Page 1 Page 2 為替リスクと輸出企業行動 はじめに 国際貿易には国内

Title
為替リスクと輸出企業行動
Author(s)
Citation
商学討究 (1987), 37(1/2/3): 169-187
Issue Date
URL
船津, 秀樹
1987-01-25
http://hdl.handle.net/10252/1711
Rights
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Barrel - Otaru University of Commerce Academic Collections
為替 リスクと輸出企業行動
船
津
秀
樹
は じめ に
国際貿易 には国内市場 において取引 を行 う場合 と比べて様 々な リスクが存在
している。一般にカン トリー リスクと呼ばれる貿易相手国の政治的 リスクある
いは債務不履行の危険に加 えて,1
9
7
0年代以降,先進工業国による変動相場制
の採用 は,個別企業 にとっては生産活動 を行 う上で考慮 しなければならない重
9
8
0年代 に入 ってか ら国際間資本移動が
要な リスクを生み出 してきた。特 に,1
活発化するにつれ,為替 レー トは一国の経常収支の状況 を必ず しも反映 しなー
く
なってお り,輸出企業 にとって為替 レー トの変動 に伴 うリスクは増大 してきて
いる。
本稿の目的は,為替 レー トが変動する経済環境の中で,輸出企業 はどの よう
な生産決定及びに輸出決定 を行 うかを ミクロ経済学的手法 によって分析するこ
とで ある。使用 され るモ デルは, Sa
ndmo (
1
9
7
1)等 によって発展 されて き
た期待効用最大化仮説 に基づ く不確実性下の企業行動理論 である。 このアプ
ローチはい くつかの欠点 を有す るものの1
,
)リスクを含 む経済問題 を分析 する
際には有力な手法の一つである。最近の このアプローチによる理論的展開とし
ては, Hol
t
ha
u
h
s
en(
1
979)
,Fe
der
,J
us
t
,a
ndSc
hmi
t
z(
1
980)等 による先物市場
の分析 を挙 げることができる。従来,価格不確実性 に対処する手段 としては,
生産量の調整のみを考慮 していたのに対 して,先物市場での取引という新 たな
危険対処の手段 を導入 した場合 に,企業の産出量 は価格の変動 というリスクか
*本研究は,文部省特定研究費に基づく成果の一部である。
1)例えば,企業の所有者が複数の場合には,効用関数の存在自体が問題となる
〔1
6
9〕
170
商
学
討
究
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7巻
第 1 ・2・3号
らは独立 となるという興味深 い結論が得 られたのであった。本稿では,価格不
確実性ではな く,為替 リスクの存在する場合に輸出企業が為替 リスクのない国
内市場 と リスクのある外国市場へ生産物 をどのように供給 するかという問題 に
も, Hol
t
ha
us
en らのアプローチはそのまま使用 され得 ることが示 される。 さ
らに先物市場の存在 を仮定すると,為替 リスクに対処する企業の手段 は 3種類
となる。類似の分析 を行 った Ka
t
za
ndPar
。。s
hの主張 とは異 な り? 国内市場
への供給 を明示的に考慮すると,外国市場への供給のみを想定する場合 と比べ
て輸出企業の意思決定 には重要 な差異が生ずることも明 らかにされる
。
分析の対象 となるのは,固定費用の存在 する短期 において国内市場 と外国市
場の双方 に同質の生産物 を供給することが可能な企業の行動である。外国市場
における価格 は外国通貨表示でなされ,外国為替 レー トは日々変動 してお り企
業 にとっては外生的に決定 されている。それぞれの市場 において企業が価格受
容者であるか,価格設定者であるかに応 じて三つのケースが分析 される■
。すな
わち,国内市場 と外国市場の双方 において価格受容者である場合,国内市場で
は独 占者で外国市場では価格受容者である場合,そ して,国内,外国,双方 に
おいて独 占者の場合である。いずれの場合 においても,企業 にとっての唯一の
不確実性 は為替 リスクのみであると想定する。 さらに,為替の先物取引の許 さ
れる状況 を考慮 してそれぞれの場合の企業の意志決定 を分析す・
る。
1.競 争 企 業
為替 リスクの存在 しない場合,すなわち,固定相場制度の下では,価格受容
者 である競争企業の輸出量 に関する意志決定 は単純なものである。輸送費等の
存在 を捨象すると,外国市場 における財の価格 を為替 レー トによって自国通貨
単位 に換算 し,それを国内市場価格 と比較 して価格の高い市場 にその生産物の
すべてを供給するのである。つま り,個別企業 にとっては二者択一的な選択 と
なるのであるO しか しなが ら,為替 レー トの変動する場合 には,
_
両市場 におい
2) Ka
t
za
n
dPa
r
o
us
h(
1
9
8
0)は企業 はその生産物 のすべて を輸出す ると仮定 し,国
内市場の導入 は分析結果 に重要 な変更 をもた らせないと述べた。
1
71
為替 リスクと輸出企業行動
て価格受容者であったとしても同時に両市場 に生産物 を供給する誘因は存在す
る。為替 レー トいかんによって国内市場 と外国市場 における販売の事後的な限
界収入 は異 なるためである。
企業の利潤関数 7
Tを次のように表す。
7
F ePJXf+pd(x-X,
I
)
一g(
x)- b
(1 . 1 )
但 し,eは為替 レー ト, pfは外国市場での財価格, pdは国内市場 での財価格,
x
fは輸出量, xは総生産量, g(
x)は可変費用, bは固定費用 をそれぞれ表す
ものとする。
企業は,利潤か ら得 られる期待効用 Euを最大化するように総生産量 xと輸
出量 x
fを決定するものとしよう。その最大化問題 は次のように定式化 される。
Max V(
x,xf
)
-Eu(
7
T
)
J,∬ノ
xと x
fについてそれぞれ一階と二階の偏微係数 を求めるo
vx-(
pd
-g′
)・
Eu'
(1.2)
2・
Eu"- g"
・
Eu'
vxx-(
pd
-g')
(1.3)
vxJ-Eu′ ・
(
e
pJ-Pd
)
(1.4)
vxfXJ-Eu"I(
e
pf-Pd
)
2
(1.5)
企業 は危険回避的であり ( "
<0),限界費用 は追加的産出に関 し逓増的 (
u
g "
>o)であると仮定すると Vxx< 0, VxfXf< 0である。最大化 のための二
階の条件 (VxxVx
f
X
f- Vxx
f2> o)が満 されてお り, さらに企業 は常 に正の
生産量 を産出するものとすると,(1.2)式 の右辺 をゼロと置 くことによって
直ちに明白なように,企業の総産出量 は限界費用 と国内市場価格の一致する点
で決定 され,為替 レー ト,企業 の効用関数 には依存 しないことがわかる。 これ
は, Hol
t
ha
us
e
nらによって先物市場 を導入 した場合 に示 された主要結果であ
る分離定唾 (se
pa
r
a
t
i
ont
he
or
e
m )と呼ばれる性質 と同様 のものである。
172
商
学
討
究
第 3
7巻
第 1・2 ・3号
次 に,最適輸出量の端点解 (x
f- 0もしくは x
f-X)の発生する条件 につ
いて考察 してみ よう。すなわち,企業がその生産物 のすべてをどち らかの市場
にのみ供給する条件 を求めてみよう。 Vx
f
X
fが負である時,企業 が輸出をまっ
た く行 わないための必要十分条件 は (1・4)式 の右辺 を x
f- 0で評価 した時
の符号が常 に非正 となることである。
VxJ)
x
J
=
.-u'
〔
p。
X-g(
x)- b
)・
(
e
pf
-P。)
≦0
(1.6)
但 し, J
tは為替 レー トの期待値 を表 す。上式 より明 らかな通 り,危険回避的企
a
jf≦p
dである。すなわち,国内市
業 が輸出 を行 わないための必要十分条件 はT
場 における価格 が外国市場価格 に期待為替 レー トを乗 じた以上であれば,そ し
て,その場合 にのみ企業 は輸出をまった く行 わないであろう。他方,企業がそ
の生産物 をすべて輸出するための条件 は x
f- xにおいて (1・4)式 を評価す
f
X
f<′
0であるか ら,その符号が非負であるこ
ることによって求め られる。 Vx
とが必要十分条件 となる。
Vxfl
x
f
-I-Eu'
〔
e
px一g(
xト b)・
(
e
pJ-Pd
)
≧0
(1.7)
この場合 には,必要条件 のみが求め られる。(1.7)式の右辺 を次の ように書
き直す ことができる。
(
e
p
pJ-Pd
)
Eu′
〔
e
pJ
X-g(
x)
- b〕+ Cov(
u′
,e
pf-Pd
)
≧O
u'
は eの減少関数で, e
ff- P
dは eの増加関数 なので, Coy(u'
,e
f
y-P
d)
は負である。 したがって,上式 の不等号 もしくは等号が成立するためには第 1
項 目は正 でなければな らない.それ故,7
5
,
f>pdは xf- xのための必要条件
であることがわかる。すなわち,
、
外国市場 に供給 することの期待 限界収入が国
内市場 に供給 する場合 のそれを上回 る時 にのみ,企業 はその生産物のすべてを
輸 出するのである。 しか し, この条件 は必要条件 にすぎないのであって,不等
号 の成立 している場合 であっても危険回避的企業 のい くつかは外国市場 にその
生産物 をすべて供給す るわけではない。すなわち,両市場 に財 を供給す ること
が最適解 とな り得 るのである。 とれまでの結果 をまとめると次の ようになる。
為替リスクと輸出企業行動
1
7
3
命題 10 a)外国市場 と国内市場の双方において価格受容者である競争企業
の総生産量 は,為替 レ- ト,外国市場価格,危険回避度 とは独立に決定 される。
b)輸出量ゼロのための必要十分条件 は,外国市場 における期待限界収入が国
内価格 を下回ることである。
逆 に,
外国市場の期待限界収入が国内価格 を上回っ
たとして も必ず しも危険回避的企業 はその生産物 をすべて輸出するとは限 らな
い。
上の最大化問題 において注 目すべき点 は,最適輸出量の内点解が存在 し得 る
ということである。危険回避的企業 は為替 リスクを避 けるために,外国市場 で
販売することか ら得 られる期待収入が大 きい場合 において も,生産物の一部 を
リスクの存在 しない国内市場に供給 する1
0
)である。 したがって危険回避度の違
いによって輸出量 に相違が生ずるのである。 これは短期的 には為替 リスクのな
い固定相場制の下では発生 しない状況である.一
次に,先物取引を利用することで為替 リスクをヘ ッジできる場合 を考察 して
み よう. e*は為替の先物 レー トを, yは先物市場 においてヘ ッジされ る通貨
量 をそれぞれ表す ものとすると企業の利潤関数 は次のように書 き直される。
7
T
-e
Pf
Xf+p。
(
x-XJ)
+(
e*
-e
)
y-g(
x)
-b
(1.8)
輸出企業 はその輸出額以上 には先物市場で為替 を売 ることはできないものとす
る。すなわち,空売 りの禁止である。すると企業の意志決定 は以下のように定
式化 される。
Max V(
x,x J,y)
-Eu(
7
[
)
,
X,Xf,
y
sub
jett
oo≦ y≦pJ
・
Xf.
それぞれの変数 に関する一階の偏微係数 を求める。
Vx-(
pd
-g'
)
Eu
vxf-Eu'・
(
e
pJ-Pd
)
Vy-Eu'・
(
eL e
)
17
4
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第 1 ・2 ・3号
今,企業 は正の産出量 を生産 し,正のヘ ッジを行 うとす ると,
V
x-0及び
Vy- 0である。(1・
11)の右辺 を変型 して,e*
Eu′- Eu'
eを得 る。これを (1.
1
0)式の右辺 に代入すると
VHF
-(
e
'
pJ-Pa
)
Eu′
(1.
1
0′)
となる。以前 に求めた通 り Vx
f
X
f< 0であるか ら, この場合, x
fの内点解 は
一意的 には存在 しない ことがわかる。すなわち, e
*
f
f> pdの場合 にはすべて
の産出量 を輸出 し, e+
ff< p
dの場合 にはすべての産出量 を国内市場 に供給 す
る。 e*
fy- Pdの時 は, どの ような配分 もすべて最適解 となって しまうO先物
市場の存在する場合 には,輸出量の決定 は固定相場制の場合 と同様 に二者択一
的なもの となることがわかる。為替の先物 レー トで換算 した外国市場 における
限界収入 と国内市場価格 を比較することによりその産出物 のすべてをいずれか
の市場 に供給することになる。
f
f>pdと して,企業がその産出量のすべてを輸出する場合 に,
さて,令, e*
企業 は輸出額のうちどの程度ヘ ッジするであろうか。 この問題 もやはり端点解
の場合か ら考察することに しよう。 yに関する二階の偏微係数 は次のように求
め られる。
Vy
y-Eu"・(
e*-e
)
2
<0
(1.
1
2)
(1.
l
l)式 を変型すると次の ようになる。
vy
-(
e*
-e
iEu'
- Cov(
u'
,e)
(1.11′)
l
l
(1.
1
2)式 より,輸出企業がその輸出額のすべてをヘ ッジする条件 は (1.
′)式 を -姉
で評価 した時の符号 が非負 となることである。(1・8)式の
利潤関数 よ り, y- ffXfの時 に利潤 はもはや eに依存 しないことが容易 にわ
1
1′)式の右辺第二項 はゼロである。故 に
かる。 したがって,(1.
≧
vyJ
y
=
p
f
X
J Oi
f and onl
yi
fe
*≧e
-
175
為替 リスクと輸出企業行動
合理的期待仮設の主張するように先物 レ- トが将来直物 レ- 卜の不偏推定量で
あるな ら,危険回避的企業 は輸出額のすべてをヘ ッジすることがわかる。 これ
に対 して,まった くヘ ッジを行 わないための必要十分条件 は, Vyを y-0に
1
1′)式
おいて評価 した時の符号 が非正 となることであるが, この場合,(1.
の共分散 は負 となるので, e+< すが必要条件 と して求め られる。 すなわち,
将来 直物 レー トの期待値 が先物 レー トを上回 る時 にのみ輸 出企業 はヘ ッジを
まった く行 わないのである。そ して, e+< 丁で も非常 に危険回避 的な企業 は
その輸出額の一部 をヘ ッジする可能性 は常 に存在する。
ここまでの結果 をまとめてみ よう。
命題 2
。
a)先物市場 の存在 する場合,競争企業の輸出決定 は先物 レー トと
外国市場価格 ・国内市場価格 に基づいてなされ,すべての生産物 を輸出するか
否かという二者択一的選択 となる.
b)先物 レー トが将来直物 レー トの不偏推定量であるな ら,危険回避的企業
は輸出額のすべてをヘ ッジする。
2.国内独占企業
この節では,外国市場 においては価格受容者であるが国内市場 においては独
占力を有する企業の場合 について分析 する。発展途上国においては, しば しば
このようなタイプの企業 を観察することができる。また,国際経済学 において
はダンピングを説明する際に伝統的に用 いられてきたモデルでもある。効果的
な価格差別化が国内市場 において,物理的にも法的にも可能であると仮定する
と,独 占者の直面する問題 は二つの市場への最適 な生産量の配分である。
初めか ら為替先物市場の存在 を想定 し,前節の仮定 と記号 を用 いると,独 占
者の利潤関数 は次のように表 される。
7
F Xd
h(
x。
)
+e
pf
Xf
+(
e
*
-e
)
y-g(
x。
+xf
)
-b
(2.1)
但 し, hは国内市場 における逆需要関数 を, xdは国内市場への供給量 を,そ
17
6
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れぞれ表すもの とする。
企業の意志決定問題 は,利潤か ら得 られる期待効用 を最大化するために xd,
x
f, yの最適値 を選択することである。
Max V(
xa
,xJ, y)-Eu(
7
r
)
Xd
,Xf,y
競争企業の場合 とは異 な り, この最大化問題 には内点解の存在することを仮
定 し得 る。すると最大化のための必要条件 は次の通 りである。
Vxd-〔
h(
xd
)+x。
h'-g'
〕・
Eu′
-0
Vxf-Eu'・
(e
pf-g'
]-0
)
-0
Vy-Eu'・
(
e*
-e
最大化のための二階の条件 は次の形 をとる。
V
xd
Xd<0,
1
をd
l
Xd V
xd
.
Xf
V
xfXd V
xJ
'
xJ
これ らの条件 は常に満足 されているものと仮定する。(2.3)式 と (2.4)
式か ら,次の式 を導 くことができる。
(
e*pf-g'
)・
Eu1
-0
(2.・
5)
(2.2)式 と (2.5)式か ら,国内供給量,輸出量 は直物為替 リスク,危
険回避度 には,まった く依存せずに決定 されることは明白である。国内独 占企
業 の場合 にも先物取引の分離定理 は成立 しているのである。国内供給量 と輸出
量がどの ように決定 されるかを理解するには図を用 いると便利である。
(2.2)式 と (2.5)式か ら最適生産量 は,国内市場 における限界収入 と
外国市場 における限界収入 とがともに限界費用 と等 しくなる点で決定 されるこ
とがわかる。
h(
xd
)
+xah'
-e
*
pf-g′
為替 リスクと輸出企業行動
1
7
7
図1
図 1において・総産出量 xd+ x
fは e*
ffと限界費用曲線 (MC)との交点 にお
f
fと
いて決定 されるo さらに,国内市場 における限界収入曲線 (MR ) と e*
の交点において国内供給量及 び輸出量の配分 は決定 されている。 さらに,国内
dを兄 い出すことができる. こ
需要曲線 を用 いて独 占者の設定 する国内価格 p
の企業 によって両市場 に財の供給 され るための条件 は, p
o
<ek
fy< h(0)で
あるo
poは国内の限界収入 と限界費用が一致す る点で, これ より外国市場 に
おける限界収入の低 い場合 には,国内市場にのみ供給することによって利潤 は
I
(
0)は国内需要 を消滅 させる限界的な価格 であるか ら,
極大化 されるoまた・ A
これよりも外国市場 における限界収入の高い場合 には,当然,外国市場 にのみ
財 を供給 することとなる。
さて,令,図 1に描かれているように企業が両市場 に財 を供給 しているよう
な状況 において先物 レー トの変化 は輸出量 にどの ような影響 を与 えるであろ
うo国内市場の需要曲線が右下 りである限 り,外国為替の先物価格の下落 は輸
出量
xf を減少 させ るであろうo これ は, 自国通貨単位 で計 る限界収入が下落
17
8
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究
第 3
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す るためであ り,総産 出量 も同時 に下落す ることになる。一方,国 内への供給
量 は増加 し,国内の独 占価格 は下落 することになる。 この グラフ上の結果 を代
数的 に確認 してみ よう。
(
2
.
2 2
.
5
)式 と (
)式 か ら Eu'を消去すると次の ようになる。
(
2
.
2
′
)
(
2
・
5
I
)
h(
x。
)+
x。
h'
-g′
-o
e'
pf-g'
-0
2
.
5
′
)
(
2
.
2
′
)(
ヽ′
ノ
程式 を得 る。
式 を e*につ いて偏微分すると次の ような連立方
0p
/
一
/
し
こ
\
ノ
*
*
e
e
∂
∂
iZ
'
imHⅦ
鮎
払
/
._
_
L
EiiiiiiiiiiiiiiiiiiiZI
〃
♂〃
a
)
式と
2
h
'
+
x
d
h
"
g
'
g
u
クラメ-ルの公式 を使 って解 く.
∂xd= ll
5才 1r PJ
g"
(2.6)
∂
∬
′
=
%
粛
(2.7)
pf(
2h,
・xdh"一g〝)
但 し, D--g" (2h′
+xdh")0
限界収入 は xdの減 少関数 であると仮定 す ると 2 h'
+xdh"< 0。 したがっ
'
<0, ∂xf/∂e*> 0
て D>0である。 さらに ∂xd/∂e
。
h′< 0であるか ら
∂xd/∂e*< 0は ∂pd/∂e+> 0を意味する。 xは総産出量 を表 す もの とする
と (2.6)式 と (2.7)式か ら
∂∬
一
盲才 - 普
+普
一意
pf(
2h,+ xd
h"
)
>0
を得 る。
命題 3。 a)為替先物市場 が存在 すれば国内市場 において独 占力を持つ企業
の場合 にも総産出量及 び輸出量 は将来 直物為替 リスクか らは独立 となる。
為替 リスクと輸出企業行動
179
b)外国通貨の先物価格の下落 は輸出量及 び産出量 を下落 させる効果 を持つ
一方 で,国内供給量 を増加 させ,財の国内独 占価格 を低下 させる効果を持つ。
外国為替の先物 レー トの変化の先物取引量 に対する効果 もここで分析 するこ
とが可能である。 しか し,分析 の中心的な特徴 と主要 な結論 は次節 で展開 され
るものと同一なのでここでは省略す ことにする。
3.両市場独占企業
この節では国内市場ばか りでな く外国市場 においても独 占力を持つ企業の場
合 を扱 う。 このような外国市場 における不確実性 に直面する価格差別企業の最
適化行動 は,最近, Ka
t
z, Pa
r
ous
h,a
ndKa
ha
na (
1
9
8
2)によって研究 され
た。彼 らは不確実性の原因を特定化 しなかったものの,確率変数の導入の仕方
は本稿で扱 っている為替 リスクと本質的に同様のものである。彼 らによって導
出された主要な結論 は次のようなものであった。
1.外国市場における不確実性 は輸出量 と総生産量 を減少 させ,国内供給量
を増加 させる。
2.絶対危険回避度が減少する場合,固定費用の増加 は外国市場 における供
給量 を減少 させる。
3.国内売上税 (dome
s
t
i
cs
a
l
e
st
a
x)の変化の外 国市場への供給量 に対す
る効果は不定である。
この節の議論では,為替先物市場の存在す る場合 (
すなわち,生産量の調整
以外 に不確実性に対処する方法のある場合 )には,彼 らの導 いた結論 はもはや
成立 しないことも間接的に示 される。
前節 と同 じ記号 を用いて,利潤関数 を次の ように書 く。
7
r
-(
1- i
)
Sd
(
xd
)
+eSf(xf)+(e*- e)y-g(xd+xf)- b
(3・1)
但 し, Siは国内市場 (i- d)もしくは外国市場 (i-f)における販売額 を,
tは国内市場 における売上税 を表す ものとする。
180
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第 1・2・3号
販売額関数 Siは二 階微分可能で,微係数 につ いては次のような符号 を持つ
ものとする。
S′
i
>0, S"
l
<0, i
-a,i
.
その他の仮定 については前節 と同様 としよう。企業の意志決定問題 は次のよう
に書かれる。
Max V(
xd
,XJ,y)-Eu(
7
r
)
Xd
l
,Xf,y
この最大化問題のための一階の条件 は,
Vxd-〔
(
1- i
)
S'
d
-g'
〕
Eu′
-0
Vx/-Eu'・
(
eS;
-g'
)
-0
Vy-Eu'・
(
e*
-e)
-0
となる。二階の条件 は,前節の場合 と同 じ形 となるが,それ らは常 に満足 され
ていると仮定 しよう。 さて,両市場 において独 占力を持つ企業の場合 にも,先
物市場 に関する分離定理の成立することは容易 に示 される。
(3.4)式 か ら, e+
Eu
′- Eu'
eを得 る。 これ を (3.3)式 に代入 すると
次式 を得 る。
e*
S;-g'
-0
(3.5)
また,(3.2)式 より
(
1- i
)
S左
一g′
-o
(3.6)
であるか ら, x
fと xdの最適値 は (3. 5)式 と (3・6)式 を同時 に解 くこ
とによって求 め られ る。(3.5)式 と (3.6)式 はともにB]
定費用,危険回
避度, もしくは,将来 直物為替の リスクを含んでいないので,国内供給量 と輸
出量 はともにそれ らの要素 に依存 しないことがわかる。
1
81
為替 リスクと輸出企業行動
命題 4。もし,為替先物取引が利用可能な らば,固定費用の変化,危険回避
皮,将来直物為替 リスクは価格差別企業の両市場の販売量 にまった く影響 を与
えない。
次 に,先物 レー トの変化並 びに国内小売税 の変化 に関す る比較静学分析 を
行 ってみよう。(3.5)式 と (3.6)式 を e+によって偏微分することによっ
て次の連立方程式 を得 る。
〔
e
*
S
:
f
g
l
g
"
(
HT
s
g
"
'
i
_
g
膿f
J
/
ae.
'
]-「 .
S'
1
クラメールの公式 を用いて解 く。
∂∬′_
∂
e
*I 訪
S,
i(
1- i
)
S
g
一g"
)
>0
axd=
-% S
,
f
g
"<
0
・
∂e
*
但 し, D - e+(1- i)S"
j
S "
f+(
1- i)S"
d
〕>
d一g"〔
et
s"
0 。
∬は総生産量 を示すものとしよう。すると,
∂∬
蘭 -普
+普
-意
(
1- i
)S'
fSd
〝,0
売上税 の効果について も同様 に分析 できる。(3.5)式 と (3.6)式 を £
によって偏微分する。
〔
e
*
S
7(
1
I
t
T
s
g
Z
,
"
g
"
]
l
a
X
x
!
,
a
l
t
〕
〔
S
?
d
〕
芸
,
"
クラメールの公式 により次の結果 を得 る。
塾む
,0
∂t-去 S左g〝
∂
t-is,
a
(
e
・
S/
i
-g")<0
A
普
-去S
,
de*
S,
;
<0
1
82
商
学
討
究
第 3
7巻
第 1・2 ・3号
命題 5。′a)外国為替の先物 レー トが上昇すると,価格差別化独 占企業 は輸
出量 と総生産量 を増大 させ,国内供給量 を減少 させる。
b)国内売上税が上昇す ると,価格差別化独 占企業 は輸出量 を増加 させ,
ー総
産出量 と国内供給量 を減少 させる。
t
z
,
Pa
r
ous
b,a
ndKa
ha
naによっ
上の命題 は先物市場の存在 する場合には,Ka
て導びかれたあいまいな結論 は修正 され, より経済的常識 にか克 った結論 とな
ることを示 している。(
最後 に,固定費用 と先物為替 レー トが変化 した時の先物取引量 に与える効果
について分析 する。そのために次の ような操作 を行 う。まず,(3.5)式 と (3.
6)式 か ら xdと x
fの最適値 を求 める.そ して,その最適値 を (3・4)式 へ
代入する。(3.4)式 を簡略化 して表す。
Vy-¢〔x J, Xd,y;b
, e*
〕
-o
(3.4′)
(3.4)式 を bに関 して偏微分する。
転
普
+Qxd普
+¢ y普 +¢b
-0
命題 4に示 されている通 り,固定費用の変化 は輸出量 と国内供給量 には影響 を
f/∂b- ∂ xd/∂b- 0。それ故に
及 ぼさないので, ∂x
j乱=_也 _
∂b
¢y
(3.4)式 に戻 って
Vy
y
-¢y-Eu"(
e*
-e
)
2
<ot
Vy
b
-¢b
--Eu"
(
e
*
-e)
以下,多少長 くなるが, xb>0
となることを証明 してみよう。
x*
d,
a+
f, y+を xd, X
f, y の最適値 とするo R(7
r)ニ ー u"(7
T)/u'(7
T)
はアロー ・プラッ トの絶対危険回避度である。 7
T。は e*- eの時の利潤 を表 す
為替 リスクと輸出企業行動
1
83
ものとする。
7
T
o
-(
1
Ii
)
S。
(
x。
*
)
+e*sf(
xf
*
)
-g(
xd
*十xf
*
)
-b
もし, e
<e
*であれば, ,
7
r< 7
To
。絶対危険回避度 は利潤の増加 につれて逓
減するという仮定の下では,
-u"
/
u
′
>R(7
r
o
) for e<e*
両辺 に u
′・(e
+- e)を乗ず ると
Iu ・
(
e*
-e
)
>R(
7
T
o
)・
u/ ・
(
e
*
-e)
〝
もし, e
*
<eであれば, 7ro
<7
T, したがって
Iu"
/u'
<R(
7
ro) f
o
re
*
<e
両辺 に u'・
(e+- e) を乗ずると
-u"
I
(
e
*
-e)>R(
7
T
o
)・
u′
・
(
e*
-e
)
すなわち,不等号 は βのすべての値 について成立する。両辺 につ いて期待値 を
求めると
-Eu・
(
e
*
-e)>Ro・
Eu'
・
(
e*
-e
)
"
上式の右辺 は,最大化のための一階の条件か らゼロ.したがって xb-- Eu
"・
(e+- e)>0を得 る。 この結果, xb> 0であ り xy< 0であるか ら, ∂y/
∂
b> 0を得 る。
命題 6。絶対危険回避度が逓減的であるな らば,固定費用の増大 は先物取引
におけるヘ ッジの量 を増加 させる。
命題 6の経済的意味 は次の ようなものである。固定費用の増加 は,輸出量 に
は影響 しないものの,総利潤 を減少 させる効果がある。絶対的危険回避度 は利
1
84
商
学
討
究
第 3
7巻
第 1 ・2 ・3号
潤 の増加 に関 して逓減的 であるとい う仮定 の下 では,利 潤 の減少 は企業 をよ り
危 険回避 的 にす る。その結果,企業 は先物市 場 において輸 出額 の よ り多 くの部
分 をヘ ッジす るであろ う。
次 に先物為替 レ- トの変化 の影響 につ いて分析 してみ よう。(3.4′)式 を
e
+につ いて偏微分 す ると
転普
+触
診
+¢y
蕃 +¢e*
-o
(3・8)
(3.4)式 に戻 って ¢x。を求 めると
転 -〔
(
ll i
)S′
。
一g′
〕・
Eu〝
・
(
e
*
-e
)
(3.2)式 よ り, 転 d- 0. さ らに, (3.8)式 を ∂y/∂招 こつ いて解 く
と
1
__∂e*
4
・
y( 転 意
也
+Q
e
*
)
(3・9)
を得 る。
少yが負 であることはすで に示 したので, ∂y/∂e
羊の符号 は, カ ッコ内の項
のそれ と同一 になる。¢xf と¢e*を明示 的 に書 くと次の ようにな るO
VyxJ-転 f-Eu〝・
(
e*
-e
)・
(
es'
!-g′
)
(3.
1
0)
Vye*-¢e*-Eu′+yEu〝 ・
(
e
*
-e
)
(3.
ll)
Qxd
の符号 は常 に非負 とな るO証 明 は簡単 で ある。 e+- eの時 ,(3.5)式
笹 ′- g′
- 0で ある。 e< e
書の時 に は, e
S
/一 g'< 0で あ り, e
書
<e
か らe
で あれば, e
s
f′一 g'
>0である。 したが って, eのすべ ての正値 につ いて,
(e*- e)・(e
s
/一 g'
)≦0となる。 これ に u"を乗 じて期待値 を取 ると,
Eu〝・
(
e*
-e
)I
(
eS;-g′
)
≧O
を得 るo (3・5)式 か ら・ ∂x
f/∂e*i
ま正 で あるか ら, Qxf ・
∂x
f/∂e+≧0と
なる。 この項 の経済的意味 は明白で ある。先物 レー トの上昇 は輸 出量 の増加 を
為替 リスクと輸出企業行動
1
8
5
もた らす。その結果,為替 リスクにさらされる輸出額 も増加するので,ヘ ッジ
の量 を増 やす誘因が働 くのである。
一方, ¢
e
*の符号 は不明である.(3.11)式の第∵項 は明 らかに正である
のに対 して,第二項 目は,先 に示 した通 り負である。本来,先物 レー トが上昇
すれば,よ り多 くの先物為替 を売 り,ヘ ッジの量 を増やすはずである。 ところ
が,先物 レー トの上昇 は同時に総利潤 を増加する効果 を持つので,企業の絶対
的危険回避度 を減少 させ る。 したがって,ヘ ッジの量 を減 らす誘因 も存在 する
のである。
命題 7。 企業の絶対危険回避度が利潤 に関 して逓減的であるな ら,先物為
替 レー トの上昇 (
下落 )は必ず しもヘ ッジの量 を増加 (
減少 )させるとは限 ら
ない。
ノ
お わ りに
本稿 では,変動相場制 における為替 レ- トの変動 リスクが存在する場合の輸
出企業の行動 を期待効用最大化仮説 に基づ くわく組の中で分析 してきた。従来
の先物市場の研究 では看過 されていた国内市場への供給の可能性 を明示的にモ
デルに取 り入れることで,いくつかの興味ある結論 を導いてきた。為替 リスク
のように外国貿易 に特有の危険 を扱 う場合には国内市場の存荏 は, たとえ,外
国市場での期待限界収入が国内市場での限界収入 を上回るとしても重要 な意味
を持つ。ポー トフォリオ選択 における リスクを伴 う投資 と リスクのない投資へ
の資産配分問題 を考える場合 と同様 に,企業 はリスクを伴 う外国市場への供給
とリスクのない国内市場への供給 をどのように配分するかという問題 に直面す
るのである。
外国市場 においても国内市場 においても価格受容者 として行動する競争企業
の場合 に最 も顕著 なように,為替の先物市場 が存在 しない場合 には,為替 レトの変動 自体が輸出をする誘因 となる。
変動相場制の下では,しば しば為替 レー
トは購買力平価 を達成する水準か らかい離する現象が見 られる。その結果,本
1
86
商
学 討
究
第 3
7巻
第 1 ・2 ・3号
莱,国際競争力を持 たないような企業 にも輸出の機会が生ずることになる。 し
か し,先物市場の存在する場合 には,為替 リスクのない場合 と同様 に,競争企
業の輸出量決定 はその産出物 をすべて輸出するか否かというものになる。
国内市場 において,あるいは,同時に外国市場 においても独 占力を持つ よう
な企業の行動 は国際経済学 においてはダンピングを説明する際に用 いられてき
た。この外国市場 と国内市場 において価格差別化 を行 う企業モデルにおいても,
先物市場の存在 は,輸出量,総産出量等の実質面での意志決定 を為替 リスクか
ら分離 させることが示 された。すでに,他 の多 くの研究者が示 してきた通 り,
輸出量 は先物為替 レー トに基づいて決定 される。
通常観察 される通 り,
先物 レー
トの上昇 は輸出量 を上昇 させるo先物 レー トの変化 に関 して導出 された興味深
い結論 は,外国為替の先物 レー トが上昇 しても企業 は必ず しも先物ヘ ッジの量
を増加 させないということである。 この逆説的な可能性 は企業の絶対危険回避
度が減少することによってもたらされたのであった。
以上,本稿では,個別的な輸出企業の観点か ら,為替 リスクの輸出量への影
響 と先物取引の効果を分析 したのであるが,最後 に分析の限界 について も言及
し,今後のこの方面での研究 を簡単 に展望 してみ よう。
本研究 では,分析の対象 を個別企業の短期的行動 に限定 したのであるが,為
替 リスクの中,長期的影響 にも目を向けるべ きであろう。 輸出を恒常的 に行 っ
ている企業の場合,投資決定 においても為替 リスクの問題 は重要である。通常,
1ヶ年 を超えるような長期の為替先物市場 は存在 しないので,プラン ト輸出の
ように投資収益の回収がより長期 にわたるような場合 には為替 リスクの影響 は
より深刻であると言えよう。このような長期の為替 リスクに対処するためには,
政府 によって提供 される為替変動保険のような制度の利用が重要 になってこよ
う。 この ような制度 に対する経済分析 はこれまでほとんどなされてお らず, こ
れか らの重要な研究課題の一つである。
また,個別企業の分析の レベルを超えて,市場の調整 メカニズムに対する為
替 リスクの影響 も重要である。特 に,競争企業の場合 に為替の変動が特定の産
業への参入 ・退出にどのような影響 を与えているか分析することは為替 レー ト
為替 リスクと輸出企業行動
1
87
の経常収支調整機能の有効性 を議論する上で不可欠であろう。
最後 に,最近,複数の リスクが存在する場合の先物市場の有効性 について議
論 されているが,
3)
本稿 の分析 も, カン トリー リスクを含 めて 2つの リス クが
確率的に相関関係 を持 っている場合へ と拡張 されるべ きであろう。
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ha (
1
9
8
6)を参照せよ。
3)例えば, Ka