〔1 6〕 般B 2/1 0 2限 生 看 解 用 番 答 紙 号 61 の解答用紙に解答しなさい。 ! 生 (看 物 護 学 部) 問題は1 0 0点満点で作成しています。 ! 〔1〕 および 〔2〕 の文を読み,問1∼8に答えよ。(20点) 〔1〕 筋肉は,形態的に明暗の縞模様が見られる ア 筋と,縞模様がない イ 筋に分けられる。 ア 筋には,細胞が枝分かれしている ウ 筋と,その両端が腱で骨とつながる エ 筋がある。 エ 筋は オ と呼ばれる細長い多核の筋細胞が束となったものである。 問1 〔1〕の文中の ア ∼ オ にあてはまる語句はどれか。最も適当なものを1∼8から選ん でマークせよ。 1.筋繊維 2.神経繊維 3.筋原繊維 4.横紋 5.骨格 6.心 7.心臓 8.平滑 問2 光学顕微鏡の操作手順について。a∼fの操作を正しい順に並べるとどのようになるか。 最も適当なものを1∼6から選んでマークせよ。 a.高倍率でピントを合わせる。 b.ステージ上にプレパラートを載せる。 c.接眼レンズを顕微鏡本体に装着する。 d.低倍率でピントを合わせる。 e.反射鏡を調節する。 f.対物レンズを顕微鏡本体に装着する。 1.c→f→b→e→d→a 2.f→c→b→e→d→a 3.c→f→e→b→d→a 4.f→c→b→e→a→d 5.c→f→b→e→a→d 6.f→c→e→b→d→a ―〔16〕―32 ― 問3 1 0倍の接眼レンズと1 0倍の対物レンズを使った顕微鏡において,図1のように接眼ミクロ メーターの目盛り(x)と対物ミクロメーターの目盛り(y)が重なって見える部位が観察 された。使用した対物ミクロメーターでは1mm の線を100等分した目盛りがつけてある。 同倍率で筋細胞中のある2つの核の距離 L を測定すると,接眼ミクロメーターの3目盛 り分であった。この距離 L について計算し,小数点第1位以下を切り捨て,あてはまる 整数を0∼9から選び,該当する解答欄にマークせよ。10の位が存在しない場合は0をマー クせよ。 距離 L の解は (A) (B) μ m である。 x y 図1 〔2〕〔1〕の文中の オ の細胞質には,さらに カ と呼ばれる構造が内部に存在する。 カ を 電子顕微鏡で観察すると,図2に示すように, キ 膜から キ 膜までの ク という基本構 造が繰り返されており,aの部分,bの部分で縞模様を形成している。これを図3のように図 式化すると, カ では ク の中でタンパク質の太いミオシンフィラメントと細いアクチン フィラメントが規則正しく並んでいることがわかる(図2および図3のaおよびcは同じ領域 を示している) 。筋肉が収縮した際には ク の長さは短くなるが,両方のフィラメントの長さ はいずれも変化せず,太いミオシンフィラメントの間に細いアクチンフィラメントが入り込ん でいくと考えられている。したがって,ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの太さ の違いによって,形態的にaの部分とbの部分の識別が可能になっている。これに関して実験 1を行った。 ―〔16〕―33 ― e d a b c 図2 c a し緩時 収縮時 アクチンフィラメント ミオシンフィラメント 図3 【実験1】 エ 筋に対して生理学的実験を行い,ある静止時点で,図3におけるaの長さは 2. 0 μ m,cの長さは3. 2 μ m であった。さらに人為的に引き延ばして固定すると,長 さに応じて張力が減少し,cの長さが4. 4 μ m 以上では張力が発生しなくなった。 ―〔16〕―34 ― 問4 〔2〕の文中の カ ∼ ク にあてはまる語句はどれか。最も適当なものを1∼9から選ん でマークせよ。 1.X 2.Y 3.Z 4.暗帯 6.体節 7.サルコメア 8.筋繊維 9.筋原繊維 問5 5.明帯 A∼Fのうち, 〔2〕 の文中の ク と同じ長さと推定されるものはどれか。最も適当なもの を1∼1 2から選んでマークせよ。 A.図2のaの長さ B.図2のbの長さ C.図2のcの長さ D.図2のdの2分の1の長さ E.図2のeの2分の1の長さ F.図2のaとbを足した長さ 1. (Aのみ) 2. (Bのみ) 3.(Cのみ) 4.(Dのみ) 5. (Eのみ) 6. (Fのみ) 7.(C,D) 8.(C,E) 9. (C,F) 1 0. (D,E) 11.(D,F) 12.(E,F) 問6 実験1において静止した1つの ク 内において,ミオシンフィラメントとアクチンフィ ラメントが重複している部分の長さ( μ m)を小数点第1位まで求めて(小数点第2位以下 を切り捨て) ,あてはまる整数を該当する解答欄にマークせよ。1の位が存在しない場合は 0をマークせよ。 解は (A) .(B) μ m である。 問7 実験1において1つの ク 内のミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの長さ ( μ m)をそれぞれ小数点第1位まで求めて(小数点第2位以下を切り捨て) ,あてはまる整 数を該当する解答欄にマークせよ。1の位が存在しない場合は0をマークせよ。 ミオシンフィラメントの長さの解は (A).(B) μ m である。 アクチンフィラメントの長さの解は (C).(D) μ m である。 ―〔16〕―35 ― 問8 神経細胞と エ 筋の収縮制御に関する説明として誤っているものを1∼8から1つ選ん でマークせよ。 1. エ 筋は体性神経系に支配される。 2. エ 筋は随意筋である。 3. エ 筋は内臓に存在する筋肉と比較すると,発生する力が大きい。 4.実験動物の エ 筋に運動神経をつけて取り出したものを神経筋標本とよぶ。 5.神経筋標本の神経に短い電気刺激を1回与えると,速やかに収縮・弛緩する。 6.運動神経は軸索の末端で筋繊維とシナプスを形成する。 7.運動神経の軸索の末端ではアセチルコリンが分泌される。 8.筋細胞の核膜にアセチルコリン受容体が存在する。 ―〔16〕―36 ― ! 次の文を読み,問1∼6に答えよ。 (20点) 被子植物は図1に示すように胚珠が子房で覆われている植物で,花が咲く特徴をもっている。 花には雌雄の生殖器官があり,ほとんどの被子植物は雌雄同株であり,雌性の生殖器官である雌 しべと雄性の生殖器官である雄しべをつくる。雌しべと雄しべが1つの花の中に分化する ア である被子植物が非常に多いが,雄花と雌花が別々に作られる イ もある。 雄の配偶子の形成は,雄しべのやくでおこる。多数の花粉母細胞が分裂により花粉四分子を形 a) 成する。花粉四分子は4つの花粉となる。この段階の花粉は未熟であり,分裂により大きな ウ と小さな エ にわかれ成熟していく。さらに ウ の細胞質内に エ が取り込まれること により,成熟した花粉となる。雌の配偶子の形成は,雌しべの中の胚珠でおこる。胚のう母細胞 が分裂により胚のう細胞を形成する。 胚のう細胞は3回分裂して7つの細胞からなる胚のう b) となる。 被子植物の受精は,まず花粉が雌しべの柱頭に付着する受粉からはじまる。受粉した花粉は花 粉管を胚珠に向かって延ばし, ウ と エ が移動していく。この過程で エ は成熟した オ となる。花粉管が胚のうにまで達すると オ が放出され受精がおこる。受精は胚のう内の2種 類の細胞でおこるため,重複受精とよばれる。重複受精により,受精卵と胚乳核が形成される。 受精卵は分裂を繰り返し胚となり,胚乳核も分裂を繰り返し胚乳となる。胚と胚乳を囲む珠皮が 変化して種皮となり種子が形成される。 種子を形成する植物には裸子植物もあるが,被子植 c) 物が果実をつくるのに対して,胚珠が子房に包まれないため果実をつくらない。たとえば,銀杏 は果実の様に見えるがイチョウの種子である。 花粉管 子房 ク オ カ 胚珠 キ ウ ケ 図1 ―〔16〕―37 ― 問1 文中および図1の ア ∼ ケ にあてはまる語句はどれか。最も適当なものを1∼1 4から 選んでマークせよ。 1.単性花 2.陽生植物 3.陰生植物 4.両性花 5.花粉管細胞 6.精細胞 7.精子 8.卵細胞 9.中央細胞 10.反足細胞 11.助細胞 1 2.花糸 1 3.花弁 14.雄原細胞 問2 下線部a)について。雄性配偶子形成の際に,減数分裂が起こる時期はいつか。最も適当 なものを1∼5から選んでマークせよ。 1.花粉母細胞が形成されるとき。 2.花粉四分子が形成されるとき。 3.雄原細胞が形成されるとき。 4.精細胞が形成されるとき。 5.花粉四分子および雄原細胞が形成されるとき。 問3 下線部b)について。図1中の カ および キ の細胞の核相として最も適当な組み合わ せを表1の1∼8から選んでマークせよ。 表1 選択肢 カ キ 1 n n 2 n 2n 3 2n n 4 2n 2n 5 n+n n 6 n+n 2n 7 3n n 8 3n 2n ―〔16〕―38 ― 問4 下線部c)について。裸子植物に関する記述として正しいものはどれか。最も適当なもの を1∼5から選んでマークせよ。 1.受精前の胚乳の核相は n+n である。 2.重複受精をおこなう。 3.受精時に花粉管が形成されない。 4.イチョウでは精子が形成される。 5.受精後に n+n の細胞から胚乳が形成される。 問5 下線部c)について。被子植物の種子に関する記述として間違っているものを1∼5から 1つ選んでマークせよ。 1.胚乳の核相は3n である。 2.有胚乳種子では発芽時に必要な栄養分が胚乳に蓄えられている。 3.無胚乳種子では発芽時に必要な栄養分が子葉に蓄えられている。 4.胚柄は分裂して胚球を経て胚となる。 5.胚は幼芽・子葉・胚軸・幼根から構成される。 問6 a∼eの植物のうち,子葉に栄養分を蓄えた種子ができるものはどれか。最も適当な組み 合わせを1∼1 0から選んでマークせよ。 a.トウモロコシ b.エンドウ c.カキ d.イネ e.クリ 1. (a,b) 2. (a,c) 3.(a,d) 4.(a,e) 5.(b,c) 6. (b,d) 7. (b,e) 8.(c,d) 9.(c,e) 10.(d,e) ―〔16〕―39 ― ! 次の文を読み,問1∼5に答えよ。 (20点) 真核細胞の大きさや形はさまざまだが,基本的な構造はどの真核細胞も共通である。真核細胞 は, A とそれ以外の B に大きく分けられる。 B の最外層は C である。植物細胞では, C の外側がさらに D で囲まれている。 B には,それぞれ特定の機能をもつ E がある。 植物細胞に特徴的な構造として D や,光合成を行う葉緑体および物質の貯蔵を行う F があ る。植物が光合成を行うためには,二酸化炭素の取り込みと酸素の放出が必要である。このよう な気体の交換は G に囲まれた H を通して行われる。 H からは,二酸化炭素や酸素以外 にも,水が蒸散によって放出される。また,植物の表面の大部分は,水の損失を防ぐためにクチ クラという構造を発達させている。光合成の反応の場となる葉緑体には緑色をした I や橙色 をした J などの色素が含まれている。物質の貯蔵を行う F の内部は, K で満たされて おり,植物細胞の種類によっては, L と呼ばれる色素を含んでいることがある。 文中の A ∼ L にあてはまる語句はどれか。最も適当なものを1∼20から選んでマー 問1 クせよ。 1.気孔 2.さく状組織 3.核 4.液胞 5.クロロフィル 6.孔辺細胞 7.デンプン 8.カロテン 9.細胞質 1 0.アントシアン 11.細胞液 12.細胞質基質 1 3.細胞壁 1 4.ゴルジ体 15.中心体 16.外膜 1 7.細胞膜 1 8.核液 19.内膜 20.細胞小器官 問2 文中の G および H について。a∼fのうち,正しい記述はどれか。最も適当な組み 合わせを1∼8から選んでマークせよ。 a. G にカリウムが流入することにより, H が開く。 b. G からカリウムが流出することにより, H が開く。 c.植物体内のアブシシン酸が G に作用すると, H が開く。 d.植物体内のサイトカイニンが G に作用すると, H が開く。 e. G に水が流入することにより, H が開く。 f. G から水が流出することにより, H が開く。 1.(a,c,e) 2. (a,c,f) 3.(a,d,e) 4.(a,d,f) 5.(b,c,e) 6. (b,c,f) 7.(b,d,e) 8.(b,d,f) ―〔16〕―40 ― 問3 図1は,ある被子植物における光の強さと光合成速度(二酸化炭素吸収量)の関係を模式 2 的に表したものである。横軸は光の強さを,縦軸は1時間あたりの100cm の葉における二 酸化炭素の吸収量と放出量(mg)を示している。y1 =1. 7mg,y2 =−0. 8mg であるとき, 2 光の強さを x2 とした場合に1時間あたりの1 00cm の葉における光合成で生成されるグル コース量は (ア) .(イ) mg となる。空欄 ア および イ にあてはまる整数をそれぞれ マークせよ。小数点第1位まで(小数点第2位以下を切り捨て)答え,1の位が0の場合は 0をマークせよ。ただし,光合成では光エネルギーを利用して,二酸化炭素(CO2)と水 (H2O)から有機物(C6H12O6)と水および酸素(O2)が生成する。この反応は,下記に示し た反応式で示されるものとし,各元素の原子量は,H=1,C=12および O=16とする。 6CO2 + 12H2O + 二 酸 化 炭 素 の 吸 収 量 ・ 放 出 量 光エネルギー → C6H12O6 + 6H2O + 6O2 y1 0 光の強さ y2 x2 x1 図1 問4 図1の x1 点は ア を示し,x2 点は イ を示す。 ア および イ の名称としてあては まるものはどれか。最も適当なものを1∼6から選んでマークせよ。 1.呼吸速度 2.二酸化炭素濃度 3.補償点 4.光飽和点 5.見かけの光合成速度 6.光合成速度 ―〔16〕―41 ― 問5 a∼fのうち,アオキよりも x1 点および x2 点がともに高い植物はどれか。最も適当な組 み合わせを1∼8から選んでマークせよ。 a.ヤブツバキ b.イヌワラビ c.アカマツ d.イネ e.セイヨウタンポポ f.タマシダ 1. (a,c,e) 2. (a,c,f) 3.(a,d,e) 4.(a,d,f) 5. (b,c,e) 6. (b,c,f) 7.(c,d,e) 8.(b,d,f) ―〔16〕―42 ― " 〔1〕 および 〔2〕 の文を読み,問1∼7に答えよ。(20点) 〔1〕 細胞が生命活動を維持するためには,エネルギー源として利用できる物質が必要である。 無機物から有機物を合成する生物を独立栄養生物といい,ほかの生物がつくった有機物に依存 して生きる生物を従属栄養生物という。植物は,光エネルギーを使って細胞内で水と二酸化炭 素から有機物を合成する。一方,動物や菌類が生きていくためには何らかの方法で外部から有 機物を取り込む必要がある。細胞膜はグルコースやアミノ酸などの比較的分子量の小さな有機 物を細胞内に透過させるが, ア や イ のような分子量の大きな有機物を細胞内に透過させ ない。そこで動物はエサとなる生物や有機物を口から取り込んで,消化管内で分解してから体 内に吸収する。このような消化の方法を体内消化という。アメーバやゾウリムシなどの運動性 をもつ単細胞の真核生物は原生動物とよばれており,これらは 細胞膜の一部分を変形させて, ! エサとなる生物や分子量の大きな有機物を細胞内に取り込んでから分解する。一方,アオカビ などの菌類は体外に各種の分解酵素を分泌し,高分子の有機物を低分子の有機物に分解してか ら体内に吸収する。このような方法を体外消化という。細菌には独立栄養生物と従属栄養生物 が存在する。従属栄養の細菌は菌類と同様に分解酵素を細胞外に出すものと,ほとんど出さず に低分子の有機物のみを細胞内に取り込んで利用するものがある。 ヒトは従属栄養生物であり,ほかの動物と同じように摂食によって有機物を得て生命を維持 している。炭水化物・タンパク質・脂質は三大栄養素とよばれており,我々のからだにはこれ らの有機物を分解・利用するための酵素が備わっている。ウシやヒツジのような草食動物は, 細胞壁の主成分である ウ を分解する酵素をもち,植物体を栄養源として利用できる。ヒト はそのような酵素をもたないため, ア や イ などを多く含む種子や根茎などを利用してい る。たとえば米には ア が,ダイズには イ が多く含まれている。つまりヒトが穀物や野菜 を食べると,それらに含まれている ア ・ イ ・脂質・ビタミン類などが利用され, ウ は分解されずに便となって排出される。酵素が最も効率的に働く温度や pH は酵素の種類に よって異なっている。たとえば,だ液に含まれるアミラーゼは中性で,胃液に含まれるペプシ ンは酸性で高い活性が得られる。 問1 文中の ア および ウ は多数のグルコースが連結してできた分子で, イ は多数のア ミノ酸が連結してできた分子である。 ア ∼ ウ にあてはまる語句はどれか。最も適当な ものを1∼6から選んでマークせよ。 1.コラーゲン 2.グリコーゲン 3.セルロース 4.タンパク質 5.DNA 6.デンプン ―〔16〕―43 ― 問2 a∼eのうち,体内消化によって栄養を得る生物はどれか。最も適切な組み合わせを1∼ 1 0から選んでマークせよ。 a.ウニ b.クラミドモナス c.酵母 d.大腸菌 e.ヒドラ 1. (a,b) 2. (a,c) 3.(a,d) 4.(a,e) 5.(b,c) 6. (b,d) 7. (b,e) 8.(c,d) 9.(c,e) 10.(d,e) 問3 ! 下線部 について。これと似た働きをもつヒトの細胞はどれか。最も適当なものを1∼8 から選んでマークせよ。 1.胃の粘膜細胞 2.肝細胞 3.筋細胞 4.小腸の上皮細胞 5.神経細胞 6.生殖細胞 7.赤血球 8.白血球 問4 問3に該当する細胞の働きについて。正しい記述はどれか。最も適当なものを1∼8から 選んでマークせよ。 1.肺胞で取り込んだ酸素を組織に運ぶ。 2.摂食によって得られた有機物を体内に吸収する。 3.摂食によって得られた有機物を貯蔵に適した物質に変換する。 4.子孫を残す。 5.感覚を伝える。 6.生体内に侵入した病原体を排除する。 7.身体の各部を動かす。 8.消化液で内臓が分解されるのを防ぐ。 問5 酵素について。a∼eのうち,正しい記述はどれか。最も適当な組み合わせを1∼10から 選んでマークせよ。 a.酵素はタンパク質でできている。 b.化学反応を促進する物質は触媒とよばれることから,酵素は生体触媒ともいわれる。 c.細胞小器官の膜には酵素が存在しない。 d.細胞小器官に含まれる酵素の種類はどれも同じである。 e.他の物質の化学反応を促進するとき,酵素も化学反応を起こして別の物質に変化する。 1. (a,b) 2. (a,c) 3.(a,d) 4.(a,e) 5.(b,c) 6. (b,d) 7. (b,e) 8.(c,d) 9.(c,e) 10.(d,e) ―〔16〕―44 ― 〔2〕 納豆の生産に用いられる納豆菌は各種の分解酵素を生産する。納豆菌が産生するアミラー ゼとペプシンの性質について確かめるため, 〔1〕の ア および イ を基質に用いて実験1と 実験2を行った。 実験に用いた試料 ! " # $ 納豆菌の培養液。 ! 遠心分離法により から液体培地を除き,得られた納豆菌に,使用した液体培地と等量の未 使用の液体培地を加え,すりつぶしたもの。 ! 遠心分離法により!から納豆菌を除いた液体培地を,室温(25℃)で1週間保存したもの。 遠心分離法により から納豆菌を除いた液体培地を,低温(4℃)で1週間保存したもの。 【実験1】 アミラーゼの基質として ア を含む溶液を試験管に入れ,pH が中性であることを確 !∼$の試料を別々に等量加えて37℃あるいは60℃で1時間反応させ,得られ 認した。 た結果を表1にまとめた。 表1 試料 ! " # $ ア の分解活性 反応温度37℃ 反応温度60℃ 有 有 無 無 有 有 無 無 【実験2】 ペプシンの基質として イ を含む溶液を試験管に入れ,pH を酸性にした。 !∼$の 試料を別々に等量加えて3 7℃あるいは60℃で1時間反応させ,得られた結果を表2にま とめた。 表2 試料 ! " # $ イ の分解活性 反応温度37℃ 反応温度60℃ 有 無 無 無 有 無 無 無 ―〔16〕―45 ― 問6 実験1および実験2の結果から導かれる考察として正しいものはどれか。最も適当なもの を1∼6から選んでマークせよ。 1.納豆菌のアミラーゼは細胞内に存在し,ペプシンは細胞外に存在する。 2.納豆菌のペプシンは細胞内に存在し,アミラーゼは細胞外に存在する。 3.納豆菌のアミラーゼはペプシンよりも室温で長期間安定である。 4.納豆菌のペプシンはアミラーゼよりも室温で長期間安定である。 5.納豆菌のアミラーゼはペプシンよりも熱に強い。 6.納豆菌のペプシンはアミラーゼよりも熱に強い。 問7 a∼eのうち,納豆菌のアミラーゼやペプシンを用いた実験を行うときに必要なことは何 か。最も適当な組み合わせを1∼1 0から選んでマークせよ。 a.室温を2 5℃に保ちながら実験する。 b.細胞と酵素を分離して,一定期間保存してから基質と反応させる。 c.暗室内で実験する。 d.適切な pH に調製した溶液を用いて実験する。 e.基質と反応させるとき以外は酵素を低温に保つ。 1. (a,b) 2. (a,c) 3.(a,d) 4.(a,e) 5.(b,c) 6. (b,d) 7. (b,e) 8.(c,d) 9.(c,e) 10.(d,e) ―〔16〕―46 ― ! 〔1〕 および 〔2〕 の文を読み,問1∼7に答えよ。(20点) 〔1〕 19世紀中頃, ア がエンドウを用いた研究により遺伝の法則を発見し, イ がヒトの a) 白血球の核から DNA を発見してヌクレインと名づけた。当時,DNA は重要な物質でないと 考えられ,タンパク質が遺伝子の候補として有力視されていた。さらにいくつかの重要な発見 がなされ,DNA が遺伝子の本体であるとわかったのは2 0世紀中頃である。これとほぼ同じ頃, ウ によって DNA の2重らせん構造モデルが提唱されて,DNA と遺伝子に関する研究が大 b) いに発展した。DNA と遺伝子を中心に生命現象をとらえる学問分野は分子遺伝学と呼ばれて おり,現在の生物学の主流となっている。分子遺伝学は,例えばヒトの身体や心に関すること や,病気,再生医療,医薬品開発など幅広い分野の研究と密接に関係している。 問1 〔1〕の文中の ア ∼ ウ にあてはまる人物は誰か。最も適当なものを1∼9から選んで マークせよ。 1.アベリー 2.グリフィス 3.サットン 4.シャルガフ 5.ハーシーとチェイス 6.ミーシャー 7.メンデル 8.モーガン 9.ワトソンとクリック 問2 〔1〕の下線部a)について。DNA は簡単な器具と材料があれば抽出できる。a∼eのうち, DNA の抽出方法に関する記述として誤っているものはどれか。最も適当な組み合わせを 1∼1 0から選んでマークせよ。 a.入手しやすく,DNA の抽出に適した材料として,ヒトの赤血球がある。 b.DNA を取り出しやすくするため,石英砂や乳鉢を使って細胞をすりつぶす。 c.DNA 以外の成分を取り除くため,トリプシンやドデシル硫酸ナトリウムを含む溶液中 で処理する。 d.溶液中の DNA を沈殿させるため,あらかじめ温めておいたエタノールを加えてミキ サーで混ぜる。 e.エタノールを加えて白色になった溶液をガラス棒でかき混ぜ,ガラス棒に絡まった DNA を回収する。 1. (a,b) 2. (a,c) 3.(a,d) 4.(a,e) 5.(b,c) 6. (b,d) 7. (b,e) 8.(c,d) 9.(c,e) 10.(d,e) ―〔16〕―47 ― 問3 〔1〕の下線部b)について。 ウ によって提唱された DNA の2重らせんモデルにおいて, !DNA の4つの構成要素のうち結合しやすい2つの組み合わせと,"その性質の名称とし て正しいものはどれか。最も適当な組み合わせを表1の1∼6から選んでマークせよ。 表1 選択肢 ! " 1 A と G,T と C 対称性 2 A と G,T と C 相補性 3 A と T,G と C 対称性 4 A と T,G と C 相補性 5 A と C,G と T 対称性 6 A と C,G と T 相補性 〔2〕 ヒトの ABO 式血液型の決定には,第9番染色体上に存在する A,B ,O の3つの遺伝子 が関与する。これらのような遺伝子を エ という。ABO 式血液型を決める遺伝子は,基本的 に 〔1〕の ア が発見した遺伝の法則に従って発現する。遺伝子 A と遺伝子 B の間には オ の 関係がなく,遺伝子 O は遺伝子 A,遺伝子 B のどちらに対しても カ である。図1は血液 型のわからない花子さんの家系図である。なお,花子の父の血液型の後にかっこ書きで記載さ れているのは遺伝子型である。 花子の父 B 型( BB ) 花子の夫 B型 花子の母 ?型 花子 ?型 花子の子 A型 図1 問4 〔2〕の文中の エ ∼ カ にあてはまる用語はどれか。最も適当なものを1∼9から選ん でマークせよ。 1.優性 2.劣性 3.優劣 4.不完全優性 6.複対立遺伝子 7.補足遺伝子 8.抑制遺伝子 9.条件遺伝子 ―〔16〕―48 ― 5.中間 問5 花子さんの血液型として可能性があるものはどれか。最も適当な組み合わせを1∼14から 選んでマークせよ。 1.A 型のみ 2.A 型と B 型 3.A 型と O 型 4.A 型と AB 型 5.A 型,B 型,O 型 6.A 型,B 型,AB 型 7.A 型,O 型,AB 型 8.B 型のみ 9.B 型と O 型 1 0.B 型と AB 型 1 1.B 型,O 型,AB 型 12.O 型のみ 1 3.O 型と AB 型 1 4.AB 型のみ 問6 花子さんの母親の血液型として可能性があるものはどれか。最も適当な組み合わせを1∼ 1 4から選んでマークせよ。 1.A 型のみ 2.A 型と B 型 3.A 型と O 型 4.A 型と AB 型 5.A 型,B 型,O 型 6.A 型,B 型,AB 型 7.A 型,O 型,AB 型 8.B 型のみ 9.B 型と O 型 1 0.B 型と AB 型 11.B 型,O 型,AB 型 12.O 型のみ 1 3.O 型と AB 型 1 4.AB 型のみ 問7 花子さんと花子さんの夫との間にできる子の血液型として A 型以外で可能性があるもの はどれか。最も適当な組み合わせを1∼7から選んでマークせよ。 1.B 型のみ 2.B 型と O 型 3.B 型と AB 型 4.B 型,O 型,AB 型 5.O 型のみ 6.O 型と AB 型 7.AB 型のみ ―〔16〕―49 ―
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