Title Author(s) Citation Issue Date Type 公法年報(ドイツ)第二五巻 田上, 穣治 一橋論叢, 5(3): 317-322 1940-03-01 Departmental Bulletin Paper Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/10086/5133 Right Hitotsubashi University Repository 95 書 評 公法年報(ドイツ)第二五巻 治 ト﹃ 穣 ErzdF022EH乙日ロFBHH白日目mw 見 出 。 ・MM︿( H c u g w HC臼申・ 上 五倍に分れる。 ι てゐることは周知の一巡りである。本径の内容は 交や資料そ間 ぜ イツ公法間半界に於ける最も構成ある年報として毎巻有益なる論 かかり、既に一昨年度で第二五巻を数へるに至った。これがド ここに紹介する公法年報はケルロイターとケトゲ yの編纂に 田 本 ナチの官 ツ閏民に源を醸しナチ世界観を以て貫かれた官吏園がナチの園 一九三七年に制定されたドイツ官吏法はその前文の中で、ドイ に於けるそれと比較して如何なる特色をもつかを論じてゐる。 一 以 法( H V H凶£・) の下に於ける官一見国が従来の警察図或は法治閣 円 ZSE 542E由。宮口町民何百合丘EC なる論文で、 E H 官吏国の地位﹂ (K55戸開主仲間guEO 答申H 問。包容き与E 第一はアルノルド・ケトゲシの﹁民族的指導者園家に於ける 中 家の基礎たるものと定めてゐる。これは従来の官吏の性質及び 317 3 ド 9 6 橋論議 第五巻 第三銭 及び民族に於いて努働者の憲法的地位を定めたもので、すべて 特殊なる地位が消滅した。園民は努働勤務 尚一一目察凶の下では官吏国は軍除と共に君主が園民を統治する子 国民の地位か根本的に鑓化せる ζとを意味する。 以勺あった。然るに立憲政に入り管業の自由が確立されて等族 空或はナチ窯を通じて園民的勤務に服しなければならぬ。他方 (kF 的秩序が崩壊し、殊に封建的な職業秩序が私法化し非階版化し に於いて官吏固にはナチ世界観の遜一本が要求されるから、従来 ﹃宮町田QH053防 のドイツ人に園民努働に服する義務を定め、ここに努働階級の Z E P E g g -居間)労働法或は経済法を設民 pzptE52口駅 H て( の如を民族より遊離せる ggza22 は消誠して 州 国 同853 と考へられる。弐にワイマル古法の下に至って‘ (40]] 見られる基本擢の規定が活用されず、民族と無悶係なるもの 所謂特別措力関係の特色を凡出す。ここでは一般的治問一怜に 思想的には官吏圏の外にあった。我位一寸はここにォ・マイヤ iの 的批曾の野立は著しくなった。前世記に於ける名誉職の制度も E邑23なることを示したのは、従来軍人及び官吏に特別なり た。同)切の・がその前文で官吏園が憲法的制度(﹂12P窓 口 口 問 団 てのドイツ人が官吏の知念特別な勤務関係に立っととになっ が 、 A7 や図の指導と民族そのものが現賞に接関し、殆んどすべ では一般国民はただ謹翠擢及び国民投票一穣あるに過ぎなかった は官吏固に止まらず、買に民族そのものである。従来の代議制 官吏国は如何なる地位をもつか。すべて公の勤務は民族の指導 a ZEEZg せしめたとさに、軍除及び官克凶による凶の勤務秩序の内部は 保 持 一 28窓口を生じた。いひ換へれば固の政治を握醤する者 官吏国は軍除と離れて次第に通常の鈴倒附紐と同様の性質をも し勤務関係が謹じて一般園民の義務となったことを意味するの J10 っやうになった。これはマルキ γズムの影響もあるが、その結 である。 依然として非自由、正義的制向が田明者であり、かくて園家と市民 果{旦史法の特色は稀薄となり、努働法の中に吸牧されゃうとし 8rg)の中で るにあり、官法も亦'既得権の保障を奥へてゐる。これに針して 者ヒトラーに野ずるもので、彼に針して忠誠の誓約が要求され 窓口国々 (40E270H) ナチ政府は一方に於いて労働法を改めた。従来の労働法は専ら る。これはすべてのドイツ人が民族と閑家に忠質たるべき蛍然 然らばかかる民族的勤務法 傍働者の保護に重描があったのを、一九三四年の闘民地目倒秩序 の結果であり、{旦見に於ける忠賞義務もこの一般的なる息宣義 た。官吏法の重姑は官吏たる個人の地位を国家に野して保障す 5号 EFHH町ZZ) は写ろ閤家 法(の巾gRN5守合ロロ向。2 8 31 務(胆}}買巾旨$6434己目。宮)と本質を具にするものではない。 蓋し法規及び職務命令に服従する義務を主とするときは、官吏 接されたのに反して、ナチにらっては忠寅義務を第一とする。 る忠寅義務の他に官験の一民す内容によって拘束されることにあ 官吏の特色は官職 三傍以下の規定の順序はこれを示す。 園を統治の機械的手段と化する虞があるからである。官吏法第 323 を携任し、その結果ヒトラーに艶す る。もちろん官吏は官暗同信任者たると同時に指導に服従する者 園の原理が ZH と男同の掛立を前提とし、君主への服従が憲 る言論の自由を否認するものではないとしてゐる。とれは法治 建制度に於けるやうな包括的な人格関係にあらず憲法の保障す でなく貿質的目的に他ならずとし、プラ yトは官吏の義務は封 グス・ウェ 1バーは官吏が申基義務を負ふ相手方は特定の人格 れる。けれどもワイマル憲法の下では反艶であって、倒へばマ z Z F )なることは従来も認められ、ナチにあっては特に強調さ 42a 関係の本質が一身を捧げて勤務に服する忠寅閣係百円2 族外のユダヤ人が官吏たり得ざる所以もここにある。更に官交 円艮史の職務上の義務と職務外の義務の区別も認められない。民 たるによって一定の限度で官吏法の制約を蒙むるのではなく、 いが、行政官にも認むべく、それはヒトラーに艶する人格的忠 による質質的義務付け(白色日号Z95聞のロ)は持に司法官に著し のもつ内容殊にその倫理的意義は官吏を義務づける。この官職 によって公の職務と規定されるが、官職ではない。第二に官職 性質ある職務が増加しつつゐる。けれども例へば醤莱は曹師法 しめんと試みたのに反して、ナチにあっては世界観的な倫理的 いが、従来の園家原理が行政及び司法を翠なる技術的機能たら 困家の主要権限が官職として官更に一任されるのはいふ迄もな 官職の内容は園家思線が強固たるに臆じて培大する。傍統的な 必要による職務は官交をして搭任せしめるのであるが、かかる 的職務(岳写一四ZRFEkg門官官戸)の庭理その他園家的安全の 以はその官臓にある。第一に官吏法第一四八僚によれば、樫力 それにも拘はらず官吏国が軍陵・努働勤務者或は業と具る所 法及び法律への服従と矛盾するについての虞が共和政になって 震闘係と並存する。但し専ら技術的性質の職務には官職による 319 三広三20E主である。ナチの官更は本来自由なる人絡が官吏 徹底した結果である。然るにナチではヒトラーの命令に従順忠 の侵値に闘する。 義務付けはなく、又官織のもつ義務内容も窮極に於いては民族 評 質なるべき義務と官吏法第七僚による法規に麗束される義務は 書 決して駅間しない。しかも従来官吏につぎ従順の義務が先づ主 97 98 ることであり、上よりの指導(匂忌55拘)であるが、命令に服 指導者に劃する忠賞の悶係は協同践に濁して自設的に献身す ZC ロ ⑦ } ︼ ⑦ のDB芝 山 たのに針し、カール・シュミ yトはこれを制度的保障さgEZB ワイマル憲法の下で官吏の個人的地位が樫利として保障され 第 一 一 一 務 従する闘係は支配 (Z032ER) に麗する。ナチにあっては指 と解した。官吏国は政治的秩序の濁立た保持者としてしかも中 第五巻 導は常に支配の前提でありその目的でもあるが、恰も窯に於い 性の樺力 ( 35c片52可。)たる性質に於いて、他の薩力に封 公吏の本質的な針立が消滅した。市町村制の要求する固と地方 村が朋文を以て園家指導の目的に拘束される現在では、山口一見と 国監の公吏と同様の地位をもつに至る(耐凶り回0・)。次に市町 的に規定する。先づ聯邦制度の崩壊により、州官吏 ( Eロ門戸2・ σgロ号)が間接官吏(同百件笠宮門2H脚色岳ろgBZ)として地方 が完全且つ組関の責任ある旨を規定するが、すべて官吏は責 ふ寸与国・ 5。市町村制第一一一一一僚は市町村長扇町£耳目aR2) 職務命令に服従すべからざる場合を認めたのはこの儒である 人の自由を部め同時に責任を負はせなければならぬ。官吏法が ゆめつては官交が本題長官の機械的手段に堕せざる詩に、官吏各 第二はフリッツ・マルグルの﹁ドイツ市町村制の賓施につい H l E田口己戸回全百己2MED--。戸 一 円d て﹂(町岡山門NHrm-wz-rNZH-U己一 3~O 橋論叢 て霊路が指導にある知く、官吏にあっては支配に重きがおかれ して保障されるのである。ナチ官吏法第五意が官吏の法律上の g )の理論により官吏国そのものの利径の保障 る 。 圏畿の統一は官公吏の統一を前提とするのでゐって、公文も亦 地位の保障を規定するのも、それが官吏の制度乃至は勤務の性 ZhHEZ)に主起 間接官吏に他ならぬ。官吏法は名凪管職面白河S 主 阻止、国千 35足当955pgzzp 任の根按と決定の自由 ( 三p a aロロ宮町出口門岡山間E5 をもつのである。この他官吏の身分の 質上必要なる篤で個人的利径を象重するからではない。ナチに 用されるが(耐 ECUHW0・)、それは専務識と名誉職の針立が泊 保障も注目される。 官吏法は中央政府の官吏のみならず、全般の官吏闘係を統一 滅し、後者がただ行政と人民の人格的接間在はかるものに地ぎ る。市町村顧問 225zeZ3 が市町村吏良たるは聞かであ 一九三五年に制定されたドイツ るが(︿包・陶器巴£。・てその他の地方議曾の議員及び園曾議 ~- 目H Q g己ロ日高)である。 。 。H出品H ぬことを意味する。更に議員と官吏の区別も根本的に否定され . ' 号 、 員と雌 相 J 官吏に針立するものではない。 * 9 9 行政問中及び地方行政の政策的見地からも自治の質際を明かにし 者はこの自治行政を躍に行政法墜の立場から論ずるのみならず の統一市町村制は民族協同値の基礎を定むるものであるが、著 も亦園家指導の目的に一致することが要求され 事務を委任されることである。ナチの中央集擢により、市町村 は市町村がその協同盟の事務を昆理する他に頼しき近代行政の ぬ叩自白山口語 E P ) に強ぎ影響を奥へたことも見逃がせない。第二 更に時系に於ける問題の所在を指摘してゐる。ナチの自治行政 に哀陸となる。従って市町村制第二僚第七僚により屡 E主摂さ その結来最近では委任事務が念激に増加し市町村の財政的基礎 ろを混同する虞あることを注意して、左の諮問題を明かにして 質につき市町村が現在日六備せるところと将来附良さるべきとこ 村の寅情を無闘して単純に協同世の理論を展開し、協同盟の性 ず、協同位としてもその本来の面白を同復しつつあるが、市町 の下に市町村が行政の主践すなはち地域園陸としてのみなら 定の自由と責任の意識を深からしむる必要がある。新市町村制 りの指導と監督は絶針であるけれども、それだけ市町村長に決 とっては委任事務の増加が殊に堪へられざる負携となる。この 市町村の大多数が人口極めて少く、従ってこれ等小地方圏一践に 般原則を規定し、都市と地方の医別を認めない。けれどふ現在 解決する方法を考慮しなければならぬ。第四に新市町村制は一 政機闘があるから、相互の聞に権限の衝突を生ずべく、これを 村以外にこれと並行して諸種の行政援任者があり、又業にも行 町村の事務の範園を全国的に統一する必嬰がある。第三に市町 れるやうに、事務の委任には同時に攻入も伴はしむべく、又市 QHH) 。 。 ・ ) 、 て市町村には民汎なる調立性が許容されなければならぬ。上よ 及びその機関は指導者概念の展開に重要なる部円であり、従っ ゐる。 義によって嬰化する。民衆が圏内を移動し産業地帯に人口が集 響でるる。シ品タイヅ市制の基礎たる隣保園陸の性質は資本主 於ける市町村曾に市町村顧問を代へたること、公交の性質、住 及び第三二僚による市町村長に闘する指導者原理・、民主主義に 市町村が地域園睦と協同盟の二重の性質あること、新法第六依 かくて著者は市町村の基本組織 ( J12pzg四)の章に於いて 鈷で法律の剖一性の依陥が指摘される。 中し故郷に代へるに職場を以てするに至って、これが市町村の 民より明瞭に公民を区別せること、市町村の権能、岡家の監替 321 第一は近世文化の準民より生ずる諸勢力が市町村に輿へた影 協同位たる性質に影響せるはいふ迄もない。更にナチの黛によ 評 E -E B256 口 S が地域的協同位 る人的協同臆布。吋き 四 EEZ 書 100 橋論議 止用五谷 第三時嗣 を述べ、夫に市町村の行政なる章に於いて黛と市町村の関係、 行政と指導、市町村行政をその内部に於いて統一し叉固との関 第四の論文はワルテル・ア Yデ ル セ シ の ご 九 三O年七月 日より一九三八年六月三O日に至るルーマニアの公法の設展﹂ h L E円﹀出色白]呂田arH)ぽ出口同司H O T u口 明 白2 ・ 2守口己 昨日戸 ( ﹂ 司 H w g r g宮ロロH H H b口広口き口同・ LPEHGきず38EEHdug、結 MM ぺ、更に新法第六章の市町村経済に闘する規定、自治制の立法 五の論文はへルマシ・ヘルトのご九三三年より一九三八年に 至るドイ γ国際法上の政策によるグェルサイユ依約の克版﹂ 係で劃一的ならしむること、市町村と他の行政主陸の協同を匙 論その他に論及してゐる。 第三の論文はハ yス・ブラシヅエシのご九一九年以後のア 年の成文憲法により英国ドミニオシたる地位を倍件じた。この 年に草命によって大ブリテ yとの勝邦を解消せしめ、一九一一一一 り、後者はグェルサイユ修約の極桔を破 hy 、軍備に財政に間際 ア詰法在中心とする同国の立法及び政治事情を知るに便利でふめ H C U U ずUHUU弘)でふめる。前者は就中一九三八年二月のルーマニ ( 同 255 旬・出色晶、同)ゐ dgzEEロ拘含面 F-E2226 口 Qロ吋H Q H O 品。己宮山町四︿groZOOZE百一昨日昨 H吋ル向田 4Dロイ今回目山2 臼H 憲法は君主政を認めながらその資質は民主政であったが、一九 的平等権を主張し、領土的にも大ドイ yの同復に向って謹むド φ イ ル ラ シ ド 及 び 大 プ ロ テ ど (FEPENFEEQEQ S H H H 吊ロ由。向けい[H 申 U ) で める。アイルラシドは一九一九 一一一一年一一一月一一日のウエストミシスター法によりドミニオシ イツの外交を説明する。但しここでは一はやや特殊な問題であ 。吋号国国ゲ︼守山 としてのアイルラ YFはその地位を一麗し、翌年アイルラソド り、一は私の専門外であるので紹介を略する。 木質たる議員の英関玉に掛する忠誠の器一回、アイルラγド高等法 政府を組識せるデ・ザレラは憲法改豆手槙を以てドミ二一オ yの 院より福密院への上訴、及び総督の官職を悉く廃止した。かく zrg 閃宮間QOB の名棋 H 3ロ て一九三七年二一月の新憲法は H を認めつつも、大英帝園と結合する唯一の共和問たるアイルラ νドを質調せしめた。以上の過程を憲法墜の立場から詳細に論 じてゐる。 322
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