2-5 機関・機器改造による省エネルギー化について 2-6 その他の技術

2 漁船漁業分野における主要課題のフォローアップ概要
2-5 機関・機器改造による省エネルギー化について
2-5-1 冷却装置や冷却水ポンプへのインバータの利用
2-5-1-1 鰹一本釣り漁船
1.装備状況について
遠洋かつお釣漁船には活餌用カタクチイワシの船上飼育のため低温活餌システムが
装備されている。この装置が消費する燃料消費量は,遠洋かつお釣漁船の補機が消費す
る燃油消費量の約 40%を占めていると試算される。この装置の省エネルギーを図るため,
枕崎市漁業協同組合所有の遠洋かつお釣漁船第 3 協洋丸(総トン数 499 トン)を試験船
として,その低温活餌システムに以下の改造を施し,効果を検証した。
① 現場海水の取得に用いられる新鮮海水ポンプ,15℃程度まで冷却したカタクチイワ
シ飼育用低温海水の循環に用いられる循環ポンプおよび使用後の飼育海水を熱交換
して船外に排出する排出ポンプに対して,効率的な流量制御の実現のためインバー
ターを設置した。
② 活餌用冷凍機において,流量減少による負荷減少に対応した回転数制御の実現のた
めインバーターを設置した。
③ ブライン凍結用冷凍機にもインバーターを取り付け,魚体中心部まで冷凍された後
の低負荷運転時における運転の効率化等を図った。
2.省エネルギーについて
実証試験の結果から,各ポンプ類および冷凍機にインバーターを装備したことにより
燃油削減量は,1 航海(40 日程度)あたり 36.0%(28.4kl),年間で 184.6kl と試算され,
金額にして年間 12,922 千円(7 万円/kℓ)の経費削減が見込まれた。また,インバータ
ーの取り付けに要する総額は 29,000 千円で,導入費用は 2.2 年で回収可能と試算され
た。
実証試験終了後も継続して上記装備を使用中であるが,塩害により機器の一部が使用
できなくなることが生じており,平成 22 年 12 月に抜本的な塩害対策を施した(具体的
には、①インバーター内部基盤コネクター等の設置・強化
②塩害フィルターの設置
③制御盤へのカバーの取付 ④運航者への教育)
。
3.操業状況について
平成 21 年度および平成 22 年度の操業状況を表 1 に示す。航海毎に漁獲量の変動が認
められるが,これは漁況に起因するものである。当該装備による操業への影響は無いと
考えている。
60
4.漁業者の意見
塩害により機器の一部が使用できなくなることが生じている。インバーターは受注生
産であるため,部品の調達と修理に時間がかかるのが難点である。なお,平成 22 年 12
月に抜本的な塩害対策を実施、今後の省エネ効果に期待している。
5.現在の普及状況
(1)
漁船漁業改革プロジェクトの地域プロジェクト(遠洋かつお一本釣漁業プロジェ
クト)において当該技術が採用され,審査の結果,実施が認定され,現在事業が進
められている。本プロジェクトで使用されている遠洋かつお釣漁船では,第3協洋
丸で問題となった塩害に対して,塩害用フィルターが取り付けられており,特段の
故障無く,4航海を終えている。省エネルギー効果は、船全体の燃料消費量の 10%
程度と試算され,漁業者も手応えを感じているとのこと。
(2)
このほかに 1 社が当該技術の導入を検討している。
6.その他
(1)
(独)水産総合研究センター開発調査センターは,船上におけるカタクチイワシの
飼育技術の見直しの一環として飼育水温を上げることの可能性に取り組んでいる。
飼育水温を 20℃程度まで上げることができれば,当該技術を活用して更なる省エ
ネが期待される。
(2)
実証試験の結果を知り,新鮮海水の取り込み量の手動調整の試みを進めている漁
業者がいる。効果を確認できればインバーターの導入も検討したい考え。
表1 実証試験状態で継続使用している第3協洋丸の操業状況
(1)平成21年度
航海次
航海期間
漁場滞在日数
操業水域
カツオ
漁獲量 ビンナガ
(kg)
その他
合計
1
H21.4.4~5.26
40
日本東方沖合
および南方
150,865
0
316
151,181
2
H21.6.1~7.16
34
3
H21.7.20~8.30
35
4
H21.9.5~10.27
39
5
H21.10.31~12.21
32
6
H22.1.30~3.16
24
合計
204
日本東方沖合
日本東方沖合
日本東方沖合
日本東方沖合
南方
-
5,910
199,646
1,450
207,006
73,972
1,277
1,225
76,474
153,821
0
4,608
158,429
275,223
0
3,650
278,873
137,229
0
1,899
139,128
797,020
200,923
13,148
1,011,091
(2)平成22年度
航海次
航海期間
漁場滞在日数
1
H22.4.28~6.20
45
2
H22.6.24~8.12
40
3
H22.8.19~10.13
41
4
H22.10.17~12.19
47
5
H23.1.5出港
-
操業水域
日本東方沖合
日本東方沖合
日本東方沖合
南方
南方操業中
カツオ
漁獲量 ビンナガ
(kg)
その他
合計
26,797
189,684
12,651
229,132
145,866
219,938
0
365,804
233,408
552
0
233,960
61
274,040
0
160
274,200
6
合計
173
680,111
410,174
12,811
1,103,096
2 漁船漁業分野における主要課題のフォローアップ概要
2-5-1 冷却装置や冷却水ポンプへのインバータの利用
2-5-1 冷却装置や冷却水ポンプへのインバータの利用
2-5-1-2 遠洋まぐろ漁船
1. 装備状況について
漁船に多数使用されているファン、ポンプ類はその消費電力量が回転数の3乗
に比例する特性を持っている。
この特性を利用すれば、回転数(風量または流量)を半減(50%)すると、その
消費電力は((1/2)3=1/8=0.125=12.5%で済み、87.5%の大幅な省エネが可
能となる。
遠洋まぐろ延縄漁船ではまぐろの凍結に48時間を要しているが、調査船開発
丸の測定データから魚体中心温度が-55℃まで低下する凍結完了時間は約15
~18時間程度であるのがわかり、この時間以降は凍結ファンの回転数を半減し
ても魚体中心温度は変化しないことから凍結ファンの風量を落とすことが可能
となった。
冷凍機は冷却に使用された冷媒ガスを圧縮して凝縮器などと組み合わせ元の
液体に戻すための機器である。冷凍機の動力(消費電力量)は冷凍機が圧縮する、
圧力の差で決まり、圧力差が小さいほどそれは少なくて済む。
そのため、精密な冷媒の給液制御が可能な電子式膨張弁と温度制御システムを
組み合わせることで、適正な温度制御と温度管理が可能となり、かつ省電力=燃
費削減が可能となった。
取付状況を次に示す
冷凍機
インバーター
62
電力計
モニター
2. 省エネルギーについて
439GT 遠洋まぐろ延縄船での実施例では、
1)凍結ファンにインバーターを装備し、凍結過程の15~18時間以降に凍結
ファンの回転数を半減すること。
2)魚倉の適正な温度制御と温度管理により、従来の超低温保冷から-45℃保
冷が実現されたこと。
により、1 日当たりの発電機燃油消費量が約 13.2%削減された。
3. 操業状況について
439GT
遠洋まぐろ延縄船での実施例では、改造後も順調に操業しトラブ
ルもなく運転している。
漁場、魚種によっては従来の取引の慣習によって温度の最適化がはかれず、従
来の温度が要求されるため、省エネルギー効果を発揮できない時期があった。
南まぐろはまぐろ類の中でも一番高価な魚種であるため、保冷温度について買
人からの超低温保管の要求があり温度を変更できない要因がある。
4.漁業者の意見
1)インバーターは陸上の各種ファン、ポンプ類の設備の省エネルギーの有効な手
段として幅広く普及しているが、漁船にはほとんど普及していなかった。その
理由は追加、または改造によって設備するとき、
①航海計器、漁労計器等への電波障害、
②改造、導入費用の負担が大きいこと、
が懸念された。
しかし、①は改造のための十分な配置、配線等の調査と施工技術により
懸念は払しょくされ、大きな省エネルギー効果が確認された。
63
2)②の改造コストが大きく、コスト削減のためには協同購入や補助制度の確立
が必要である。陸上の冷蔵庫で NEDO や経済産業省に多数の省エネ補助事業が
あると聞く。
3)電子式膨張弁と新しい制御システムにより適正な温度管理が行えれば、
大きな省エネルギー効果が確認された。-45℃保冷は自然冷媒 NH3 による保冷
温度に近く、現冷媒の R22 の供給停止が 2020 年と迫っているなか、自然冷媒
への転換の道筋に光明が見えてきた。
4)今回の成果をもとに、生産者ばかりではなく、陸上の超低温冷蔵庫を含めた
まぐろ流通のコールドチェーン全体の温度管理の見直しによって、業界全体の
大幅な省エネルギーが期待できる可能性が出てきたと感じる。
5)同時に、省エネルギーは CO2 削減に結びつくので遠洋まぐろはえ縄漁業
業界全体が協同して排出権取引として利用できるかの検討、試算が早急に必要
であると考える。
5. 現在の普及状況
現在、開発丸、第28松榮丸の2隻がこのシステムで操業している。
他の漁船では、遠洋かつお一本釣り漁船の活餌槽関連のポンプおよびスクリュ
ー冷凍機にインバーターが応用され大幅な省エネルギーを実現している。
また、平成 22 年 11 月 10 日作成の日本かつお・まぐろ漁業協同組合作成の「ま
ぐろ延縄・かつお一本釣りプロジェクト一覧」によると、申請 11 件中の 4 件が
インバーター使用による省エネルギー提案を掲げていることから、この事業の成
果が業界に認知され、応用かつ浸透してきているものと思われる。
64
2 漁船漁業分野における主要課題のフォローアップ概要
2-5 機関・機器改造による省エネルギー化について
2-5-2 その他
2-5-2-1 2船の油圧共有化及び並列配管化
(概要)まき網漁業の船団操業の特色を生かし、39 トン漁船が揚網時使用する漁労ウ
インチの油圧回路を 19 トン運搬船の新たに装備する油圧源及び並列油圧回路を
共有することにより、今までの油圧駆動源である 39 トン漁船及び 19 トン運搬
船の主機関を停止する事が出来ので、それによる省エネルギーを図る。
省エネルギー率は、実証試験時以降もほぼ同程度あり、36~38%の削減率を
得ている。但し、荒天等により、年間使用回数(年間 20 操業程度)が限られるた
め、更なる使用技術の習得が必要と思われる。
2-5-2-2 全方位スタンスラスター導入
(概要)現有の運搬船に全方位移動対応スタンスラスターとして、2 基 2 軸の推進装置
を装備することにより、追跡・投網・魚捕時の低速域の高効率化による燃料費削
減を得ることを目的に導入した。
省エネルギー率は、導入前と比較し 15%の削減効果を得た。実証試験以降特
に問題は発生しておらず、継続使用している。導入にあたっては、造船所との相
談が必要である。
2-5-2-3 補助電気推進装置
(概要)主機関の出力を縮小し(通常 540kW を 435kW とした)、補機駆動の電動モータ
ー(90kW)を搭載することで、低負荷運転時の燃費を改善する目的で補助電気推
進装置を 9.7 トンの採貝総藻・刺し網・延縄FRP漁船に導入した。
同型船と比較し、実証試験では 33.8%の省エネルギー効果を得たが、ノイズ
が発生し、漁業無線の使用が困難となり近隣の同僚船にも同様の悪影響を与え
たため、原因を究明中である。なお、船体がFRPである事も含め、十分なノイ
ズ(インバーターによるものと考えられる)対策が必要である。
2-5-2-4 小型電動船外機船
(概要)電動船外機船の導入により、漁業経営環境指標の大きなウエイトを占め、負担と
なっている燃料費を化石燃料の直接消費から電力消費への転換を図る事で、省エネ
ルギー効果を得ることを目的に、30PS クラス(和船 0.6 トン)と 60PS(実用は 40PS、
和船 2 トン)クラスの船外機船に導入した。
省エネルギー率は、従来船のガソリンの消費との比較になるため、「省エネ法施行
規則(平成 19 年 11 月 26 日改正)の第4条第1項」の計算式を用いて算出した。その
65
結果、
30PS クラス
: 34%
60PS(実用は 40PS)クラス : 54%
となった。省エネルギー率の違いは、漁場における作業内容の違い(例えば、60PS
クラスのガソリン船外機は、作業時アイドルで機関を運転しているが、電動船外機
は直ぐスタート出来るのでモーターを停止している等)が関係していると思われる。
各々約2ヶ月程度実証試験を行ったが、塩害等を含め問題は発生していない。今後、
長期間にわたる試験や各漁業種類に適した出力やバッテリーの容量の検討、コスト
ダウン、漁港の電動船外機向けのインフラ整備等が望まれる。
66
2 漁船漁業分野における主要課題のフォローアップ概要
2-6 そ の 他 の 技 術 に よ る 省 エ ネ ル ギ ー 化 に つ い て
2-6-1 漁具・魚群監視システム
1.
装備状況について
宮城県牡鹿郡江島漁場は平成 21 年 12 月末から平成 22 年 5 月まで休漁期間であっ
たため、設備を一旦陸揚げした。その後、平成 22 年 6 月からの操業再開に合わせ、
第一箱網の魚群監視も行う目的でソナー設置位置を三枚口中央部に移設する計画を
立て、機器をそれに対応する形へ改良した。改良内容は以下の 3 点である。
<改造点:平成 22 年 7 月>
①
ソナー部:
高さを抑えた横長の箱型へ形状変更する(写真 1)
。
②
アンテナ通信部: アンテナと通信部に分離し、通信部は波浪の影響を抑える
ために沈下懸垂型に改良する。
アンテナは独立したボンデン方式にモデル変更する。
③
ケーブル:
切断・浸水防止対策として、各機器とケーブルの接続部に
浸水隔壁室を設ける。
ケーブルとの接続は水中コネクターを介すように改良す
る。
改良した機器は平成 22 年 7 月上旬に再投入予定であったが、最盛
期と重なり漁が続いていることから、休漁してまで機器を設置するこ
とができず、再設置は平成 22 年 7 月下旬となった。設置後、伝送さ
れてくる映像にて漁具・魚群を監視するものの、ソナー部の流水抵
抗・波浪の影響の増大により、画像が安定されないという問題が
写真 1
生じた。
ソナー部(箱型).
そこで、再度設備を陸揚げし前述の問題に対処すべく改良を施した。
改良内容は以下の 4 点であり、その概要を図 1 に示す。
<改造点:平成 22 年 11 月>
①
ソナー部:
振動子のみとし、流水抵抗の軽減に努める。
振動子のみであるため、比較的操業の邪魔にならない。
②
本体部:
③
プリアンプ部:
横型の円筒形とし、側張りに取り付ける方式に変更する。
振動子からソナー本体までの距離を増長するためにプリア
ンプ部を増設する。
(振動子からソナー本体までの距離は約 65m)
アンテナは独立したボンデン方式にモデル変更する。
④
ケーブル:
切断・浸水防止対策として、強度のある油圧ホースに変更
する。
67
⑤
ソフトウェア:
・
機器起動用 FOMA の制御方法の変更
特定の電話番号から呼び出し信号(RING 信号)のみで
起動するように変更する。その結果、基本料金以外に
通信コストが発生しない。さらに FOMA Interface の
エラー発生頻度が大幅に低下する。
・ 自動停止機能の追加
動作中に通信不能状態となった場合に備えて、機器起
動後 30 分後に海上部のみ動作を自動停止する。
改良した機器は平成 22 年 11 月 27 日に再設置し運用を再開した。
図 1 リモートソナー概要(海上部)
.
2.省エネルギーについて
本報告では現行モデル改良後に得られたデータより省エネルギー効果を検証した
(平成 22 年 11 月 27 日~平成 22 年 12 月 4 日)。ソナー画像による操業判断結果を表
1 に示し、操業状況を表 2 に示した。上記期間内には不採算操業例がなく、操業可否
判断による操業回避決定のみであった。操業回避は 8 回の出漁中 5 回的中した。した
がって、本期間では 62.5%の省エネルギー効果をもたらしたことになる。一方、操業
可否判断困難なケースは 1 回あった。これは判断基準としている漏斗先の箱網水深が
基準とする 15m 付近であったため、
操業可能か否かの境であると判断したことによる。
この点については今後、画像データと実際の操業データとの蓄積で、より精度の高い
68
出漁判断が可能になると考える。
表 1 ソナー画像による操業判断結果
出漁回数
採算操業回数
操業不能回数
操業可否判断困難
8
2
5
1
100%
25.0%
62.5%
12.5%
表 2 操業状況
出漁回数
採算操業回数
不採算操業回数
操業不能回数
8
3
0
5
100%
37.5%
0%
62.5%
3.操業状況について
改良した機器は本体から振動子を切り外したため、箱網内に設置する場合でも操業
の邪魔にならないものとなった。また、プリアンプ部、本体部は側張りに取り付ける
方法になっているため、取付け作業性も向上した。
現在、ソナーの運用はタイマー運転と手動運転を併用している。出漁前にはソナー
画像を確認の上、操業判断、船への氷の積載調整を実施している。
4.漁業者の意見
リモートソナーを箱網内に取り付けた場合、魚群映像から漁獲量を予め推定でき、
不採算操業につながる出漁を回避できる。さらに、大漁時の氷不足や低漁獲時の氷余
りに対しても事前に対処可能となる。また、漁具形状の変化を面として捉えることが
可能であるため、潮流が速く網起しが出来ない操業不能を事前に回避して出漁を中止
することができる。これらのことは省エネルギー効果につながり、安定的な漁場経営
の確立に大きく寄与するものと考えられる。リモートソナー、現行の定置網の欠点を
克服し、漁業収入の向上につながる一つのツールとして期待したい。
5.現在の普及状況
実証試験終了後より、機器の改良を重ね現行モデルとなった。今後、運用を継続し
て行うことで漁場に応じた出漁・操業体制を確立できる。また、現在のバッテリーは
使用時間がフル運転で約 48 時間である。そのため、運用次第では 1 週間から 10 日前
後でバッテリーの交換を行わなくてはならない。そこで、今後はライフの長いバッテ
リーの採用が課題である。
このシステムは価格が高額であるため、漁業者の負担が大きい。普及を促進させる
ためには公的機関などからの補助が求められる。
69
2 漁船漁業分野における主要課題のフォローアップ概要
2-6 そ の 他 の 技 術 に よ る 省 エ ネ ル ギ ー 化 に つ い て
2-6-2 その他
2-6-2 活魚運搬バージ導入
(概要)従来の大型竹籠生け簀(最大 8 基)に替わる活魚運搬用具として活魚運搬筏バ
ージを建造・購入使用し、更に近代化設備投資を行って、省エネルギー化による
従来の運搬経費(燃料代、竹籠代)の節減を図る。従来の竹籠(約 22m2/1 籠)
に対し、筏バージA、B(Aの容量は約 260m2、Bは約 190m2)を導入した。
省エネルギー率は、Aで 4~22%、Bで 12~30%であった。導入効果として、更
に、曳航速度が速くなり、時間の短縮ばかりでなく、
①魚のへい死が格段に減った。
②購入者であるカツオ一本釣り漁船船頭より、一様に品質について高い評価を得た。
③沖でのまき網からの作業性が向上した。
④沖での作業時の安全性が向上し、心労が減った。
等の効果が得られている。
導入にあたっては、従来荒天で出航出来ない場合でも可能になったので安全航行
への配慮やまき網漁業と関連が大きいので操業全体の作業との調整等が必要である。
70