研究課題中間評価調書 平成 25 年度 □ 当初予算 (様式10) □ 補正予算 機 関 名 農業試験場 課題コード 課 題 名 ( 月) H220306 記入日 平成 25 事業年度 H22 年度 ~ 年 9 月 13 H26 日 年度 省資源型花き栽培に対応した生産拡大技術の開発 機関長名 連 絡 先 政策コード 施策コード 目標コード 湯川 智行 担当(班)名 花き担当 018-881-3318 担当者名 佐藤 孝夫 2 政 策 名 融合と成長の新農林水産ビジネス創出 2 施 策 名 新農林水産ビジネスの展開を支える基盤づくり 施策目標名(評価指標) 生産・消費現場と密着した試験研究の推進 3 重点(事項名) 省力・省資源型栽培技術の確立 基盤 種 別 研究 開発 ○ 試験 調査 その他 県単 ○ 国補 共同 受託 その他 評 価 対 象 課 題 の 内 容 1.研究の概要 1)キクの秋冬期施設栽培に対応した省エネルギー栽培技術の確立(H22~26年) ①植物のEOD(End of Day)反応を利用して燃料使用量を削減する栽培技術を確立する。 ②発光ダイオード(LED)によるキク電照栽培の効果を明らかにする。 2)トルコギキョウの無加温越冬半促成栽培技術の確立(H22~26) 施設の温風暖房機を用いないで、トルコギキョウの5月切りに対応できる栽培技術を確立する。 3)リンドウの需要期集中出荷技術の確立(H22~26) お盆、彼岸の需要期出荷に適する品種の選定と効果的な開花調節技術を確立する。 4)ダリアの切り花栽培技術の確立(H22~26) ①切り花出荷に適する品種選定 ②切り花品質を向上する電照方法の検討 ③挿し穂による種苗増殖技術の確立により栽培技術を確立する。 2.課題設定の背景(問題の所在、市場・ニーズの状況等) 施設栽培においては、世界的な原油価格の乱高下によるビニール資材費、肥料代、燃料代等の高騰により、経営費が圧迫 され、秋冬期間の生産量が低下している。市場取引においては、安定した長期出荷が産地の力となるため、秋冬期間の産地 拡大が望まれている。そのために、暖房コストを削減した安定生産技術を確立することが生産者から望まれている。露地栽培 においては、県内ではリンドウ、ダリアの栽培面積が拡大しているが、どちらも試験事例が少ない。リンドウでは生理生態が未 解明な部分が多く、お盆、彼岸の需要期に向けた開花調節技術が求められている。ダリアでは花持ちが短く、切り花栽培方法 が確立していない部分が多いため、花持ちの良い品種の選定や作期拡大のための電照方法の技術確立が求められている。 3.課題設定時の最終到達目標 ①研究の最終到達目標 1)キクのEOD反応を利用した変温管理技術により、従来の燃料使用量の30%削減を目指す。 2)トルコギキョウの半促成栽培で、各種資材の利用により、無加温栽培で5月収穫を目指す。 3)リンドウでは、本県に適した品種の導入とお盆・彼岸の需要期出荷に対応する開花調節技術を確立する。 4)ダリアの花持ちの良い品種の選定と高品質な切り花ダリアの栽培技術を確立する。 ②研究成果の受益対象(対象者数を含む)及び受益者への貢献度 県内花き生産農家。施設栽培における暖房費の低減により、農家経営の安定化に貢献できる。露地栽培では、需要期出荷に 安定した生産量を確保できるため有利販売が可能になる。 4.全体計画及び財源 実施内容 (全体計画において 計画 実績) 22 23 24 25 26 到達目標 年度 年度 年度 年度 年度 (最終年度) 26年度 キクの秋冬期施設栽培に対応し ・EOD反応による燃料使用量削減 20%削減 た省エネルギー栽培技術の確立 ・発光ダイオードの効果実証 トルコギキョウの無加温5月穫り 栽培技術の確立 ・収穫期の前進 2週間 リンドウの需要期集中出荷技術 の確立 ・県内に適する品種 2品種 ・開花調節技術 ダリアの切り花栽培技術の確立 ・花持ちの良い品種の導入 5品種 ・電照方法の確立 電照時期 ・種苗増殖 挿し穂位置の決定 合計 計画予算額(千円) 当初予算額(千円) 一般財源 財源 国 費 内訳 そ の 他 700 662 662 700 662 662 700 586 586 700 468 468 700 3,500 2,378 2,378 (標準様式~裏) 観点 1. A ー ニ B C D ・地球温暖化防止対策における二酸化炭素排出量削減対策と石油燃料の価格高騰などにより、花き生産全般にわたり、省エネル ギー栽培技術への期待が大きく、研究ニーズは高まっている。 ・リンドウの需要期に集中出荷させるための開花調節技術は、未だに確立されていないため、生産者からの要望は高い。 ・ダリアは、本県の重点施策事業になり、栽培技術に関する要望が高まっている。 (委員の意見) ・地球温暖化に対する意識の強まり、長引く燃油高騰への懸念などを背景に、花き生産における新エネルギーなど省エネ技術導入 の必要性は高まっており、本研究への期待は大きい。 ・キク、トルコギキョウ、リンドウ、ダリアとも本県花きの主力品目であり、生産現場のニーズを的確に捉えた課題設定であると考える。 ズ の 状 況 変 化 A.ニーズの増大とともに研究目的の意義も高まっている C.ニーズの低下とともに研究目的の意義も低くなってきている B.ニーズに大きな変動はない 2. 効 果 A B D.ニーズがほとんどなく、研究目的の意義がほとんどなくなっている C D ・キクおよびトルコギキョウは、本県花き生産の主要品目であり、長期継続出荷における省エネルギー栽培技術の確立は、農家経営 の安定化に十分貢献できる。 ・リンドウは、本県の重点施策事業の品目であり、開花調節技術の確立により長期安定出荷が可能になるため、農家経営の安定化 のために貢献できる。 ・ダリアは、本県の重点施策事業の品目であり、電照栽培法による切り花品質の向上および挿し芽による種苗増殖技術の確立によ り、周年安定生産が可能となり、作付け面積の拡大が期待される。 (委員の意見) ・普及段階に移されているものもあり、現地実証などより現場と密着した技術組み立てを進めることで、より効果的な普及拡大が期待 できる。 A.大きな効果が期待される B.効果が期待される 3. 進 捗 状 況 A B C.小さな効果が期待される D.効果はほとんど見込めない C D ・キクのEOD反応の課題においては、農水省の外部資金(平成22年度~24年度)試験課題に採択されたため、研究内容を移行して 重点的に取り組み、現地試験を行って計画通りに研究成果を得ている。LEDの実用化試験においては、市販の白色LEDはキクの開 花抑制に用いることができることを明らかにして、さらに効果的な波長域を持ったLEDを開発するため産業技術センターおよび民間 の事業所と産学官共同試験を行って、計画を発展させている。 ・トルコギキョウの課題においては、5月切り栽培で無加温での栽培は不安定なため、局所加温を行う計画に修正した。 ・リンドウの課題においては、昨年度までに雪や資材を活用した開花調節技術について検討し、開花調節技術に対応できるように データをまとめている。 ・ダリアの課題については、平成23年度からの園芸振興課の施策事業「リンドウ・ダリア全国トップブランド産地育成事業」で NAMAHAGEダリア品種の特性調査を行っている。さらに平成25年度から農水省の外部資金試験課題に採択されて、挿し芽による種 苗増殖法の検討を重点的に行い、計画を加速していく予定である。 (委員の意見) ・これまでにない作型や新しい植物反応や応用技術が盛り込まれているが、成果が現れている課題もあり、計画どおりに進んでいる ものと考える。 ・リンドウの開花調節について、結果を整理して取りまとめて欲しい。 A.計画以上に進んでいる B.計画通りに進んでいる 4. 目標 達成 阻害 要因 の状 況 A B C.計画より遅れている D.計画より大幅に遅れている C D ・キクのEOD反応を利用した栽培試験および発光ダイオードの実用化試験については、特になし。 ・トルコギキョウについては、資材を利用した無加温栽培での温度確保が難しいので、局所加温を取り入れることに計画を修正した。 ・リンドウにおいては、基礎的な生理生態が解明されていないため、研究員のアイデアを活かして取り組んでいる。 ・ダリアについては、農水省の外部資金研究課題に採択されたため、他県の情報を得ることができるため、特になし。 (委員の意見) ・開発技術の普及拡大に向けては、コストを要するものもあり、経営評価を踏まえて検証することが必要である。 ・局所加温については、技術の可能性の限界について考慮すること。 A.目標達成を阻害する要因がほとんどない B.目標達成を阻害する要因が少しある C.目標達成を阻害する要因がある D.目標達成を阻害する要因が大いにある A 当初計画以上の成果が期待できる B 当初計画どおりの成果が期待できる C さらなる努力が必要である D 継続する意義は低い 評価を踏まえた研究計画等への対応 総合 評価 ・キクやトルコギキョウにおける省エネルギー対策試験については、試験計画通りに遂行するとともに技術の実用性の適否について常に考 慮しながら、より一層の研究成果が得られるように努める。 ・ダリアについては、外部資金の試験課題に採択されたため、種苗増殖方法の課題を強化し、栽培時期によるさし穂の効率的な増殖法につ いて重点的に取り組む。 ・リンドウについては、これまでの試験結果を基に開花調節技術を中心にとりまとめる。 事前H(21年度) 中間(23年度) 中間H(24年度) 中間(25年度) 事後(27年度) (参考) 過去の評価結果 B B B
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