今月は平泳ぎのプル動作の変化についてお伝えいたします。 現在の平泳ぎのストローク動作になる以前のストロークイメージは①坊主頭をなでる②逆ハート型などのイメージ がありました。なぜ、坊主頭をなでるイメージ(丸)から逆ハート(掻きこみ)へ変化し現在の横(楕円)へのプル動 作に変化していったのでしょうか? ①丸型 丸型プルの特徴はアウトスカルが小さく、インスカルも 小さくなっていてプル動作での推進力はあまり得られてい ませんでした。キックとプルの推進力での割合は8:2です。 (図1ーA・B・C参照) ②逆ハート型(掻き込み) 掻き込み型の特徴はアウトスカルが大きく、インスカルも 大きくなります。このプル動作はインスカル時、手が胸の 下までくるほど掻きこんでいました。 キックとプルの推進力での割合は7:3です。 (図2A・B・C参照) ③現在のプル動作 現在のフラット・ウェーブ泳法になり横へのプル動作が導入されてき ました。現在のプル動作の特徴はアウトスカルが大きく、インスカルが 小さくなります。インスカル時手が顎の下辺りにくる掻き込みに変わっ ていきました。キックとプルと体重移動での推進力の割合は5:3:2です。 (図3-A・B・C参照) ○丸型のプル動作ではあまり推進力を得ることが出来ません。掻き込み型ではインスカル時、手が胸の下までき てしまいプル動作が止まりやすく抵抗になります。現在のプル動作ではアウトスカル時に体重移動し、インスカル 時に手が顎の下までしかこないのでプル動作を止めずにリカバリーできスムーズなプル動作が行えますので、現 在のプル動作を試してみてください。各プル動作も試していただき各違いを実際に体感してみて下さい。 ☆③のためのドリル紹介☆ (Ⅰ)後方歩行プル 後ろに歩きながらプル動作を行いましょう。 注意点①腰を後方に突き出すようにし前かがみの姿勢で行いましょう。 ②肘の位置を水面の高さに保ちましょう。 ③アウ トスカルは肘を伸ばし手の平を後方に向け、水面に対して迎角を約30度とする。 ④インスカルは手の平を下に向け、水平 面に対して迎角を約30度とする。 ⑤インスカル時の大胸筋の筋収縮を確認する。(アクラブライフ5-38参照) (Ⅱ)ヘッドアップスイム 顔を上げた状態で平泳ぎを行います。 注意点①顔を上げているため、手の平が下(プールの底)を向き易いが、アウトスカルは手の平を後ろ向き、インスカルで は手の平の向きは下向きとする。水平面に対する迎角を約30度とする。 ②リカバリー時は、手の平を下(プールの底向 き)に向け、サーフィン効果を使い、水面を滑り落ちるようにする。 ③リカバリー時は、肘や手先を水面ぎりぎりに保つ。 ④インスカル時に上半身が上がったら吸気し、足をける時に呼気する。 (アクラブライフ5-35参照)
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