見る/開く

【沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学】
【Okinawa Christian University / Okinawa Christian Junior College】
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
Rights
看護・医療福祉系の学生に対するクオリティ・オブ・ラ
イフの教育
近藤, 功行
川崎医療福祉学会誌 = KAWASAKI MEDICAL WELFARE
JOURNAL, 6(2): 291-299
1996
http://okinawa-repo.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/okinawa/10582
川崎医療福祉学会
Kawasaki University of Medical Welfare
••·. ~~~--~~Q)~g:c=.*t-t .o
?
* 1)'7' ~ • *7". 717(!)ft1f·
I
IIHtl:tf!fi lilftltt!f:M
lttfiflilttl~~·
(lflt 8 IJ!.UIJ20Bit'-l)
Quality of life and Medical Welfare Education ·
Nor17UkiKONDO
Depsrtment of Msdkt.d Sodtzl Wtmt
FGCU/Iy of Medial/
KIIWIIStllli Ufliflllm"ly of Medical Wel(an~
Klmldlld. 101-01. )0;/Jtm
w,.,.
(At:t:l/*l Nov. 20. 1996)
Key words : cptality of life, medical welfare education, Hvina' quality, mOrtal quality
Abstract
A survey of various literature iftdieates that two factors are very importaat ia deter.·
llliniq the quality of life (QOL). The two factors are "Hvina quality", QOL witbout
consciousness of deatll and "mortal quality", QOL witb.ccmsclousness of death. Student's
senses of their QOL were studied in terms of the two factors before afld after their
self-study.lnitially, most of atuctent•s 8ellSeS were only the livlq quality bat they changed
it into both living and mortal quality after their self-study. We considered the education
of QOL from the present results.
•
ft
ti.t~O:~Jt">:i:Mtllil§t.t.:M:Ia. ?:t 1J'T-1 • :t7"· ?.;(7
(QOL)
Q>b~fiJil!ll""te
J::('">:CW~ ~ '?">tiiU: •~--f.! t.t.:. -ttt.~l:t, r~a,ttJ
l: f!£eQ)ttJ 't'he. ::.rn
iJIIC:.~f:t l.., ~!Etnfi~~R8fA~>QOL C:.tf't&ltlbt-~t.: . . . . ~ <Q)ll!~ltf!k
S">WJ ">h-l: lift t. "'( ~, t.: ">r: tt t. "'(, trt :t~•••= r!kiaQ")fU ~ r!kttr,.,WJ rniJti11
">att:t~cif>i::. ~ tB·:d.:. fkW&:.t t)l!J:~tnU~~i.tf.itL "CJilAL "C'~" ( &ta't', b
291
Nil-Electronic Library Service
Ka
wasakiUniversityofMedical Welfare
調書
近 藤 功 行
れわれ,教育する側の立場の者怯.どのように関わって行けばよいのであろうか.特記,いの
ちの場を基調と Lターミナルケア教育の充実が時ばれる暑麗教育,また生括的場を基調とす
る医療福祉系の学生教育における鶴塵を.得られた結果をもとに.Q
OLの教育について考究
する.
怯む時記
近年. 1
専に入れる償金が多〈なった雷葉の 1
つに.タオリティ・オプ・ライフ (
Q
O
L
) とい
う嬬諦がある1). QOLという周語は.医学・保
i
健学・文学など樺々なジャンルにわたって用い
. 書籍に現れているだけでなし暁
られてお 9
画などにも錨かれている.人々の笥常生揺を包
括して.また鶴来甥医療などに人生の意識を踏
まえて登場して〈る.インフォームド・コンセ
ントなどの医掌3医療領社員民領域で用いられる
用語と詞樟に .QOLという用語ほ定訳しに〈い
用語である.書籍・文献をみる限 9で肱. 生活・
の質J 生命の質j といった訳出が多いが. 生
r
r
生の理解をとらえる上で.標識とな 9うるもの
を見いだし.この様識を利用して Q批 に 対 す
t
鵠司,.,月
る学生の解釈を判別した.本調牽は l
期に行勺た.鶴査手法は.アンケート爵去を利
用して,学生の知髄および理解力を調べた.学
生の知識の初期値を縛る層的で, QOLに興する
轄別な教曹を宥わない医癌福祉系の学生に対し
て.QOLの意味をたずねた.その畿,学生の理
解力を関ぺる目的で'.QOLの意味を再ぴたずね
た.これにより.Q
OLの意味的自主学習による
蜜也を分折し.自主的な学習による教育劫栗を
考察し,敏育方針を検討した.
書績の器遮
r
きることの質Jといった訳出もその意味すると
ころは大きいS
L
医学教育もそうである杭コ・メデイカル教
育である看護教育.また医療福祉の分野で教育
を符う者にとって .QOLという雷識の持つ意味
をどのように受けとめる岳喪があるだろうか23.
QOl.の概念を追求してい〈と,この嬬騒が如何
に帽の広い用語であるかがわかる附・63. 看穣教
画書館をど学生が普緯鞠期している場梼で.
陪覧できる文献を過して.その文献に記述され
ている QOLの訳出について調べた.令部主
対象となる文献を,一般の書籍に幌 9
.学櫛雑
誌などは除外した.調肇を持った書籍の設は,
蛤冊である.梯々な分野の文献に Q邸,の表記
が存在した.それぞれの分野に関する分類措符
育・ 4
ト簡福祉教育・栓金福祉教育の*で" QOL
の持つ意聴を広義に教育できる嚢聾は .b
れわ
れ学生教育に鵠わる者にとうて必要不可欠であ
る.
QOL~\-、う用語の持つ意味を明らかにして
示す.ここで'. 総舎的見越からの記述J
と記き
OL
れているもの桔.いろいろな雷難民よって Q
を説明してお札特定の定まった嘗襲にまって
表現をしていないものである.
い〈過程で.桂金椙融教育・介穣福祉教育の充
実をはかることを本研究の層的としたいへ
間査の方櫨
QOLに関する学生教育を行う時.その意味を
確立し.教育効果を検討する前に.教育を受け
る対象者の下地について理解を揮めることが必
要である.この下地に位.対象者を取り巻〈環
境と学生自身の知識および理解力がある.対象
者を取り巻〈環境のーっと Lては,様々な書舗
の文中に記識されている Q
OLの訳出を調査 L
た.その謂牽結果を分続して.QOLに対する学
わずに.書籍に記述き札た Q
OL
の訳出を表 2
に'
r
r
および
寄轄の寵述をながめてみると. 生活j
f
生命j という嵩諜が醤につしこれらの曾襲
がQ
OLを把握する上で重要な指標とな 9;る
ことが確麗できた.Q
OLのタオリティとは.あ
る基場またはある視点から輔断きれる内容の評
OLを測るベタトルに f
生語J
お
価であって. Q
よび f
生命Jをあてはめることができる.従っ
て. QOLに対する理解を輔捕する指揮として.
「生橋の質jおよび f
生命の質j を採用するこ
とが可能である.
QOLを理解する仕方位多様であり蜘トベ周織
r
に. 生摘の質jと「生命の費」を区潤する方法・
NII-ElectronicLibraryService
Ka
wasakiUniversity of Medical Welfare
却3
看種・医療福祉系の学生に対するクオリティ・オプ・ライフの教育
贋
t 魯鱒巴みられる
書舗の記述
QOLf
h
,
訳
出
冊数
生活の質
生の質
生き方の質.生磁の鍵
指
生活の質.生命的質,人生の質
生活の費.生命的貿
生援の質.人生の質
1
0
3
分鏑
割合
生活の質
44"
生活の費
生命の質
1
7
"
生命の費
17"
1
4
1
1
~の質,人生の賀
1
2
生命の質
人生の質
4
館会的な見地からの訳儲
5
QOLそのまま
施
s
"
その他
そのまま
1
7
"
いのち j
も多様でゐる.筆者は.QOLの解釈を f
書籍を頼。に .
QOLについて訳出を耳障める人に
に対する意臓があるかないかに対応きせて.そ
生活の質Jとして記憶し
とって.その訳出を f
れぞれ. 生掃の質jおよぴ「生命の質Jとして
てしまう棋舎が多いことがζ ニから雛糊される.
r
区別することにしている.ある韓簡に生きてい
て.その質を多角鵠に追求することを
f
生揺の
質Jとしよう.このこと陪,氷遣の未来に向か
準金の鱒髄
アンケートに協力して〈るた握療樋桂議の学
つて,一瞬一瞬を有意義に生きてい〈ことであ
0
8
入であった.学生の 3人に 2人i
ま
生の教は.4
る.現在をスタート地点として.未来の可能性
QOLという雷鳴を知うていることがわかった.
を感むと 9人が生きてい〈時闘の質である.一
方.いのちには思 9があり.その期限である死
ω Lという用語はテレビ CMにも使用されて
を意識して,生きている質を多角的に迫嘆する
ているのではと思われる.
いるとなどから.学生の関にもかな 9住居され
QOLという雷業
同時に行ったアンケートで.
ことを「生命の質Jという.死に向って"充実
した過去を積み重けてい〈ことである.人の死
を知っている学生に陪その訳出した雷襲を答え
をゴール地点として,ゴールを意識しつつ.人
てもらい.知らない学生にはイメージする雷棄
の一生を充実させてい〈時期の質である.宮い
を替えてもら勺た.この結呆,得られた多くの
は如何に生きてい〈かと
替えると. 生活の費J
学生の回答は. 生活の質Jおよび「生命の質j
いうことであ'). 生命の質jは知何に死んてm
そのものであった.ぞれ以外の回答を. 生活の
〈かということでゐる.
費」および「生命的質Jという観点で分類し.
書籍の記述を「生活の質jおよび f
生命的質j
という観点で分類した結果を表 1の右慨に記載
表 2にまとめた.また, 生揺の質」および「生
命の質jに分類できないものを「その他」に分
:分類されるものは.金体の
した. ぞのまま H
類した.ほとんどの学生の訳出は. 生活の質J
r
r
r
r
r
r
r
r
約 2割にあたり. その他J
が金体の 5パーセン
および「生命的質jの訳出の識を出ることはな
r
トにあたる.ぞれ以外の残ゅの過半数が" 生括
かったが,一部の学生はそれ以外の回答を出 L
生揺の
的貿のみJであり.さらにその残 9を f
ていた.表 2から明らかなように.書籍に現れ
質.生命の質j および「生命の貿のみj で等脅
ている訳出よりも学生が露答した訳出の方がバ
している.このように書籍の多〈が 生活の質j
ラエティに富んでいることがわかる.書籍は.
を記述していることがbかる.事服されている
QOLのもつ独特な意味を強調して取り上げる必
.
r
N工
工ElectronicLibrary Service
Ka
wasaki University ofMedical Welfare
2
鈍
近 藤 功 行
要がなければ.特別な解釈をせずに,規格化さ
自主学習の効果
れた無難な雷葉を使用することになる.これと
は逆に.正解を要求きれない学生の解釈には.
医療福祉教育を受けている学生を対象として.
広がりが現れて〈ることがわかる.
表 2の分類に従って,学生の人散を振り分け
. 両方J
お
た結果を表 3に示した. 生活の質J
文献調査や討論などの自主学習による QOLの
知識護得』こついて調査を行った.自主学習前畿
のアンケート結果.比較することによって.自
よび「生命の質」の表記は.それぞれ. 生活の
主学習による効集を知ることができるからであ
質のみ J
. 生活の質j および「生命の質jの両
る.自主学習による QOLの認識に対する密化
方. 生命の質のみ」に当てはまる回答を示した
の様子を,各項目聞の関係として表 4①・@に
ものの教である. その他」の表記は.回答を書
示す.行によって分けられた項眉は,自主学習
f
生
前の学生の圏答に対応している.したがって.
生命の質jに結びつかない回
活の質Jおよび f
表 4(2)の右端に示された各項目は自主学習畿の
答を書いたものの教であった. その他jの割合
学生の圏答に対応している.すなわち.表 4の
は.全体の 8パーセントであり.多くはない,
下から 2行自に示された各項自問の合計の値は.
QOLを f
生活の賀Jと記漉している者が半数を
占めており.この結果は.表 1に示した書籍を
自主学習後に「生活の質 J
. 両方J
. 生命の質」
および「その他Jと回答した学生の人数にゐた
用いた調査結呆とほぼ等しい結果を得た.この
る.
r
r
r
r
r
r
いていない者が多〈を占めており.残りは
r
ことは,書籍の蘭査から
r
QOLを「生命の質J
r
r
r
表 4⑨の最下行をみると. 両方jが金体の 6
r
というよゅは. 生活の費J
として認識する環境
割を占的. f
生活の質jが 3割. 生命の貿J
ま
,
にあt}.学生もそのよヲに調離していることが
1割を下回っていることがわかる.表 3と比較
うかがえる.書籍の調査から得た結果と異なっ
および{生命の費Jともに,
すると. 生揺の費J
ている点は.学生の回答には『生命の質jのみ
大幅に減少し. 両方J
が約 S倍に増加している
r
r
を回答した者の鶴舎が多いことがおげられる.
ことがわかる.このことは,自主学習を経た結
この理由として,医擦福祉系の学生であること
果. QOLには「生活の質」と
から.限りある「いのち j に対する意識が働い
ている入の観舎が多〈なうていることも推測で
つのとらえ方があることを学生が学習し飴めて
いることを現しているものと雷える.また. そ
きょう.
の他jの宮地・が 3分の 1に減少していることか
f
生命の質」の 2
r
馬場金による QOLD,眠*
様 2 医療掴縫3
生活の質
生き方.快適な生活.充実した生活,満足した生活.
心地よい生活,有意義な生活.アメニテ..f.暮らし
生命の質
死に方,生涯の質.命の質,人生の質,豊かな人生.
一生の質,死の尊重.ターミナルケア,自宅死亡
その他
生活様式,町づ<1).安全.保障,生活水単,個性化.
生活設計.生命の創造,長生 t
t
.生活実感.社会福祉
寝 S 医療相経系司院生じよる QOLの訳出多額
1
9
4
47%
生命の質
その他
1
2
5
3
1%
9%
部
鮒一制附
人数
割合
方一 3 %
両一 5 U
生活の質
N工工 -ElectronicLibraryService
Ka
wasakiUniversity of Medical Welfare
2
弱
看積・医療福祉系の学生に対するクオリティ・オプ・ライフの教育
ら , 単 純 に 叩L の意味が学生に農還している
を自主学習績に行ったアンケートと同時に回答
ことがわかる.
してもらった.ただ.このことは言葉の訳出イ
自主学習前畿の変化を表 4③から詳細に検討
コール記憶.また.体験イコール理解,..
.
.
と
す
る
してみると. :2つの現象fJ
f
:
観察される. 1つは.
もので位換してない.そもそも.QOLは生きて
と
先に述べたように自主学習によって. 両方J
回答する人教が増加する韓象であり.大きな人
教の変化となっている. 生語の費対‘ら「両方」
いることそのものを評価することにあだるから.
離でも身近に体験していると思える.すな bち.
体験を踏る ζ とが由来るということは,朗Lに
へは.鈎 3分の 2が移動している.また.もう
ついて何らかのイメージを持っていることを現
1つ怯. 生活の質H
:回答する人識が増加する
現象である.f
両方jと回答する学生の教は. 生
描の質J
へ約 4分 1が移動t.. f
生命の費J
から
は鈎 3分の 1が移動. その他j
からは約 3分の
2が移動していることがわかる.このことは.
自主学習に使用きれた教材に Q
OLを f
生活の
質j と紹介していることが多いのではないかと
考えさせられる.
していると雷えるのではないか.一方.Q
OLの
r
r
r
r
r
雷講を訳出することは,少な〈ともその冒棄を
一時的にしろ.記憶していることにあたる.こ
のような観点から.自主学習畿の保)Lに闘す
る体験のアンケ-t-結畢を脅類して.自主学習
畿の
QOLに対する訳出と分類した Q白,に関
する体験のアンケー争結集を組み合わせて嚢 5
に示した.
行によって分けられた環醤は, Q
PLの配韓し
題解の禽鑓
た意味,自主学審挫の
QO
むの訳出を分類した
概念的なことを説明するのには.言葉を記憧
結呆に対応する.したがって.表 5の右端に示
しているだけでなしそれカ鳴っ内容をイメー
された各項目の合計の値は衰 4a>の下から 2行
ジして.他 k区別することができな〈てはなら
自と同ヒ結呆を示している.一方.列によ・つ・て
ない.ニのため,慨念に対する理解度を知るに
低の理解した意味.Q
OL
分けられた項躍は.Q
は.回答者本人に具体的に説明させることがよ
に関する体験金分類した結果に対臨する.すな
い方法と思える.したがって.QOL対する体験
わち.表 Sの下から 2行自に示された各項目隠
.
1
4①
生活の費
学留前
学留後
生摘の賀
関
方
生命の質
その他
合
割
B
t
合
両方
1
3
.
0
1
1
8
鵠.
9
駒
2
6
1
-.
2
生活の質
ω
1
1.0>駅自
生命の賀
2
鈍
4
1
.
6
寝 4②
学習後
学習前
曾虫学曹齢鵠の
回
i
その他
合計
I
お
部
3
0
.
6
8
.
8
4
0
8
人
紛%
1
1
0
2
.
5
0
8
人
4
的%
1
却
7
.
4
自怠穆曹前畿の QOLの観劇の劉事
両方
生命の質
5
6
1
2
3
8
1
2
l
Z
5
4
0
6
5
初
1
9
2
1
1
8
29%
卸
2
62%
7%
8
却
その他
s
。
3
2
1
0
2%
合計
1
9
4
5
3
1
2
5
鎚
4
0
8
1
0
0
%
N工
工ElectronicLibraryService
Ka
wasakiUniversityofMedical Welfare
鵠6
近 藤 功 行
r
r
r
の会審舎の植は, 生活の質j
, 両方J
. 生命の費」
れておらず.代わりに 3つの現象が現われてい
および「その他j と Q
OLに関する体験を分類
る.
Iつは f
両方jの雷識を観砲した学生が. 生
された学生め人数におたる.
r
r
る体験について問答で~ないことを現 L ている.
活の質Jまたは「生命の質Jに分類されるどち
らか一方の体験を回答していることである.こ
れには. Q
OLの 2画性を民暁 Lてお札 f
生揺
QOLは身還なことであって.その意味を理解し
の質Jまたは「生命の質jのどちらか一方につ
ていなければ.アンケート回答者側牌程度の
いて園答すればよいからとも思えるが. 調方j
表 Sの最下行をみると. その他」が約半分の
OLに関す
割合を承しており.半数の学生が Q
r
r
人生し念喝ごしていないとはいえ.何らかの体
: 生命の質jに掠れてい〈の
が「生橘め質J!
験を語ることがで怠るほずである.本人の雷襲
は,むしろ,体験によるものの方が大きいので
で本人の考えを述べられるこ主が知識に対する
両方J
はなかろうか.頭の.で考えただ時だと f
理解と定着を現していることから.アンケート
が考えられるが,体験した場舎はどちらか強烈・
QOLについて.文字または雷
な印象を受けた方に鋸りがみられるので憾なか
回答者の半数が
襲として情報を持っているだけで.理解してい
ろうか.この点会場観蕗寄れよラ.
が 2パーセント以下
ないことがわかる. 両方J
と少ないのは, 生活の質Jまたは「生命の質J
また. 1つは, その他上、の龍れである.こ
れは. Q
OLを訳出した冒頭を記韓 Lただl
tで.
どちらかじついて, Q
OLに関する体験を述べれ
回答者本人のゆでその雷襲が締銘・蟻概されて
ばよいからである. 生命の質J
t
.F
J
f
生揺の費j
いないことの現れである.最畿の 1つ低,教と
の割合が多い理由は.回答者の年齢が砦(.死
しては少ない軒~
や人生を意識するこ kがまだ少ないこ左からで
な". 生命の質jが f
生揺の費J
に蜜わること
あろう.進む年齢の高い人々に対して本アンケ
である.この原因として .Q
成,を正し〈題解で
ー十を持ったとしたら.慢。ある人生をどのよ
きていないことと. Q
OLを情報に「生揚の質J
うむ生島てい〈かということが表現きれる可能
とf
生命の質j ~に芳雄することカ唱擁傘場合
性が高いかもしれない.
r
r
r
r
r
r
生活の費Jが f
生命の質jに
をさらに欝し〈検討することによって知ること
があることが考えられる.
Q自,について自主学習をしてもらい,理解の
OL
には
進み具合を罰牽した.その結轟から. Q
が可能である.本来.記寵した言葉とそれに対
種々のとらえ方があ F
J
.Q邸,の表罰的な意味を
する理解が一敬することが好ましい.それに陪.
述べることは容易であろうということが緯輔さ
表 Sの対角線上の人教が多くなること,すなわ
れる.そもそも,この言葉がどういうい魯きつ
Q低の題解に関する自主学習の劫暴を.表 S
ち.知舗と理解においてそれぞれ閉じ項目の人
で用いられるようになったのかなど.その本質
数が多〈なることが嬬縛きれる.しかし:ながら.
的な意味を理解してもらうための教育そのもの
9現
の必要性があることが感じられた .
Q
邸,につい
本興査の結集をみる脹".その傾向はあま
禽 S 自車掌刷機の G乱時鶴穂ど題親
理解
記憶
生活の質
両
方
生命の質
その他
会
割
計
合
生猶の質
4
5
飽
2
2
1
符
認%
両方
。
。
生命の質
1
8
7
部
@
1
6
1
7
2"
1
1
11"
その弛
合幹
5
5
1
2
4
1
2
1
路
Z
駒
7
1
鵠
.
,
鵠
l
e
輔事
1
帥%
NII-ElectronicLibraryservice
KawasakiUniversity of Medical Welfare
2
9
1
看護・医療福鑑果的学生に対するクオリティ・オプ・ライフの教育
て,自主学習をする上でのふさわしい教材が身
近に寄在すればよいのではと筆者は考える.し
たがって .Q
侃,の適慣な敏曹の必要盤を強〈感
じると共に.その方法を探る必要盤があろうか
と患う.
QOL艦嘗への指針
Q叫に関する体験のアンケートの罷答は.ア
ンケートを回答した学生均理解できている QOL
を記した結果である.したがって,種々な観点
から分訴することによ1:),(抑L念学生にどのよ
うに理解きれているか知ることができる.また.
QOLをどのようにとらえてい〈ことが容易であ
るかを知ることができる.すなわち.アンケー
ト結集の分析から Q
OLに関する適切な教育の
指針を探ることがでちるであろう.
生命の饗Jの内容を舎
「生揺の質Jまた怯 f
む QOLに関する体験を極接することができた
学生め教は.2
1
0
入であった.持られた結果を検
討してい〈と. 2つの観点から檎論できる ζk
に気づいた. 1
つは.Q
OLに関する体験金本人
の行為に基づいて述べているのか,観察した出
直接的な鐘融から揮すよゆも.他人の中で昆つ
けだすことの方が器離ではないことを現してい
る.また,菌分自身について Q
OLをとらえる
ことができていないことから .Q
邸,に対する日
常生錨における意識の抵さがわかる.
Q
O
L
r
ま.そもそも禽分自身のた的にも,まず,
追求すべき調揮である.特に学生に求めたいこ
とは.Q
邸,に対する意識を強(t,て.主体盤を
もって.生魯てい〈ということである.筆者が
今国取り上げている Q
OL教育 Uサ備部こは,
このような教育によ 9学生の理解や考えが蜜憶
し成長してい〈過緯をどうとらえて行〈かとい
ったところに主眼を軍かね』まならないと思う.
f
精神Jに関する餌答をした学生は8
1人であ
ゆ. 物質jI
こ関する国答をした学生は 1
2
9
人で
.
, f
勃費jの方が
あった.明らかに「精神Jよ
多い.これは, Q
OLを心的豊かきに事めるので
r
はなし物質鈎に満た宰れることとしてとらえ
l
'
1
J噂易だからと思われる.物質的な
ることの1
豊かきを確保することによって.精神的な安ら
ぎを縛られること陪事実である.しかし .A
の
物質的な歓求は.輪胞のごと〈意遣に続〈もの
本人」と区分し.韓者を f
他人Jとす
前者を f
ることで述べてみたい.また lつは.心が純粋
に満たされているような体験記ついて述べたも
OLを追求する原動
であるこ主から,それが Q
力になっても,決して Q儲 a に頚擁する手段に
はな 9得ないので怯なかろうか.また.本来,
Q
O
L
t
主暢鷺的な欲事によって満たされるのでは
のか.物費的な欲求を満たそうとする体験につ
なし心的憲識の縄題である.心にゆと 9を持
:
区
いて述べたものかでゐる.髄者を「精神j l
分し,説者を「物質j と露骨するこ&にする.
って.精神的な豊かさを感ヒ,自己を向上寄せ
てい《意識が霊聾であろう.
.他人J
,
アンケート結集記現れている 本人J
来事むついて述べているのかである.ここでは,
なお.身体的な不告自毒の解決や他人から受け
る援助への欲求なども「鞠費jに含めた.
「本人Jに関する回答をした学生は舘人であ
り. 他人j に関する屈替をした学生は 1
1
8人で
あった.明らかに f
本人」より t 他人jの方が
多い結集となった.このことは.Q
OLを本入の
r
r
r
.
r
r
f
輔神Jおよび F
物質Jの組み合わせと f
生活
の質」および「生命の賀Jとの関轟を表 6に示
す. 本人・稿持j とあるのは. 本人Jに関す
る回答をして,かっ f
精神Jに関する題審をし
r
r
r
r
.他
た学生の分類を現している. 本人・物質J
r
鍵 6 本人jおよび 精神Jど f
盆績の賀Jおよび f
念命骨質j
生活の質
両
方
生命の質
合
辞
本人・精神
本人・物質
他人・精神
3
8
1
2
4
3
3
5
4
1
5
1
他人・物質
合計
1
1
2
2
1
誕
I
舘
1
4
3
7
7
1
4
0
1
8
2
1
0
N工
工ElectronicLibrary Service
Ka
wasaki University of Medical Welfare
2
調
近 藤 功 行
人・精神Jおよび「他人・物質」もそれぞれ同
精神的な安らぎを得ることを述べて行き.心の
様にして分類された組み合わせを現している.
意識として QOLを退京することを考えること
「他人・精神Jおよび「他人・物質Jの項目を
生命の質jおよび「生活の質Jとの
眺めると. f
が「生
聞に恨遭った傾向がみられる J生活の質j
命の質」の 8観癌度と数値そのものがほぽ等し
も必要であろう.特に.QOLを意識することを
身につけさせることは重要と思える.
学問的にみれば', QOLはそもそもアメリカに
おける『社会学』の分野で.留民の生揺の賀(国
いだけでなし「精神jより f
物質Jに分類され
民の事らしの豊かさ}に焦点をあてた概念とし
る学生の教の方が I対 2の割合で多いことがわ
て生まれたものである別問.もともとの最栂が.
かる.これに対し. 本人・精神jおよび f
本人・
f
生揺の質Jということで蛤まった雷襲である
r
r
物質jに分類される項目においては, 生揺の質J
ということ.それが医療で桂昌されるようにな
に分類される回答は十分な教があるのに対して.
ったのは,延命中心の医療に対 Lての批判とし
r
f
生命の質jに分類きれる国答はほとんどない
て. QOLは生命の量ではな< 生命の質jであ
ことがわかる.ここで.踊りを入れておかねば
るということに論ヒられるようになった叡であ
他人J
.
ならないことは,筆者は. 本人jおよびf
る.それ杭現在は
f
精神j釘よぴ f
物質J
. 生括的質jおよび「生
命の質Jと二者択一的に分額してどちらが優っ
度ということ.♂あるいは「生掲の質および生命
の質」の「両方jで,落ち着いたように思える.
ているかを議論しているのではない.
“
Q
u
a
総.
y
o
fLife"の"Li
f
e
"という英語のもつ
r
r
f
生活の質Jつま., 1
ま満足
アンケートに回答した 2
0
禽韓畿の学生にとっ
意味合f生活.生命,人生,生害,教揖など稲蛮
ては.他人の死について考えるこ左はあっても.
J,そこ
い意味を統合的に内包しているのであ I
自分自身の死を意識することは少ないと緯測で
に意味がある z
m
.ぞれゆえ.混塞してしまってい
r
きる.このように,アンケートに回答して〈れ
るとも雷える. そもそも.用いられる入によっ
た学生自身の宛を意識した QOLに関する体験
て解釈の遣うこの Q
OLという雷藁を 8本では
など,そういった内容がどれだけ反映さF
れてい
とみる研究者もいる.
用いること自体が難しい J
るかなども.筆者は関心を持ってみたかった.
「生活の質j および f
生命の質J~分けて英訳
QOL務究は,ターミナルケア教育にも.直接関
を試みること自体に鍵簡を感むる櫛究者もいる.
剖 の定義として言叢でないので.それ
ただ.Q
接的に関わることであると患われる".
4
以上の縮呆をまとめ.QO
止の教育について指
ぞれの分野で自分がどう考えるかということが
針を述べることにする.死までに重る道のりの
大事であるということではなかろうか.つまり
長い学生が,死を意識して QOLを学ぶことに
は,この言葉を 2つに分け.ぞれを英訳するこ
OLのもつ意味が死の
は園雄がある.しかし.Q
とも.それぞれの研究者の研究の分野 kその目
教育につながってい〈ことは教示出来よう.し
的によるものと冒えよう.
r
たがって.購識を聴く学生に対しては. 生活の
r
質J 生命の質jに関する身近な話題を提供し.
QOLについて理解を操めさせることが必要であ
る.その時.他人の QOLに関する揺よりより
効果的と思われることは,学生自暑に直接関わ
ることを話題にすることである.書籍に限らず.
映画の部分での紹介も可能である叱物質的,身
孔の噂入として.
体的な満足を得ることを
α
本舗を作成するにあたって給.寺揮昇久縛土(京
都工芸錦絵大学工養学部物質工学科)に
ωLアン
ケートの墜理,データの分続などの働カを得てきま
した.また.終始,論考を進めてい〈上で鵠鎗また
討論する機会を持ってきました.この場をお借りし
てお礼を申し上げます.
N工工ー ElectronicLibrary Service
Ka
wasaki University of Medical Welfare
2
9
9
看護・医療福祉系の学生に対するクオリティ・オプ・ライフの教育
文 献
1)黒磁絡子 (
1
9
9
2
) クオリティ・オプ・ライフ (QOL)その概念的な傍商.肴趨研究, 25(2),鮒.
2
) 石谷邦彦 (
1
9
8
8
)特集にあたって. Ph
a
r
m
aMedic~ 6(7,
) 1
1
.
3
)近 海 功 行 , 来 光 涜 (
1
9
9
5
)QOLという用語についてー医学・肴蟻・椙佐教育の中での観点からー.介
(1
)
.3
0
:
.
種福祉数曹, 1
4
)鷹山正二郎(1鈎0
) ライフスタイルとQu
a
U
t
yo
fL
i
f
e
. 自本保健医療行動科学会報, 5
.202
.
5) 隷凶裕子 (
1
鈎0
)欧米におけるQua縫t
yo
fL
i
f
eに関する文献の概要と謀庖厨本保健医療行動科学会報,
5
,2
0
2
.
6) 近藤功行.育1ft武彦.米光茂,寺津昇久(l鈎6
);社会福位・介護福祉教育におけるタオリティ・オプ・ラ
イフの視点一教材碕究並ぴに学生教育への提富一.平成 7年度川崎医療福役大学プロジェタト研究研究成
義報告書.
7
)近藤功行 (
1
関6
) 介趨福祉職とターミナルケアの視点ーある末期患者の死をとおして一.保健の科学.
8
O
(1),5
0-56.
8) Op
po
曙減, RGJ
r
o
n
s
i
d
eandLW Ke
閑 e
d
y(
1
9
8
8
)陶 叫v
e
dQua
l
i
t
yo
fU
fei
nA C回 悦 P er
i
p
!
樹y
Framework.s
o
c
必:
l
l
n
d
i
C8
品
018 R
e
s
館 r
c
h
,2
D
(6),6
時-6
2
6
.
9) 筒井真優美 (
1
鰯)看護学における ω Lの概念と測定一 2つの肴撞婦の論文を過して一.看穫研究.
2
5
(2
)
.5
7
一回.
1
0
) KI
e
i
f
l
I
抑URM(
1
倒的 C側 関 碑 A糊Jy
s
i
so
fQ
u
a
l
i
t
yo
fL
i
f
e
.D
i
m
e
n
s
i
o
n0
1Cr
i
I
陶t
白r
eN
u
r
s
i
噌.柑 (
4)
.
2
2
3
2
2
9
.
N工I-ElectronicLibrary Service