのため、小幅ながらも3四半期ぶりにプラス寄与(寄与度:0.1ポイント)と予想した。民間需要全体として は、前期比 0.4%(寄与度:0.3ポイント)と2四半期連続の増加となるだろう。 一方、公的需要については、政府消費は前期比0.2%(寄与度:0.0ポイント)と4四半期連続の増加とな るが、公共投資は同▲4.9%(寄与度:▲0.2ポイント)と4四半期ぶりのマイナスと予想する。公的在庫投資 も含めた公的需要全体としては同▲0.7%(寄与度:▲0.2ポイント)と、4四半期ぶりの減少となるだろう。 輸出等については、円安進行から2年以上が経過し、価格競争力回復に伴う輸出数量押上げ効果が 出てきたが、1∼3月期の実質輸出指数は前期比1.0%と3四半期連続の上昇ながらも、増勢は弱まった。 なお、サービス輸出の増加もあり、輸出等の前期比は1.5%(寄与度:0.3ポイント)と3四半期連続の増加と 予想する。輸入等については、国内需要に持ち直しの動きが出ているとはいえ、動きが鈍いこともあり、同 0.9%(寄与度:▲0.1ポイント)と3四半期連続のプラスを見込んだ。その結果、輸出入の差額である外需 の前期成長率に対する寄与度は0.1ポイントと、4四半期連続のプラスながらも、10∼12月期(0.2ポイント) からは低下するだろう。 最後に、GDPデフレーターについては、増税後の需要停滞により、需給改善効果による価格転嫁圧力 が一服したが、資源輸入価格が下落していることもあり、見かけ上は価格転嫁が進んだ格好になるだろう。 前期比では0.1%と2四半期連続のプラス、前年比では2.4%と5四半期連続のプラスとなるだろう。 この結果、14年度の経済成長率は実質▲1.0%と5年ぶりのマイナス成長、名目では1.2%と3年連続の プラスとなるだろう(GDPデフレーターは前年比2.3%と、17年ぶりのプラスだが、消費税増税が行われた ためである)。 農林中金総合研究所 11 7.日米経済指標の動向(グラフ) 【日本】 (%) (倍) (%) 失業率・有効求人倍率:季調済(3月) 3.2 1.3 3.4 1.2 3.6 1.1 3.8 1.0 4.0 0.9 4.4 '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 20 110 10 100 0 90 ▲ 10 80 0.8 ▲ 20 有効求人倍率(右軸) 完全失業率(左軸・逆目盛) 4.2 (万戸) 新設住宅着工戸数(3月) 0.7 ▲ 30 '13.3 '15.3 70 着工戸数(季調済年率・右軸) 前年比(原数値・左軸) '13.9 '14.3 60 '15.3 '14.9 失業率は、3.4%と前月から0.1ポイント低下した。有効求人倍 新設住宅着工戸数(季調済年率)は92.0万戸と2ヶ月連続で 増加した。前年比(原数値)では0.7%と12ヶ月ぶりにプラスに 率は、1.15倍と前月から変わらなかった。 転じた。 (%) (%) 消費者物価指数(除生鮮食品):前年比 5.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 ▲ 0.5 ▲ 1.0 全国(3月) 東京都区部(4月) (%) 鉱工業生産指数(3月速報) 予測 2.5 6 0.0 0 ▲ 2.5 '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 '15.3 12 ▲6 前月比(左軸) 前年比(右軸) ▲ 5.0 '13.3 '13.9 '14.3 ▲ 12 '14.9 '15.3 生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)について、全国の3 鉱工業生産指数(速報)は、前月比▲0.3%と低下した。製造 月分は、前年比2.2%と前月(同2.0%)から上昇した。同東京 工業生産予測指数の4月分は同2.1%を見込むが、5月分は 同▲0.3%とマイナスを見込む。 都区部の4月分は、同0.4%。 (%) 家計調査 :実質・前年比(3月) 9 6 3 0 ▲3 ▲6 全世帯消費支出 勤労者世帯消費支出 ▲9 ▲ 12 '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 '15.3 家計調査(2人以上の世帯)によると、実質全世帯消費支出 は前年比▲10.6%と12ヶ月連続で減少した。実質勤労世帯 消費支出も同▲11.0%と12ヶ月連続で減少した。 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 12 【米国】 (%) (ポイント) CB消費者信頼感指数:季調済(4月速報) 耐久財受注:季調済前月比(3月) 120 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 ▲ 5.0 ▲ 10.0 ▲ 15.0 ▲ 20.0 総合 110 輸送用機器を除く 100 消費者信頼感指数 現況指数 期待指数 90 80 70 60 50 '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 '15.3 '13.4 '13.10 '14.4 '14.10 '15.4 耐久財受注は、前月比4.0%と、事前予測(同0.6%)を上回っ コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数(速報値)は、 た。輸送用機器を除く耐久財は、同▲0.2%と事前予測(同 95.2と前月(101.4)から低下した。現況指数は106.8、期待指 0.3%)を下回った。 数は87.5だった。 (%) 国内総生産(GDP) :前期比年率(1∼3月期速報) 6 5 4 3 2 1 0 ▲1 ▲2 ▲3 GDP成長率 コアPCE '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 '15.3 GDP成長率の速報は、前期比年率0.2%と事前予測(1.0%) を下回った。 (%) (万人) 新規失業保険申請件数(4 月25日週) (万人) 34 260 新規失業保険申請者件数 4週移動平均 255 33 失業保険継続受給者(右軸) 32 250 31 245 30 240 29 235 28 230 27 225 26 220 11/8 12/20 1/31 3/14 4/25 新規失業保険申請者件数は、26.2万人と事前予測(29.0万 人)を下回った。一方、失業保険継続受給者数(4月18日週) も、225.3万人と事前予測(230.0万人)を下回った。 個人支出:季調済前月比(3月) 1.0 個人消費支出 個人所得 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 ▲ 0.2 ▲ 0.4 '13.3 '13.9 '14.3 '14.9 '15.3 個人支出は、前月比0.4%と事前予測(同0.5%)を下回った。 個人所得は、同0.0%と事前予測(同0.2%)を下回った。 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 13 内外金融市場データ 長期金利 新発 10年 国債 利回 15/03/05 15/03/06 15/03/09 15/03/10 15/03/11 15/03/12 15/03/13 15/03/16 15/03/17 15/03/18 15/03/19 15/03/20 15/03/23 15/03/24 15/03/25 15/03/26 15/03/27 15/03/30 15/03/31 15/04/01 15/04/02 15/04/03 15/04/06 15/04/07 15/04/08 15/04/09 15/04/10 15/04/13 15/04/14 15/04/15 15/04/16 15/04/17 15/04/20 15/04/21 15/04/22 15/04/23 15/04/24 15/04/27 15/04/28 15/04/29 15/04/30 15/05/01 0.400 0.385 0.430 0.460 0.410 0.380 0.405 0.420 0.410 0.365 0.325 0.325 0.310 0.305 0.330 0.325 0.370 0.370 0.400 0.375 0.335 0.355 0.340 0.355 0.360 0.360 0.340 0.340 0.325 0.325 0.325 0.300 0.310 0.310 0.300 0.310 0.285 0.300 0.295 休場 0.340 0.360 金利 債先 スワップ 無担保 10年物 レート コール 5年物 中心 翌日物 限月 (円-円) 仲値 147.54 147.67 147.26 146.89 147.39 147.39 147.13 147.05 147.09 147.56 147.90 147.90 148.03 147.97 147.85 147.86 147.44 147.50 147.22 147.46 147.75 147.65 147.83 147.65 147.58 147.59 147.73 147.72 147.87 147.85 147.80 148.00 147.93 147.93 148.03 147.95 148.20 148.11 148.19 休場 147.89 147.50 短期金利 国庫 短期 証券 3ヶ月物 TIBOR ユーロ 円 3ヶ月 外国為替 TIBOR ユーロ 円 6ヶ月 金利 先物 (利回) 中心 限月 ユーロ ドル円 円 スポット ユーロ スポット レート ドル レート 東京 スポット 東京 17:00 レート 17:00 現在 現在 国内株価指数 日経 平均 株価 225 TOPIX 海外株価指数 米国 NYダウ 工業株 30 米国 ナスダック 総合 ストッ クス 欧州 600 海外金利 中国 上海総合 米国 財務省 証券 3ヶ月物 国債 利回 0.246 0.080 ▲ 0.009 0.171 0.255 0.155 119.81 1.103 132.41 18,751.84 1,523.72 18,135.72 4,982.81 393.78 3,248.48 0.005 0.243 0.075 0.000 0.171 0.255 0.155 120.11 1.084 132.42 18,971.00 1,540.84 17,856.78 4,927.37 394.18 3,241.19 0.005 0.265 0.076 0.000 0.171 0.255 0.160 120.88 1.085 131.34 18,790.55 1,531.76 17,995.72 4,942.44 393.19 3,302.41 0.005 0.288 0.076 0.000 0.170 0.254 0.155 121.79 1.070 131.57 18,665.11 1,524.75 17,662.94 4,859.80 389.66 3,286.07 0.010 0.263 0.083 0.000 0.170 0.254 0.155 121.27 1.055 129.55 18,723.52 1,525.67 17,635.39 4,849.94 395.48 3,290.90 0.015 0.255 0.076 0.000 0.170 0.254 0.155 121.02 1.064 128.72 18,991.11 1,546.63 17,895.22 4,893.29 395.36 3,349.32 0.020 0.278 0.075 0.000 0.170 0.254 0.165 121.34 1.050 128.77 19,254.25 1,560.33 17,749.31 4,871.76 396.61 3,372.91 0.020 0.285 0.075 ▲ 0.001 0.170 0.254 0.165 121.24 1.057 127.68 19,246.06 1,558.21 17,977.42 4,929.51 400.18 3,449.31 0.030 0.279 0.075 ▲ 0.001 0.170 0.254 0.160 121.40 1.060 128.83 19,437.00 1,570.50 17,849.08 4,937.44 397.33 3,502.85 0.046 0.258 0.075 ▲ 0.001 0.170 0.254 0.160 121.33 1.086 128.77 19,544.48 1,582.46 18,076.19 4,982.83 398.65 3,577.30 0.025 0.243 0.071 0.000 0.170 0.254 0.160 120.62 1.066 129.18 19,476.56 1,575.81 17,959.03 4,992.38 400.83 3,582.27 0.005 0.255 0.066 0.006 0.170 0.254 0.160 120.81 1.082 128.90 19,560.22 1,580.51 18,127.65 5,026.42 404.01 3,617.32 0.000 0.248 0.065 0.006 0.170 0.254 0.160 120.08 1.095 129.58 19,754.36 1,592.25 18,116.04 5,010.97 401.24 3,687.73 0.000 0.246 0.064 0.006 0.170 0.254 0.160 119.61 1.092 131.00 19,713.45 1,587.59 18,011.14 4,994.73 402.49 3,691.41 0.015 0.245 0.065 0.007 0.170 0.254 0.165 119.62 1.097 131.01 19,746.20 1,592.01 17,718.54 4,876.52 397.95 3,660.73 0.025 0.243 0.065 0.009 0.170 0.254 0.165 118.63 1.088 130.65 19,471.12 1,568.82 17,678.23 4,863.36 394.54 3,682.10 0.025 0.268 0.067 0.020 0.170 0.254 0.165 119.45 1.089 129.13 19,285.63 1,552.78 17,712.66 4,891.22 395.54 3,691.10 0.036 0.266 0.064 0.005 0.170 0.254 0.165 119.68 1.083 129.64 19,411.40 1,557.77 17,976.31 4,947.44 399.84 3,786.57 0.015 0.280 0.015 0.005 0.170 0.254 0.165 120.21 1.073 129.25 19,206.99 1,543.11 17,776.12 4,900.89 397.30 3,747.90 0.020 0.263 0.056 0.005 0.170 0.254 0.160 119.90 1.076 128.94 19,034.84 1,528.99 17,698.18 4,880.23 398.52 3,810.29 0.015 0.247 0.057 0.004 0.170 0.254 0.155 119.53 1.088 129.30 19,312.79 1,554.17 17,763.24 4,886.94 397.80 3,825.78 0.010 0.253 0.058 0.002 0.170 0.254 0.160 119.64 1.097 130.08 19,435.08 1,564.16 休場 休場 休場 3,863.93 0.010 0.239 0.057 0.002 0.170 0.254 0.155 118.99 1.092 130.70 19,397.98 1,560.71 17,880.85 4,917.32 休場 休場 0.005 0.244 0.058 0.002 0.170 0.254 0.160 119.83 1.081 130.87 19,640.54 1,578.55 17,875.42 4,910.23 404.34 3,961.38 0.015 0.248 0.059 0.002 0.170 0.254 0.155 119.86 1.078 130.28 19,789.81 1,588.47 17,902.51 4,950.82 404.66 3,994.81 0.020 0.249 0.059 0.001 0.170 0.254 0.155 120.28 1.066 129.23 19,937.72 1,594.19 17,958.73 4,974.57 409.15 3,957.53 0.020 0.247 0.061 ▲ 0.009 0.170 0.254 0.155 120.52 1.060 127.91 19,907.63 1,589.54 18,057.65 4,995.98 412.93 4,034.31 0.015 0.248 0.060 ▲ 0.009 0.170 0.254 0.155 120.64 1.057 127.46 19,905.46 1,586.26 17,977.04 4,988.25 413.63 4,121.71 0.010 0.240 0.059 ▲ 0.009 0.170 0.254 0.155 119.87 1.066 126.44 19,908.68 1,590.82 18,036.70 4,977.29 411.70 4,135.57 0.015 0.239 0.061 ▲ 0.009 0.170 0.254 0.155 119.51 1.068 126.74 19,869.76 1,588.81 18,112.61 5,011.02 414.06 4,084.16 0.010 0.243 0.066 ▲ 0.009 0.170 0.254 0.155 119.30 1.076 126.91 19,885.77 1,599.42 18,105.77 5,007.79 410.93 4,194.82 0.015 0.234 0.063 ▲ 0.020 0.170 0.254 0.155 118.82 1.081 128.17 19,652.88 1,588.69 17,826.30 4,931.81 403.69 4,287.30 0.015 0.232 0.062 ▲ 0.020 0.170 0.254 0.160 118.71 1.074 127.98 19,634.49 1,582.68 18,034.93 4,994.60 406.87 4,217.08 0.010 0.229 0.062 ▲ 0.020 0.170 0.254 0.155 119.65 1.074 127.59 19,909.09 1,608.88 17,949.59 5,014.10 409.12 4,293.62 0.020 0.226 0.062 ▲ 0.020 0.170 0.254 0.150 119.58 1.073 128.57 20,133.90 1,621.79 18,038.27 5,035.17 408.99 4,398.50 0.020 0.229 0.063 ▲ 0.020 0.170 0.254 0.155 119.88 1.082 128.08 20,187.65 1,624.87 18,058.69 5,056.06 407.18 4,414.51 0.020 0.221 0.065 ▲ 0.018 0.170 0.254 0.155 119.29 1.087 129.76 20,020.04 1,618.84 18,080.14 5,092.09 408.42 4,393.69 0.015 0.228 0.064 ▲ 0.019 0.170 0.254 0.150 119.22 1.089 129.43 19,983.32 1,619.07 18,037.97 5,060.25 412.42 4,527.40 0.010 0.225 0.064 ▲ 0.019 0.170 0.254 0.150 119.03 1.098 129.52 20,058.95 1,627.43 18,110.14 5,055.42 406.28 4,476.21 0.010 休場 休場 休場 休場 休場 18,035.53 5,023.64 397.30 4,476.62 ▲ 0.005 休場 休場 休場 休場 1.113 休場 0.244 0.063 ▲ 0.003 0.170 0.254 0.155 118.91 1.122 133.43 19,520.01 1,592.79 17,840.52 4,941.42 395.79 4,441.66 0.000 0.000 0.268 0.068 ▲ 0.019 0.169 0.254 0.150 119.79 1.120 134.85 19,531.63 1,585.61 18,024.06 5,005.39 394.66 休場 その他 米国 財務省 独国 証券 10年物 10年物 国債 国債 利回 利回 2.115 2.241 2.191 2.130 2.109 2.116 2.114 2.072 2.051 1.920 1.969 1.930 1.912 1.873 1.925 1.989 1.962 1.948 1.923 1.857 1.912 1.839 1.895 1.885 1.905 1.960 1.947 1.927 1.899 1.888 1.890 1.865 1.890 1.909 1.979 1.958 1.909 1.921 2.003 2.039 2.032 2.114 0.348 0.393 0.312 0.234 0.209 0.248 0.257 0.279 0.282 0.197 0.187 0.184 0.224 0.235 0.220 0.215 0.207 0.206 0.180 0.167 0.194 0.194 0.194 0.186 0.163 0.160 0.155 0.157 0.138 0.107 0.085 0.078 0.075 0.101 0.165 0.165 0.155 0.162 0.163 0.285 0.366 0.373 NY 金 先物 期近 NY 原油 先物 WTI 期近 OPEC 原油 バス ケット 価格 1,198.1 1,166.2 1,168.5 1,162.0 1,152.4 1,153.7 1,154.1 1,154.8 1,149.8 1,152.8 1,170.6 1,186.2 1,189.2 1,192.9 1,198.9 1,206.5 1,201.6 1,186.2 1,184.1 1,209.1 1,201.8 休場 1,219.5 1,211.5 1,203.9 1,194.4 1,205.5 1,200.2 1,193.5 1,202.2 1,198.9 1,204.1 1,194.7 1,204.1 1,187.9 1,195.3 1,176.0 1,204.2 1,214.9 1,211.0 1,183.4 1,175.5 50.76 49.61 50.00 48.29 48.17 47.05 44.84 43.88 43.46 44.66 43.96 45.72 47.45 47.51 49.21 51.43 48.87 48.68 47.60 50.09 49.14 休場 52.14 53.98 50.42 50.79 51.64 51.91 53.29 56.39 56.71 55.74 56.38 55.26 56.16 57.74 57.15 56.99 57.06 58.58 59.63 59.15 55.77 55.63 54.53 53.03 52.25 53.16 51.66 49.46 48.76 49.17 50.17 49.93 50.30 50.92 50.83 54.55 52.93 51.45 51.06 52.48 52.93 休場 53.20 54.61 54.28 53.52 54.04 55.86 55.91 57.01 58.88 59.52 59.50 58.84 58.09 59.14 60.95 61.06 60.41 60.92 62.21 62.23 (資料)Bloombergより農中総研作成 農林中金総合研究所 14
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