疫学的 - 日本化学療法学会

VOL.49
NO.6
H.influenzaeに
よる小 児 急性 中耳 炎
355
【原 著 ・臨 床 】
小 児 急 性 中 耳 炎 症 例 よ り 検 出 さ れ たHeaemophilus
細 菌 学 的,疫
学 的,臨
宇
野
芳
influenzaeの
床 的検 討
史
宇 野耳鼻 咽喉科 ク リニ ック*
(平成13年1月25日
1998年12月
か ら2000年6月
例 の 細 菌 学 的,疫
学 的,臨
H.influenzaeは282例
%),β-ラ
受付 ・平成13年4月16日
ま で に 当 院 を 受 診 し たHaemophilus
床 的 検 討 を 行 い.現
か ら309株
検 出 さ れ,内
イ ン フ ル エ ン ザ 菌(β-lactamase-negative
女 児144例
あ っ た 。 年 齢 は 生 後3か
は,1歳
代 と4歳
い て,第
代 に ピ ー ク を も つ2峰
月 ま で(平
Haemophilus
influenzae
と と も に,小
代 と5歳
ずMIC測
susceptibility,
acute
今 回,当
proxetilも
otitis
つ い て,薬
罹 患 患 者 の 年 齢 構 成,年
症
検出 さ
media
in
children,
clini-
齢 別の耐 性度 な どの疫学 的検 討 お よ
I.材
1.対
料
ク タマ ー ゼ 産 生
と 方 法
象 症 例 お よび 対 象 菌 株
対 象 は,1998年12月
れ て い る5)。
剤 感 受 性 な どの 細 菌 学 的 検 討,
び 治 療 成 績 に つ い て の 検 討 を行 っ た の で 報 告 す る。
鼻 咽喉 科 領
児 急 性 中 耳 炎 の 起 炎 菌 と して 重 要 な も の と 考 え ら
来 β-ラ
比
定 後 に使 用 す べ き で あ る
院 を 受 診 した 小 児 急 性 中 耳 炎 症 例 か ら 検 出 さ れ た
H.influenzaeに
catarrhalis
性 お よ び急 性 の 呼 吸 器 感 染
耐 性 機 構 は,従
治療 にお
回 治療 の 重 要性 が 再 認 識 さ れ た。
児 科 領 域 で は 化 膿 性 髄 膜 炎 な どの 重 篤 な 感 染 症
H.influenzaeの
代 に ピ ー ク を も つ2
ampicillin—resistant
症 の 起 炎 菌 と し て 重 視 さ れ て い る1∼4)。 一 方,耳
域 で は,小
性 の 分 布 を,BLNAR
考 え ら れ た 。 ま た,cefpodoxime
上 の 株 も あ り,必
, antimicrobial
Moraxella
の 起 炎 菌 と な る ば か り で な く,慢
受 性 株 は,1歳
pivoxilと
気 道の常 在菌 の ひとつで
pneumoniae,
期 に は多 い と い う分 布 を示 して い た。 各
代 に ピ ー ク を も つ2峰
な りの 頻 度 で 分 布 し て い た 。H.influenzaeの
efficancy, ƒÀ-lactamase-negative
influenzaeは,上
別 は 男 児138例,
の 後 β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 イ ン フ ル エ ン ザ 菌 やBLNARが
治 性 中 耳 炎 に 移 行 し た 症 例 も あ り,初
あ る が,Sterptococcus
下BLNAR)が84
あ り,性
復 性 中 耳 炎 に移 行 し た。 特 に 初 回 細 菌 検 査 で ア ン ピ シ リ ン感 受 性 イ
ン フ ル エ ン ザ 菌 が 検 出 さ れ た 症 例 で も,そ
cal
月)で
膜 切 開 術 な ど の 治 療 で 良 好 な 結 果 の 得 ら れ た 症 例 は88.0%で,12.0%の
例 で は 耳 漏 の 持 続 が 認 め ら れ た り,反
Haemophilus
代 と7歳
性 の 分 布 を,ABPC感
の 間 の 年 齢 に も,か
一 選 択 と す べ き 経 口 抗 菌 薬 はcefditoren
words:
H.influenzae,以
均45.3か
の 夏 期 に は 少 な く,冬
較 的 良 好 な 感 受 性 を 示 し た が,MICが4.0μg/mL以
と 考 え ら れ た 。 経 口 抗 菌 薬,鼓
ク タマ ー ゼ 非 産 生 ア ン ピ シ リ ン耐 性
ampicillin-resistant
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 は,1歳
峰 性 の 分 布 を 示 し て い た が,そ
よ る小 児 急 性 中 耳 炎 症
訳 は ア ン ピ シ リ ン 感 受 性 イ ン フ ル エ ンザ 菌 が179株(57.9
月 か ら180か
で あ っ た 。 検 出 月 別 で は8,9月
年 齢 ご と の 検 討 で は,β-ラ
Key
influenzaeに
在 生 じ て い る 問 題 点 に つ い て 検 計 し た 。 今 回 の 検 討 期 問 中,
ク タ マ ー ゼ 産 生 イ ン フ ル エ ン ザ 菌 が46株(14.9%),β-ラ
株(27.2%)で
れ,難
受 理)
か ら2000年6月
ま で の1年7
か 月 間 に 当 院 で 治 療 を行 っ た小 児 急 性 中 耳 炎 症 例 の うち
で,309株
が 分
つ β-ラ ク タ マ ー ゼ 非 産 生 ア ン ピ シ リ ン 耐 性 イ ン フ ル エ ン ザ
離 さ れ た 。 そ の な か に は 急 性 中 耳 炎 を 反 復 し,繰
り返 し
菌(β-lactamase-negative
H.influenzaeが
に よ る も の で あ っ た6∼10)が,最
influenzae,以
近 それ とは別 の耐性 機構 を も
ampicillin-resistant
下BLNAR)の
H.
分離 検 出頻 度 の増 加 が い われ
て い る11∼14)。
最 近,ペ
pneumoniae,
化,反
齢 は 生 後3か
性 別 は,男
ニ シ リ ン 耐 性 肺 炎 球 菌(penicillin
以 下PRSP)に
復 化 が い わ れ15∼22),著
よ る,小
resistant
S.
児 急性 中耳 炎 の 難 治
者 も当 院 で の 分 離 頻 度 お よ び 治
こ の よ う な 耐 性 化 に 伴 い,H.influenzaeに
る 小 児 急 性 中 耳 炎 の 難 治 化,反
*岡 山県 岡 山 市 富 原3702
-4
復 化 も い わ れ て き て い る5)。
2.細
検 出 さ れ た27例
月 か ら180か
児138例,女
月,平
児144例
が含 まれ てい る。年
均45.3か
月で ある。
で あ っ た(Fig.1)。
菌検査 の方法
細 菌 検 査 は,外
耳 道 を 消 毒 し た 後 に 鼓 膜 切 開 を 行 い,
中 耳 か ら 得 ら れ た 貯 留 液 を 用 い る の を 原 則 と し た が,初
診 時 に 外 耳 道 に 耳 漏 の 見 ら れ た 一 部 の 症 例 で は,外
療 成 績 に つ い て 報 告 し て き た23,24)。 し か し な が ら,H.
influenzaeの
イ ン フ ル エ ン ザ 菌 が 検 出 さ れ た282例
よ
耳道
の消 毒 を 行 った 後 に 中耳 か ら得 られ た耳 漏 を 用 い て 行 っ
た 。H.influenzaeの
ス ク リ ー ニ ン グ は,岡
山医学検査
JUNE
日 本 化 学 療 法 学 会 雑 誌
356
2001
液寒天培地お よび
は,benzylpenicillin(PCG)とcefazolin(CEZ)を
チ ョ コ レ ー ト寒 天 培 地 で,35℃5%炭
酸 ガ ス 培 養 で2日
質 と し たacidmetry
間 行 い,検
つ い て は,薬
会 社 日 本 生 物 材 料 セ ン タ ー)と,nitrocefinを
セ ン ター に て 行 っ た 。 分 離 培 養 は,血
出 さ れ たH.influenzaeに
受 性 お よ びMIC測
剤感
定 を 明 治製 薬 中 央 研 究所 に て 日本 化
学 療 法 学 会 標 準 法 に 従 い.微
定 し た 。BLNARの
量 液 体 希 釈 法 蜘を 用 い て 測
定 義 に つ い て は,「
たchromogenic
Dickinson
対 す るMICが1.0μg/mL以
上 あ る
1.疫
309株
判 定 し た 。 ま た,薬
剤感 受性 につ い
症 例 を 含 む)の
剤(benzylpeni-
は,夏
以 下CCL,cefditoren:以
下CFDN,erythromycin:以
下
う に1.0μg/mLと4、0μg/mL以
下CLDM,levofloxacin:以
下
性 の 分 布 を 示 し た 。CCLに
下MINO)に
つ い て検 討 を行
小 児 科 領 域 で は 適 応 が な い が,現
在 もっ
あ っ た(Fig.2)。
月別で
後 の症例 か ら
示す よ
上 に ピ ー ク を も つ2峰
対 す るMICは,Fig.4に
す よ う に8.0μg/mLと16.0μg/mL以
つ2峰
数 回 治療 した
対 す るMICは,Fig.3に
下CPDX,cefdinir:以
っ た 。LVFXは
の 期 間 に 当 院 で 治 療 した
検 出 さ れ た 。 今 回 分 離 さ れ たH.
EM,clindamycin:以
LVFX,minocycline:以
か らの べ
月 の 症 例 の 約50%前
influenzaeのABPCに
下CDTR,cefpodoxime:以
用 い た。
ピ ソ ー ド(複
う ち46.3%で
期 を 除 き,各
H.influenzaeが
下ABPC,cefaclor:
基 質 と し
果
検 出 さ れ た 。 こ れ は,こ
も の をBLNARと
下PCG,ampicillin:以
Systems)を
小 児 急 性 中 耳 炎 症 例609エ
上 で あ る
口 抗 菌 薬 の う ち 代 表 的 な10製
株 式
フ ィ ナ ー ゼ,Becton
今 回 の 検 討 期 聞 に,H.influenzaeは282例
対 す るMICが16.0μg/mL以
て は,経
ェ ック
学 的検 討
い はcefaclorに
cillin:以
method(セ
Microbiology
肺炎球 菌等 によ
う ち β-ラ ク タ マ ー ゼ を 産 生 せ ず
か つampicillinに
disc
基
method(β-チ
II.結
る市 中 感 染 症 」 研 究 会 の 判 定 基 準26)に準 拠 し た 。 す な わ
ち,H.influenzaeの
disc
示
上 に ピー クを も
性 の 分 布 を 示 し た 。 以 上 の 分 布 お よ び,β-ラ
と も 汎 用 さ れ て い る ニ ュ ー キ ノ ロ ン 系 抗 菌 薬 と して 今 回
タ マ ー ゼ の 産 生 の 有 無 か ら 検 討 し た と こ ろ,ABPC感
の 検討 に加 え た。
受 性 株179株(57.9%),BLNAR84株(27.2%),β-
3.β-ラ
ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株46株(14.9%)で
ク タマ ー ゼ 産 生 能
分 離 さ れ たH.influmzαeの
β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 能
influenzaeの
Fig. 1. Age and gender distribution
of patients
with
Haemophilus influenzae—induced acute otitis media.
Fig.
の 夏 期 に は 少 な く,
BLNAS: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
BLNAR: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin-resistant
3.
mophilus
あ っ た 。H.
検 出 時 期 は,8,9月
BLP: ƒÀ-lactamase-positive
Distribution
of
influenzae
-sensitive
Haemophilus
MICs
of
isolated
ク
Haemophil.
influenzae
Haemophil.
influenzae
influenzae
ampicillin
from
against
middle
Haeear
effu-
sion
Fig. 2.
zae.
Monthly
distribution
of Haemophilus
influen-
Fig. 4.
Distribution
philus influenzae
of MICs of cefaclor against
Haemo-
isolated from middle ear effusion.
VOL.49
NO.6
H.influenzaeに
よ る小児 急 性 中 耳 炎
冬 期 に 多 い と い う 分 布 を 示 し て い た 。 ま た,BLNARと
は,ABPC感
β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株 の 耐 性 株 は,各
に,ま
influenzae全
体 のo%か
ら75%を
月 のH.
占 め て お り,季
節 に
検 出 さ れ たH.influenzaeの
討 し て み る と,β-ラ
耐 性 度 を 各 年 齢 ご と に検
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 は,1歳
歳 代 に ピ ー ク を も つ2峰
BLNARは,1歳
代 と4歳
た が,そ
性 の分
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 と比 べ る
と,そ の 分 布 曲 線 は 急 峻 で あ っ た 。ABPC感
1歳 代 と5歳
代 と7
性 の 分 布 を 示 し て い た。
代 に ピ ー ク を も つ2峰
布 を 示 し て い た が,β-ラ
代 に ピ ー ク を も つ2峰
の 間 の 年 齢 に も,か
受 性 株 は,
性 の 分 布 を示 して い
な り の 頻 度 で 分 布 して い た
菌 学 的 検 討(薬
剤 感 受 性)
今 回 検 討 し たH.influenzaeに
ち,BLNARの
回 検 討 し た10製
判 定 に 用 い たABPC,CCLお
剤 の う
半 は,4.0μg/mL
を 超 え る と こ ろ に 分 布 して い た(Fig.3)。
つ い て で あ る が,全
い た 。ABPC感
受 性 株 は1.0μg/mLか
ら8.0μg/mLの
ろ に,β-ラ
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 は2.0μg/mL以
ろ に 分 布 し て い た(Fig.7)。
る が,全
ドの と こ ろ に 分 布
β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株 は,い
下 か ら0.5μg/mLの
ず
間 に分 か れ て
っ と も感 受 性 の 良 い 株 と 悪 い 株 と の 間
の 違 い が 見 ら れ た(Fig.8)。
次 に,今
回 検 討 し た 経 口 抗 菌 薬10製
H.influenzaeに
で 比 較 検 討 し て み る と,MIC80が1μg/mL以
剤 のMICの
分
1に 示 す 。 各 抗 菌 薬 の 抗 菌 力 をMIC80,MIC90
下の もの
つ い て 感 受 性 分 布 を 示 す 。 ま ずABPC
BLNAS: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-sensitive
Haemophilus
influenzae
BLNAR: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-resistant
Haemophilus
influenzae
-positive
Haemophilus
BLP: ƒÀ-lactamase
5.
つ いて であ
ドの と こ ろ に 分 布 し て い
受 性 株 は0.06μg/mL以
分 布 し て お り,も
上 の とこ
次 にCDTRに
株 と も0.5μg/mL以
た 。ABPC感
に は4管
上の と こ
布 をTable
Fig.
上 に分 布 して
間 に 分 布 し て い た 。BLNARは4.0μg/mL以
よび現 在
対 す る感 受 性 が もっ と も よい と され て
次 にCCLに
株 と も1.0μg/mL以
市 販 さ れ て い る 経 口 抗 菌 薬 の う ち 小 児 用 製 剤 が あ りか つ
い るCDTRに
下 の とこ ろ
下 か ら4.0μg/mL
上 に 分 布 し て い た が,大
れ も0.03μg/mL以
対 す る各 種 薬剤 に 対 す
る感 受 性 結 果 を 示 す 。 ま ず,今
株0.5μg/mL以
の 間 に 広 く分 布 し て い た 。 β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株 は,
し て い た 。BLNARと
(Fig.6)。
2.細
受 性 株 は,全
たBLNARは,0.125μg/mL以
4.0μg/mL以
よ り 占 め る 割 合 の 変 動 が 認 め ら れ た(Fig.5)。
357
Monthly
distribution
influenzae
of
-negative
ampicillin
-sensitive
Haemophilus
influenzae
BLNAR: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-resistant
Haemophilus
influenzae
-positive
Haemophilus
BLP: ƒÀ-lactamase
Fig.
Haemophilus
BLNAS: ƒÀ-lactamase
7.
Distribution
philus
influen-
of
MICs
influenzae
of
cefaclor
against
middle
ear
Haemo-
influenzae
isolated
from
effusion.
BLNAS: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-sensitive
Haemophilus
influenzae
BLNAR: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-resistant
Haemophilus
influenzae
BLP: ƒÀ-lactamase
-positive
Haemophilus
Distribution
of
zae.
BLNAS: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-sensitive
Haemophilus
influenzae
BLNAR: ƒÀ-lactamase
-negative
ampicillin
-resistant
Haemophilus
influenzae
-positive
Haemophilus
BLP: ƒÀ-lactamase
Fig.
6.
Age
distribution
of
influenzae
influenzae
Haemophilus
influenzae
Fig.
8.
mophilus
patients.
effusion.
influenzae
MICs
of
isolated
cefditoren
against
from
middle
Haeear
JUNE
日 本 化 学 療 法 学 会 雑 誌
358
は,CDTR,CPDX,LVFX,MINOで
あ り,感
受性 の
良 好 な 順 にCDTRが0.06μg/mL,LVFXが0,125μg/
mL以
回 目 に 検 出 さ れ たH.influenzaeは
生 株,2例
下,CPDXとMINOが0.25μg/mLで
あ っ た。
で は2回
ABPC感
2001
β-ラ ク タ マ ー ゼ 産
目 に 検 出 さ れ たH.influenzaeは
受性株 で あ った。いず れの 症例 も反復 性 中耳
炎 あ る い は 滲 出 性 中 耳 炎 に 移 行 し,鼓
膜 換 気 チ ュ ー ブ留
LVFX,MINOで,CPDXとMINOが0.5μg/mLと1
置 術 を 施 行 し た 。D群
は,そ
管 右 方 移 動 し て い る 以 外 は い ず れ もMIC80と
耳 炎 を 反 復 し2回
目 に 検 出 さ れ たH.influenzaeは
ず れ もBLNARで
あ っ た 。 初 回 にBLNARが
MIC90が1μg/mL以
下 の
を 示 し た 。(Table
10製
も の は,CDTR・CPDX・
1)。 ま た,MIC90で
は今 圃検 討 した
剤 の 抗 菌 薬 の う ち4.0μg/mL以
も の は6製
3.臨
上 の 耐 性 を示 した
た72例
C群
剤 で あ った 。
中.A群
床的検討
を 対 象 に,臨
数 回H.influenzaeが
検 出 さ れ たH.influenzaeの
は13例(18.1%),D群
床 的 検 討 を行 っ た
は2例(5.0%),C群
は3例
感 受 性 結 果 を も とに治 療 成
び β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株 が 検 出 さ れ た 症 例 で,C群,
の 鼓 膜 切 開 と抗 菌 薬 投 与 で 治
癒 し た 症 例(A群)(Excellent),(2)2回
復性 中耳
が で き な か っ た 症 例(E群)(Unable
跡
to assess)に
分 け
に属 す る症 例 は なか っ た。
回 検 討 し た 症 例 の な か に は,反
復 性 中耳 炎 と い
う よ り滲 出 性 中 耳 炎 に 近 い 状 態 と な り鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ
留 置 術 を 施 行 し た 症 例 も み ら れ た が,こ
あ っ た。
察
菌学的検 討
急 性 中耳 炎 は小 児 が 罹 患 す る上 気 道 感 染 症 の うち で も
膜換 気 チ ュー ブ 留 置 術 を施 行 す る
も 留 置 後 も 耳 漏 が 反 復 し た 症 例(D群)(Poor),(5)追
っ と も 一 般 的 な 感 染 症 の ひ と つ で あ り,Teeleら27)は1
歳 ま で に60%以
上,3歳
ま で に80%以
が ら,従
来 の 急 性 中 耳 炎 と 異 な り,最
よ る 難 治 性,反
一 方
近 で はPRSPに
復 性 中 耳 炎 症 例 の 報 告 が 見 ら れ る15∼24)。
,BLNARの
出 現 に 伴 い,小
炎 菌 と し てS.pneumoniaeと
の 症 例 もC群
上 の小 児 が 最 低
1回 以 上 の 急 性 中 耳 炎 に 罹 患 す る と し て い る 。 しか し な
児 の 上 気 道 感 染 症 の起
共 に 重 要 な 起 炎 菌 と され
に 分 類 し た 。 今 回 の 治 療 成 績 をTable
2に 示 す 。 初 回 に
て い るH.influenzaeに
ABPC感
中,A群
告 も 見 ら れ る よ う に な っ て き た 。H.influenzaeの
受 性 株 が 検 出 さ れ た170例
は7例(4.1%),C群
さ れ な が らC群,D群
C群
の14例
中8例
目 に 検 出 さ れ たH.
あ り,残
Table 1.
CLDM: clindamycin,
耐 性 は,1974年
受性 株 が検 出
と な っ た 症 例 を検 討 し て み る と
で は,2回
influenzaeはBLNARで
PCG: benzylpenicillin,
は146例
は14例(8.2%),
あ っ た 。ABPC感
Antimicrobial
ABPC:
ampicillin,
LVFX: levofloxacin,
り の う ち4例
MINO:
CDTR:
minocycline
のABPC耐
復 性 中耳 炎 の報
性H.influenzae感
れ は,β-ラ
薬剤
染症 の
ク タ
マ ー ゼ 産 生 に よ る薬 剤 の不 活性 化 に よ る耐 性 機 構 で あ っ
た 。 そ の 後,1980年
で は2
よ る 難 治 性,反
報 告 に よ る も の が 最 初 で あ る6)が,こ
にBLNARに
告 さ れ た12)。 こ れ は,ペ
susceptibility of 309 Haemophilus
CCL: cefaclor,
よ
自 以 降 に 検 出 さ れ たH.
い ず れ もBLNARで
III.考
1.細
炎 に 移 行 し鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ 留 置 術 を 施 行 し た 症 例(C
て 検 討 を 行 っ た 。 今 回 はE群
に な っ た 症 例 で は,2回
の 鼓 膜 切 開 と抗
菌 薬 投 与 で 治 癒 し た 症 例(B群)(Good),(3)反
は3例(1.8%)で
中,A
検 出 され た症 例 で は初 回 に
行 っ た 。 す な わ ち,(1)1回
(85.9%),B群
あ っ た。
は 見 ら れ な か っ た 。 初 回 にBLNARお
influenzaeは
D群
検 出 され
(7.5%),D群
D群
ま た,今
い
は1例(1.4%),
は9例(1.4%)で
群 は35例(87,5%),B群
績 を 検 討 し た 。 治 療 成 績 は 以 前 著 者 が 報 告 し た 方 法23)で
群)(Moderate),(4)鼓
は57例(79.1%),B群
の後 急 性 中
初 回 に β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 株 が 検 出 さ れ た40例
今 回 検 討 し た284例
が,複
同 じMIC
と な っ た3例
cefditoren
よ る 髄 膜 炎 症 例 が報
ニ シ リ ン結 合 タ ンパ ク 遺伝 子 の
influenzae isolated from middle ear effusion
, CPDX:
cefpodo)dme,
CFDN:
cefdinir,
EM: erythromycin,
VOL.49
NO.6 H.influenzaeに
Table
2.
Clinical
よ る 小 児 急 性 中 耳 炎 summary
of acute
BLNAS:
β-lactamase-negative
ampicillin-sensitive
Haemophilus
influenzae
BLNAR:
β-lactamase-negative
ampicillin-resistant
Haemoohilus
influenzae
BLP:
A:
β-lactamase-positive
Haemophilus
Excellentresult8,B:
Good
results,
C:
もの で あ る28,29)。
従 来,こ
ま で,耳
Moderate
results,
D:
Poor
ニ シ リ ン結 合 タ ンパ
薬 剤親和性 が低 下 す るこ とに起 因 す る
influenzaeの
patients
influenzae
変 異 に よ る 耐 性 機 構 で あ っ た が,ペ
ク の3a,3bの
otitis media
359
の2番
目 の 耐 性 機 構 に よ るH.
る 。 し た が っ て,今
後 は,H.influenzaeの
検 討 す る に あ た っ て は,共
耐性 頻 度 を
通 の 判 定 基 準 を設 定 す る 必 要
が あ る と考 え られ る。
検 出 頻 度 は 低 い と 考 え ら れ て き た30)。現 在
鼻 咽 喉 科 領 域 に お け るPRSPの
result8
検 出頻 度 の報
告 は 多 く認 め ら れ る 。 し か し な が ら,H.influenzaeの
抗 菌 薬 の 感 受 性 結 果 は,従
来 の 報 告 とほ ぼ 同 様 の結 果
で あ っ た4,11,32)。
ペ ニ シ リ ン 系 抗 菌 薬 は,MIC80はPCG
で4.0μg/mL,ABPCで2.0μg/mL,MIC90は
い ず れ
耐性 菌 の検 出頻 度 につ い て の 耳 鼻 咽 喉 科 領 域 か らの 詳細
も4.0μg/mLを
な 検 討 お よ び 報 告 は 見 ら れ な い 。 今 回 の 検 討 で は,H.
様,耐 性 化 が 進 ん で い た 。セ フ ェ ム 系 抗 菌 薬 で は,CDTR
influenzae
やCPDXの
よ う に,良
やCFDNの
よ う に 耐 性 化 が 著 明 な も の に2分
309株
中,β-ラ
(14.9%),BLNAR
ク タ マ ー ゼ 産 生 株46株
84株(27.2%)で
あ っ た 。 β-ラ ク
越 え る と こ ろ に あ り,従
好 な 感 受 性 を 示 す も の と,CCL
タマ ー ゼ 産 生 株 の 最 近 の わ が 国 で の 報 告 は10∼25%と
特 に,CDTRは,MIC90が0.06μg/mLと
い わ れ て お り,ま
抗 菌 薬 の な か で は,も
%,小
た,最
栗 ら11)が14.7%で
近 の 報 告 で は,渡
あ っ た と し て い る。 今 回 の 当
院 で の 検 討 で は,14.9%と
い ま まで の 報 告 と ほ ほ 同 様
の 結 果 で あ っ た 。BLNARの
3%と
邊 ら31)が13 .5
検 出 頻 度 は,海
い わ れ て い る が,最
近 ま で,わ
外 で は1∼
が 国 で は,そ
の検
された。
今回検討 した
っ と も良 好 な感 受 性 を示 した 。 こ
の 結 果 は,渡
邊 ら31),小 栗 ら11)黒
あ り,β-ラ
ク タ マ ー ゼ 産 生 株,BLNARを
influenzaeに
よ る 感 染 症 の う ち,特
口 抗 菌 薬 で は,第
来の報 告 と同
崎30)の 報 告 と 同 様 で
含 めH.
に小児 に対す る経
一 選 択 薬 と考 え て よい の で は な い か と
出 頻 度 は 比 較 的 少 な い と さ れ て き た 。 し か し,1998年
考 え ら れ た 。 キ ノ ロ ン 系 抗 菌 薬 は 今 回 はLVFXの
み 検
に 森 川 ら32)がわ が 国 で は じ め て のBLNARに
討 を 行 っ た が,今
は,
髄 膜 炎 症 例 を 報 告 し て お り,ま
出 頻 度 は,1993年
で29%で
邊 ら31)が2.2%,小
を,NCCLの
判定
対す る感受性
す る
上 のH.influenzaeを
す る か に よ る違 い で あ る と考 え られ る。 特 に
今 回 の 当 院 で の 検 討 で は,生
に,ペ
ノ ロ ン系 抗 菌 薬 の 適 応 の な い 小 児 症 例 か ら も ,キ
ニ シ リ ン 結 合 タ ン パ ク の 変 異 に 従 い,ABPCに
BLNARと
方 ら28)が報 告 し て い る よ う
ニ シ リ ン 結 合 タ ン パ ク の 変 異 に 従 い.ABPCに
対 す る 感 受 性 が1.0μg/mL以
感 受 性 が16.0μg/mL以
と 判 定 し た た め に,検
上 あ る い はCCLに
対す る
上 のH.influenzaeをBLNAR
出 頻 度 が 他 の 報 告 と比 較 して 高 く
認 め ら れ な か っ た 。 し か し,今
耐 性 のH.influenzaeが
2.疫
今 回 検 討 し た 全 症 例 の 年 齢 分 布 は,生 後3か
歳 で 平 均3歳9か
月 で あ り,1歳
が 認 め ら れ た 。 ま た,0歳
較 的 多 く,8歳
は,以
し て い た2%こ
月 か ら15
代 に検 出 年 齢 の ピ ー ク
代 か ら5歳
代 まで の 症 例 が 比
以 上 の 症 例 は 少 な か っ た 。 この 年 齢 分 布
前 著 者 が 報 告 し たS.pneumoniaeの
れ を,β-ラ
分 布 と類 似
ク タ マ ー ゼ 産 生 株,BLNAR,
ABPC感
受 性 株 別 に 検 出年 齢 を検 討 した 結 果 で は,
ABPC感
受 性 株 と 比 較 し,BLNAR,β-ラ
産 生 株 で は,低
ク タマ ー ゼ
年 齢 にその分 布が 多 い傾 向 が 認め られ
た 。 し か し な が ら,S.pneumoniaeで
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 とBLNARを
栗 ら11)の報 告 に 近 い も の と な
分
学的検討
NCCLの
な り,小
ノ ロン
検 出 さ れ る 可 能 性 も あ り,十
な24),著
基 準 に し た が っ て 表 し て み る と,BLNARは,
後 は,キ
な注 意 を 要 す る と思 わ れ る。
な っ た も の と 考 え ら れ る 。 今 回 の 当 院 の 検 討 成 績 を,
21株(6.8%)と
あ り,渡
栗 ら11)
上 のH.influenzaeをBLNARと
対 す る 感 受 性 が1.0μg/mL以
も っ と も 耐 性 が 進 ん で い た 株 は1.0μg/mLで
邊 ら31)が 報 告 し て い る よ う な キ ノ ロ ン 耐 性 のH.
influenzaeは
検 出 頻 度 につ い て
判 定 基 準33)に 従 い,ABPCに
回 検 討 を 行 っ たH.influenzaeで
基 準33)
な りの 差 が 認 め ら れ る 。 こ れ は,BLNARの
が2.0μg/mL以
か,ペ
あった と
あ っ た と し て い る 。 今 回 の 当 院 で の 検 討,森
川 らの 報 告 と 比 較 す る と,BLNARの
は,か
検
近 の 報 告 で は,NCCLの
に し た が っ た もの で あ る が,渡
が5.1%で
た 同 時 に,BLNARの
で15%,1996年
報 告 し て い る 。 ま た,最
よる 化 膿 性
明 な 傾 向 は 認 め ら れ ず,ま
pneumoniaeの
見 られ た よ う
た,全
体 的 に β-ラ
あ わ せ た 耐 性 菌 も,S
ペ ニ シ リ ン 中 等 度 耐 性 肺 炎 球 菌(penicil-
.
360 日 本 化
lin-intermediate
PISP),ペ
resistant
S.
pneumoniae,以
下PRSP)ほ
代 と4歳
代の
S.pneumoniaeと
お いて
二
峰 性 の ピ ー ク を 認 め,こ の 点 も,
の 点 につ い て
後 の 検 討 が 必 要 な もの と思 わ れ る。
な か で も,最
す るIgG2が
近 は 免 疫 グ ロ ブ リ ン.特
低 値 で あ っ た り,欠 損 して い る 場 合 も あ り,
今 後 は こ の よ うな 宿 主状 態 も考慮 に 入 れ て小 児 急 性 中耳
の検 出
期 に多 く夏期 に 少 な い 傾 向 が 認 め られ た 。 一
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 とBLNARを
あわせ た耐性
に よ っ て 異 な り,S.pneu-
近 は,こ
期 で も,耐
う な 症 例 に 対 し て は,積
性菌
状 態 と し て よ い と 考 え て い る 。 し か し,今
在 の とこ ろ こ の よ うな疫 学 的検 討
の 報 告 が な く今 後 の 検 討 が 必 要 と思 わ れ る 。
例(1.4%)で
あ り,感
難 治 性,反
の 治 療 成 績 は,症
例全 体 で
膜 切 開 お よび抗 菌 薬 の投 与 で現 在 の とこ ろ治 癒 し
た と 考 え ら れ る も の238例(88.0%),鼓
受 性 株 が 検 出 され た 症
検 出 さ れ た 症 例 で は1
受 性 株 の 検 出 さ れ た 症 例 で も,
復 性 中 耳 炎 に 移 行 す る 症 例 も あ り,今
に 対 し て は,免
今 回 検 討 を 行 っ た282例
は,鼓
め ら れ,ABPC感
疫 学 的 な 検 索 は 行 わ な か っ た が,今
床的検討
膜 換気 チ ュー
回鼓 膜換 気 チ
ュ ー ブ 留 置 術 を 施 行 し て も 耳 漏 の 反 復 を 示 す 症 例 が4
例 で は3例(1.8%),BLNARが
ぜ その傾 向 が 異 な るの
の 傾 向 は 当 院 だ け で な く他 の 施 設 で も 同 様 の 傾 向
3.臨
極 的 に 鼓 膜 換 気 チ ュー ブ留 置術
置 中 は ま だ 治 療 中 で あ る と 考 え る べ き で あ る が,
例(1.4%)認
が 認 め ら れ る の か,現
復性 中耳炎や
を 行 っ て い る。 鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ 留 置 術 を 施 行 した 場
合,留
niaeとH.influenzaeで
は,な
の 治 療 を行 う施 設 も徐 々に
中 耳 炎 の 反 復 状 態 か ら 解 放 さ れ る と い う点 で は 一 応 寛 解
よ う な 一 定 の 傾 向 は認 め られ な か っ た。 す な
期 で も 耐 性 菌 の 割 合 が 低 く,夏
と こ ろ で あ る が,最
増 加 して き て い る 。 当 院 で は 以 前 か ら,反
の 割 合 が 高 い 月 も 認 め ら れ た 。 こ の よ う に,S.pneumo-
か,こ
に細 菌 感 染 に 関 与
鼓 膜 切 開 を 短 期 間 に 繰 り 返 し施 行 し な け れ ば な ら な い よ
月 別 の 検 出 率 の 検 討 で は,そ
菌 の 検 出 頻 度 の 割 合 い は,年
わ ち,冬
剤 感 受 性 の み で な く宿 主 の 状 態 に 問 題 が あ る 場 合 も あ
に 対 す る鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ留 置術 に つ い て は議 論 の あ る
H.influenzaeの
moniaeの
2001
炎 の 治 療 を 行 う必 要 が あ る と 考 え られ た 。 反復 性 中 耳 炎
科 領 域 で も問 題 と な って い る こ と と な ん らか の 関
方,β-ラ
JUNE
耐 性 が乳 幼 児 か ら小 児 の み な ら
係 が あ る か も しれ な い 。 しか し な が ら,こ
頻 度 は,冬
誌 は 異なった傾 向であ った。 この こ と
は,H.influenzaeの
は,今
会 雑
る 。 こ の 点 に つ い て は 山 中 ら脚 の 詳 細 な 報 告 が あ る が,
ど 高 頻 度 で は な く,ま
だ そ の 耐 性 化 の 傾 向 は 少 な か っ た 。BLNARに
ず,内
下
ニ シ リ ン 耐 性 肺 炎 球 菌(penicillin-resistant
S.pneumoniae,以
は,1歳
学 療 法 学
疫 学 的 な 検 索,特
す る 特 異 的 抗 体 の 検 索 を 行 い,治
回 は免
後 は この よ う な症 例
にH.influenzaeに
対
療 す る 際 に 抗 菌 薬 の投
与 の み で は な く免 疫 学 的 な 面 か ら も 同 時 に 治 療 を 行 う 必
要 が あ る と 考 え られ た 。 ま た,鼓
膜 換 気 チ ュ ー ブ留 置術
ブ の 留 置 で 現 在 の と こ ろ 寛 解 し て い る と考 え ら れ る も の
を 施 行 した 症 例 の 鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブの 抜 去 の 時 期 に つ い
30例(10.6%),鼓
て は,抜
去 後 に 急 性 中耳 炎 を 再 発 す る可 能性 もあ る こ と
か ら,上
咽 頭 か ら の 細 菌 培 養 を 行 い こ の 部 位 か ら のH.
膜 換 気 チ ュ ー ブ を留 置 す る も耳 漏 の
出 現 が 反 復 し て い る も の4例(1.4%)で
治 療 成 績 は,以
あ っ た 。 この
前 報 告 し たS.pneumoniaeの
治療 成績
と比 較 す る と24),有 意 差 を 認 め な い も の のH.influenzae
influenzaeの
完 全 な 除 去 を 確 認 した 後 に 行 うべ きで あ
る と考 え ら れ た.
が 検 出 され た症 例 の 方 が 治 療 成 績 が や や 良 好 な傾 向 が 見
ら れ た 。ま た,H.influenzaeが
検 出 さ れ た 症 例 の う ち,
文
1)
と鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ の 留 置 で 現 在 の と こ ろ 寛 解 して い る
と こ ろ,耳
に つ い て,詳
漏 が 反 復 し て い る4例
細 に 検 討 して み た
で は,ABPC感
株 が 検 出 さ れ た 症 例 で は170例
中3例(1.8%),BLNAR
が 検 出 さ れ た 症 例 で は72例
中1例(1.4%),とH.
influenzaeの
2)
受 性
3)
た 。 しか し な が ら,寛
解 し て い る30例
受 性 株 が 検 出 さ れ た 症 例 で は170例
で は,ABPC感
4)
検 出 さ れ た 症 例 で は72例
%),β-ラ
ク タ マ ー ゼ 産 生 株 が 検 出 さ れ た 症 例 で は40
例 中3例(7.5%)とBLNARが
中13例(18
.1
5)
検 出 さ れ た 症 例 で ,鼓
膜 換 気 チ ュー ブ の 留 置 術 を施 行 した 症 例 が 多 い 傾 向 が 認
め ら れ た 。 す な わ ち,通
常 の 鼓 膜切 開術 お よび抗 菌 薬 の
投 与 で は 治 癒 さ せ る こ と が で き ず,難
炎 に 移 行 し た 症 例 がBLNARに
治 性,反
7)
復性 中 耳
多 い傾 向が あ った と考
え ら れ る 。 こ の よ う な 症 例 で は,感
染 して い る細 菌 の 薬
∼2331 , 1993
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2330
60,
中14例(8.2%),
BLNARが
以 降14年
ン フ ル エ ン ザ 菌-内
耐 性 別 で は ほ ぼ 同 様 の 傾 向 が 認 め られ
献
裕, 春 田 恒 和, 森 川 嘉 郎, 他: 本 邦27施
お け る1981年
鼓 膜 換 気 チ ュ ー ブ の 留 置 後 も 耳 漏 が 反 復 し て い る4例
と 考 え ら れ る も の30例
小林
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influenzae
the
of the
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to
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小 栗 豊 子,
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域14:
12)
tant,
S
13)
M:
mother
17:
Rubin
L G,
302•`306,
A A,
failure
95
ity
survey
to
States.
16)
strain
Agents
Yolken
of
R
H,
et
M
Haemophilus
orally
laboratory
Diadn
J
influenzae
al.:
Am-
27)
b
al.:
Dis.
27:
the
75•`83,
D
J O,
Otitis
Media
W,
Klein
During
in
J
生 方 公 子,
29)
1997
Parr
22∼25,
T R,
of
lactam
antibiotics.
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1989
Mecanism
of resistance
of
influenzae
玉 田 貞 雄,
influenzaeの
333∼340,
お よ び β-ラ
dards:
他:
臨 床 分 離Hae-
2000
β-ラ
ク タ マ ー ゼ 陰 性, ampicillin
(type
b)
に よ る化 膿 生 髄 膜 炎
1998
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昇,
21)
34)
to ƒÀ-
ク タム薬 に対す る薬 剤 感受 性 。 日化療 会
156∼160,
National
b
Chemother
薬 剤 感受性 に関す る検討 。 日
森 川 嘉 郎, 宍 田 紀 夫:
誌46:
type
Agents
1994
二 木 芳 人,
耐 性 イ ン フ ル エ ンザ 菌
33)
an
clinical
Antimicrob
72∼73,
渡 邊 信 介,
化 療 会 誌48:
32)
13: 1147∼1151,
1998
in
1984
1997
1075∼1081,
of
Life
ペ ニ シ リ ン耐 性 肺 炎 球 菌 。 小 児 呼 吸 器 疾 患
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A
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B:
First
Boston:
Dis
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Rosner
the
Greater
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Teele
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type
A,
定法
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Che-
Lancet
adminidtered
center
Microbiol
微 量 液 体 希 釈 法 に よ るMIC測
Hae-
influenzae
Washington
間 の 検 討-。
1999
of
28)
R,
まで の1年
387∼395,
and
apparently ƒÀ-lac-
novel ƒÀ-lactamase.
Jacobs
of
ten
25)
26)
ampicillin-resis-
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R N,
clinical
15)
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1008•`1010,
Jones
an
Haemophilus
due
二木 芳 人, 他: 肺 炎 球 菌 に よ る
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Medeios
宇 野 芳 史, 渡 辺 信 介,
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tamase-negative
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of
Antimicrob
treatment
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他:
396∼
1998
会 標 準 法 。 Chemotherapy
Isolation
influenzae.
picillin
14)
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non-ƒÀ-lactamase
mophilus
491∼498,
中 村 文 子,
24)
性 状 に
次 推 移 を中 心 に。 化学 療 法 の 領
1147∼1156,
Markowitz
本邦 で 分 離 され た
influenzaeの
下気 道 炎 の 検 討 日化 療 会 誌
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耳 炎 の 臨 床 的, 細 菌 学 的 検 討 。 日 化 療 会 誌46:
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American
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for
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1998
362 日 本 化 学 療
Clinical,
法 学
Uno Ent Clinic,
Clinical
and
by
isolated
negative
bacteriological
from
282
patients
strongest
the
same
in
in
1-and
effect
surgical
treatment
or
ear
H.
was
(myringotomy)
discharge
persisted
for
old
H.
the
By
1-
2000.
3.8
years).
H.
age
had
a
achieved
in
88.0%
,
further
but
in
antimicrobiological
12.0%
effect,
but
with
treatment
We
of
few
strain
showed
H.
strains
influenzae.
wish
2
H.
cefditoren
a combination
therefore
H.
peaks;
produced
that
(insertion
were
and ƒÀ-lactamase-
of oral ƒÀ-lactam
a
media
Ampicillin—sensitive
each
showed
MIC.
of patients.
treatment
strains
309
ampicillin-resistant
of patients
surgical
otitis
of
14.9%,
group,
antibiotics
strong
purulent
total
5-year-olds, ƒÀ-lactamase
influenzae.
proxietil
acute
A
influenzae
and
of oral ƒÀ-lactam
against
with
July
(average:
27.2%%.
in
Japan
children
and
and ƒÀ-lactamase-negative
MIC80
Cefpodoxime
and
1998
15 years
peaked
0.06ƒÊg/mL)
treatment
guidelines
to
influenzae
7-year-olds
4-year-olds.
infants
Okayama,
produced
influenzae
and
(MIC80:
results.
clinical
of preparing
3 months
in
December
57.9%, ƒÀ-lactamase
H.
1-
done
between
ampicillin-resistant
Effective
necessary
aged
comprised
influenzae
2001
Uno
3702-4 Tomihara,
were
influenzae
Ampicillin—sensitive
occurred
studies
Haemophilus
influenzae
JUNE
epidemiological, and bacteriological study of acute otitis media caused by
Haemophilus influenzae in infants and children
Yoshihumi
caused
会 雑 誌 pivoxil
had
antibiotics
resisted
of
oral
this
antibiotic.
tube)
the
the
showed
antibiotics
of a tympanotomy
to emphasize
H.
influenzae
importance
and
was