11月号 - Aqlub.com

今月は平泳ぎのプル動作の変化についてお伝えいたします。
現在の平泳ぎのストローク動作になる以前のストロークイメージは①坊主頭をなでる②逆ハート型などのイメージ
がありました。なぜ、坊主頭をなでるイメージ(丸)から逆ハート(掻きこみ)へ変化し現在の横(楕円)へのプル動
作に変化していったのでしょうか?
①丸型
丸型プルの特徴はアウトスカルが小さく、インスカルも
小さくなっていてプル動作での推進力はあまり得られてい
ませんでした。キックとプルの推進力での割合は8:2です。
(図1ーA・B・C参照)
②逆ハート型(掻き込み)
掻き込み型の特徴はアウトスカルが大きく、インスカルも
大きくなります。このプル動作はインスカル時、手が胸の
下までくるほど掻きこんでいました。
キックとプルの推進力での割合は7:3です。
(図2A・B・C参照)
③現在のプル動作
現在のフラット・ウェーブ泳法になり横へのプル動作が導入されてき
ました。現在のプル動作の特徴はアウトスカルが大きく、インスカルが
小さくなります。インスカル時手が顎の下辺りにくる掻き込みに変わっ
ていきました。キックとプルと体重移動での推進力の割合は5:3:2です。
(図3-A・B・C参照)
○丸型のプル動作ではあまり推進力を得ることが出来ません。掻き込み型ではインスカル時、手が胸の下までき
てしまいプル動作が止まりやすく抵抗になります。現在のプル動作ではアウトスカル時に体重移動し、インスカル
時に手が顎の下までしかこないのでプル動作を止めずにリカバリーできスムーズなプル動作が行えますので、現
在のプル動作を試してみてください。各プル動作も試していただき各違いを実際に体感してみて下さい。
☆③のためのドリル紹介☆
(Ⅰ)後方歩行プル
後ろに歩きながらプル動作を行いましょう。
注意点①腰を後方に突き出すようにし前かがみの姿勢で行いましょう。 ②肘の位置を水面の高さに保ちましょう。 ③アウ
トスカルは肘を伸ばし手の平を後方に向け、水面に対して迎角を約30度とする。 ④インスカルは手の平を下に向け、水平
面に対して迎角を約30度とする。 ⑤インスカル時の大胸筋の筋収縮を確認する。(アクラブライフ5-38参照)
(Ⅱ)ヘッドアップスイム
顔を上げた状態で平泳ぎを行います。
注意点①顔を上げているため、手の平が下(プールの底)を向き易いが、アウトスカルは手の平を後ろ向き、インスカルで
は手の平の向きは下向きとする。水平面に対する迎角を約30度とする。 ②リカバリー時は、手の平を下(プールの底向
き)に向け、サーフィン効果を使い、水面を滑り落ちるようにする。 ③リカバリー時は、肘や手先を水面ぎりぎりに保つ。
④インスカル時に上半身が上がったら吸気し、足をける時に呼気する。
(アクラブライフ5-35参照)